ヴェイガン
ヴェイガン(Vagan) 編集
『機動戦士ガンダムAGE』に登場する独立国家。
アドバンスド・ジェネレーション115年から150年前、地球連邦政府によって火星移住計画「マーズバースデイ」が実施されたが、火星圏での磁気嵐によって起こる疫病「マーズレイ」により人口の2割が死亡し計画は失敗。連邦政府は調査不足の責任を逃れる為、移住者達は全滅したと発表し、移住者らを火星に取り残したまま歴史の闇に葬った。しかし、火星圏で生き延びた者達は独立国家としてヴェイガンを作り上げ、フェザール・イゼルカントの指揮下で「プロジェクト・エデン」と呼ばれる計画を実行に移した。
自分たちを見捨てた地球圏の人間を「地球種」と呼び憎悪する一方で地球を「エデン(楽園)」と称しており、地球種を一掃して地球へ帰還することを国家の宿願としている。
イゼルカントがEXA-DBのサブユニットから入手した軍事技術を背景にA.G.101年に秘密裏に地球へ軍事進攻を開始し、天使の落日と共に地球圏では「UE(アンノウン・エネミー)」と呼称されるようになる。以降、ヴェイガンは連邦政府が編成した地球連邦軍と交戦を繰り返しつつ地球圏の各地で戦乱の勃発を幇助するなど暗躍を続けたが、スペースコロニー「ノーラ」での戦闘でガンダムAGE-1と交戦した部隊が被害を被り、同戦闘から発展したコウモリ退治戦役でその正体が明らかにされた。
その後の戦争でも高い軍事技術に由来する優位性を維持していたが、AGEシステムを得た連邦軍が技術発展によって格差は狭められ[1]、当初の優位性は失われるようになっていった。その後、A.G.164年に本拠地である火星コロニー「セカンドムーン」を地球圏へ向けて移動させ、最終決戦に臨んだが、ヴェイガンギア・シドの暴走によってセカンドムーン崩壊の危機に見舞われ、連邦・ヴェイガン双方が協力してコロニー崩壊を防いだことにより、和平への道が開かれることになった。
登場作品 編集
- 機動戦士ガンダムAGE
- 初登場作品。当初はUEと呼ばれ、地球圏に戦争の火種を撒きつつコロニーへの攻撃を行っていたが、その正体が明らかになった第二部以降は大規模な部隊を送り込み、連邦政府と交戦している。
- 機動戦士ガンダムAGE (小説版)
- 火星移民計画実行時、連邦政府はマーズレイが判明した段階で地球圏帰還を望む開拓民の要請を拒否・握り潰しており、コロニー国家戦争の開戦で混乱期に入ると、これ幸いとばかりに火星開拓民はこの時期に地球圏に帰還したと捏造した。また、50年に渡った戦争で地球圏のネットワークシステムが壊滅状態に陥ったため、結果的に火星移民計画そのものが忘却されしまったことが語られている。
- 機動戦士ガンダムAGE UNKNOWN SOLDIERS
- 機動戦士ガンダムAGE EXA-LOG
関連施設 編集
- 宇宙要塞アンバット
- コウモリ退治戦役におけるヴェイガンの主要拠点。司令官はギーラ・ゾイ。本来は旧国家戦争時に使われ打ち捨てられていた施設だったが、ヴェイガンにより改修され、「天使の落日」以降の地球侵攻の拠点とされた。最終的にディーヴァのフォトンブラスターによって損害を被り、尚且つギーラ・ゾイの戦死に伴って陥落したことでコウモリ退治戦役は終結した。
- ダウネス
- 第二部における主要拠点となった大型移動要塞。戦役の最終局面であるノートラム攻防戦で地球に落下しかけるが、最終的にアセムとゼハートの手で破壊される。
- テクノソロン社
- 工業コロニー「ソロンシティ」に存在する企業だが、ヴェイガンの地球制圧の為の拠点であった。第二部で連邦軍の調査が入り、最後は証拠の隠滅の為に本社施設ごと自爆した。
- 小説版ではオルフェノア夫人がオーナーとして所有する企業とされており、フリットが癒着を暴いたことでオルフェノア夫妻とヴェイガンの繋がりが白日の下に晒された。
- ルナベース基地
- 本来は地球連邦軍の月面基地であったが、司令官のアローン・シモンズと所属パイロットであるジラード・スプリガンがヴェイガンに寝返ったために地球侵攻軍の拠点となる。最終的に連邦軍によって奪還された。
- ラ・グラミス
- 第三部、第四部において、ルナベース基地と共にヴェイガンの主要拠点となった移動要塞。第三部では主砲であるディグマゼノン砲で連邦軍の総司令部「ビッグリング」を一撃で葬っている。司令官はファルク・オクラムド。
- セカンドムーン
- ヴェイガンの首都コロニー。火星開拓移民団時代の施設を利用しており、マーズレイ対策もあってかなり特殊な外見をしている。元は火星軌道上にあったが、後に地球圏に移動する。
主な構成員 編集
- フェザール・イゼルカント
- ヴェイガンの絶対的指導者。
- ゼハート・ガレット
- イゼルカントの側近、後に後継者となる。
- ザナルド・ベイハート
- イゼルカントの側近。
- ドレーネ・イゼルカント
- イゼルカントの妻。
- ギーラ・ゾイ
- 宇宙要塞アンバット司令官。
- アラベル・ゾイ
- ギーラ・ゾイの息子。
- デシル・ガレット
- ゼハートの兄のXラウンダー。
- ダズ・ローデン
- ゼハートの副官。
- イゴール・エバンス
- 地球圏の工場コロニー・ソロンシティにあるテクノソロン社「ガルバーディア」工場長だが、ヴェイガン側の人間である。
- メデル・ザント
- 2部でのゼハートの副官。実際はヴェイガンの司令官である。
- ドール・フロスト
- Xラウンダー部隊マジシャンズ8のリーダー。
- グリン・ライズ
- 「マジシャンズ8」のサブリーダー。
- レオ・ルイス / ザファー・ローグ / ミンク・レイデン
- ゼル・ブラント / レッシー・アドネル / ネッド・カーン
- 「マジシャンズ8」のメンバー。
- フラム・ナラ
- 3部以降でのゼハートの副官。ザナルドにゼハートの監視役として派遣されたドールの妹。
- レイル・ライト
- ゼハートの命令に従う一人。
- ダレスト・グーン
- ゼハートの命令に従う一人。
- ゴドム・タイナム
- 特殊部隊「ファントム3」のリーダー。
- グラット・オットー / デモン・ラージ
- ファントム3のメンバー。
- ディーン・アノン / ルウ・アノン
- ヴェイガンのコロニー「セカンドムーン」の人々。
- ゼラ・ギンス
- イゼルカントのクローン。
- ジラード・スプリガン
- 元連邦軍のエースパイロット。
- アローン・シモンズ
- 地球連邦軍基地「ルナベース」の司令官。
- ファルク・オクラムド
- 宇宙要塞「ラ・グラミス」の司令官。
民間人 編集
保有戦力 編集
ヴェイガン全てのMSは頭部にスリット型センサーを持ち、「ドラゴン」をモチーフとした機体で、親指~小指が同じ長さに重なり合った左右対称形のマニピュレーターを持つ。また、腰背部に固定装備されたパーツは「尾」と呼ばれ、ライフルや銃などの武器をベースした尾を持つ機体も存在する。両掌にはビームサーベルを発生可能なビームバルカンを内臓、背中にはドラゴンに近い翼が生えている。嘗ては無人機であると思われていた。またコクピットはZ以降の宇宙世紀世界で一般化した全天周囲モニターとなっている(ただし、座席下部までは実装されていない。また形式番号には数字が用いられず全てアルファベットによる表記となっている(これはヴェイガン陣営の数字表記がローマ数字によることも関係しているかもしれない。)