機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 | |
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外国語表記 | Mobile Suit Gundam 0080 War in the Pocket |
原作 |
矢立 肇 富野 由悠季 |
監督 | 髙山 文彦 |
シリーズ構成 | 結城 恭介 |
脚本 | 山賀 博之 |
キャラクターデザイン | 美樹本 晴彦 |
メカニックデザイン |
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デザインワークス | 出渕 裕 |
音楽 | かしぶち 哲郎 |
音響 | 藤野 貞義 |
撮影 | 奥井 敦 |
制作 |
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発表期間 |
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話数 | 全6話 |
ノベライズ版 | |
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著者 | 結城恭介 |
原作 | 矢立肇・富野由悠季 |
発行所 | 角川書店 |
出版社 | 角川スニーカー文庫 |
発売日 | 1989年10月 |
コミカライズ版 (玉越博幸版) | |
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作者 | 玉越博幸 |
原作 | 矢立肇・富野由悠季 |
掲載誌 | 月刊ガンダムエース |
掲載期間 | 2021年8月号~ |
概要編集
1989年に発売された、ガンダムシリーズ初のOVA作品。これまで『機動戦士ガンダム』~『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』と続いてきた本編シリーズとは直接的な関係のない外伝的作品であり、従来のシリーズではガンダムパイロットである主人公視点で物語が描かれていたのに対し、本作ではごく普通の一般市民であるアル少年が主人公で、子供の視点から一年戦争が描かれるという、それまでに無い特徴を持つ作品となっている。また、それまでガンダムシリーズを手がけてきた富野由悠季氏から、他の監督へ交代した初の作品でもある。
「ポケ戦」の略称で呼ばれ、リリースから長い時間が経っているが未だに根強いファンが多いことでも知られる。TVシリーズと異なりジオン軍側の視点で描かれており、これはガンダムにおける「戦争」は勧善懲悪の物語ではないため、双方の主張や立場があるにもかかわらず、TVシリーズでは対象年齢層を考慮して、わかりやすい地球連邦側からの視点に限定して描かれていることに起因する。そのため、この「ポケットの中の戦争」に限らず、TV版で語りきれなかった敵側の主張を補完するために、TV版は地球連邦、OVA版ではジオン軍(または敵対勢力)寄りの内容になることが多い。
また、これまでのロボットアニメと異なり、子供達が喜ぶであろう戦闘シーンは極めて少なく、一方で主人公は年齢層を想定した「少年」の目線で描かれており、アンバランスとも取れる構成になっている。物語の序盤は「戦争」をロボットが戦う娯楽の一環としか見ていなかった主人公、アルフレッド・イズルハが、バーニィやクリスとの触れ合いのなかで、近しい人が死傷する「戦争」の恐ろしさ・悲しさを知る、成長の物語であり、出会いと日常、そして別離を経るという「善悪」ではないビターな内容になっている。
モビルスーツもアレックス以外は目新しいものはなく、量産機主体であり、これ以降のOVAでは量産機にもスポットが当たるというのが通例になった。
当時の視聴者層ではなかなか理解され難かったものの、後年になって改めて視聴した際に、当時の自分とアルを重ね、作品の魅力に取り付かれたというケースも案外少なくない。
ストーリー編集
地球連邦軍とジオン公国軍の戦いが再び宇宙へと移った一年戦争末期。連邦軍がニュータイプ専用の新型ガンダムを開発しているとの情報を得たジオン軍はガンダム奪取・破壊作戦であるルビコン計画を発動させる。ガンダム奪取の任を受けたジオン軍特殊部隊サイクロプス隊は新型ガンダムが運び込まれたという連邦軍の北極基地を襲撃するも、奮戦虚しくガンダムを載せたシャトルは宇宙へと飛び立ってしまう。
やがて舞台は宇宙に浮かぶサイド6の中立コロニー・リボーへと移り変わる。戦争とはほぼ無縁の退屈な日々を過ごす少年アルはある日、コロニー内で起こった戦闘で森林公園へと墜落していく1機のザクを目撃する。ザクを追って森林公園を訪れたアルは、そこでザクのパイロット、バーニィと出会う事になる。
アルにとってその出会いは「本物の戦争」との出会いでもあった――。
登場人物編集
主要キャラクター編集
- アルフレッド・イズルハ(アル)
- 本作の主人公。サイド6・リボーに住む少年で愛称はアル。戦争に対して憧れを持っているが、バーニィとの出会いを切欠に戦争の悲惨さを目の当たりにし、成長していく事になる。
- バーナード・ワイズマン(バーニィ)
- ジオン軍の若き学徒動員兵。愛称はバーニィ。リボーでの戦闘で撃墜された事を切欠にアルと出会い、後にサイクロプス隊へ配属された際に再会。以後、彼の親友となる。
- クリスチーナ・マッケンジー(クリス)
- アルの家のお隣さんでアルにとって良きお姉さん。愛称はクリス。リボーへ里帰りした際にアルと再会し、彼と共にいたバーニィとも知り合う事になる。実はガンダムNT-1(アレックス)のテストパイロットを務めており、やがてバーニィ達と知らず知らずの内に戦ってしまう事になる。
サイクロプス隊編集
- ハーディ・シュタイナー
- サイクロプス隊の隊長。
- ミハイル・カミンスキー(ミーシャ)
- サイクロプス隊のパイロットで愛称はミーシャ。かなりの飲んだくれであり、コックピットに酒の入ったスキットルを持ち込んでいる。
- ガブリエル・ラミレス・ガルシア
- 頭に巻いたバンダナがトレードマークのパイロット。銃器の扱いに長けており、新米であるバーニィに厳しくも真剣に接する。
- アンディ・ストロース
- サイクロプス隊のパイロットの1人。髪型に常に気を配っており、コックピットに櫛を持ち込んでいる。
ジオン公国軍編集
- キリング
- ルビコン計画の総責任者。ガンダム破壊のためであればコロニーへの核攻撃も辞さない冷酷非道な性格の持ち主である。
- フォン・ヘルシング
- グラーフ・ツェッペリンの艦長。コロニーへの核攻撃に不服とするもやむなく従い、艦隊をコロニーへと進ませる。
- ルーゲンス
- グラナダ基地の司令官。キリングの凶行を止めようとするも、彼に射殺されてしまう。
地球連邦軍編集
- スチュアート
- クリスの所属するG-4部隊の指揮官。
民間人編集
登場メカ編集
地球連邦軍編集
モビルスーツ編集
戦艦編集
その他編集
ジオン公国軍編集
モビルスーツ編集
戦艦編集
- ユーコン級(U-99)
- チベ級ティベ型 グラーフ・ツェッペリン
- ムサイ級最終生産型 ジークフリート / ヴァルキューレ
その他 編集
- 偽装輸送船 アグアベルデ
用語編集
- リボー
- 本編の舞台であるサイド6(リーア)のコロニー。ガンダムNT-1の実験を目的に、地球連邦軍が極秘で基地を設けている。
- サイクロプス隊
- ハーディ・シュタイナーが隊長を務めるジオン特殊部隊。北極基地襲撃後、新兵のバーニィを加えてリボー・コロニーに潜入した。
- ルビコン計画
- サイクロプス隊が従事した新型ガンダムの奪取もしくは破壊を目的とする作戦。作戦責任者のキリングは同隊の失敗時にサイド6への核攻撃を予定していた。
- クリスマス作戦
- ルビコン計画失敗後、コロニーへの核攻撃を防ぐべくバーニィが立案・実行したガンダム破壊作戦。実行日は12月25日14:00。
- スカーレット隊
- グレイファントムを母艦とする部隊。最新鋭のモビルスーツを有しているが、ケンプファーの前に呆気なく全滅させられた悲劇の部隊。
- リーア軍
- サイド6(リーア)の中立部隊。戦力はドラケンEや装甲車。
- 出来損ない
- 小説版でジオン公国軍が未完成の新型ガンダムに付けたコードネーム。
楽曲編集
オープニングテーマ編集
- 「いつか空に届いて」
- 作詞・作曲・歌:椎名恵 / 編曲:戸塚修
エンディングテーマ編集
- 「遠い記憶」
- 作詞・作曲・歌:椎名恵 / 編曲:戸塚修
イメージソング編集
- 「夜明けのShooting Star」
- 作詞・作曲:辛島美登里 / 編曲:矢萩秀明 / 歌:林原めぐみ
各話リスト編集
話数 | サブタイトル | 備考 |
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第1話 | 戦争まで何マイル? | |
第2話 | 茶色の瞳に映るもの | |
第3話 | 虹の果てには? | |
第4話 | 河を渡って木立を抜けて | |
第5話 | 嘘だと言ってよ、バーニィ | |
第6話 | ポケットの中の戦争 |
関連作品編集
- 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 クリスが見る夢
- アニメ雑誌「アニメージュ89年4月号」の付録を初出とする小説作品。0080本編以前、シューフィッターを務めていた頃のクリス視点で描かれている。
- 機動戦士ガンダム ポケットの中の戦争
- 月刊ガンダムエース掲載のコミカライズ作品。前日譚といったオリジナルパートも存在しており、G4計画の掘り下げなどが行われている。
- 夢のマロン社・宇宙の旅
- 本作に登場するモビルスーツの初期設定(1st機体のリデザイン版)を踏まえた各種機体が登場する。
- 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
- 本作に続くガンダムシリーズのOVA作品第2作。こちらは『1st』と『Ζ』を繋ぐ作品として描かれている。
商品情報編集
DVD編集
Blu-ray編集
小説 編集