シルエットフォーミュラプロジェクト

シルエットフォーミュラプロジェクト (Silhouette Formula Project)編集

機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』に登場するモビルスーツ開発計画。略称は「SFP」。

宇宙世紀0112年6月14日、地球連邦軍の次期主力機コンペでサナリィガンダムF90に大敗を喫したアナハイム・エレクトロニクス社ら、連邦軍の次期主力機製造から外される事を懸念し、新規の小型MS開発を決意。サナリィから合法・非合法問わず入手したフォーミュラ計画の情報を基に、その技術吸収を目的として、GキャノンのOEM供給と前後する形で同計画をスタートさせた。同計画は、単なる産業スパイに留まらず、アナハイムの社内体制そのものを抜本的に見直し、同社の技術的優位性を継続させる事も意図していた[1]

当初はAEの企業活動に過ぎなかったが、キャノンガンダムGキャノンの一件[2]などサナリィへの失望と目に余る行動から連邦軍側も積極的に介入(フォーミュラ計画に関する機密情報の横流し等)していくことになる。

同計画で得た情報を基に、アナハイムは独自に技術を発展・昇華させ、サナリィの機体にも比肩する高性能機を完成させた。同時にアナハイムはクロスボーン・バンガードとも政治的提携を結び、SFPの技術をC.V.にリークする見返りとしてブッホ・エアロダイナミックス社が開発した技術を獲得していた。

宇宙世紀0123年2月、アナハイムとC.V.双方は月とサイド3の中間に位置するゼブラゾーンで裏取引を画策したが、事情を知らない両者の試験部隊が鉢合わせし、遭遇戦が発生(ゼブラゾーン事件)。この一件はその後、双方の当事者たちによって「事故」として処理される事になった。

登場作品編集

機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91
出典元。作中のゼブラゾーン事件にてSFP関連機体の活躍が描かれる裏でAE上層部とC.V.司令部の裏取引の様子も描かれた。しかし、この事件が結果として計画の破綻を招く原因となった。
機動戦士ガンダムF90FF
F90の監視を行う先遣調査部隊ウジャトアイズが登場。宇宙世紀0115年を舞台とする第2部から活動を開始した。また、MSA-120も、F90とのトライアル後に計画の一環として増産された事が語られている。

開発機体編集

アナハイム・エレクトロニクス社編集

シルエットガンダム / シルエットガンダム改
ガンダムF91の再現を試みた機体。ネオガンダム開発の為のジャンピングボード。
ハーディガン
ヘビーガンをベースにキャノンガンダムの仕様を盛り込んだ改修機。
プロト・ハーディガン
ハーディガンのプロトタイプ。
Gカスタム
ハーディガンの先行配備型。MSA-0120のメガブーストを搭載する。
Gキャノンマグナ
Gキャノンをサナリィから盗用した技術などで改良した機体。
ネオガンダム
本計画の結果を基に更に次世代の機体を開発する裏のSFPこと「シークレットフォーミュラプロジェクト」で開発された機体。

ブッホ・エアロダイナミックス社編集

ビギナ・ゼラ
アナハイム側から提供されたヴェスバーに関する情報を参考に、ブッホ系独自の技術による改良型ヴェスバーを装備した機体。

関与が疑われている機体編集

MSA-120
プロジェクト開始以前の小型MSの試作機。2号機がハーディガン開発のテストベッドとされた他、プロジェクトの一環として6機が増産されている。
ジャベリン
本機のジャベリンユニットは、クロスボーン・バンガード側から提供されたショット・ランサーの技術から発展した可能性がある。
ビギナ・ロナ
ネオガンダムの主兵装であるG.B.R.Dに酷似した武装を装備している。また、本機のフェイスオープン機構はアナハイム側から提供されたガンダムF91の盗用技術を参考に導入した可能性が高い。
ビギナ・ゼラ アインツェルカンプ
武装構成がガンダムF90II-Iタイプと類似している他、大型ブースターを構成するパーツの形状がガンダムF90-Pタイプの増装に酷似しているため、ガンダムF90の各ミッションパック装備の盗用技術を導入した可能性がある。

関連項目編集

ゼブラゾーン事件
宇宙世紀0123年2月、ゼブラゾーンにおけるシルエットフォーミュラの試験中に発生した、AE社のブレイウッド隊とC.V.(ダーク・タイガー隊)の接触・交戦を発端とする事件。実態はAE上層部とC.V.司令部の裏取引。
ウジャトアイズ
本計画に基づき連邦軍が結成した先遣調査部隊。宇宙世紀0115年にF90運用部隊ファステスト・フォーミュラの実戦の様子を監視した。
ガンダム開発計画
かつてAE社が地球連邦軍と共同で行った次世代試作実験機開発計画。ネオガンダムに採用されているコアブロックシステムはその名残と言えなくもない。
フォーミュラ計画
本計画が実施された要因の1つであるサナリィによる小型モビルスーツ開発計画。

商品情報編集

コミック 編集

リンク編集

脚注編集

  1. 当時のアナハイムは度重なる組織再編の果てに極端な部署主義に陥っており、各事業部は相互の競争を建前に秘密主義に陥り、他部署の見学にすら武装警備員が見張りに付くという有様だった。
  2. キャノンガンダムはカタログスペック上は高性能だったが、量産機でありながらカスタム機並みの複雑な構造を持ち、宣伝された新機能も動作をしないケースが多く動作の確実性に欠けていた。しかし、サナリィはこれらの欠点を伏せた上でGキャノンでアナハイムが施した整備性周りの改善を悪し様に取り上げていた。