バルチャー
バルチャー (Vulture) 編集
第7次宇宙戦争後のアフターウォーの世界において、旧連邦軍の軍事施設や戦場跡などから放棄されたモビルスーツや電子部品などを回収して売りさばく者たちの総称。その様子を動物の死肉を漁るハゲワシになぞらえ、「バルチャー」と呼ばれるようになった。
交易業などで戦後の復興に影響を与えた反面、戦後の無法地帯で生き抜くために独自に武装しており、中には傭兵や盗賊へ身をやつす者も多く、地域によっては忌み嫌われている場合もある。そういった事情から無法者という印象が強いバルチャーではあるが、中にはフリーデンのように目的のために行動しているバルチャーも存在する。
バルチャーは「バルチャーサイン」と呼ばれる特殊な信号弾を用い、その色や数の組み合わせで意思伝達を行うことが出来る(赤は協力要請、オレンジは全面降伏など)。
海洋で活動するバルチャーの内、交易など比較的温厚な活動を行う者たちを「シーバルチャー」、私掠行為などの過激な活動を行う者たちを「オルク」と呼んで区分している。同様に、シーバルチャーやオルクたちは陸地で活動するバルチャーを「陸(おか)バルチャー」と呼ぶこともある。
第8次宇宙戦争後はバルチャー更生法が制定され、バルチャー個人の権利と武器の所有・使用を認める代わりに新連邦政府の傘下となって各地に点在する自治区の警備に当たらせている。一方、この更生法に従わないものは「ラフィアン」と呼ばれ、反政府勢力として殺害もありうる処罰対象となる。このバルチャー更生法は新地球連邦軍の主戦派がバルチャーを自分たちの軍に編成するための隠れ蓑であるとされる。
登場作品 編集
- 機動新世紀ガンダムX
- 初出作品。ガロード・ランが身を寄せることになるフリーデンをはじめ、様々なバルチャーが敵味方双方に登場。主に北米大陸で活動し、物語後半では新連邦に対抗するために結託して抵抗活動を行った。
- 機動新世紀ガンダムX外伝 UNDER THE MOONLIGHT
- 『ガンダムX』の9年後のAW24年でもバルチャーは健在であり、変わらずサルベージ業などを行っている。
- 機動新世紀ガンダムX NEXT PROLOGUE「あなたと、一緒なら」
- バルチャー更生法の初出。その実態はフロスト兄弟による軍拡であり、それに対抗するためにガロードはラフィアンの汚名を受けながら新たな戦いに身を投じていくことになる。
主なバルチャー 編集
- フリーデン
- ジャミル・ニート率いる陸上戦艦。ジャミルの意向によってニュータイプを探し出して保護する旅を行っている。
- グリーツ一味 / ローザ一味 / ロッソ一味
- ジャミルのアルタネイティヴ社襲撃の際に応援にかけつけたバルチャー達。それぞれジャミルたちに恩義や借りがある。
- ザコット一味
- ファイヤーワラビーで構成された「炎の時計部隊」を率いるザコット・ダットネル率いるバルチャー集団。エニル・エルと組んで使われなくなったエネルギー炉から電子部品やレアメタルを漁って来たが、ガンダムを狙ってフリーデンに戦いを挑んだ。
- ジェノス一味
- ジェノス・クライシス率いる盗賊団。ジェニスで武装し、収穫期の農村を襲撃して略奪を繰り返しており、ウィッツ・スーの故郷を襲った際にガンダムエアマスターによって撃退された。
- ドーザ一味
- 水上艦シーキャッスルの艦長ドーザ・バロイ率いるオルク。イルカの脳を使用した水中センサー「Dナビ」を製造するためにイルカの乱獲を行っていた。
- マーカス一味
- 潜水艦ポリペイモスの艦長マーカス・ガイ率いるオルク。オルバ・フロストの依頼でローレライの海のサルベージを行った。
- ルマーク・カウト
- セインズアイランド近辺で活動するシーバルチャー。エニルの乗るエスペランサやジェニス改 エニルカスタムなどは彼の手によるもの。