地球連邦政府 (Earth federal government) 編集

爆発的な人口増加によって地球の総人口が90億を突破し、食料、エネルギー、環境汚染の問題が深刻化した西暦末期、それらを解決する手段として「宇宙移民計画」を推進するために成立した地球圏の統一政府機関。「連邦最高行政会議」を最高の意思決定機関とする議会制を敷き、同議会は議長、4人の総務議員、大臣に相当する25人の委員長の30人から構成されている。

宇宙移民計画に基づきスペースコロニーの建造とそれに伴う宇宙開発を開始し、新たな時代の幕開けとして新たな年紀法宇宙世紀を制定。だが、地球上の統一は決して平坦な道のりではなく、政治、宗教、あるいは人種的な問題から発足に反対する者も多く、各地で紛争が発生。人類の革新に向けて連邦政府はそれらの弾圧を開始し、宇宙移民計画を強行していった。

実用段階のコロニーを完成させた連邦政府は人類が宇宙へ進出する日、宇宙世紀の幕開けを記念したセレモニーを開催。宇宙世紀0001、首相官邸ラプラスで宇宙世紀への改暦が行われたが、そこで各国代表、報道陣を巻き込んだ多くの犠牲者を出すラプラス事件が発生。この事件を機に、連邦はより強固な姿勢で宇宙政策反対はを軍事的に弾圧するようになっていった。

しかし、移民政策と共に推進された大規模な再生計画により地球の環境問題は改善されたことで、全人類の宇宙宇宙移民を行うという政府方針は改められた。これにより地球の人的空洞化を恐れた富裕層や権力者たちは地球での生活を手放すことはせず、政治的・経済的拠点を地球へ置き続けることを選択し、宇宙世紀0051年にコロニー開発計画は凍結されることになる。また、各スペースコロニー群は連邦政府を構成する自治体とされているが、実質的な自治権はなく事実上の植民地であり、連邦政府は様々な許認可権を盾に各サイドとの不平等な貿易を行っていた[1]

この政府の振る舞いが宇宙移民(スペースノイド)と地球居住者(アースノイド)との不均衡を生み出すことになり、宇宙世紀0050年代のスペースノイドの自治権獲得運動を活発化させるが、連邦政府はコロニーの自活は不可能と主張。結果、多数を占めるスペースノイドの意見が反映されず、政治的停滞を迎えた連邦政府の民主主義は、民衆から乖離した点で「絶対民主主義」とも揶揄されるようになる。これは政府高官や富裕層の特権階級化の進行を促し、またジオン・ズム・ダイクンによるジオン共和国建国が行われる要因となり、ひいては一年戦争に始まる諸紛争の引き金ともなる。

宇宙世紀0100年のジオン共和国解体に伴う紛争の終結宣言後は、地球帰還に関する特例法案を制定。これに反発するマフティーの攻撃を受けることになる。このマフティー動乱の後、連邦政府は反地球連邦組織に対する弾圧を強化。活動の芽を摘み取るべく思想統制を行った。また、一年戦争以来の戦禍で地球は食料最産地と工業地帯の多くを失ったことで経済的にコロニーへの依存を強めた結果、景気の好調がコロニー全体の経済水準を向上させたことにより、スペースノイドの自治権獲得運動も沈静化、反地球連邦組織も地下組織化したことで表面的には平穏が訪れた。一方で、地球の復興に伴う汚染と地球環境の悪化、絶対民主主義の腐敗構造は是正されることなく、これがクロスボーン・バンガードの挙兵を促し、コスモ・バビロニア建国戦争へと発展。同戦争における政府の対応は、各コロニーに連邦軍による軍事的庇護への不安を増大させ、コロニー側は軍の駐留部隊の拡充や非常時の月面連邦艦隊の投入の確約を求めたが、連邦政府はこれを無視。各コロニーは自衛のため、独自の軍備増強を行ったことで再びの自治権要求運動を招き、コロニー単位での独立運動に発展。このような動きに対しても連邦政府は黙認を続け、結果としてスペースノイドの自治独立は有耶無耶の内に果たされることになるが、同時に連邦政府の影響力が絶対的なものではないことを内外に知らしめることとなり、宇宙戦国時代の到来を招く結果をもたらした。

人物 編集

リカルド・マーセナス
初代首相。首相官邸ラプラスで宇宙世紀宣言を行う最中に官邸への爆破テロにより命を落とした。
ジョルジュ・マーセナス
三代目首相。リカルドの息子であり、リベラル派のリカルドとは異なり保守派の筆頭。
ジョン・バウアー
国防族議員。宇宙世紀0092年にシャア・アズナブルネオ・ジオンとともに武装蜂起した際にはロンド・ベルを支援するなど、軍に対して強い影響力を持つ。
アデナウアー・パラヤ
宇宙世紀0090年代の政府参謀次官。第二次ネオ・ジオン抗争の最中、ネオ・ジオンとの和平交渉に赴くが、ネオ・ジオンの奸計により死亡。
ローナン・マーセナス
宇宙世紀0090年代の移民問題評議会議長。
ゴップ
宇宙世紀0090年代の連邦政府議長。元連邦軍参謀本部提督。
オクスナー・クリフ
0090年時の首相補佐官。
サウリ・ストールベリ
宇宙世紀0100年代の通信大臣。
ハイラム・メッシャー
宇宙世紀0100年代の保健衛生大臣。宇宙世紀0105年、ハウンゼン356便がハイジャックされた際に死亡。
カール・エインスタイン
宇宙世紀0100年代の閣僚の一人。
ローガン・マクガバン
宇宙世紀0100年代の文化教育振興大臣。
オノレ・バレストリエーリ
0100年代の外宇宙軍省議員。
エンゲイスト・ロナ
宇宙世紀0090年代~0110年にかけて中央議員として活躍。その後政治基盤を甥のハウゼリーに引き継がせコロニー公社へ天下りした。
ハウゼリー・ロナ
エンゲイストの政治基盤を受け継いで0110年代に活躍した議員。地球保全法案や過当医療禁止法案などを上程し、スペースノイドの支持を受けるが、その後暗殺。

関連用語 編集

地球連邦軍
地球連邦政府の軍事部門。
コロニー公社
コロニーの建設・管理を担う半民・半官組織。
宇宙引越公社
宇宙移民政策の過程で設立されたNGO。宇宙移民者の財産を宇宙へ上げることを目的とする。
ビスト財団
連邦政府と共生関係にある財団組織。
マン・ハンター
連邦政府によって組織される刑事警察機構。「マハ」とも呼ばれる。

リンク 編集

脚注 編集

  1. 例えば、宇宙で開発された各種技術はその宗主国であり出資者である地球側に特許権があり、コロニーは宇宙開発のために自ら開発した技術のために金を払う、という構造が発生している。これはスペースノイドにとって大きな負担となり、コロニーの独立が成されるまで税金とは別に富の地球に集中する要因となっていた。