機動戦士ガンダム ゼロの旧ザク

機動戦士ガンダム ゼロの旧ザク
外国語表記 Nils The MS-05 Master.
著者 岡本一広
原案 矢立肇
原作 富野由悠季
装幀・デザイン R design studio
発行人 山下直久
発行所 株式会社KADOKAWA
レーベル 角川コミックス・エース
掲載誌 月刊ガンダムエース
掲載期間 2008年6月号~2010年1月号
巻数 全2巻
話数 全14話 (+1話)
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概要編集

漫画誌「月刊ガンダムエース」で2008年6月号から2010年1月号まで連載されていた岡本一広氏による漫画作品。

一年戦争末期のソロモン戦~ア・バオア・クー戦をジオン軍視点から描いた作品であり、旧式機であるザクIが主役機、主人公のニルス・テオレルが歴戦のパイロットではなく年少の新兵、といったように他の戦記モノとは異なった作風であるのが特徴。また、ジオン軍が劣勢に追い込まれている情勢であるため、登場人物が現れては早々に戦死するなど作中は常に絶望的な状況が展開されるのも特徴となっている。

ストーリー編集

宇宙世紀0079年12月24日――。ジオン軍の宇宙要塞ソロモン地球連邦軍の圧倒的物量の前に戦力の大半を喪失。基地司令官のドズル・ザビ中将も戦死し、残存戦力はア・バオア・クー等への撤退を余儀なくされていた。

ソロモン守備隊に所属するニルス・テオレルは未だに撃墜数ゼロの新兵だったが、持ち前の回避技術により激戦を何とか生き延びていた。撤退戦で仲間を次々と失いながらも、辛うじて生き残ったマリー・シーンと共にイリアス艦長のチェーホフに回収されたニルスだったが、連邦軍の執拗な追撃の前に悲劇は繰り返されていく。果たしてニルスと仲間達は最後まで生き延び、戦いの果てに希望を見出す事はできるのだろうか……?

登場人物編集

本作オリジナルキャラクター 編集

ニルス・テオレル
本作の主人公。旧ザクに乗る17歳の少年兵で、生来の気の優しさからか未だに撃墜数はゼロ。しかしながら回避運動に関しては天才的な冴えを見せており「紙一重ニルス」の仇名を持つ。ソロモンからの敗走を機に、様々な戦友・兵士達の死を目の当たりにするも、それでもなお最後まで生き残るべく決死の戦いを続ける。
マリー・シーン
MS整備士を担当している17歳の少女。旧ザクのメンテナンス担当でニルスの姉的存在として何かと彼の世話を焼いている。ソロモン敗走時の戦闘で爆散するムサイからただ一人脱出に成功し、以降もニルスと共に激戦を潜り抜けていく。
ジルド
ソロモン守備隊でのニルスの上官。隊長としてニルスの事を常に気遣っているが、ソロモンを脱出する際の戦闘でニルスを庇って戦死してしまう。
ミヒャエル
ソロモン守備隊でのニルスの同僚。態度が大きく足手まといのニルスに不満を露にするが彼自身も新兵である。ソロモンから脱出する際の戦闘で油断し撃墜されてしまった。
デビッド
ソロモン守備隊でのニルスの先輩。ニルスを弾避けにして手柄を上げようとするなど嫌みたらしい人物だが、ソロモン戦の最中、ビグ・ザムに接近するガンダムに一瞬で両断され撃墜された。
ヘクト
ソロモン戦後にニルス達を回収したムサイ級の艦長。戦力と兵士を1人でも多くソロモンから脱出させようとするも、連邦軍の追撃の前に敢え無く撃沈されてしまう。
イリアス
マインレイヤー隊の隊長を兼任するチベ級チェーホフの艦長。ヘクトの旧友で責任感のある男だが、人目も憚らずアンジェリーナにセクハラを働く場面も。機雷の敷設作業中に襲撃してきた敵部隊を迎撃するが、その戦いがニルスに更なる試練を与える事になる。
アンジェリーナ
マインレイヤー隊の隊員。イリアスの恋人で戦争が終わった後に結婚を約束している間柄だったが、連邦軍の追撃により無残にも夢を絶たれてしまう。イリアス亡き後は艦長代行を務め、死線を潜り抜けつつア・バオア・クーへと航行を続ける。
アルゴ / メジ
マインレイヤー隊の隊員。ほぼ名前のみの登場で、機雷の敷設作業中に敵の待ち伏せを受け撃墜されてしまう。
アーサー
チェーホフ所属のパイロット。イリアスが戦死した一件で事あるごとにニルスに嫌味を言っているが、彼自身はシミュレーターしか経験していない新兵である。親の顔を知らない戦災孤児であり、イリアスを亡くしたアンジェリーナの事を気遣っている。
タミル / カミル
チェーホフ所属の双子のパイロット。ア・バオア・クーでは補充機としてガトルを当てられるも、ニルスやアーサーと共に連邦軍を食い止めるべく奮戦する。
シフォン・C・サイモン
デブリ宙域に身を潜めていたところをニルスに救出された強行偵察型ザクのパイロット。レビル艦隊がア・バオア・クーに向かう情報を入手するも偵察部隊は全滅。仲間の死を無駄にしまいと怪我を押してまでア・バオア・クーに向かおうとする。

『1st』の登場人物 編集

ドズル・ザビ
ソロモンの基地司令官。ソロモン戦で兵士達を鼓舞した後、自らビグ・ザムで出撃するも、ガンダムによって撃墜される。
ギレン・ザビ
ジオン軍の総帥。ア・バオア・クー戦を前に、兵士達に向けて演説を行った。
デギン・ソド・ザビ
ジオン公国の公王。グレート・デギンでレビルとの和平交渉の場へ向かうも、ソーラ・レイによって葬られる。
コンスコン
ジオン公国軍宇宙攻撃軍の少将。ホワイトベース隊との交戦で彼の艦隊が瞬く間に全滅した情報がソロモン脱出部隊にも伝わっている。
レビル
連邦軍の総大将。レビル艦隊を率いてア・バオア・クーに向かう中、デギンとの接触を試みる。シフォンは彼の座乗艦の撃沈を試みるが…

登場メカ編集

モビルスーツ・その他兵器編集

艦船 編集

各話リスト編集

話数 サブタイトル 備考
VOL.1  第1話  撃墜数ゼロの旧ザク 
第2話 旧ザク悲しみの迎撃戦 
第3話 危険!デブリ宙域を突破しろ!! 
第4話 脱出!?旧ザクと強行偵察型ザク 
第5話 ニルス!ザク・マシンガンを撃て!! 
第6話 ソロモン落城!ガンダムの悪夢!! 
第7話 ニルス敵前逃亡?愛憎のア・バオア・クー!! 
VOL.2  第8話  旧ザク出撃不能?遺されし言葉 
第9話 敵MS侵入!誰がための戦い 
第10話 死闘!ザクvsザク・マインレイヤー!! 
第11話 悪夢の選択!再び!? 
第12話 最終決戦ア・バオア・クー!旧ザクの決断!! 
第13話 亡者の言葉 
最終話 ゼロ 
特別掲載 ジオンの子よ…未来はお前達にある 

関連作品編集

機動戦士ガンダム
ホワイトベース隊が主役のアニメ作品。本作にも一部のキャラクターが登場している。本作はTV版準拠らしく、Gファイター(Gアーマー)やガンタンクが登場するが、『めぐりあい宇宙』でジムがリック・ドムを両断するシーンも描かれているなど劇場版の要素も含まれている。
MSV
モビルスーツのバリエーション機を取り扱っているメカニックデザイン企画。本作に一部機体が登場している。
ガンダム・センチネル0079
『ガンダム・センチネル』の企画の内、『1st』登場機体のリデザインを行っている企画。本作にカトキデザインの一部機体が登場している。

商品情報編集

コミック 編集

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リンク編集