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モビルスーツ(Mobile Suit)編集

「ガンダムシリーズ」における人型機動兵器の総称。略称は「MS」。

動力源や駆動システム等の設定は各世界観で大きく異なるが、基本的に人型機動兵器を指す用語である点は作品間の共通認識として一致している。

非人型の機体はモビルアーマーと呼ばれる事が多いが、「機動戦士ガンダムSEEDシリーズ」では四足歩行型のバクゥラゴゥもMSに分類される。また、「機動戦士ガンダムAGE」ではMAという概念自体が無い為、シドのように非人型の機体であっても戦闘用に開発されていればMSに分類される。

各世界観のモビルスーツ 編集

宇宙世紀 編集

ミノフスキー物理学によって熱核融合炉の小型化に成功し、それを動力源として開発された全長18mクラスの人型ロボット兵器。ミノフスキー粒子散布環境下では、電波撹乱効果によって精密誘導機械が無力化され、有視界戦闘を行う必要性があった事から、ジオン公国軍が作業用という名目で開発を開始した事が始まりとなる。

AMBACによる高い姿勢制御能力と、宇宙・陸戦双方で既存兵器を上回る有用性を示し、ジオンに遅れる形で地球連邦軍も開発に成功し、以後この世界における主力兵器の座を獲得した。

水中運用能力を持った水陸両用型や、非人型に変形する可変モビルスーツサイコミュシステムを搭載したニュータイプ専用機といった派生モデルも数多い。また、18m未満で非戦闘用の機体はジュニアモビルスーツプチモビルスーツミドルモビルスーツと呼称され、戦闘用MSと区分されている。

開発年代に応じて明確な世代分けがされているのが特徴であり、一年戦争からデラーズ紛争までの間に開発された機体を「第一世代」と呼ぶ。人型のシルエットを持ち、用途に応じた武装をマニピュレータで携行して戦うというMSの基本形はこの段階で確立されていた。また、ビーム・ライフルに代表される携行型ビーム兵装もガンダムを皮切りにこの世代で実装されている。

一年戦争後に開発され、ムーバブルフレーム全天周囲モニターリニアシートガンダリウム合金を採用した機体は「第二世代」と呼ばれ、第一世代からワンランク上の性能や整備性を獲得。

更に第二世代をベースに可変機構を取り入れた可変モビルスーツを「第三世代」、サイコミュと高出力メガ粒子砲を標準装備した機体を「第四世代」、ミノフスキークラフトによる大気圏飛行能力を有した機体を「第五世代」と呼称し、時代の変遷と共に進化を遂げていった。しかし、MSの発展は複雑な機構やシステムの搭載によって機体の大型化とコスト増を招き、第五世代機以降はサナリィを中心にMSの小型・高性能化を意図した「第二期モビルスーツ」を開発。以降は15mクラスの機体がMSの標準サイズとして適用されるようになった。

MSはそれ自体が強大な武器である反面、ジェネレーターに被弾した場合、大規模な爆発が発生する危険性を孕んでいる[1]。更に第二期MSのそれはヘリウム3をIフィールドで縮退寸前の状態で圧縮している関係から、より大規模な爆発を起こすリスクが高くなっている。

未来世紀 編集

未来世紀のMSは本来作業用機械として発展したものが武装化され、第一次カオス戦争で急速に兵器として発展。ガンダムファイトが開始されるようになった後は主にコロニーの警備に用いられ、国家を代表するべく開発されたモビルファイターと区別されている。

国家の威信をかけて持てる技術の粋を集めて開発されるMFとは違いあくまで量産を前提にした兵器である為、性能はMFと比較して劣る。

ただし小説版『Gガンダム』の世界観においては真逆の立場となっており、競技用として開発されたモビルファイターよりも軍用として開発されたモビルスーツの方が単純な性能で勝っている。

アフター・コロニー 編集

Manipulative Order Build and Industrial Labors Extended Suit(建設および工業労働用有腕式拡充型(宇宙)服)」 の略称。元々はコロニー開発用の作業用機械を兵器転用した物であり、レーダー・ステルス・ジャミング技術の発展とともに従来型の誘導兵器を用いた近代戦が衰退する中でその有用性を発揮していった。人型を採用している利用については、ロームフェラ財団が憧憬や恐怖、人間臭さを考慮した上で導入したとする資料も存在する。

リーオー以下OZの運用する機体やコロニーのガンダムタイプは全てトールギスをベースに開発されている。また、リーオーの性能は全てのMSの基準として扱われ、リーオーの性能を100としてその上下幅で他の機体の性能を評価する「アビリティレベル」が設定されている。

AC195年末のEVEWAR終結後に発足された地球圏統一国家によってMSの放棄・解体が決定し、ウルカヌス事件、マリーメイア事変を経てMSの撤廃が成されている。ただし、火星では新たにマーズスーツが発展・運用された。

アフター・ウォー 編集

MSの誕生・発展の経緯は不明。第7次宇宙戦争で連邦軍は主力機をドートレスに一本化し、フラッグシップ機としてガンダムタイプを投入。一方の宇宙革命軍は各種局地戦用MS・MAを開発・運用した。

戦後のアフター・ウォー世界では地球上に連邦軍・宇宙革命軍双方のMSが数多く残され、主に傭兵やバルチャーらがこれを運用しており、彼らが運用する機体は純正の機体以外にも個別にカスタマイズされた物も存在する。そのような背景からMS自体も高価で取り引きされており、特にガンダムタイプはその希少性から伝説の機体とも呼ばれている。

正暦 編集

黒歴史の遺産であり、主にマウンテンサイクルから発掘された機体が用いられている。ミリシャなど地球の人間はモビルスーツの事を「機械人形」と呼ぶケースが多い。

マウンテンサイクルから出土した兵器類は、ナノスキンと呼ばれるナノマシンによって保護されており、これによって千年単位の経年から機体が守られていた為、出土した機体も問題なく運用出来た[2]

ムーンレィスは地球と比較して高度に発達した科学力を有していたが、月の環境保全を優先した結果、軍事技術の衰退・低下を招いており、月で独自開発された機体はマヒロースモーのみとなっている。

その為、地球・月双方の機体は本来の運用コンセプトを知らないまま、もしくは封印されたまま運用されるケースも多く、モビルトレースシステムが通常の操縦システムに置き換えられる、水陸両用型でありながら宇宙や陸戦で運用される、といった例も多い。

コズミック・イラ編集

C.E.のMSはジョージ・グレン木星探査の際に使用した外骨格補助動力装備の宇宙服に端を発する。その後C.E.65年にザフトが史上初のMS試作1号機「ザフト」を開発。その後67年に量産を前提としたプロトジンを完成させ、69年にザフトがMS部隊を公表・実戦投入した事によってその有用性を実証。ニュートロンジャマーによる電波撹乱効果によって、MS運用に適したっ有視界戦闘環境を構築し、その有用性を確固たるものとした。連合、オーブ等もザフトの後を追う形でMSを開発・配備。その戦力比は初期の戦闘用MSであるジン1機で連合のMAメビウス5機分の戦力に匹敵する。

当初は優れた身体能力と情報処理能力を有するコーディネイターにのみ操縦が可能だったが、ナチュラル用OSの開発によってナチュラルでも操縦可能な機体が次々と開発され、MSの操縦資質に種族の壁は問われなくなった[3]

ニュートロンジャマーによって核分裂が抑制されている関係から、核動力ではなくバッテリー駆動が主流となるが、ビーム兵器やフェイズシフト装甲等を装備する機体は特にエネルギー消費が激しく、戦闘ではそれを突かれる形で窮地に陥る場面も多い。一方で、一部高級機はニュートロンジャマーキャンセラーによって核動力の使用が可能となっている為、この制約から開放されている。

ヤキン・ドゥーエ戦役後はユニウス条約の締結によりMSの配備数に上限が定められ、NJC及びミラージュコロイドの使用は禁止されたが、再度の開戦によってこの条約は事実上白紙化された。

西暦 編集

イオリア・シュヘンベルグが考案した軌道エレベーター建造用の作業機械を原型とする兵器類。この兵器の登場によって、戦車や戦闘機といった従来兵器はモビルアーマーと定義されるようになった。

直接的な源流となっているのは作業用のワークローダーであり、Eカーボンの採用によって高い防御力を示し、これを破壊可能な大型火器を運用する兵器としてMSが注目されるようになった。

各国家群によって明確に運用思想が別れており、ユニオン製の機体は軍の派遣を目的に飛行形態への可変機構が盛り込まれている等の特徴が存在する。

ソレスタルビーイングが開発したガンダムGNドライヴによって空中機動やビーム兵器の運用など、従来のMSの先を行く技術が多く盛り込まれ、同組織の戦力的アドバンテージとして機能していた。その後、アレハンドロ・コーナーによって疑似GNドライヴが国連軍にもたらされた事で急速にGNドライヴの普及が進み、各国家群の技術を融合させた機体が誕生していった。また、CB製の機体もCB純正、スローネ系、イノベイド専用機の三つの系統に別れ、それぞれ発展している。

アドバンスド・ジェネレーション編集

コロニー間戦争後に締結された銀の杯条約により戦闘兵器としてのモビルスーツが破棄もしくは封印され、戦時中の技術の大半がロストテクノロジー化。MSの性能も用途別に厳しく制限され、作業用のモビルスタンダード、競技用のモビルスポーツ、警備用のモビルセキュリティが辛うじて存続しており、モビルスタンダードの開発やモビルスポーツのチューンを生業とする「MS鍛冶」と呼ばれる職種によってその基幹技術が継承されていた。

しかし、地球に侵攻したヴェイガンに対抗する為に地球連邦軍はモビルセキュリティの戦闘力を強化したジェノアスを開発。しかし、ヴェイガン製MSはコロニー間戦争時代の技術を用いていた事もあってジェノアスとの性能差は絶対的であった。その後A.G.115年にフリット・アスノが開発したガンダムAGE-1AGEシステムがこの性能差を覆し、以降ガンダムのデータやAGEシステムで製造された機器を元に、連邦軍内の装備が開発・拡充されていくことになった。

AGEシステムによって生み出された装備は高性能ではあるが、オーバーテクノロジーで扱いが難しく量産に適さない物も多く、量産には人間の技術者の手を介してリバースエンジニアリングやブラッシュアップを行う必要があった[4]

ヴェイガン製MSはコロニー間戦争時代のデータベースであるEXA-DBから入手したデータを基に開発されており、共通規格のビームバルカン付きマニピュレータや尾部の武装マウント、頭部センサー、光波推進システムといった共通した意匠が多い。

リギルド・センチュリー 編集

ヘルメスの薔薇の設計図によって宇宙世紀の技術が世界中に拡散し、これを基に各陣営が戦闘兵器を開発。MSもその一翼を担った。特に薔薇の設計図のG項目に示された機体は「G系統」と呼ばれ、特別視されている。

この時代のMSの動力源は光をエネルギーとして蓄積するフォトン・バッテリーが用いられ、操縦系や部品規格もユニバーサル・スタンダードに準じている。

しかし、これら軍事技術の発展はスコード教の「科学技術を発展させてはならない」というタブーを犯すものであり、アメリアはこの禁を破った為にフォトンバッテリーの供給制限という制裁を受ける事になった。一方で、スコード教の総本山であるキャピタル・テリトリィでもアメリア・ゴンドワン間の戦争を危惧し作業用MSレクテンの性能強化やキャピタル・アーミィの発足といった戦力の増強が行われていた。

ポスト・ディザスター 編集

厄祭戦で対モビルアーマー用に開発された人型兵器類。高硬度レアアロイ製のフレームに、動力源としてエイハブ・リアクターが組み込まれている。また、エイハブ・リアクターから発せられるエイハブ・ウェーブによって硬化する性質を持つナノラミネートアーマーによって、ビーム兵器や射撃兵装に対して高い防御力を誇る。

ナノラミネートアーマーの高い防御力とエイハブ・リアクターの高出力によって汎用兵器として最上位クラスに位置するが、戦後はギャラルホルンによってリアクターの製造技術が独占され、これを新規に開発出来る組織はギャラルホルン以外に無く、MSを新規に開発出来る組織も限られている。海賊や武装組織は戦場跡に放置された機体をレストアして運用している一方、テイワズ等は戦場跡から回収したリアクターを新規開発したフレームに搭載する事でMSを生産している。

厄祭戦時に開発された機体と戦後開発された機体とでコンセプトに隔たりがあり、前者は対MA戦を想定した機能や武装を持つ一方で、過剰な戦闘力を持たせる必要がなくなった戦後世代の機体は汎用性を重視した機体として開発される傾向にある。ただし、MSはモビルワーカーと比較して過剰な戦力を持っているも同然であり、MSに対抗出来るのは、原則として同じMSのみに限られる。

また、厄祭戦時の機体は阿頼耶識システムでの機体操縦を前提としたインターフェイスを採用しており、この性質をフルに活用するべく機体と搭乗者の一体感を強める方向で開発・改修された機体も存在する。戦後は阿頼耶識システムの非合法化に伴い、ギャラルホルンを始め各勢力でレバー・ペダル式の操縦システムが一般化している。

関連用語編集

リンク編集

脚注編集

  1. 本来核融合炉は爆発を起こさないが、MSの動力炉として使用されているミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉はミノフスキー粒子を使用して炉心の高圧環境を維持しており、それがヘリウム3と結合する事で臨界反応を起こし、爆発するというメカニズムになっている。
  2. ただし、ナノスキンによる保護が完全ではなかったり、ナノスキンで覆われていなかった遺跡はその限りではない。∀ガンダムのビームライフルやギャロップの主砲等がその例。
  3. ただし、8のサポートを介して操縦したロウ・ギュールのような例外も存在する。
  4. 代表例としてガンダムAGE-2の再現を試みたプロトタイプ クランシェが挙げられる。
  5. 厳密には新機動戦記ガンダムW(A.C.)とガンダムビルドダイバーズで意味の異なる語である点に注意。