ギラ・ズール

ギラ・ズール
外国語表記 Geara Zulu
登場作品
デザイナー カトキハジメ
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スペック
分類 量産型モビルスーツ
型式番号 AMS-129
全高 20.0m
本体重量 21.8t
全備重量 55.2t
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 2,470kW
スラスター総推力 62,100kg
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
センサー有効半径 18,200m
開発組織 アナハイム・エレクトロニクス社
所属 ネオ・ジオン軍 (袖付き)
ジオン共和国軍
主なパイロット サボア
クワニ
アイバン
ネオ・ジオン兵
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概要編集

アナハイム・エレクトロニクス社ギラ・ドーガをベースに開発した「袖付き」の量産型モビルスーツ

本来は第二次ネオ・ジオン抗争が長期化した場合を想定し、ネオ・ジオンの次期主力機として開発されていたが、本格的な量産体制が整う以前に抗争が終結したため、生産計画は棚上げされていた。その後、「袖付き」の蜂起と、それに合わせて「ジオン再興」の象徴としての次期主力機の必要性等からある程度のアップデートを経て本格量産された。しかし、軍事組織として脆弱な「袖付き」側の事情もあって、ギラ・ズールは新規のOS開発を含む新規格機としてではなく「ギラ・ドーガの発展強化更新型」の範疇に収まる程度の機体として完成した[1]

機体性能もギラ・ドーガから向上しているものの、劇的な向上を果たしているという訳ではない。これは「袖付き」側の資金繰りの厳しさもあって予定されていたスペックでの生産が却下され、本来のスペックを抑えた再設計を余儀なくされた結果である。一方で、ギラ・ドーガの生産で得られたノウハウと、数年の間に進展した部材単位での高性能化がそれなりに集積された事により、生産性や整備性は当初の設計よりも改善されており、機体の改造や機能の強化・追加等も比較的容易な扱いやすい機体として完成する事となった。

外観はオーソドックスなジオン・スタイルで纏められている他、手首や胸部に「袖付き」の由来となったエングレービングが施されている。これはシャア・アズナブルを失い求心力の低下したネオ・ジオン残党の士気を維持・向上させるという意図があった。運用される部隊や任務、搭乗者の階級等によって頭部装飾や袖飾りのデザイン、ショルダーアーマーの形状等が異なる。

登場作品と操縦者編集

機動戦士ガンダムUC
初登場作品。袖付きの主力機として運用され、サボアクワニアイバンなどが搭乗した。
インダストリアル7での初戦でサボア機がネェル・アーガマリゼル部隊と交戦しており、数の差もあってほぼ一方的に攻撃されている。最後はギロチン・バーストの一撃で撃破された。
その後もラプラス史跡等の宇宙戦で投入されている。
機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う
カークス隊にゼー・ズールの補充用パーツとして1機が配備されている。
また『UC』でガルダ襲撃時に装備していた重武装についての補足説明が行われた。
機動戦士ガンダムNT
ジオン共和国軍所属の機体が登場。偽装のために袖付きと同様のエングレービングが施されている。外観は親衛隊仕様と同様だがスペックは一般機と同じ。作中は特に目立った活躍はしていない。
獅子の帰還
ジオン共和国軍所属の機体が登場。正規軍であるためか袖付きのエングレービングは無く、機体色も白色を基調としている。連邦宇宙軍との合同軍事演習「ヴァリアント・エース」に参加する様子がニュース映像で紹介された。

装備・機能編集

特殊機能編集

換装
ミッションに応じ機体各部の装備を換装可能。主なバリエーションとして本来のスペックにまで性能を引き上げた親衛隊仕様やバックパックに長距離砲を装備した重装仕様等がある。
マルチプル・ディスチャージャー
手甲部に備えた多目的ランチャー。有線式監視カメラや信号弾等を射出可能。

武装・必殺攻撃編集

ビーム・マシンガン
銃口からペレット状のビームをマシンガンのように連射する携行火器。照射時間の切り替えによってビーム・ライフルとしての運用も可能。集弾率や連射性は標準的だが、基本設計の優秀さから銃身にグレネード・ランチャーやセンサー等を追加する事ができ、拡張性に優れている。
Eパック方式を採用し、バナナマガジン型のEパックを装着する。ギラ・ドーガのビーム・マシンガンのEパックも装着可能だが、装弾数はバナナ型マガジンの方が上とされる。
予備のEパックは左右のフロントスカートに3基ずつ、計6基まで装着可能。
グレネード・ランチャー
ビーム・マシンガンの銃身下部に装着可能なオプション装備。グリップとトリガーが付いている為、単独での使用も可能。
ビーム・マシンガン(ギラ・ドーガ用)
ギラ・ドーガの主兵装。銃口が2つ設けられ、ベレット状になったビームを連射する他に通常のビームも発射可能。
銃身の下部にはグレネード・ランチャーが1門装備されている。
サブ・マシンガン
銃身と銃床を切り詰め、取り回しを重視したMMP-80。主にサブ・ウェポンとして装備される。
OVA版『UC』Episode 3にてガランシェール所属機が装備していた。
ビーム・スナイパー・ライフル
長距離からの狙撃と支援に適した携行式ビーム砲。主に親衛隊のキュアロン機が使用。
ビーム・ホーク
接近戦用の武装。2種類のエミッターを内蔵しており、斬撃用の「ホーク」、刺突用の「パイル」、貫通力の強い「ピック」の3種のモードを状況によって使い分ける。
非使用時はリアスカートにマウントラックを介して懸架される。
シュツルム・ファウスト
一年戦争から運用されている使い捨ての簡易型ロケット・ランチャー。コストパフォーマンスの高い携帯用の武器として普及したが、「袖付き」では命中精度の向上を目的にグリップやサイトを増設して使用されている。
ハンド・グレネード
MSの腕を使って投擲する手榴弾。原始的ではあるが様々な戦局で一定の効果が期待できる標準的な武装。時限、磁気、接触、熱感知など複数のモードで反応する信管も装備出来る。
マウントラックを介し、リアスカートに懸架される。
シールド
右肩に装着される実体盾。ザクIIと同じL字型を採り、武装を装着する為のマウントラッチとしても使用される。
シールド(ギラ・ドーガ用)
ギラ・ドーガ用の防御兵装。中央部である程度の角度変更が可能。裏側にはウェポンマウントが配され、シュツルム・ファウスト等の装備が可能。
ランゲ・ブルーノ砲改
重装型バックパックに1門装備されている武装。ギラ・ドーガ重装型が装備していたランゲ・ブルーノ砲の改良型だが、宇宙での運用を重視して実弾砲からビーム砲へと変更されている。高速で発射されるビームは収束率が非常に高く、貫通力に優れている。

ガランシェール艦載武装 編集

ザク・マシンガン
一年戦争から使用されている120mm口径マシンガン。ザクIIの標準装備。
3連装ミサイル・ポッド
ザクII用の脚部に装着するオプション装備。8つある物の内、4つをクワニ機が肩部シールドに装着している。
ガトリング・シールド
シールドを介して装着される大型ガトリング砲。本来はグフカスタムの武装。
ミサイル・ランチャー
連邦軍が一年戦争時に使用した物。過去に空挺任務に参加していた陸戦型ジムの物を使用。
ジャイアント・バズ
ドム及びリック・ドムIIの装備していた計2種類の360mm口径の大口径バズーカ。過去にリック・ドムIIが同時装備していた物を使用。
2連装ザク・バズーカ
ザク・バズーカを連結した連装式バズーカ。過去にザクIが装備していた物を使用。
ビーム・ライフル
連邦軍やティターンズのMSが標準装備としていたEパック方式のビーム・ライフル。ギラ・ズールでも運用出来るよう調整が施されている。過去にマラサイが装備していた物を使用。
クレイ・バズーカ
エゥーゴの多用途バズーカ。本来は多種類の弾頭を使い分ける事が出来るが、調達時の弾頭は一種のみ。過去にネモが装備していた物を使用。
スキウレ
モビルアーマーメガ粒子砲を転用した大型砲。
使用時には外部ジェネレーターからエネルギー供給を受ける必要があり、重武装型バックパックと接続している。ランゲ・ブルーノ砲改と比較して射程は短いが、威力は折り紙付きでアンクシャを掠っただけで撃墜している。
ガルダ襲撃時にアイバン機が使用し、その後ガランシェールから取り外されて使用された。
ビーム・マシンガン
ギラ・ズールの標準装備の物とは別で、ゲルググJの物を使用。入手経路等は不明。『バンデシネ』ではギラ・ズールの物も他の艦載武装と共に使われている。

その他 編集

汎用コンテナ
トランク型のコンテナで、中に武装を格納する。
バックパックに装着する他、上部のグリップを握って携行する事も可能。

対決・名場面編集

関連機体編集

ギラ・ズール (ギルボア機)
ギルボア・サントが搭乗した機体。
ギラ・ズール (親衛隊仕様)
親衛隊に配備されているギラ・ズール。
アンジェロ専用ギラ・ズール
アンジェロ・ザウパーの専用機。
ギラ・ズール (キュアロン機)
アニメ版でキュアロンが搭乗した機体。
ギラ・ズール (エリク・ユーゴ機)
NT』でエリク・ユーゴが搭乗する改造機。
ゼー・ズール
ギラ・ズールをベースとした水陸両用機。
ギラ・ドーガ
原型機。ムーバブル・フレームなどの大部分のパーツを流用している。
ザクII
兵の士気を上げるべく、外見が似せられている。
ヴェルダン
宇宙戦国時代のミキシングビルドモビルスーツの1機。本機の頭部が使用されているが、センサーは木星系のモノアイセンサーと外付けセンサーが使用されている。

商品情報編集

ガンプラ編集

リンク編集

脚注編集

  1. そのため、コクピットのレイアウトやOSはギラ・ドーガの物を転用しており、連邦軍では現場の不評から廃止されたアームレイカーを引き続き使用している