「クロスボーン・バンガード」の版間の差分

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{{Otheruseslist|『[[機動戦士ガンダムF91]]』等に登場する軍事組織としてのクロスボーン・バンガード|『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム]]』等に登場する同名の海賊|宇宙海賊クロスボーン・バンガード}}
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== クロスボーン・バンガード(Crossbone Vanguard) ==
 
== クロスボーン・バンガード(Crossbone Vanguard) ==
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『[[機動戦士ガンダムF91]]』に登場する軍事組織。
  
[[機動戦士ガンダムF91]]』と『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム]]』に登場するが、指導者と組織の理念が異なる。略称は「C.V.」
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[[ブッホ・コンツェルン]]の創業者一族である[[ロナ家]]が「[[コスモ貴族主義]]」を実現する為の国家「コスモ・バビロニア」を建国するべく組織した私設軍隊。組織名は「世直しを標榜し、実践する尖兵の軍隊」というニュアンスを込め、中世の海賊旗に由来する「クロスボーン」に「尖兵」「前衛」を意味する「バンガード」を組み合わせて命名された。
  
元は民間企業の[[ブッホ・コンツェルン]]が組織した私設軍隊「バーナム」を拡張した組織で、巷では「[[宇宙海賊]]」と呼ばれている。[[宇宙世紀]]0123年に「コスモ・バビロニア」建国のため、[[サイド4]]・[[フロンティアサイド]]を襲撃。コスモ・バビロニア建国後は、クロスボーン・バンカードを国軍とした。その後、[[地球連邦軍]]の駐留軍を撃滅してコスモ・バビロニアを勝利に導いた。
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一般市民の堕落と、それを是正しようとしない[[地球連邦政府]]の腐敗を正し、理想国家を実現する為の尖兵として自らを規定しており、コスモ・バビロニア建国の暁には解体し、同国の国軍に再編される事が基本法に定められている<ref>[[カロッゾ・ロナ]]によるコスモ・バビロニア宣言以降はコスモ・バビロニア国軍にそのまま移行している。</ref>。
  
しかしその後、ロナ家の[[セシリー・フェアチャイルド|ベラ・ロナ]]が貴族主義を反対する演説を行った影響で組織は崩壊。その崩壊した組織を、今度は崩壊させた張本人である[[ベラ・ロナ]]が復興させて宇宙海賊に仕立て上げた。新生クロスボーン・バンガードはベラの指揮の下、[[木星帝国]]と熾烈な戦いを繰り広げることになる。
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貴族主義に基づいて創設された為、随所に古代の騎士を思わせる武器や風習が見られるのが特徴であるが、[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]に先駆け小型[[モビルスーツ]][[ビーム・シールド]]を実用化するなど、運用兵器は当時の連邦軍の一歩先を行っていた。兵器開発は少なくとも[[宇宙世紀]]0096年以前から進められており、そのデータ収集を行う為の私兵部隊[[バーナム]]も存在していた。
  
== メモ ==
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そのルーツはブッホ・コンツェルンの運営する職業訓練校にあり、優秀で旧来の思想に染まっていない若者達を選抜し、企業内で開発された[[モビルスーツ]]による軍事訓練や貴族主義思想の教育が行われた。特に優秀な者は[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]の士官学校で正規の軍事教育を受けさせ、士官学校卒業者の義務である3年の軍勤務を果たした上で帰還させた<ref>これは、連邦軍の実情を目の当たりにさせ、貴族主義思想をより強固なものとする側面があった。[[ザビーネ・シャル]]も、連邦軍での従軍経験を持つ。</ref>。
クロスボーン・バンガードとブッホ・コンツェルンの関係は他で例えると[[エゥーゴ]][[アナハイム・エレクトロニクス社]]の関係とほぼ同じ。文字設定記述などでは混同した記述が少なからず見受けられるので注意。
 
  
クロスボーン・バンガードの兵士は、[[地球連邦軍]]に入隊して戦術を学ぶと同時に、地球連邦の腐敗政治を教え込まれる。そして帰還した兵士はブッホ・コンツェルンに帰還して本格的な戦闘技術と貴族主義を叩き込まれる。兵士として能力は[[地球連邦軍]]の兵士より熟練している。
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秘密裏に武装蜂起の準備を進め<ref>[[アナハイム・エレクトロニクス社]]との裏取引、[[第二次オールズモビル戦役]]における[[オールズモビル]]への支援もその一環であった。</ref>、宇宙世紀0123年に[[サイド4]](フロンティア・サイド)を強襲し、[[コスモ・バビロニア建国戦争]]の幕を開いた。兵士達の士気は前述の長期的な取り組みもあって高く、またコロニー内での戦闘で被害の拡大を招く連邦軍とは対照的に敵機の誘爆を避けるなど、練度も勝っていた。
  
また、ブッホ・コンツェルンは[[モビルスーツ]]の小型化やビームシールドの一般標準装備化をいち早く成功させ、主戦力とした。
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人類を永久に存続させる目的で増えすぎた地球圏の人口削減も目的としていたが、[[カロッゾ・ロナ]]はこれを拡大解釈し、独自に[[ラフレシア・プロジェクト]]を実施。[[バグ]]による大量虐殺の実施を画策した。
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ラフレシア・プロジェクトはカロッゾとその副官の[[ジレ・クリューガー]]の死によって瓦解するが、その後も連邦軍との戦闘は継続され、最終的にロナ家長女[[セシリー・フェアチャイルド|ベラ・ロナ]]が行った貴族主義を否定する演説によって、組織は崩壊する事になる。しかし、コスモ・バビロニア建国戦争は連邦にかつてのような力が無い事を露呈させ、これがコロニー単位での自治独立を目指す「コロニー国家主義」の始まりとなった。
  
 
== 登場作品 ==
 
== 登場作品 ==
 
;[[機動戦士ガンダムF91]]
 
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;[[機動戦士クロスボーン・ガンダム]]
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;[[機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122]]
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== 人物 ==
 
== 人物 ==
 
;[[マイッツァー・ロナ]]
 
;[[マイッツァー・ロナ]]
:ロナ家の当主であり、クロスボーン・バンガードはロナ家の為にある。
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:ロナ家の当主。父シャルンホルストの代から進めていた計画を実行に移した。
 
;[[カロッゾ・ロナ]]
 
;[[カロッゾ・ロナ]]
:クロスボーン・バンガードの総司令官。
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:クロスボーン・バンガード総司令官。ロナ家の婿養子。独自にラフレシア・プロジェクトを進めた。
 
;[[ドレル・ロナ]]
 
;[[ドレル・ロナ]]
:ロナ家の一員。自ら戦場に立ち、ドレル大隊を率いる。
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:ロナ家の一員(正確にはカロッゾの連れ子)。ドレル大隊を率いる。
 
;[[ザビーネ・シャル]]
 
;[[ザビーネ・シャル]]
:ブラック・バンカードを率いる。後に二度離反する。
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:ブラック・バンカード大隊長。組織への不信からカロッゾ戦死後に離反する。
 
;[[ベラ・ロナ]]/[[セシリー・フェアチャイルド]]
 
;[[ベラ・ロナ]]/[[セシリー・フェアチャイルド]]
:クロスボーン・バンガードと戦い、後に復興させて[[木星帝国]]と戦う。
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:ロナ家長女。武装蜂起時にロナ家に帰還するが、その後離反。
;[[シェリンドン・ロナ]]
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;[[ジレ・クリューガー]]
:ロナ家一員で、コスモ・クルス教団を率いる。
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:カロッゾの側近。ラフレシア・プロジェクトの概要を知る一人。
;[[キンケドゥ・ナウ]]
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;[[アンナマリー・ブルージュ]]
:[[ベラ・ロナ]]率いる新生クロスボーン・バンガードのエース。
+
:
;[[トビア・アロナクス]]
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== 保有兵器 ==
:民間人であったが、後にキンケドゥらからクロスボーン・バンガードを受け継ぐ。
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=== モビルスーツ ===
 
 
== 機動兵器 ==
 
 
 
=== 「バーナム」時代 ===
 
;[[ガンダムAN-01"トリスタン"]]
 
:[[ガンダムNT-1]]の改修機。元々は[[サナリィ]]が所有していた。
 
;[[バイアラン・イゾルデ]]
 
:[[バイアラン]]の改造機。[[バイアラン・カスタム]]のパーツが使用されている。
 
;[[ジェガン (バーナム所属機)]]
 
:ジェガンの改造機。ビーム・ランサーや追加センサーの形状から、後のクロスボーン・バンガード配備モビルスーツの雛形になったとされる。
 
 
 
=== コスモ・バビロニア紛争時代 ===
 
 
;[[デナン・ゾン]]
 
;[[デナン・ゾン]]
 
:クロスボーン・バンガードの主力近接戦闘機。機体系譜的には作業用のデッサ・タイプを戦闘用に改修した物。
 
:クロスボーン・バンガードの主力近接戦闘機。機体系譜的には作業用のデッサ・タイプを戦闘用に改修した物。
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;[[ビギナ・ゼラ]]
 
;[[ビギナ・ゼラ]]
 
:クロスボーン・バンガードの次世代指揮官用重火力機。
 
:クロスボーン・バンガードの次世代指揮官用重火力機。
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=== 艦艇・その他兵器 ===
 
;[[ラフレシア]]
 
;[[ラフレシア]]
 
:カロッゾ・ロナ専用大型MA。
 
:カロッゾ・ロナ専用大型MA。
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:「ラフレシア・プロジェクト」で開発された無差別大量殺戮用無人機械。
 
:「ラフレシア・プロジェクト」で開発された無差別大量殺戮用無人機械。
  
=== 新生クロスボーン・バンガード時代 ===
+
== 拠点 ==
;[[クロスボーン・ガンダムX1]]
+
;ブッホ
:
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:ブッホ・コンツェルン所有の[[スペースコロニー]]。旧型コロニー2基で構成され、サイド1の辺境、ラグランジュポイントに属さない常に軌道修整を行う必要のある宙域に位置する。クロスボーン・バンガードの前身となった職業訓練校や軍事関連産業を有し、優秀な人材の受け入れを行ってきた。
;[[クロスボーン・ガンダムX1改]]
+
;洗濯板
:
+
:ブッホコロニーに併設された造船ドック。クロスボーン・バンガードのモビルスーツや艦船を製造しており、兵士の養成も行っている。
;[[クロスボーン・ガンダムX2]]
+
;[[イルルヤンカシュ宇宙要塞]]
:
+
:球状の外観が特徴的な宇宙要塞。[[第二次オールズモビル戦役]]時に破壊されたとも、コスモ・バビロニア建国戦争で運用されたとも言われている。
;[[クロスボーン・ガンダムX3]]
 
:
 
;[[フリント]]
 
:
 
;[[ゾンド・ゲー]]
 
:デナン系の流れを汲む量産機
 
;[[ビギナ・ギナII (木星決戦仕様)]]
 
:
 
;[[マザー・バンガード]]([[バビロニア・バンガード]])
 
:
 
 
 
 
== 関連用語 ==
 
== 関連用語 ==
 
;[[ブッホ・ジャンク社]]
 
;[[ブッホ・ジャンク社]]
 
:ブッホ・コンツェルンの前身。企業閥化したコンツェルンの頃も存在している。
 
:ブッホ・コンツェルンの前身。企業閥化したコンツェルンの頃も存在している。
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:;[[ブッホ・エアロダイナミックス社]]
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::一応表向きは「航空機産業部門」となっている、ブッホ社の実質的なMS開発部門。
 
;[[バーナム]]
 
;[[バーナム]]
 
:ブッホ・ジャンク社の私兵組織であり、C.Vの前身にあたる。
 
:ブッホ・ジャンク社の私兵組織であり、C.Vの前身にあたる。
;[[ブッホ・エアロダイナミックス社]]
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;[[ロナ家]]
:一応表向きは「航空機産業部門」となっている、ブッホ社の実質的なMS開発部門。
 
;ロナ家
 
 
:旧欧州に有った名門家系でシャルンホルスト・ブッホが、ロナ家の家名を買い取った。
 
:旧欧州に有った名門家系でシャルンホルスト・ブッホが、ロナ家の家名を買い取った。
 
;[[コスモ・クルス教団]]
 
;[[コスモ・クルス教団]]
 
:コスモ・バビロニアを掌握する為の宗教団体。[[ニュータイプ]]至上主義を広めている。
 
:コスモ・バビロニアを掌握する為の宗教団体。[[ニュータイプ]]至上主義を広めている。
 
;[[ラフレシア・プロジェクト]]
 
;[[ラフレシア・プロジェクト]]
:過剰人口を抑制する為のプロジェクト。カロッゾがその一員となってからは過剰人口を抑制するための大量虐殺兵器を開発した。その存在はカロッゾとその側近の数人しか知らない。
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:過剰人口を抑制する為に実施された計画。カロッゾがその一員となってからは過剰人口を抑制するための大量虐殺兵器を開発した。その実態はカロッゾとその側近の数人しか知らない。
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;[[宇宙海賊クロスボーン・バンガード]]
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:コスモ・バビロニア建国戦争後、ベラ・ロナによって対[[木星帝国]]組織として再結成されたクロスボーン・バンガード。
  
== 話題まとめ ==
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== リンク ==
<!-- *[[namazu:クロスボーン・バンガード]] (全文検索結果) -->
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*[[組織]]
  
== 資料リンク ==
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== 脚注 ==
<!-- *[[一覧:クロスボーン・バンガード]] -->
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<references />
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<!-- 本文には<ref>内容</ref>のかたちで挿入してください。 -->
  
== リンク ==
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{{DEFAULTSORT:くろすほおん はんかあと}}
*[[組織]]
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[[Category:組織]]
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[[Category:機動戦士ガンダムF91]]

2022年12月9日 (金) 07:36時点における最新版

クロスボーン・バンガード(Crossbone Vanguard)編集

機動戦士ガンダムF91』に登場する軍事組織。

ブッホ・コンツェルンの創業者一族であるロナ家が「コスモ貴族主義」を実現する為の国家「コスモ・バビロニア」を建国するべく組織した私設軍隊。組織名は「世直しを標榜し、実践する尖兵の軍隊」というニュアンスを込め、中世の海賊旗に由来する「クロスボーン」に「尖兵」「前衛」を意味する「バンガード」を組み合わせて命名された。

一般市民の堕落と、それを是正しようとしない地球連邦政府の腐敗を正し、理想国家を実現する為の尖兵として自らを規定しており、コスモ・バビロニア建国の暁には解体し、同国の国軍に再編される事が基本法に定められている[1]

貴族主義に基づいて創設された為、随所に古代の騎士を思わせる武器や風習が見られるのが特徴であるが、地球連邦軍に先駆け小型モビルスーツビーム・シールドを実用化するなど、運用兵器は当時の連邦軍の一歩先を行っていた。兵器開発は少なくとも宇宙世紀0096年以前から進められており、そのデータ収集を行う為の私兵部隊バーナムも存在していた。

そのルーツはブッホ・コンツェルンの運営する職業訓練校にあり、優秀で旧来の思想に染まっていない若者達を選抜し、企業内で開発されたモビルスーツによる軍事訓練や貴族主義思想の教育が行われた。特に優秀な者は地球連邦軍の士官学校で正規の軍事教育を受けさせ、士官学校卒業者の義務である3年の軍勤務を果たした上で帰還させた[2]

秘密裏に武装蜂起の準備を進め[3]、宇宙世紀0123年にサイド4(フロンティア・サイド)を強襲し、コスモ・バビロニア建国戦争の幕を開いた。兵士達の士気は前述の長期的な取り組みもあって高く、またコロニー内での戦闘で被害の拡大を招く連邦軍とは対照的に敵機の誘爆を避けるなど、練度も勝っていた。

人類を永久に存続させる目的で増えすぎた地球圏の人口削減も目的としていたが、カロッゾ・ロナはこれを拡大解釈し、独自にラフレシア・プロジェクトを実施。バグによる大量虐殺の実施を画策した。

ラフレシア・プロジェクトはカロッゾとその副官のジレ・クリューガーの死によって瓦解するが、その後も連邦軍との戦闘は継続され、最終的にロナ家長女ベラ・ロナが行った貴族主義を否定する演説によって、組織は崩壊する事になる。しかし、コスモ・バビロニア建国戦争は連邦にかつてのような力が無い事を露呈させ、これがコロニー単位での自治独立を目指す「コロニー国家主義」の始まりとなった。

登場作品編集

機動戦士ガンダムF91
機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122
機動戦士ガンダム クライマックスU.C. 紡がれし血統

人物編集

マイッツァー・ロナ
ロナ家の当主。父シャルンホルストの代から進めていた計画を実行に移した。
カロッゾ・ロナ
クロスボーン・バンガード総司令官。ロナ家の婿養子。独自にラフレシア・プロジェクトを進めた。
ドレル・ロナ
ロナ家の一員(正確にはカロッゾの連れ子)。ドレル大隊を率いる。
ザビーネ・シャル
ブラック・バンカード大隊長。組織への不信からカロッゾ戦死後に離反する。
ベラ・ロナセシリー・フェアチャイルド
ロナ家長女。武装蜂起時にロナ家に帰還するが、その後離反。
ジレ・クリューガー
カロッゾの側近。ラフレシア・プロジェクトの概要を知る一人。
アンナマリー・ブルージュ

保有兵器編集

モビルスーツ 編集

デナン・ゾン
クロスボーン・バンガードの主力近接戦闘機。機体系譜的には作業用のデッサ・タイプを戦闘用に改修した物。
デナン・ゲー
クロスボーン・バンガードの主力汎用機。
ベルガ・ダラス
クロスボーン・バンガードの上級士官用高級量産機。
ベルガ・ギロス
クロスボーン・バンガードの上級士官用高級量産機。
ベルガ・バルス
クロスボーン・バンガードの上級士官用高級量産機試作改修型。
エビル・S
クロスボーン・バンガードの偵察部隊隊員用機。
ダギ・イルス
クロスボーン・バンガードの偵察部隊隊長用機。
ビギナ・ギナ
クロスボーン・バンガードの次世代指揮官用高機動汎用機。
ビギナ・ギナII
クロスボーン・バンガードの次世代指揮官用近接白兵機。
ビギナ・ゼラ
クロスボーン・バンガードの次世代指揮官用重火力機。

艦艇・その他兵器 編集

ラフレシア
カロッゾ・ロナ専用大型MA。
ザムス・ガル
クロスボーン・バンガードの旗艦戦艦。
ザムス・ギリ
クロスボーン・バンガードの一般戦艦。
ザムス・ジェス
クロスボーン・バンガードの巡洋艦。ザムス・ゼナ(『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』)、ザムス・アダ(『機動戦士ガンダム クライマックスU.C. 紡がれし血統』)等の同型艦を持つ。
ザムス・ナーダ
クロスボーン・バンガードの駆逐艦。
バグ
「ラフレシア・プロジェクト」で開発された無差別大量殺戮用無人機械。

拠点編集

ブッホ
ブッホ・コンツェルン所有のスペースコロニー。旧型コロニー2基で構成され、サイド1の辺境、ラグランジュポイントに属さない常に軌道修整を行う必要のある宙域に位置する。クロスボーン・バンガードの前身となった職業訓練校や軍事関連産業を有し、優秀な人材の受け入れを行ってきた。
洗濯板
ブッホコロニーに併設された造船ドック。クロスボーン・バンガードのモビルスーツや艦船を製造しており、兵士の養成も行っている。
イルルヤンカシュ宇宙要塞
球状の外観が特徴的な宇宙要塞。第二次オールズモビル戦役時に破壊されたとも、コスモ・バビロニア建国戦争で運用されたとも言われている。

関連用語編集

ブッホ・ジャンク社
ブッホ・コンツェルンの前身。企業閥化したコンツェルンの頃も存在している。
ブッホ・エアロダイナミックス社
一応表向きは「航空機産業部門」となっている、ブッホ社の実質的なMS開発部門。
バーナム
ブッホ・ジャンク社の私兵組織であり、C.Vの前身にあたる。
ロナ家
旧欧州に有った名門家系でシャルンホルスト・ブッホが、ロナ家の家名を買い取った。
コスモ・クルス教団
コスモ・バビロニアを掌握する為の宗教団体。ニュータイプ至上主義を広めている。
ラフレシア・プロジェクト
過剰人口を抑制する為に実施された計画。カロッゾがその一員となってからは過剰人口を抑制するための大量虐殺兵器を開発した。その実態はカロッゾとその側近の数人しか知らない。
宇宙海賊クロスボーン・バンガード
コスモ・バビロニア建国戦争後、ベラ・ロナによって対木星帝国組織として再結成されたクロスボーン・バンガード。

リンク編集

脚注編集

  1. カロッゾ・ロナによるコスモ・バビロニア宣言以降はコスモ・バビロニア国軍にそのまま移行している。
  2. これは、連邦軍の実情を目の当たりにさせ、貴族主義思想をより強固なものとする側面があった。ザビーネ・シャルも、連邦軍での従軍経験を持つ。
  3. アナハイム・エレクトロニクス社との裏取引、第二次オールズモビル戦役におけるオールズモビルへの支援もその一環であった。