ガンダムF90
| ガンダムF90 | |
|---|---|
| 外国語表記 | Gundam F90 |
| 登場作品 | |
| デザイン | 大河原邦男 |
| スペック | |
|---|---|
| 分類 | 汎用試作型モビルスーツ |
| 型式番号 | F90 |
| 頭頂高 | 14.8m |
| 本体重量 | 7.5t |
| 全備重量 | 17.8t(各ミッションパック装備は含まない) |
| 主動力 | 熱核融合炉 (GE-J79) |
| ジェネレーター出力 | 3,160kw (1,580kW×2) |
| スラスター推力 |
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| スラスター総推力 | 74,760 kg |
| アポジモーター数 | 51 |
| 装甲材質 | ガンダリウム合金セラミック複合材 |
| ハードポイント数 | 11 |
| 開発組織 | サナリィ |
| 開発者 | |
| 所属組織 | 地球連邦軍 |
| 所属部隊 |
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| 主なパイロット |
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概要 編集
海軍戦略研究所サナリィの「フォーミュラ計画」により開発された地球連邦軍の試作汎用型モビルスーツ。サナリィの提言した「モビルスーツの小型化」を目標に設計された小型モビルスーツであり、既存のモビルスーツから機能を落とすことなくダウンサイジングに成功している。一年戦争当時、RX-78の活躍を目の当たりにしていたジョブ・ジョンがアルマイヤ・グッゲンバイガーの思想を理解して開発体制を敷いており、「MSの原点に戻る」ことをコンセプトとしている。
この機体は「Fシリーズ」の「F9シリーズ」のラインを採用しており、以降のサナリィ製モビルスーツの基本体となっている。当初は搭載OSのプログラムが異なる2機が製造されていたが、正確な生産数は不明である[1]。
小型化にあたってまずはムーバブルフレームの構成から始まり、そこにヤシマ重工から提供を受けたマイクロハニカム構造が用いられている。この技術は金属中に発生させたミノフスキー粒子の立方格子によって異種結晶化結合を成長させるものであり、ガンダリウム合金など従来の無格子欠陥金属以上の強度を達成することができる。これにより、従来より30%薄いムーバブルフレームや装甲が得られ、機体重量軽減の大きなポイントとなった。
ジェネレーターは当初はMS用の小型高出力品がなく、軌道周回レーサ用に子会社が開発した物を改造し、それを脚部に1対2基搭載した。このジェネレーターはMS用に耐久性を上げる必要からデチューンしたため、予定出力を割り込んでいるが、F90のフレームに収まるサイズながらノーマル出力で従来と同等、ミリタリーで1.5倍のパワーバンドを誇る。その後、小型MS用ジェネレーターの量産化に伴い、専用にチューンされたJ79型ジェネレーターへと換装された。
コクピットブロックは従来のMSと同様の全天周囲モニター・リニアシートを採用しているが、よりコンパクトに纏められている。実験機ゆえにサブモニターも併設されているが、レイアウトは仮配置となる。
素体は内蔵火器など基本動作に必要のない構造物を一切排除し、必要最小限の素体とし設計されており、これによってMS本来の高機動性を持つ機体となった。また、目的に応じてフレキシブルに装備を選択する機能を持ち、そのために必要な装備を機体に追加外装する「ミッションパック」を採用し、各部ハードポイントを介して多種多様なオプションを装着する事ができる。ミッションパックは理論上装着部位が重複しない限り、別々の装備であっても装備する事ができ、現場での即時交換も可能にしている[2]。この方式はデッドウェイトとなる装備を持たないために本来の機動性を維持できる上、新型兵装を追加装備の再設計のみで簡単に採用できる[3]。これらミッションパックの運用で蓄積されたデータはガンダムF91などの後継機に受け継がれていき、ブラッシュアップしていった。
主管制コンピューターとして、建造当時最新式だった第五世代の「8000系ニューロコンピュータ」を採用し、基本OSに「擬似人格OSプログラム」を持ち合わせている[4]。この擬似人格プログラムは初期の1号機と2号機に試験的に採用され、1号機には敵の行動を先読みする機能に優れた「Type-A.R」、2号機には機体性能を瞬間的に3倍に引き上げる機能を有する「Type-C.A」がそれぞれ設定された。ただしこのニューロコンピュータは熱に弱い為、格納庫での待機時でも専用の冷却設備を要する代物であった。
宇宙世紀0111年9月に1号機がロールアウトし、A/D/S/M/Hの各種オプションも本体に先行して完成。同年10月にはAE社のMSA-120を下して地球連邦軍の次期主力MSとして正式採用され、同年12月にはさらにV/Pのオプションも完成した。また、1号機と共に2号機も試験運用されており、当初トリコロールカラーだった2号機は試験終了後に紺色へと再塗装されている[5]。
宇宙世紀0120年10月28日には新サイド4宙域で1号機と2号機のテスト飛行が行われるが、その最中、2号機がオートバランサーの設定ミスが原因でアポジなどが不調に陥り、直後に火星独立ジオン軍(オールズモビル)によって強奪されてしまう。その後、強奪された2号機は指揮官機として改修され、オールズモビルの火星基地内部で1号機と交戦。両機共に大破し、戦闘不能になるがサナリィに回収される。その後、1号機はそのまま修繕、2号機はF90IIに改修され運用された。
機体バリエーション 編集
- 1号機
- ガンダムF90の1号機。白・青を基調としたカラーリングが特徴。疑似人格OSはTYPE-A.Rを搭載。第一次オールズモビル戦役ではデフ・スタリオン、第二次オールズモビル戦役ではベルフ・スクレットが搭乗し、連邦軍の戦力の中核として活躍した。
- 2号機
- 疑似人格OSTYPE-C.Aを搭載した2号機。カラーリングは白、赤、青を基調としたトリコロール。その後ファステスト・フォーミュラでの運用を経て、紺色を主体としたカラーリングに塗り直された。幾度となく大破と補修を繰り返された機体であり、第一次オールズモビル戦役ではオールズモビルによって強奪された際にガンダムF90火星独立ジオン軍仕様に、連邦軍による奪還後はガンダムF90IIへと立て続けに改修された。
- 3号機
- 白いカラーリングを基調とした3号機。疑似人格OSは1号機、2号機とも異なるTYPE-K.Bを搭載する。研究所内でのデータ収集と反映を主とし、実戦を想定していない完全な実験機。宇宙世紀0116年に発生したオールズモビルによるフロンティアI襲撃で急遽実戦投入され、そのままファステスト・フォーミュラへ配備された。その後、トリムールティ事変で大気圏突入時に大破し、残骸がアフリカで発見された。TYPE-K.B.は第二次オールズモビル戦役においてエイブラムに配備されたガンダムF91に移植され、機体本体はコアブロックシステムを組み込み、クラスターガンダムへと改修されている。
- 4号機(予備機)
- 宇宙世紀0120年のF90第二次試験に合わせてパーツ取り用の予備機として建造された機体。疑似人格AIは搭載しておらず、F80と同様のコンピュータを搭載している。カラーリングはF90と同様のものとも、ブルー主体のものだったとも記録されている。
- 初出は漫画版『フォーミュラ戦記0122』で、クロスボーン・バンガードと通じていたウェスバー大尉に強奪され、ベルフの1号機と交戦の末撃破された。
- 5号機
- サナリィの開発した増加実験機。その実態は、サナリィ管轄のジャンクパーツとして地球へ持ち込まれ、実験機という名目で同社の管轄に置かれたマルス・ガンダムである。
登場作品 編集
- 機動戦士ガンダムF90
- 初登場作品。プラモデルや漫画、雑誌などの多くの媒体で取り上げられた。漫画では1号機が主役機として登場。後に火星独立ジオン軍との決戦で、強奪された2号機と対決し勝利。大きく損傷しながらもパイロットのデフと共に生還を果たした。
- 超戦士ガンダム野郎
- 1990年6月号に漫画『F90』に先駆けて登場。アサルトタイプの状態で初登場し「G研が大河原先生に依頼して製作しているスーパーウェポンシステム装備の超強化型ガンダム」と紹介されている。これ以外にも三代目頑駄無大将軍のSDスピリットと合体し、復活闇将軍と死闘を演じるなどの活躍を見せた。
- 機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122 (ゲーム版)
- 主役機として登場。パイロットのベルフと共に再びオールズモビルに挑む。この戦いで得られた戦闘データがF91完成に大きく貢献している。ゲーム中はAタイプ、Dタイプ、Vタイプのいずれかの形態を選択して戦闘を行う。
- 機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122 (ガンダムマガジン版コミック)
- ゲーム版と同様、主役機として登場。後編では漫画オリジナルの予備機が登場し、後の『F90クラスター』と『月刊モビルマシーン』で4号機として設定された。
- 機動戦士ガンダム クライマックスU.C. 紡がれし血統
- 第二世代編でVタイプ及びII-Lタイプが登場。クロスボーン・バンガードとの戦闘の際にナナ・タチバナがF90Vに急遽搭乗。この戦闘の後、F90IIのパイロットに任命されることになる。原作ゲームにもVタイプが登場している。
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人
- ミノル・スズキがIタイプ木星決戦仕様に搭乗。「鋼鉄の7人」作戦を生き延びている。
- F90 A to Z PROJECT
- F90のミッションパックの内、画稿・設定が未創作の物をガンプラのマスターグレードモデルで立体化する企画で、大河原邦男氏により残りのミッションパックの画稿が新規創作設定された。F90についても「ホビーオンラインショップ」では初の完全新規マスターグレードとして立体化している。
- 機動戦士ガンダムF90FF
- 主役機として登場。ロールアウトカラーの2号機と3号機が新たに設定され、上記の『F90 A to Z PROJECT』で新規設定されたミッションパックが多く登場する。当初、パッツィ・アンゲリカがロールアウトカラーの2号機に搭乗している。宇宙世紀0112年に第13実験戦団に編成され、1号機はチームA、2号機はチームBにて個別に試験運用が行われた。ティグリスとの戦闘で2号機が大破した後は、ディル・ライダーことパッツィの息子リヴがパイロットの座を受け継ぎ、ファステスト・フォーミュラの主力として運用された。
- 機動戦士ガンダムF90クラスター
- デフの乗る1号機が登場。ボッシュとの戦闘の後、オリンポス基地の崩落に巻き込まれる形で地下に閉じ込められたが、イヴァル・ダーナらと協力する形で地上へ脱出。中破した機体はその後4号機のパーツを転用する形でアフリカのマニャラ基地で修復作業が行われたが、汎アフリカ開放同盟のテロ攻撃に対抗するため、左腕の修復が済んでいない状態でXタイプのバックパックを装備して運用された。
装備・機能 編集
特殊機能 編集
- 換装
- 機体各所に配置されたハードポイントを介しミッションパックを換装可能。なお一部の装備を除いて複数のミッションパックの混載が出来る。ミッションパックの開発は推進モジュールなど追加装備に優れていたことに加え、民生用といえど自衛のために武装する場合があり武器メーカーと付き合いがあったため、サナリィの民生用宇宙機部門が担当している。
- 8000系ニューロコンピュータ
- 機体の主管制コンピューターである第五世代非ノイマン型コンピュータ。機体制御の為に高性能なシステムが必要とされた結果搭載された物であり、これ一基でミッションパック全種の管制を行う事が出来る。MS搭載のコンピュータとしては初めてシナプスプロセッサ数100万以上のホロ・キューブ処理系を実現しているが、通常のプログラミングが不可能であり、プロセッサ上に擬似人格知識ベースを構成し、教育型コンピュータと対戦シミュレートを繰り返す事でシナプス結合によるOSのプログラミングを行っている。それぞれのAIのイニシャルは過去のニュータイプパイロットと一致するものの、因果関係については特に明言されていない。
- A.R(TYPE ”A・R”)
- 1号機に搭載されている擬似人格OS。小回りが利く他、敵の動きを先読みするかのような操縦サポートを行う。また、『F90』作中ではダメージコントロールを自律的に行う描写がある[6]。
- C.A(TYPE ”CA-III”)
- 2号機に搭載されている擬似人格OS。機動性が高く、通常のモビルスーツの3倍の速度を出す事が可能。『F90FF』第10話で緊急的にインストールする描写が描かれた他、MSとしては生々しい挙動を見せている[7]。
- K.B.(TYPE K.B.)
- 3号機に搭載されている疑似人格OS。オールズモビルによるフロンティアI襲撃時のバージョンは「Ver. 1.12.3 011602240643」。搭乗者のディルは機体が発する感覚を「まるで怒っているように感じる」「人の命が踏みにじられることを悲しんでいるようにも思える」「2号機のAIより多少反応が生真面目な感じ」と表現している。
基本武装 編集
- ASG-105A2 バルカン砲
- 頭部(こめかみ横)に左右一対二基内蔵されたTOTOカニンガム社製のバルカン砲。設計側では必要無しと排除されていたが用兵側からの自衛装備の要求から急遽盛り込まれた装備。軽量化のために装弾数は少ないが、当たりどころによっては重MSも撃破出来る。
- ビーム・サーベル
- 背部バックパックに2基装備。配置はRX-78こと初代ガンダムと同じ。ミッションパックの構成によっては別途装備されたサーベルラックに移設される。
- ビーム・ライフル
- 当時の一般仕様ビーム・ライフルより高い威力を誇る本機専用のビーム・ライフル。Eパック方式を採用しており、ライフルの後部に差し込んだEパックがそのまま銃床になる。予備Eパックはシールドの裏にマウントする他、ハードポイントに接続して携行する事も可能。
- シールド
- 本機専用デザインの1枚板の実体盾。手持ち用のグリップとハードポイント等に接続するコネクタジョイントを有し裏側にはビーム・ライフル用Eパック二つを搭載可能。
ミッションパック 編集
- (Aタイプ) アサルトタイプ
- 長距離侵攻仕様。敵陣深くに単独で侵攻し、重要拠点をビームバズーカで奇襲する。両肩にミノフスキークラフト式の機動ユニット、手足のハードポイントに大量の推進剤タンクを備え、長時間の大気圏飛行を可能にしている。
- (Bタイプ) ボンバードタイプ
- 重爆撃仕様。機体各所に大型のミサイル・コンテナ、キャノン、グレネードを装備し高火力を誇る。
- (Cタイプ) コールドネスタイプ
- 寒冷地仕様。防寒用マントやヒーターユニットなどの防寒装備に加え、脚部に滑走用のスキーユニットを装備している。
- (Dタイプ) デストロイドタイプ
- 接近・制圧戦仕様。敵主力の面制圧用の装備を備える。実体弾かつ、近距離用の重火器が多い。
- (Eタイプ) エレクトリックタイプ
- 電子戦仕様。早期警戒仕様とも。書籍『ENTERTAINMENT BIBLE.25 機動戦士ガンダム MS大図鑑 PART.4 MS開発戦争編』に掲載されている物と、プラモデル『MG 1/100 ガンダムF90用ミッションパック Eタイプ&Sタイプ』用の新規デザインとで、ミッションパックの形状が異なる。
- (Fタイプ) ファイトタイプ
- 格闘戦仕様。両手にビームの棘を発生させるナックル状の装備と、腰部ハードポイントにサブスラスターとサブアームを内蔵したバインダーユニットを装着している。サブアームにはF90本体に装備されたビームサーベルを持たせることができる。
- (Gタイプ) ガードタイプ
- 警備・護衛仕様。右肩にソード形態とライフル形態の二通りの機能を持つマルチプル・ビーム・ウェポン、左肩に上下へ可動する大型シールドを装備しており、遠方から迫るミサイルの迎撃やMSとの格闘戦などに柔軟に対応する事が可能となっている。
- (Hタイプ) ホバータイプ
- 陸上機動戦仕様。ジオン軍のドムのホバー移動をヒントにした装備であり、陸上をホバー移動で迅速に移動し、両肩のミサイルポッドを使用した一撃離脱戦法を取ることを目的としている。ただし、F90はドムよりも小さな機体であるために推進剤の搭載量も少なくなっており、ホバー走行を維持できるのは合計4時間程度となっている。
- (Iタイプ) インターセプトタイプ
- 迎撃・追撃戦仕様。巨大な「フライトシールド」を装備しており、この盾はSFSとして飛行から大気圏突入までをサポートできる。
- (Jタイプ) ジャケットタイプ
- 増加装甲仕様。全身にフルアーマーユニットを装備している。
- (Kタイプ) キープタイプ
- 守備隊・持久戦仕様。試作型メガ・ビーム・シールドとIフィールド・ジェネレーターを装備しており、堅牢な防御力を発揮する。
- (Lタイプ) ロングレンジタイプ
- 長距離狙撃仕様。主武装のロングレンジライフルは、ビーム、実体弾のどちらも撃てる仕様となっており、状況に応じて使い分ける事ができる。実体弾はF90からの指令によって一度だけ方向転換を行うことができ、遮蔽物に隠れた敵機でも狙撃できる。
- (Mタイプ) マリンタイプ
- 水中戦仕様。全身に魚雷など水中用武装を装備している。
- (Nタイプ) ネクストタイプ
- 『F90FF』以前は一切の詳細が不明だった仕様[8]。サナリィが開発した極秘ミッションパックの一つで、戦闘機ハルファイターとの合体形態となっている。
- (Oタイプ) オフィサータイプ
- 指揮官仕様。バックパックにマウントされたバルカン及び大型ブレードアンテナで構成された複合ユニットによって牽制能力と通信能力に長けており、主兵装であるモード切り替え機能付きの強化型ビーム・ライフルによって戦況の変化に柔軟に対応する事が可能。
- (Pタイプ) ブランジタイプ
- 大気圏突入仕様。WR形態への変形が可能。
- (Qタイプ) クイックタイプ
- 高機動型。新型推進装置を装備し、機動力を向上させている。
- (Rタイプ) レコノイタータイプ
- 偵察・調査仕様。ミノフスキー粒子散布下の偵察任務に特化しており、上半身に光学式カメラユニットを有するステルスアーマー、両腕部に光学式カメラガン・ユニットを装備している。
- (Sタイプ) サポートタイプ
- 長距離支援仕様。足を止めての遠隔支援砲撃用であり前線運用は考えられていない。この仕様の試験結果からキャノンガンダムとGキャノンが派生機種として誕生する。
- (Tタイプ) トレーサータイプ
- 追撃戦仕様。バックパックに長距離用の大型推進器、両肩に可動式の大型シールドを装備している。
- (Uタイプ) アップリフトタイプ
- 大気圏離脱仕様。上半身前面に保護用のフェアリングカバー、バックパックに出力と推力を補う大型のブースターパックを接続している。
- (Vタイプ) ヴェスバータイプ
- 新規格火器試験仕様。実質的なF91のプロトタイプ。F91の設計仕様がある程度固まってから開発された。
- (Wタイプ) ウォーバードタイプ
- 飛行試験型。Pタイプと同様に可変機構を有するミノフスキードライブの試験仕様。ノウハウはレコードブレイカーに活用された。
- (Xタイプ) エキストラタイプ
- 次世代仕様。Pタイプの可変機構とFタイプの推力偏向パドルから着想を得た4発式偏向スラスター、2連装簡易ヴェスバーとビーム・シールド発生器を組み合わせた複合兵装「ゼノビア」で構成される。
- (Yタイプ) ヤングスタータイプ
- 次世代仕様。クラスターガンダムの専用ミッションパックとされる。
- (Zタイプ) ゼロタイプ
- 詳細不明。F0-1号機とも。
関連機体 編集
別仕様・装備バリエーション 編集
- ガンダムF90 (A.D.S.混合装着時)
- Aタイプ、Dタイプ、Sタイプの各パーツを装着した状態。火星のオールズモビル基地へ突入する際、デフとシドの手によって換装された。
- ガンダムF90-NGタイプ / NFタイプ / NBタイプ / NVタイプ
- ファステスト・フォーミュラで実戦運用されたNタイプとその他のミッションパックの混成装備。
- ガンダムF90 (試製ミノフスキー・ドライブテスト装備)
- Wタイプ以前のミノフスキードライブの起動試験を目的とした混成装備。
- ガンダムF90 PVスペシャル
- ファステスト・フォーミュラで実戦運用されたPタイプとVタイプの混成装備。
- ガンダムF90 タイプFF
- Gタイプ、Nタイプ、Vタイプ、Wタイプの混成装備。
- ガンダムF90火星独立ジオン軍仕様
- オールズモビル(火星独立ジオン軍)が強奪した2号機を独自に改修した機体。
- ガンダムF90Iタイプ (木星決戦仕様)
- 『鋼鉄の7人』に登場した1号機にIタイプを装備させた決戦仕様。パイロットはミノル・スズキ。肩パーツがF90IIの物に変更されている他、ビームランサーの代わりに小型核ミサイルを装備したショットランサー兼ビームライフルを装備しているのが特徴。
- F90改
- 書籍『機動戦士ガンダムF91 モビルスーツ・イン・アクション U.C.0123』に模型作例と画稿が掲載されている機体。F90の後期バージョンとされている。
系列機・派生機など 編集
- ガンダムF90II
- 1号機との戦闘で大破した2号機(火星独立ジオン軍仕様)を回収し、機体パーツの6割を新造して製作された機体。
- なお、当wikiを含む各種サイトでは原則機種依存文字の使用は控えられる為、英大文字の「I(アイ)」で代替表記されているが本来はローマ数字の「2」表記である。IIでのミッションパック装備時のスペックは1号機の物とは異なる。
- クラスターガンダム (F90IIIY)
- F90の3号機。コアブロックシステムを採用したYタイプ仕様機。
- マルス・ガンダム
- オールズモビルが2号機をリバースエンジニアリングしたコピー機体。後にサナリィに渡り、F90の5号機として扱われた。
- ガンダムF91
- F90Vタイプから発展開発された新型試作機。
- ガンダムF89
- F90開発の前段階として開発された機体。この機体をダウンサイジングした物がF90となる。F計画で設定されたF80シリーズとは別系統にあたり、F90のプロトタイプという意味合いを込めて「F89」と命名された[9]。
- F80 ガンレイド
- 本機の量産仕様。F90と同等のハードポイントを有し、ミッションパックの換装が可能。
- クロスボーン・ガンダム
- フォーミュラ計画におけるF90シリーズの後発機体。正式名称は「F97」。一部武装・オプション装備に本機のミッションパックの派生型と思われる物を使用している。
技術的関与のある機体・関連性が疑われる機体 編集
- シルエットガンダム
- V型仕様などF91開発初期のデータを盗用したアナハイムが「シルエットフォーミュラプロジェクト」において開発した実験試作機。
- ガンダム[ケストレル]
- 青と白を基調とした機体色、換装機能、システムによる機体動作の補助など共通点が多い機体。将来的なMSの小型化を前提とした設計を採用しており、『刻に抗いし者』最終話では技術の流れを匂わせる描写も存在している。
商品紹介 編集
ガンプラ 編集
フィギュア 編集
書籍 編集
余談 編集
- 元々はF91の初期案であり、没案にこそなったものの、そのままにしておくには惜しいデザインだったため、F90として設定を構築しプラモデル展開に至った。
- 1990年8月発売の『B-CLUB』57号に『F91』の速報記事が掲載されており、当該ページにはF91のシルエットと共にデザインが若干異なるF90の挿絵が掲載されている。原画は後藤雅巳氏(後に『F91』で原画を担当)によるもの。武装は肩部にビームバルカン、ミサイルポッド、レーダー。両腕にミサイルランチャーを装備している。
- 大河原邦男作品集『IRON WORKS』(1989年11月)の表紙に本機に似たガンダムが描かれているが、これは「RX-78 ガンダムを今風に描いたら?」というコンセプトで表紙用に描き下ろした物である。
- 2019年4月にバンダイ公式ショッピングサイト『プレミアムバンダイ (ホビーオンラインショップ)』において、本機がマスターグレードでガンプラ化される事が決定。オンライン限定商品として同年8月から発送された。同サイトでは初の完全新規型によるマスターグレードとなった。
資料リンク 編集
リンク 編集
脚注 編集
- ↑ 3号機であるクラスターガンダムの存在が明らかになり、さらに予備機(4号機)が存在していたなどの事情による。
- ↑ ただしVタイプだけは装備のジェネレータリソースの配分(特に高出力を要するヴェスバーやビームシールド)や熱配分の関係で他装備の混載は不可能となっている。
- ↑ ただし、この方式は可変MSのような単体全領域対応能力は持てないものの、主力級MSが支援無しに単機で多領域戦闘をすること自体がありえないため、了承されている。
- ↑ 『GGENRATIONシリーズ』では交換可能なアイテムにする為に「A.Rチップ」「C.Aチップ」とされているが原典である漫画版や当時の文字設定では交換可能なプログラムチップである描写や言及は無い
- ↑ 模型誌『B-CLUB』74号掲載のジオラマ写真と解説文より
- ↑ 強奪された2号機との交戦中、胴体への直撃弾を左腕を引き換えにして防いでいる。
- ↑ デブリを踏み台にする、『1st』第2話を髣髴とさせる敵機の土手っ腹へのキック等。
- ↑ 「Nタイプ」の名称についても「核武装=Nuclea」とも「ニュータイプ=NewType」とも、はたまたそのダブルミーニングとも推測されていた。書籍『機動戦士ガンダムF91 オフィシャルエディション』の記載によれば、本タイプを基にF91が開発されたとされるが、Vタイプとの誤植の可能性もある。
- ↑ 本来、F80シリーズは次期汎用量産機に分類される。