ジャブロー

ジャブロー(Jaburo)編集

南米アマゾン川下流域に存在する天然の地下鍾乳洞を利用して設けられた地球連邦軍の本部施設。42万平方kmに及ぶ広大な敷地面積を有し、45万人もの軍関係者が居住する軍事都市である。

通常兵器はもとより核兵器による爆撃にも耐えうる強固な地盤の下に存在する地下基地であり、更に地上部は広大なジャングルに覆われ、外部に通じる出入り口も巧妙にカモフラージュされている。その施設内には宇宙戦艦のドックにモビルスーツの生産工場、更には宇宙港、大規模兵器庫、保険庁、参謀本部等を内包し、一年戦争時の連邦軍にとって最重要施設となっていた。

ジオン軍もジャブローの所在こそ把握していたものの、これの攻略が困難である事は開戦初期より承知しており、これを直接攻撃する為にブリティッシュ作戦を実行するも失敗。地球降下作戦後はガウによる爆撃[1]を実施しているが、それによってジャブロー側が被った被害は微々たるものであり、シャア・アズナブルホワイトベースを追跡しジャブローの進入路を発見するまでジオン側は攻略の決め手を持たずにいた。また、ジオン軍はアプサラスビグ・ザムといったジャブロー攻略兵器を複数開発するものの、何れも本来の目的で用いられる事は無かった。

しかし、その難攻不落の要塞という性質は必ずしもプラスにばかり働いている訳ではなく、連邦軍内の一部高官、特に守旧派・官僚主義者は前線で指揮せずに安全なジャブローに引きこもっており、彼らは地下に籠もるその姿をから「モグラ」と敵・味方双方から揶揄されている。また、最前線の兵士からは「現場を知らないエリート」という皮肉を込めて「本社」と呼ばれる場合もあった。

一年戦争後は滑走路などの地上施設の拡充が行われており、グリプス戦役時にはティターンズの本部が置かれた。しかし、ティターンズはエゥーゴをおびき寄せる目的で秘密裏に基地を引き払い、基地中心部を核自爆。それとともに基地は放棄された。ただし、核爆発によって壊滅的ダメージを受けたのは中枢部とその周辺施設のみであり、外縁部や周辺施設はほぼ無傷であった。この手付かずとなった広大な敷地を、連邦政府と軍高官は自分達にとって「不都合な物」を隠す為の隠れ蓑として利用。「核汚染」もまた、無闇に人を寄せ付けない為の口実として用いられた。

登場作品編集

機動戦士ガンダム
初登場作品。序盤からホワイトベースの最終目的地として度々名前が登場し、第29話でようやく到達に成功した。その際、ホワイトベースを追跡したシャア・アズナブル率いるマッド・アングラー隊によって出入り口を発見され、ジオン軍に攻め込まれたが、連邦の奮闘でこれを撃退する事に成功。ジオン側はオデッサでの敗退もあって地上での戦力を消耗させる事になった。
機動戦士Ζガンダム
ティターンズの本部になっていたが、エゥーゴのジャブロー降下作戦を逆に利用してエゥーゴの部隊をおびき出し、核自爆を決行[2]。爆心地周辺は壊滅的ダメージを受けた。
夢のマロン社・宇宙の旅
ツアー中のアッガイ達が迷い込んだリアルガンダム世界として登場。『0080』登場機体の初期設定である1st機体のリデザイン版が複数登場する他、ガンダムシリーズ初のサラミス打ち上げシーンが描かれた。
ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079
ジャブローステージであるMISSION 10「ジャブロー攻略作戦」は基地司令部の破壊がプレイヤーの任務となる。しかし最深部まで進むとそこが基地中心部ではなく宇宙戦艦の発着場である事が判明し、そこで停泊しているブランリヴァル及び迎撃に現れる未完成状態のガンダム6号機を相手取る事になる。
機動戦士ガンダム THE ORIGIN
所在地がアマゾン川流域からギアナ高地へと変更された。オデッサ作戦と時期が入れ替わった他、ジャブロー内部に侵入した敵の大部隊をジムの大部隊による奇襲攻撃で殲滅するという、『1st』以上に連邦軍が優位な展開となった。
機動戦士ガンダム MS IGLOO 黙示録0079
第1話にてジオン軍のモビルダイバーシステム「ゼーゴック」の運用試験場所に選ばれ、打ち上げ中の宇宙艦艇が3度に渡って攻撃された。3度目の攻撃の際に打ち上げ中の艦艇が全滅してしまうも、迎撃のため出撃したコア・ブースターII インターセプトタイプ2機によってゼーゴック及び回収のために待機していたガウ1機を撃墜した。
機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還
テミスによって外縁施設にサングレ・アスルが秘匿されており、テミスとゴップ派によってこれをめぐる攻防戦が繰り広げられた。
機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト
エンジェル・コールを秘匿したエリン・シュナイダーの潜伏先として登場。ザンスカール帝国サーカス、そして宇宙海賊クロスボーン・バンガードによるエンジェル・コール争奪戦が繰り広げられたが、宇宙細菌の存在を危険視するフォンセ・カガチによって核ミサイルの攻撃を受けた。
ガンダム Gのレコンギスタ
『THE ORIGIN』の設定に則ったギアナ高地に所在している。宇宙世紀からリギルト・センチュリーに移り変わった本作では遺跡となっており、朽ち果てた施設やズゴックの残骸が放置されていた。
機動戦士ガンダム アグレッサー
機動戦士Ζガンダム Define

関連人物編集

ゴップ
アントニオ・カラス
ウッディ・マルデン
コーリン

施設 編集

地上 編集

トーチカ
密林の中に建設されている防衛用のトーチカ。対空監視の他、対空砲による敵航空機の迎撃を行うなど、ジャブロー防衛の要となる。
滑走路
ガルダ級の離着陸が可能な程の大きさを誇る大型滑走路。他にも地下からの戦闘機の発進が可能なハッチ開放式の滑走路も存在し、こちらはハッチが密林にカモフラージュされている。

地下 編集

司令部
ジャブローの要である総司令部。
宇宙船ドック
戦艦の建造や停泊、打ち上げ等を行う区画。地上との出入り口であるハッチは密林にカモフラージュされている。
MS工場 (ジャブロー工廠)
モビルスーツの生産が行われる区画。後期生産型を含む多くのジム系列機がここで開発・生産された。
育児センター
戦災孤児や軍人を親に持つ子供達を預かっている施設。

基地戦力・配備機体 編集

一年戦争時 編集

一年戦争時 (THE ORIGINなど) 編集

グリプス戦役編集

関連用語編集

ジャブロー降下作戦 (U.C.0079)
ジャブロー降下作戦 (U.C.0087)
地球連邦軍
ティターンズ
エゥーゴ
ギアナ高地
アラスカ基地 / ロストロウラン

商品情報編集

書籍 編集

Amazon.co.jp 商品リンク: 4344021541

リンク編集

余談編集

  • 機動新世紀ガンダムXでは作中の第七次宇宙戦争時の地球側勢力である旧連邦こと「統合地球連邦政府」の本拠地が南米に置かれていたと設定されており本記事のジャブロー基地のオマージュとされている。

脚注編集

  1. 連邦側からは「定期便」と呼ばれている。
  2. この時の基地防衛部隊は旧型MSが中心であり、捨て石である事が示唆されている。