デラーズ・フリート
デラーズ・フリート(Delaz Fleet)編集
一年戦争末期のア・バオア・クー攻防戦において、公国軍大佐エギーユ・デラーズはギレン・ザビ戦死の報告を受けてジオン公国の敗北を悟り、残存艦隊の一部を引き連れ戦場から離脱。その後、暗礁宙域に茨の園と呼ばれる拠点を建造すると、三年の月日をかけて練り上げた星の屑作戦を実行。デラーズ紛争と呼ばれる紛争を引き起こした。
派閥としては公国時代最も権力のあった「ギレン派」に属するが、保有戦力は戦闘艦40余隻程度であり、そこにシーマ艦隊の8隻を加えているものの、戦力規模としては最盛期のジオン軍には遠く及ばない。しかし、ノイエン・ビッター少将のキンバライド基地など各地のジオン残党勢力が彼らを支援しており、星の屑作戦の作戦内容もあって数的不利を覆し、連邦軍部隊を手玉に取った。
連邦から強奪したガンダム試作2号機と核弾頭によってコンペイトウの観艦式に参加していた連邦宇宙艦隊に甚大な被害を齎したデラーズ・フリートは、アクシズの支援を受けつつ作戦の最終目的である北米穀倉地帯へのコロニー落としを敢行。途中、シーマ・ガラハウの裏切りによってデラーズの戦死を許すものの、その遺志を受け継いだアナベル・ガトーによってコロニー落としに成功する。作戦後、残存部隊は連邦艦隊に包囲され、甚大な被害を被りながらもアクシズ艦隊を目指し、ガトーらの犠牲の果てに生き残った部隊はアクシズへと回収された。
星の屑作戦は地球からスペースコロニーへの食料依存を強めさせ、それによってスペースノイドの発言権強化を計った物であったが、連邦軍内部の地球至上主義者は逆にこの紛争を利用して反スペースノイドの姿勢を強固なものとし、結果としてティターンズの誕生を促した。また、コロニー落としも「移送中の事故」として処理され、ガンダム開発計画などデラーズ紛争に紐付けされる記録も抹消された事で、作戦に込められた政治的意図は無為な物となった。
登場作品編集
- 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
- 初登場作品。主人公コウが所属する地球連邦軍の敵対組織として、星の屑作戦を成就させるべく武装蜂起。デラーズ紛争を引き起こし星の屑作戦の最終目的である北米大陸穀倉地帯へのコロニー落としを完遂したが、エギーユ・デラーズ、アナベル・ガトーら艦隊の主要人物は戦死。残存戦力は追撃に現れた連邦軍艦隊の攻撃を受けるも、生き残った兵士はその後アクシズ艦隊に合流した。戦後はティターンズの台頭によって存在記録が抹消され、コロニー落としも「輸送中の事故」として処理されている。
- 機動戦士ガンダム0083 REBELLION
- 機動戦士ガンダム戦記 (PS3版)
- 水天の涙作戦を実行中のインビジブル・ナイツに対し、高機動型ゲルググを譲渡し支援している。
構成員編集
デラーズ・フリート / ジオン残党軍 編集
- エギーユ・デラーズ
- 指導者。
- アナベル・ガトー
- MSパイロット。「ソロモンの悪夢」の異名を取るエースパイロット。試作2号機を強奪し、試作1号機パイロットのコウ・ウラキと度々刃を交える。
- カリウス・オットー
- MSパイロット。ガトーの戦友で、宇宙に上がった彼と共に星の屑作戦を最後まで戦った。
- ゲイリー
- MSパイロット。試作2号機強奪作戦にドム・トローペンで参加。
- アダムスキー
- MSパイロット。試作2号機強奪作戦にドム・トローペンで参加。
- ボブ
- MSパイロット。試作2号機強奪作戦にザメルで参加。
- ノイエン・ビッター
- キンバライド基地司令。ガトーおよび試作2号機の宇宙への打ち上げを支援する。
- ヴィリィ・グラードル
- ムサイ級後期生産型ペール・ギュント艦長。
- ドライゼ
- ユーコン級潜水艦U-801艦長。強奪に成功した試作2号機をアフリカ大陸へと輸送する。
シーマ艦隊 編集
- シーマ・ガラハウ
- シーマ艦隊指揮官。武装蜂起後、艦隊と共に参入。
- デトローフ・コッセル
- ザンジバルII級リリー・マルレーン艦長兼シーマの副官。
- クルト
- シーマの部下。
その他 編集
- ケリィ・レズナー
- 元ジオン兵でガトーの親友。ヴァル・ヴァロと共にデラーズ・フリートへの参加を表明するも…
- ニック・オービル
- アナハイム・エレクトロニクス社にスパイとして潜入。試作2号機強奪の手引きを行う。
保有戦力 編集
モビルスーツ・モビルアーマー 編集
- ガンダム試作2号機(地球連邦軍より強奪)
- ザクIIF2型
- ドム・トローペン
- リック・ドムII
- ドラッツェ
- ゲルググM
- シーマ専用ゲルググM
- ガーベラ・テトラ
- ザメル
- ヒルドルブ改
- ザクI(小説版で部下に対する懲罰で使用)
- ノイエ・ジール(アクシズ先遣艦隊より提供)
- アッザム改修型
- ヴァル・ヴァロ
- ラング
艦船 編集
主な拠点・関連地名編集
関連組織編集
- ネオ・デラーズ・フリート (ネオ・デラーズフリート)
- デラーズ紛争後にアナベル・ガトーを自称する男によって決起した独立部隊。
- アクシズ
- 同じくジオン残党(ドズル派)を祖とする組織。ノイエ・ジール等の物資的戦力供給や星の屑作戦終了後の残存兵の救出とそれに伴うアクシズへの帰属を依頼している。
- レジオン
- 火星に逃げ延びたギレン派が建国したジオン系国家。ただし既に火星に存在していたキシリア派ジオン残党である「ジオンマーズ」とは折り合いが悪かった。
- ジオン軍
- デラーズ・フリートを含む残党組織の大元となる軍事組織。
- シーマ艦隊
- シーマ・ガラハウ率いる海兵隊。デラーズ紛争時に召集し戦力として組み込んだが、結果としてデラーズの采配ミスという形になった。
- インビジブル・ナイツ
- ジオン軍の特務部隊。宇宙世紀0081年に水天の涙を実行中の同部隊に物資を提供した。