アッガイ

アッガイ
外国語表記 Acguy
登場作品
デザイナー 大河原邦男
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スペック
分類 水陸両用量産型モビルスーツ
生産形態 量産機
型式番号 MSM-04
頭頂高 19.2m
本体重量 91.6t
全備重量 129.0t
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 1,870kW
スラスター総推力 109,600kg
装甲材質 超硬スチール合金
開発組織 ジオニック社[1]
開発拠点 キャリフォルニアベース
所属 ジオン公国軍
主なパイロット
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概要 編集

ジオン公国軍ズゴックに続いて開発した水陸両用モビルスーツゴッグよりも小型軽量で調達が容易な機体として、ザクIIJ型のパーツを多く流用して開発されている。開発はジオニック社のスタッフによってキャリフォルニアベースで進められ、主に南米やアメリカを中心に配備された。

水圧に耐えうる強固な機体構造と強靭な装甲を持つ水陸両用MSは、陸上での機動性向上に高いジェネレーター出力を必要とするが、アッガイは生産性を向上させる目的で大出力ジェネレーターの新規開発は行わず、ザクIIのジェネレーターを2基搭載[2]する事で出力を確保している。ジェネレーターを2基搭載する設計は陸上での活動に必要な出力を確保する為の措置であり、水中航行時には戦闘を考慮しなければジェネレーター1基のみの稼働で十分な活動が可能となっている。この設計は結果的に機体の排熱量の大幅な低減を実現し、高い隠密性能を獲得。更に外装に電波吸着剤を塗布する等の加工を施し、更にステルス性を高めている。

かくして本機は偵察や斥候、歩兵部隊の輸送など、隠密性が必要とされる特殊任務に多用される事となった。また、複座式コクピットが採用されているため、水陸両用MSの訓練機として使われる事も多かったとされている。

他の水陸両用MSに比べると航続距離や水中での機動性には多少の問題は抱えているものの、反面、陸上での機動性は非常に良好で、高い移動速度はもちろんの事、跳躍も可能となっている。また、腕部構造にフレキシブル・ベロウズ・リムと呼ばれる多重関節機構を採用した事で伸縮性が良く、閉鎖空間で移動装備として活用する事で軽快に動く事ができる。

頭部はセンサー類や水中の行動に必要な装備のほとんどが集中しているため大型化しているものの、機能分化の徹底により建造・運用コスト面で優れているだけでなく、戦術に必要なセンサー類がEWAC機に匹敵するスペックを達成している。また、バリエーション化の際には頭部ブロックごと換装する事で、特性の異なる機体とする事も可能となっている。

登場作品と操縦者編集

機動戦士ガンダム
初登場作品。第30話でアカハナ率いる工作員の搭乗機として登場した。ジャブロージムの工場を爆破するべく潜入し、任務を堅実に行っていたものの、最終的にガンダムによって全滅させられている。
機動戦士ガンダム (冒険王版)
Vol.9で登場。が、まさかのシャア搭乗。ガンダムを素早い動きと格闘術で翻弄した。途中、ウッディ・マルデンの妨害を受け、味方のアッガイと共に撤退している。
映画 機動戦士ガンダムII 哀・戦士編
TV版のジャブロー回が統合され、シャア専用ズゴックと共にジャブロー攻略戦に出撃。ジャブロー内に侵入するものの、連邦軍の猛攻の前に次々と撃墜されていった。
一方、パンフレットに描かれた体育座りのイラストは今もなお続くアッガイ人気の火付け役にもなった。
機動戦士ガンダムΖΖ
第40話でタイガーバウムスタンパ・ハロイのコレクションの1つとして登場。変装して潜入していたハマーンが搭乗し、ジュドー達と対決した。コクピットをリニアシート全天周囲モニターに変更するなどの改修が施されている。
機動戦士ガンダム 第08MS小隊
第9話にオデッサから撤退中の機体が登場。喪失した右腕部に防水カバーが施されている。カレン陸戦型ガンダムの頭を水中からの奇襲攻撃で吹き飛ばす活躍を見せたが、最終的にエレドアの手助けを受けたカレン機により撃墜された。
機動戦士ガンダム アッガイ北米横断2250マイル
北米戦線にて、学徒兵のノルト・キスノと弟のベルデ・キスノが搭乗。ケープカナベラル陥落と共に、陸路でキャリフォルニアベースに向かう事になってしまうが、道中で様々な体験や荒技を披露していく事になる。
機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還
MATERIAL-G039からジオン残党の機体が登場。その内の1機にはユーマ・ライトニングが搭乗し、リミア・グリンウッドを同乗させ、ジャブロー基地の強行偵察を行なった。リミアを下ろした後はレッド・ウェイライン高機動型ゲルググと合流し、戦闘に参加した。なおこの機体は全天周囲モニターを備え、操作系がアップグレードされていることからアナハイム製か、ユーマが潜伏していた連邦軍第2020技術試験大隊からの横流し品と思われる。
ガンダムビルドファイターズ バトローグ
第3話に登場。ストーリーは「ガンプラのベアッガイシリーズには組立不可のアッガイ頭部の余剰パーツが付属する」事を題材にした内容で、捨てられる運命にあった頭部パーツに怨念が宿り、ベアベア村でベアッガイを標的とする誘拐事件を引き起こしていた。事件解決のために奔走するふみな達を襲撃した際には無数の頭部が集合体となり巨大なアッガイへと変貌。彼女達を絶体絶命のピンチに陥れるものの最後はういにんぐふみなのういにんぐびーむを受け、バンダイホビーセンターでエコプラとして生まれ変わるよう諭され浄化された。

装備・機能編集

特殊機能編集

フレキシブル・ベロウズ・リム
腕部 (肩~肘)を構成する多関節構造。自由度の高い複数の関節で構成されており、陸上での戦闘に対応するために採用された。1ブロックあたりのユニットがゴッグのものより長く、最大で機体全高に匹敵する程のリーチ長を確保している。これは前腕部の武装の使い勝手を拡大するだけでなく、坑道などの閉鎖空間においては補助的な移動装備として使用する事も可能となっている。
また、水流抵抗は腕部を最大まで延長していた方が特性が優れていたとされている。なお、この際に腕部をくねらせる事で推力を得る事も可能だったという説が存在するが、詳細は不明となっている。

武装・必殺攻撃編集

105mmバルカン砲
前頭部に左右二対計4門内蔵されている機関砲。
アイアン・ネイル
腕部先端に内蔵された出し入れ可能な格闘戦用クロー。打突や斬撃に用いられ、フレキシブル・ベロウズ・リムと組み合わせる事で優れた格闘戦能力を発揮した。非使用時には前腕部内に収納される。一般的な仕様では右腕に装備されているが、両腕に装備した機体も存在するとされる。
6連装ミサイル・ランチャー
腕部先端に内蔵されている。資料によっては240mmロケット・ランチャーとされる事もある。アイアン・ネイルとの選択式、もしくは両方を切り替えられるタイプがあるとされ、両腕部に装備した機体が確認されている。
メガ粒子砲
アイアン・ネイルに併設されたビーム砲。ジェネレーター出力の低さの問題から、一般的に右腕部のみに装備されるが、両腕に同じ装備を用いていた機体も存在するとされる。
腕部バルカン砲
メガ粒子砲と同部位に搭載される機関砲。メガ粒子砲の採用・開発計画とともに、数機の実用例を示す資料が存在したとも言われている。

対決・名場面編集

機動戦士ガンダム (冒険王版) 編集

シャア専用アッガイ?
Vol.9にて。「ガンダム ゴ――ッ!!」の掛け声と共に出撃したアムロの前に1機のアッガイが現れた。ガンダムの攻撃を巧みに避わすその動きを見て、アムロはアッガイのパイロットがシャアであると確信する。そう、シャアがアッガイに乗っているのである。しかも赤くない
とはいえ実力は相変わらずで、ガンダムを左ストレートで殴り飛ばし、トドメを刺す寸前まで追い詰めた。

関連機体編集

別デザイン編集

アッガイ (サンダーボルト版)
機動戦士ガンダム サンダーボルト』に登場するアッガイ。一般的な機体よりも小型化されている。

系列機・派生機編集

プロトタイプアッガイ
本機の試作機。
アッグガイ
アッグシリーズの1機。本機の最終選考に残ったプランが基となっている。
アッグジン
アッガイの再設計機。

技術的関与のある機体編集

ザクIIJ型
生産性向上を目的に胸部基礎フレームの他、ジェネレーターをアッガイに流用している。
ジュアッグ
アッグシリーズの1機。本機の設計データが転用されている。

その他編集

ビアッゴ
宇宙戦国時代のミキシングビルドモビルスーツの1機。アッガイの頭部が使用されている。
ベアッガイ
模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG』に登場する本機をベースとしたガンプラ
ベアッガイIII
ベアッガイIIをベースに改造されたガンプラ。

商品情報編集

ガンプラ編集

フィギュア 編集

余談編集

  • ジオン公国軍水陸両用型MS(通称「ジオン水泳部」)の一員。時代を経るごとにその軍事兵器らしからぬ丸っこい姿が某ガンダムのギャグ漫画やSDガンダムでのデフォルメでの描写で人口に膾炙し、かわいいと評価されるようになった。一部では「アッガイたん」または「アガーイ」と呼ばれるなど、MSなのに所謂「萌え」の対象になるなど、マスコットキャラのような扱いを受けるようになった。多人数参加のガンダムゲームでは全員がアッガイに乗る「アッガイ祭り」が存在する。「その愛くるしい姿を観賞し、見守ろう」と言う趣向である。
    • ちなみにこのようになったきっかけとして、劇場版『哀・戦士』のパンフレット裏表紙に、安彦良和氏が描いた体育座りをするアッガイの上をカツレツキッカが走り抜けるという、劇中の一シーンをデフォルメしたイラストが挙げられる。

リンク編集

脚注編集

  1. スウィネン社とする資料あり。
  2. 水冷式に改造したともされている。