「カロッゾ・ロナ」の版間の差分
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− | 元は[[バイオコンピューター]]の研究者であったが、[[コスモ貴族主義]]を掲げる[[マイッツァー・ロナ]]の思想に共鳴し、彼の娘[[ナディア・ロナ]]と結婚、ロナ家の婿養子となる。しかしナディアは貴族としての生活を拒みセシリーを連れて出奔。また、義兄[[ハウゼリー・ロナ|ハウゼリー]]の死とマイッツァーへの恩義もあって一年の休暇を経てロナ家の理想実現の為に心身を強化した[[強化人間]] | + | 元は[[バイオコンピューター]]の研究者であったが、[[コスモ貴族主義]]を掲げる[[マイッツァー・ロナ]]の思想に共鳴し、彼の娘[[ナディア・ロナ]]と結婚、ロナ家の婿養子となる。しかしナディアは貴族としての生活を拒みセシリーを連れて出奔。また、義兄[[ハウゼリー・ロナ|ハウゼリー]]の死とマイッツァーへの恩義もあって一年の休暇を経てロナ家の理想実現の為に心身を強化した[[強化人間]]となった。仮面で素顔を隠すのは、コスモ・バビロニア建国への誓いであると同時に、彼が妻に逃げられた弱みを隠すという意味もあった。 |
彼が自らに施した強化は従来の強化人間による物とは異なり、精神的な側面(エゴ)の強化以外にも生身で宇宙空間を活動し、[[モビルスーツ]]のハッチを生身でこじ開けられるだけの身体能力が付与されており、実質的にはサイボーグであるとされている。 | 彼が自らに施した強化は従来の強化人間による物とは異なり、精神的な側面(エゴ)の強化以外にも生身で宇宙空間を活動し、[[モビルスーツ]]のハッチを生身でこじ開けられるだけの身体能力が付与されており、実質的にはサイボーグであるとされている。 | ||
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:ACT. 10「クロスボーン・バンガード」冒頭でゲスト出演。フロンティア・サイドに向けて艦隊を進めていたところ、月公転軌道上のCV軍基地を叩くため月へと向かっていた連邦軍艦隊と接触してしまい、前哨戦が勃発。無駄な消耗を避けるため、そのままの進路でフロンティア・サイドへと向かった。 | :ACT. 10「クロスボーン・バンガード」冒頭でゲスト出演。フロンティア・サイドに向けて艦隊を進めていたところ、月公転軌道上のCV軍基地を叩くため月へと向かっていた連邦軍艦隊と接触してしまい、前哨戦が勃発。無駄な消耗を避けるため、そのままの進路でフロンティア・サイドへと向かった。 | ||
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− | :第29話より登場。クロスボーン・バンガード以前、[[バーナム]] | + | :第29話より登場。クロスボーン・バンガード以前、[[バーナム]]の指揮をマイッツァーから任された事が語られた。ハウゼリーの思想に共感し、彼と相互に信頼しあっている様子が描かれた。ハウゼリーが大義のために民衆を見ない政治姿勢を危険視していると偽り、それを名目に[[レガシィ]]を利用するなどしたたかな面も覗かせる。 |
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+ | :「クロスオーバーUCE」の「[[エンジェル・ハイロゥ]]編」にて登場。架空戦記という扱いであり、コスモ・バビロニア建国戦争でシーブック達によって討たれたかに見えたが、[[ザンスカール帝国]]によりラフレシア共々密かに回収され、エンジェル・ハイロゥ攻防戦における[[フォンセ・カガチ]]の切り札として投入された。シナリオ中ではラフレシアとバグを動かすための'''「物言わぬ機械」'''として調整されており終始無言。皮肉にも『F91』で放った「私は機械ではない。エゴを強化したものだ」の台詞とは裏腹にエゴすら残っていない機械と化してしまった。 | ||
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:ナディアを寝取った男。セシリーを引き渡した見返りに養育費という名目で多額の支援金を渡すが、その後報復した。 | :ナディアを寝取った男。セシリーを引き渡した見返りに養育費という名目で多額の支援金を渡すが、その後報復した。 | ||
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+ | ;[[ライン・ドラグン]] | ||
+ | :ジオン残党系勢力[[レガシィ]]の首魁。ハウゼリーに対して不信感を抱いていると思わせ、彼にハウゼリーを襲撃させるよう仕向けた。 | ||
== 名台詞 == | == 名台詞 == | ||
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;「入婿の私から提案など差し出がましいのですが ナディアの出奔をご容認なさるのなら」<br/>「いっそハウゼリーお義兄様にお戻りになっていただくことはできないでしょうか?」 | ;「入婿の私から提案など差し出がましいのですが ナディアの出奔をご容認なさるのなら」<br/>「いっそハウゼリーお義兄様にお戻りになっていただくことはできないでしょうか?」 | ||
:第8話。マイッツァーとの通信会談にてナディアの捜索を打ち切る代わりに、ハウゼリーを家に呼び戻す事を提案する。 | :第8話。マイッツァーとの通信会談にてナディアの捜索を打ち切る代わりに、ハウゼリーを家に呼び戻す事を提案する。 | ||
− | ;「つまり私から見れば | + | ;「つまり私から見れば お義兄様が政府議会に提出された”地球保全法案”は両刃の剣に思えます」<br/>「あれは人類を地球から追い出す法案です」 |
− | : | + | :同話。続けてハウゼリーを家に呼び戻すのは、彼の掲げた政策が多くの政敵を生み彼を窮地に追い込むであろう事を見越しての事であると語る。しかし、この通信の後、ハウゼリーは凶弾に倒れる事となり……。 |
;「なぜハウゼリーお義兄様はテロに討たれなければならなかったのか?」<br/>「既存の権利擁護を目指す者たちにとってお義兄様は危険人物といえたかもしれません」<br/>「しかしスペース・コロニー世紀が抱える問題を直視したときに過剰な人口から派生する問題は人類が種として支払うべき意味があるはずではないのか」<br/>「現代人は死を遺棄し しかも 自然界の摂理を破壊する存在にまでなっています」<br/>「お義兄様の主張した現代宗教論は魂の輪廻転生を受け入れて従容として死を迎え入れる心を育成することであった」<br/>「それがなぜ悪であるのか? 人の命が地球より重いとされた時代は命が蹂躙されたからです」<br/>「しかし現代は違う 全人類に飢餓はなく無政府的ではありません」<br/>「その我々が権利主義だけを増長させれば特権階級による血族主義が横溢するカースト体制と指弾される状況をあおるだけではないのか?」<br/>「我々はひとりの人間が千年万年の生命を支えるだけの 精神的な高貴さと強靭さを手に入れていない」<br/>「そのような愚鈍な者が百年以上の歳を重ねることが正義なのか? しかもそれら愚者は過剰に増え物を消費し 我が物顔で地球を汚染し続けている!」 | ;「なぜハウゼリーお義兄様はテロに討たれなければならなかったのか?」<br/>「既存の権利擁護を目指す者たちにとってお義兄様は危険人物といえたかもしれません」<br/>「しかしスペース・コロニー世紀が抱える問題を直視したときに過剰な人口から派生する問題は人類が種として支払うべき意味があるはずではないのか」<br/>「現代人は死を遺棄し しかも 自然界の摂理を破壊する存在にまでなっています」<br/>「お義兄様の主張した現代宗教論は魂の輪廻転生を受け入れて従容として死を迎え入れる心を育成することであった」<br/>「それがなぜ悪であるのか? 人の命が地球より重いとされた時代は命が蹂躙されたからです」<br/>「しかし現代は違う 全人類に飢餓はなく無政府的ではありません」<br/>「その我々が権利主義だけを増長させれば特権階級による血族主義が横溢するカースト体制と指弾される状況をあおるだけではないのか?」<br/>「我々はひとりの人間が千年万年の生命を支えるだけの 精神的な高貴さと強靭さを手に入れていない」<br/>「そのような愚鈍な者が百年以上の歳を重ねることが正義なのか? しかもそれら愚者は過剰に増え物を消費し 我が物顔で地球を汚染し続けている!」 | ||
:第11話。ハウゼリーの死から半年後、鉄仮面を被りマイッツァーの前に現れての演説。言葉の節々から義兄の死に対する怒りが見え隠れしている事が見て取れる。 | :第11話。ハウゼリーの死から半年後、鉄仮面を被りマイッツァーの前に現れての演説。言葉の節々から義兄の死に対する怒りが見え隠れしている事が見て取れる。 |
2024年10月10日 (木) 02:36時点における最新版
カロッゾ・ロナ | |
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外国語表記 | Karozo Ronah |
登場作品 | |
声優 | 前田昌明 |
デザイナー | 安彦良和 |
プロフィール | |
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旧名 | カロッゾ・ビゲンゾン |
異名 | 鉄仮面 |
種族 | 人間 (強化人間) |
性別 | 男 |
年齢 | 45歳 |
没年月日 | 宇宙世紀0123年3月30日 |
職業 | クロスボーン・バンガード最高司令官 |
所属 | クロスボーン・バンガード |
主な搭乗機 |
概要 編集
ベラ・ロナことセシリー・フェアチャイルドの実父にして、クロスボーン・バンガードの最高司令官。常に仮面を被っている事から「鉄仮面」とも呼ばれている。
元はバイオコンピューターの研究者であったが、コスモ貴族主義を掲げるマイッツァー・ロナの思想に共鳴し、彼の娘ナディア・ロナと結婚、ロナ家の婿養子となる。しかしナディアは貴族としての生活を拒みセシリーを連れて出奔。また、義兄ハウゼリーの死とマイッツァーへの恩義もあって一年の休暇を経てロナ家の理想実現の為に心身を強化した強化人間となった。仮面で素顔を隠すのは、コスモ・バビロニア建国への誓いであると同時に、彼が妻に逃げられた弱みを隠すという意味もあった。
彼が自らに施した強化は従来の強化人間による物とは異なり、精神的な側面(エゴ)の強化以外にも生身で宇宙空間を活動し、モビルスーツのハッチを生身でこじ開けられるだけの身体能力が付与されており、実質的にはサイボーグであるとされている。
一方で、コスモ貴族主義の至上命題である「人類の永遠の繁栄」を拡大解釈しており、独自にラフレシア・プロジェクトを実施し、コスモ・バビロニア建国戦争に乗じて人類の余剰人口の粛正を画策した。その最中に巨大モビルアーマー・ラフレシアに乗り込んで出撃し、月からの連邦軍増援艦隊を壊滅させるものの、ガンダムF91との戦闘中、F91のM.E.P.Eに翻弄され、自身の攻撃でラフレシアのコクピットを破壊してしまい、半ば自滅に近い形で戦死した。
登場作品と役柄編集
- 機動戦士ガンダムF91
- 初登場作品。シャア・アズナブルとは違い、常にフルフェイスマスクで顔全体を覆い隠した姿が特徴的。全編中、素顔が出たのもセシリーの回想のみとなっている。その鉄仮面はコスモ・バビロニア建国宣言の際に狙撃手の放った銃弾を弾いており、カロッゾ本人はその上で演説を継続してみせた。その後、バグをフロンティアIへと投入した事を契機にセシリーと明確に敵対し、ラフレシアでビギナ・ギナを無力化しセシリーを宇宙へと放り投げたが、そこに駆けつけたシーブック・アノーと交戦し、相手のF91が引き起こしたM.E.P.E.に翻弄された末に討たれた。
- 機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122
- ACT. 10「クロスボーン・バンガード」冒頭でゲスト出演。フロンティア・サイドに向けて艦隊を進めていたところ、月公転軌道上のCV軍基地を叩くため月へと向かっていた連邦軍艦隊と接触してしまい、前哨戦が勃発。無駄な消耗を避けるため、そのままの進路でフロンティア・サイドへと向かった。
- 機動戦士ガンダムF91 プリクエル
- 第8話より登場。マイッツァーとの通信による会談を行い、出奔したナディアの捜索を打ち切る代わりとしてハウゼリーをブッホ社に戻すよう提案したが、その後ハウゼリーは暗殺。その半年後、鉄仮面を被ったカロッゾはハウゼリーの理想実現の為にコスモ・バビロニアの建国を提唱し、マイッツァーからクロスボーン・バンガードの司令官に任命された。
- 機動戦士ガンダムF90FF
- 第29話より登場。クロスボーン・バンガード以前、バーナムの指揮をマイッツァーから任された事が語られた。ハウゼリーの思想に共感し、彼と相互に信頼しあっている様子が描かれた。ハウゼリーが大義のために民衆を見ない政治姿勢を危険視していると偽り、それを名目にレガシィを利用するなどしたたかな面も覗かせる。
- 機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE
- 「クロスオーバーUCE」の「エンジェル・ハイロゥ編」にて登場。架空戦記という扱いであり、コスモ・バビロニア建国戦争でシーブック達によって討たれたかに見えたが、ザンスカール帝国によりラフレシア共々密かに回収され、エンジェル・ハイロゥ攻防戦におけるフォンセ・カガチの切り札として投入された。シナリオ中ではラフレシアとバグを動かすための「物言わぬ機械」として調整されており終始無言。皮肉にも『F91』で放った「私は機械ではない。エゴを強化したものだ」の台詞とは裏腹にエゴすら残っていない機械と化してしまった。
人間関係編集
家族 編集
- マイッツァー・ロナ
- 義父。彼の掲げるコスモ貴族主義に傾倒し、その果てに独自にラフレシア・プロジェクトを推進した。
- ナディア・ロナ
- 妻。ロナ家の家風を嫌悪しており、カロッゾがそれに傾倒していったのを切っ掛けにシオと駆け落ちした。その事が、カロッゾが鉄仮面を被る切欠の一つとなった。
- ハウゼリー・ロナ
- 義兄。お互いに信頼する仲であり、ナディアが出奔した際にはハウゼリーがカロッゾを慰める一面も見られた。それ故に、彼が連邦によって暗殺された事実が、彼の地球連邦に対する怒りに火を着け、ラフレシア・プロジェクトを掲げる理由の一つとなったとされる。
- セシリー・フェアチャイルド(ベラ・ロナ)
- 娘。マイッツァーの命令で彼女を捜索、クロスボーン・バンガードの武装蜂起の折に保護するが、後に敵対。
- ドレル・ロナ
- 息子。前妻との間に生まれた子であるとされ、ベラとは腹違いの兄妹となる。
クロスボーン・バンガード編集
- ジレ・クリューガー
- 腹心の部下。ラフレシア・プロジェクトの詳細を知る数少ないスタッフの一人。
- ザビーネ・シャル
- 黒の戦隊隊長。命令系統上は部下に当たるが、ザビーネはカロッゾに対して懐疑的な部分があり、バグの投入が切欠となり最終的にコスモ・バビロニアを離反したとされる。
民間人 編集
- シオ・フェアチャイルド
- ナディアを寝取った男。セシリーを引き渡した見返りに養育費という名目で多額の支援金を渡すが、その後報復した。
その他 編集
名台詞編集
機動戦士ガンダムF91 編集
- 「私がこんな物を被らざるを得なくなったのもお前が原因なのだと知っていれば、そんな事は言えんはずだ!」
- フロンティアIVの迎賓館で再会した妻ナディアに対して。
- 「私も感情を持つ人間だ。素顔であれば今お前を殴り殺していたかも知れん。それを抑える為のマスクなのだ。人間はかようにも情念を押さえねばならん時代なのだよ」
- ナディアに自らの目的の一端を語りながらも「素顔で言う勇気が無かった」と返されて。
- 「人類の10分の9を抹殺しろと命令されれば、こうもなろう!」
- 娘セシリーから「少しでも人間らしさを残しているならば今すぐこんな事はやめなさい」と言われ、そのように返答する。ラフレシア・プロジェクトがカロッゾ本人の企てではない事を暗に示唆している。
- 「つくづく女という生き物は御し難い。大人の言う事に疑いを持つのは良くないな!」
- 娘セシリーに対して。
- 「フハハハ……怖かろう!」
- ラフレシアのテンタクラーロッドをビギナ・ギナに放った際の台詞。
- 「化け物かっ!?」
- 最期の台詞。F91のM.E.P.Eに翻弄されて絶命。もっとも、彼自身も十分化け物と言えるのだが……。
機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122編集
- 「連邦軍もなかなか早い動きを見せてくれるではないか」
「しかしこちらにはこんな所で相手をしている時間はないのだ」 - Act. 10導入パートにて。クロスボーンの艦隊がフロンティア・サイドへ向かう途中、連邦軍との前哨戦に突入。侵攻作戦に支障を来たさないためにもカロッゾは速やかに艦隊を戦線から離脱させた。そしてこれが後の『F91』冒頭部へと繋がる事になる。
機動戦士ガンダムF91 プリクエル 編集
- 「入婿の私から提案など差し出がましいのですが ナディアの出奔をご容認なさるのなら」
「いっそハウゼリーお義兄様にお戻りになっていただくことはできないでしょうか?」 - 第8話。マイッツァーとの通信会談にてナディアの捜索を打ち切る代わりに、ハウゼリーを家に呼び戻す事を提案する。
- 「つまり私から見れば お義兄様が政府議会に提出された”地球保全法案”は両刃の剣に思えます」
「あれは人類を地球から追い出す法案です」 - 同話。続けてハウゼリーを家に呼び戻すのは、彼の掲げた政策が多くの政敵を生み彼を窮地に追い込むであろう事を見越しての事であると語る。しかし、この通信の後、ハウゼリーは凶弾に倒れる事となり……。
- 「なぜハウゼリーお義兄様はテロに討たれなければならなかったのか?」
「既存の権利擁護を目指す者たちにとってお義兄様は危険人物といえたかもしれません」
「しかしスペース・コロニー世紀が抱える問題を直視したときに過剰な人口から派生する問題は人類が種として支払うべき意味があるはずではないのか」
「現代人は死を遺棄し しかも 自然界の摂理を破壊する存在にまでなっています」
「お義兄様の主張した現代宗教論は魂の輪廻転生を受け入れて従容として死を迎え入れる心を育成することであった」
「それがなぜ悪であるのか? 人の命が地球より重いとされた時代は命が蹂躙されたからです」
「しかし現代は違う 全人類に飢餓はなく無政府的ではありません」
「その我々が権利主義だけを増長させれば特権階級による血族主義が横溢するカースト体制と指弾される状況をあおるだけではないのか?」
「我々はひとりの人間が千年万年の生命を支えるだけの 精神的な高貴さと強靭さを手に入れていない」
「そのような愚鈍な者が百年以上の歳を重ねることが正義なのか? しかもそれら愚者は過剰に増え物を消費し 我が物顔で地球を汚染し続けている!」 - 第11話。ハウゼリーの死から半年後、鉄仮面を被りマイッツァーの前に現れての演説。言葉の節々から義兄の死に対する怒りが見え隠れしている事が見て取れる。
- 「…… …では」
「では我々が実行してはどうでしょう? クロスボーン・バンガードの本格的な建設と『コスモ・バビロニア』建設です!」 - 同話。人類の生存を維持できる適正値まで人口を減らし、その上で地球の完全再生まで人類を宇宙で生活させるハウゼリー論を誰が実行するのかというマイッツァーからの問いかけに対し。
- 「もはや地球連邦政府に善き社会は作れはしません 連中はお義兄様を殺したのだから」
- 同話。彼にとってこれが本音であろう事は、前述の演説からも明らかである。
機動戦士ガンダムF90FF 編集
- 「腐りきった軍部を改革するためには彼らに衝撃を与える必要があるという御義兄様の考えは僕も賛同します」
- 第29話。宇宙世紀0116年、意図的にデナン・タイプの開発データをサナリィとアナハイムへとリークし、その上で技術革新と軍の改革を促そうとしたハウゼリーの真意を知り。
- 「ジュピター・サナリィの方々もそうなれば報われましょう…」
- 同話。議会政治で人類を救済したいというハウゼリーの言葉を受けて視線を後ろに向ける。そこにはフォンセ・カガチとカラスという木星からの使者の姿があった。
- 「…御義兄様は高潔な理想をお持ちだがあまりにも高きを望むが故 地を這う者の姿が見えていない いつかよからぬことが起こらなければよいが いや――」
「そうならぬよう 私がお守りするのだ」 - 同話。貴族の体現者として、同時に家族として信頼するハウゼリーの危うさを理解し、彼を守るべく奮起する事を誓うが……。