ミネバ・ラオ・ザビ | |
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外国語表記 | Mineva Lao Zabi |
登場作品 | |
声優 |
伊藤美紀 (Ζ、ΖΖ) 平木亜夢 (劇場版Ζ) 藤村歩 (UC、NT) 宮下早紀 (ガンダムUCE) |
デザイナー |
安彦良和 (Ζ) 高橋久美子 (UC) |
プロフィール | |
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偽名 | オードリー・バーン (UC) |
種族 | 人間 (スペースノイド) |
性別 | 女 |
生年月日 | 宇宙世紀0079年9月2日 |
年齢 | 0歳 (1st) ⇒ 8歳 (Ζ、ΖΖ) ⇒12(ムーン) 16歳 (UC) |
職業 | アクシズ総帥 ⇒ ネオ・ジオン (袖付き)指導者 ⇒ ジオン共和国 ミネバ一派リーダー |
所属 | ジオン公国 ⇒ アクシズ (ネオ・ジオン) ⇒ ジオン共和国 (ミネバ一派) |
概要
ジオン公国の宇宙攻撃軍司令ドズル・ザビと、その妻ゼナ・ザビの間に生まれた一人娘。一年戦争で全滅したザビ家直系の血を引く最後の末裔である。
一年戦争のソロモン攻防戦の際に父ドズルの手により母ゼナとともにソロモンを脱出し、ジオン敗北後は他のジオン軍残党と共にアステロイドベルトにあるアクシズに向かい、そこで育てられる。しかし、ミネバが物心付く前に母親のゼナは病死し、その後はアクシズの指導者であるマハラジャ・カーンの娘、ハマーン・カーンによって養育された。
グリプス戦役の時はジオン復興の旗頭として、わずか8歳ながらアクシズの総帥となり、地球圏に帰還する。しかし実権は摂政であるハマーンによって握られており、彼女は傀儡君主でしかなかった。歪んだ教育により偏見の塊の人間に育てられているが、本来は年相応の子供である[1]。グリプス戦役の決戦後にクワトロ・バジーナによって連れ出され行方不明になり、第一次ネオ・ジオン抗争時のアクシズではハマーンによって替え玉が用意されていた。当のミネバ本人はスウィートウォーターでシャアに匿われており、それまでの教育から大きく方針を変更したようで、それからはすくすくと健常に育ったことは、後の彼女の姿からもうかがえる。
それから4年後リュース艦隊の庇護を受けアタラント3で逃亡生活を送っていた彼女はムーンガンダムとその機体のパーツの一つである付随ユニットのサイコプレートを巡る騒動に巻き込まれその一端を垣間見る事となる。
シャアの反乱収束から3年後、サイコプレートを巡る騒動の頃とは打って変わりかつての幼さは消え失せておりネオ・ジオン残党組織「袖付き」の代表として据えられるが、ラプラスの箱を巡る争いを阻止するべく単身、工業コロニーインダストリアル7へ向かう。その際、そこで紆余曲折を経てバナージ・リンクスと運命的な出会いを果たし、彼と行動を共にする。彼女はジオンの忘れ形見として多くのジオン残党から「ジオンの再興」を望まれる立場でありながら、一方でジオンの人間として「一年戦争の再現」を避けなければならなかった。しかし、「ミネバ・ラオ・ザビ」としての立場ではしがらみが多すぎるため、「箱」を巡る争いに端を発する「戦争」を止めるために自由に行動が出来ず、彼女は「誰でもない誰か」である「オードリー・バーン」と名乗る事で、ジオンと無関係な一人の民間人として振舞うこととし[2]、物語の核心へと身を投じていく。
宇宙世紀0096年代の彼女は非常に意思が強く、また客観的に物事を見ることの出来る広い視野も持ち合わせており、「何のために」「何をするのか」ということをしっかりと判別する明晰さも持ち合わせている。パイロットとしての訓練は受けておらず、モビルスーツに同乗することはあったものの、自ら戦闘に参加するようなことはなかった。
また、ニュータイプとしてその才能を開花させており、ラプラス事変では幾度もその優れた能力で意思の疎通を行った。彼女はサイコミュによって増幅した思念ではなく、彼女の思念をサイコミュに「拾わせる」という方法でメッセージを送るという異質な才能を見せた。これは「分かろうとする」というバナージ・リンクスやユッタ・カーシムといった多くのニュータイプ達と異なり、「分かり合おうとしない」リディ・マーセナスにすら思念を感じ取らせたことからも明らかだが、「分かり合う」ためには、「分かってもらおうとする」ことも必要だ、という意図もあるのではないだろうか。
登場作品と役柄
- 機動戦士ガンダム
- 初出作品。第35話で母親ゼナ・ザビに抱かれた赤ん坊として初登場し、ソロモンを脱出する。
- 機動戦士Ζガンダム
- 8歳に成長した姿で登場。ハマーン・カーンの傀儡として歪んだ教育を受け、尊大な性格になっていた。しかし、モルガルテンでの一件のように、年相応の幼子らしい一面を見せる事もあった。本編では語られていないが、グリプス戦役の最終決戦の後クワトロによって連れ出されている。
- 機動戦士ガンダムΖΖ
- 引き続き、ネオ・ジオンの象徴として担ぎ出されているが、この時に登場する「ミネバ」は影武者である事が、最終回で明らかとなる。
- 機動戦士Ζガンダム A New Translation
- 概ねTV版と同じ展開であるが、モルガルテン等のシーンはカットされており、グリプス戦役終盤にハマーンによって地球への「留学」を行う手筈を整えられている。
- 機動戦士ムーンガンダム
- 第一次ネオ・ジオン抗争後、『UC』以前の動向が描かれた。リュース艦隊の庇護を受けており、。ムーンガンダムとその機体のパーツの一つである付随ユニットのサイコプレートを巡る騒動に巻き込まれその一端を垣間見る事となる。この事件に関わった事で知り合ったユッタとは後にニュータイプ同士の精神感応をひき起こし相思相愛の関係になっていく。
- 機動戦士ガンダムUC
- 『ムーン』の頃から更に成長し、かつての幼さは消え失せているようにも見える。物語のヒロインとして登場。素性を隠すため、「オードリー・バーン」という偽名を用い、宇宙世紀に秘められたラプラスの箱の「呪い」の謎を追った。その戦乱のさなか彼女を支え続けたバナージとは相思相愛の関係となる。なおユッタとの関係がどうなったのかは不明である
- 機動戦士ガンダムNT
- 『UC』から引き続き登場。ラプラス事変後、ジオン共和国に匿われているが、フル・フロンタルの黒幕であるモナハン・ハバロとは政治的に対立しており、不死鳥狩りに介入する彼に釘を差した。
- 機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE
- 同作における『ムーン』の初映像化に伴い、宮下早紀氏がキャストを担当した。
人間関係
家族
ジオン公国 / ジオン共和国
- シャア・アズナブル
- かつての養育係。ハマーン以上の信頼を寄せていたようであり、その後彼の手によってアクシズから連れ出された。
- モナハン・バハロ
- ジオン共和国国防大臣。ラプラス事変後に彼を頼り共和国に身を寄せるが、フロンタルを影から操りサイド共栄圏構想を実現しようと暗躍した彼の存在を警戒する。
ネオ・ジオン
- ハマーン・カーン
- アクシズの摂政。信頼しながらもどこか恐れているそぶりを見せた。
- リュース・クランゲル
- 第一次ネオ・ジオン抗争後、彼の庇護に入る。
袖付き
- フル・フロンタル
- 「シャアの再来」と呼ばれる人物。そのカリスマと実力は認めているが、信頼はしておらず、最終的に彼の掲げるサイド共栄圏構想を否定。決別する道を辿った。
- スベロア・ジンネマン
- ガランシェールの艦長。シャアからミネバを託され、長い間身近にいたからか、その人となりはよく理解しており、不器用ながら優しい気質を感じ取ってか、かなりの信頼を寄せている。
- マリーダ・クルス
- パラオ以来、ジンネマンやガランシェール隊と共にミネバを護衛してくれていたパイロット。強化人間であるが、彼女がパラオにおいて強く信頼していた人物の1人。
民間人
- ユッタ・カーシム
- 「忘れられたコロニー」ムーン・ムーンで出会った少年。出会った当初は彼をムーンガンダムとその機体のパーツの一つである付随ユニットのサイコプレートを巡る騒動にを巻き込んでしまったという負い目を感じていたが彼と共に行動するうちに次第に彼に惹かれていき後にユッタとの間にニュータイプ同士の精神感応をひき起こし相思相愛の関係になっていく。[3]なお、バナージとの対比なのか彼には一貫して「ミネバ」と呼ばれている。
- バナージ・リンクス
- 「インダストリアル7」で出会った少年。ラプラスの箱を巡る騒動に巻き込んでしまったという負い目から彼を遠ざけようとしたが、彼の強い意思や行動力に次第に惹かれていく。後に連邦から彼女を奪還した後は互いに惹かれていき相思相愛の中になっていく。なお、彼には一貫して「オードリー」と呼ばれている。[4]
- サキ・メントー
- ユッタとの幼馴染。「ムーン・ムーン」を襲ったネオ・ジオン過激派の象徴であるということと、ユッタを異性として意識していることから、彼女にたいして嫉妬心を見せ冷たい目を向けられる
- ミコット・バーチ
- バナージの同級生。「インダストリアル7」を襲った組織の象徴であるということと、バナージを異性として意識していることから、冷たい目を向けられる。
- ダイナーの老主人
- 軟禁されていたマーセナス邸から逃げ出した際、途中で立ち寄ったダイナーにいた壮年の店主。彼がミネバに語った『全て善意から始まった事』という言葉は、自身の無力さに打ちひしがれていたミネバに対する光明となっている。後の最終話においても、ミネバは演説の中で「善意」という言葉を用いて『ラプラスの箱』の当初の祈りを人類に語っている。
地球連邦軍 / エゥーゴ
- リディ・マーセナス
- 自身を保護したネェル・アーガマ所属のパイロット。彼の父であるローナン・マーセナスの力を借りるため、共に地上に降りるが、逆に軟禁されてしまう。その直後、真実を聞かされたリディから思いを打ち明けられる。
- ジュドー・アーシタ
- 第一次ネオ・ジオン抗争最終盤、影武者のミネバを拉致しようとコア3に潜入して来た。影武者のミネバはハマーンに彼の安全を保証させる為に敢えてその場に留まる事を選択した。『逆襲のギガンティス』では巨神から彼に助け出される事になる。
- タクナ・S・アンダースン
ビスト財団
名台詞
機動戦士Ζガンダム
- 「やぁ、やはりシャア・アズナブルだ!変わりない様だ。また会えて嬉しい。遊んでくれたのを覚えているよ」
- わずか2歳の物心つく前の事であるにも関わらず『筋書き通り言わされた』台詞。シャア(クワトロ・バジーナ)に「2歳の頃のことを覚えておられるのか」と返され、困ったようにミネバはハマーンを伺う。このことからも完全にハマーンの「傀儡」であることは誰の目にも明らか。これが原因でシャアはハマーンの意図を理解して会談は決裂。
- 「お前は私を一番よくわかってくれるような気がする」
- シャアに対する無上の信頼がにじみ出た瞬間。
- 「気持ちが悪いのだ。ざらざらする。どこにもいかないでほしい」
- エゥーゴによるメールシュトローム作戦発動の間際、不穏な空気を感じ取ってハマーンに打ち明ける。この「気持ち悪いザラッとした感覚」は、ニュータイプが敵意を感じ取ったときによく口にする表現で、すでに彼女がニュータイプとしての素質を開花し始めていたと思われる。これは『UC』での成長した彼女の姿からも伺える。
機動戦士ガンダムUC
- 「意気地のない人……!」
- 尻込みしてついてきてくれなかったバナージに失望した時。
原作のみで、アニメ版では口にしていない。 - 「私は、まだ…!」
- 命の危機に瀕した際によく呟く言葉。「死にたくない」ではなく「まだ死ねない」と言うところに、彼女の強い責任感が現れている。
- 「世界が広がっていく……」
- 建設途中のコロニーを見上げ、思わず感動して呟く。
- 「ミネバ・ザビである!逃げも隠れもしない、道を開けよ!」
- ダイナーの老主人と会話した後、連れ戻しに来たマーセナス家の黒服達に対して言った言葉。これまでと違って毅然とした雰囲気があらわになっている。ちなみに黒服は「オードリー・バーン様」と呼び掛けているのだが、前述の通り本名を名乗り直す点も意志と責任感の現れと言える。
- 「受け止めなさい!バナージ!」
- ガルダから脱出する際、リディの手を拒絶して超高々度から飛び降りた時に「バナージなら来てくれる」という信頼から発した。その想いはバナージに伝わり、彼と彼の駆るユニコーンガンダムに救われる。
- 「……はい!」
- ユニコーンガンダムに救出され、コクピットでバナージ・リンクスから「君は待っていてくれ」と言われた際に。特別なセリフではないのだが、実はこれまで彼女は作中で一度も相手の意見に対して、そのまま「YES」と受け入れることをしてこなかった。意見の相違やジオンの象徴としての気位がそうさせていたのかもしれないが、初めて他者の意見をそのまま受け入れた。彼女もまた「可能性の獣」に触れたことで、変化し始めていることが伺える。
- 「私にも見届ける権利が……いいえ、義務があります」
- ユニコーンガンダムが示した最後の座標、『ラプラスの箱』のありかへとたどり着いたバナージに「君まで来ることはなかったのに」と言われた際に。『箱』をめぐる一連の結末を「ジオンの姫君」として見届けなければならないという。彼女の責任感の大きさと、また背負っているものの重さを思わせる。
- 「それが何であっても、これから何が起きたとしても……約束して、必ず私のところへ帰ってくる、って」
「自信があるのでしょう?やって見せなさい。そして……必ず帰ってきて。約束を違えることは許しません」 - 前半は『箱』の真実を知る前に、後半はコロニーレーザーに相対する盾となるバナージへ。ジオンの姫御子にこんなことを言われたら帰ってくるしかない。
かつてカミーユ・ビダンは高すぎるニュータイプ能力によって悲しみや悪意を抱え込みすぎた。また、搭乗するモビルスーツもユニコーンのように思念を増幅する力もなかったため、その重みに押しつぶされてしまった。この悲劇には、彼とその悲しみを分かち合ってくれる存在がいなかったことと、「帰ってくる場所」がなかったことに起因する。この結末は「新説」によって変更され、彼は「帰ってくる場所」を見出し、帰還することができた。
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