コズミック・イラ
(C.E.から転送)
コズミック・イラ(Cosmic Era)編集
『機動戦士ガンダムSEED』及びその続編・外伝群で構成される世界観及び、その世界観で使用される歴号。略号はC.E.。宇宙世紀シリーズに次いで作品数が多い世界観であり、『ガンダムSEED』本編に至るまでの前史も公式年表によって緻密に設定されている。
西暦末期に勃発した再構築戦争(第三次世界大戦)によってそれまでの国家勢力の大規模な再編が行われ、同戦争の終結と共に国連主導の下で新たに制定された統一歴がコズミック・イラである。C.E.の元年となっているのは中央アジアで「最後の核」が使用された年としており、コズミック・イラはそれから9年の年月が経って制定されたため、C.E.元年~8年は歴史上にしか存在しない。
再構築戦争はB・C兵器や核兵器の使用により、人類に遺伝子汚染という爪痕を残しており、その救済措置として遺伝子治療技術が解禁され、それがやがて「コーディネイター」と呼ばれる遺伝子調整された新人類と、旧人類「ナチュラル」という枠組みを作り出す事になる。遺伝子調整技術の普及はそれに対する寛容や反発を生み、そしてナチュラル・コーディネイター間の能力差や差別意識は第1次連合・プラント大戦という形で噴出する事になった。
コズミック・イラの文化 編集
- 生活圏
- 再構築戦争の終戦と共にL1で宇宙ステーション「世界樹」の建造が再開されたのを機に宇宙ビジネスとスペースコロニー構想が本格化し、その資材調達のために月面にコペルニクスが建造される。コズミック・イラ70年代時点ではL5宙域にはコーディネイター国家であるプラントが存在し、L3にはヘリオポリス、L4には多数の中立コロニーが存在する。
- エネルギー
- 石油資源の枯渇により、地球国家では原子力発電が普及していたが、第1次連合・プラント大戦序盤のニュートロンジャマー投下によってこれらが一切使用不能となった事で、大規模なエネルギー危機が発生。代替エネルギーの急速な技術進歩が促された。一方で、プラントでは発電効率80%の太陽光発電技術が開発されており、その送電網を兼ねた全地球規模の超伝導ケーブル網の敷設が行われている。
- 通信
- ニュートロンジャマーによって地球圏で電波通信が阻害され、その代替としてレーザー通信技術が普及。同時に通信ケーブル(上述の送電ケーブルを兼ねたもの)が世界中の地下に敷設された事で通信問題は一応の解決を見ている。また、コズミック・イラでは量子コンピューターが広く普及しており、これを利用した量子通信技術も存在する。
- 倫理観
- パレスチナ公会議の失敗による世界的宗教の失墜と遺伝子操作技術の発展・普及によって生命に対する倫理観が希薄化。遺伝子調整した子供が要望通りの容姿にならなかったという理由で親権を放棄する親が現れるなど、様々な問題が噴出している。
関連用語編集
年表 編集
時期 | 出来事 | 作品名 | 備考 |
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西暦末期 | 石油資源枯渇と環境汚染の深刻化により全世界的に不況の嵐が吹き荒れる 諸国家が排他的経済ブロックを構築し、地球がいくつかの代表勢力による分割が行われる 再構築戦争(第三次世界大戦)勃発 S型インフルエンザ流行 ジョージ・グレン誕生 |
西暦何年かは不明 | |
C.E.1年 | 中央アジア(カシミール地方)で「最後の核」が使用される | ||
C.E.9年 | 再構築戦争終結 大西洋連邦、ユーラシア連邦、東アジア共和国などの11の連合国家が成立 コズミック・イラ制定 |
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C.E.10年 | 宇宙開発が本格化 | ||
C.E.11年 | 国際宇宙ステーション「世界樹」完成 | ||
C.E.15年 | 木星往還船「ツィオルコフスキー」完成 ジョージ・グレンの告白によってコーディネイター技術が拡散 各宗教威権、遺伝子操作技術を異端認定 ブルーコスモス、コーディネイター技術に対する反意を表明 |
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C.E.16年 | 国連遺伝子資源開発会議開催 人類遺伝子改編に関する議定書採択 人間の遺伝子操作が違法化されるが、一部富裕層は極秘裏にコーディネイターを誕生させる |
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C.E.22年 | ジョージ・グレン、エヴィデンス01を伴い地球へ帰還 地球外生命体の存在証拠により各宗教界が混乱に陥る |
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C.E.30年 | パレスチナ公会議が開催されるも議論がまとまらず失敗 これにより宗教界は威権を失墜し、コーディネイター寛容論が世間に浸透 ブルーコスモス活発化 |
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C.E.31年 | 研究コロニー「Zodiac」でエヴィデンス01の調査開始 | ||
C.E.38年 | Zodiac大規模・複雑化 ジョージ・グレン、新型コロニー構想を発表し、建造を開始 次世代コロニー建造の出資者としてプラント理事国成立 |
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C.E.40年代 | 極秘裏に造られた第一世代コーディネイターが成長し各方面で活躍 コーディネイターとナチュラル間の能力差が歴然となり、批判勢力が活発化 第一世代コーディネイター同士の婚姻による純系第二世代コーディネイターが誕生し始める |
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C.E.44年 | 次世代コロニー「プラント」完成 | ||
C.E.50年 | シーゲル・クラインとパトリック・ザラがプラント内での自治権・貿易自主権の獲得を訴え黄道同盟(後のザフト)を結党 | ||
C.E.53年 | ジョージ・グレン暗殺 | ||
C.E.54年 | S2型インフルエンザ流行 S2インフルエンザをコーディネイターによるジョージ・グレン暗殺の報復とする言説が流れ始める メンデルでスーパーコーディネイターの研究が開始 |
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C.E.55年 | プラント、S2型インフルエンザワクチンの開発に成功 宗教界が権威を復権 遺伝子改編禁止に関する協定(トリノ議定書)が採択され、地球上における遺伝子改変が再び違法化 プラントへのコーディネイター移住が加速 |
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C.E.57年 | プラント理事国各国宇宙軍の合同軍がプラント宙域に駐留を開始 | ||
C.E.60年代 | プラントが地球へのエネルギー及び工業生産品供給地としての重要性を増し、プラント理事国も強大化 プラント理事国はプラントへ更に重いノルマを課す一方、非理事国から利益独占の批判が噴出 |
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C.E.63年 | プラントのエネルギー生産部門がブルーコスモスのテロにより被害を被る プラント評議会、水面下でのモビルスーツの軍事転用研究を開始 |
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C.E.65年 | 黄道同盟、ザフトに改称 MS試作1号機「ザフト」ロールアウト |
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C.E.68年 | パトリック・ザラ、ザフトを解体再編し軍備化 メンデルで大規模バイオハザード |
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C.E.69年 | プラント、ユニウス市を穀物生産プラント化し、独自の食料生産を開始 L5宙域でプラント理事国軍とザフト軍が武力衝突 MSジン、実戦投入 |
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C.E.70年 | コペルニクスの悲劇 第1次連合・プラント大戦勃発 地球連合発足 オーブ連合首長国中立宣言 血のバレンタイン エイプリル・フール・クライシス |
機動戦士ガンダムSEED | |
C.E.71年 | 第1次連合・プラント大戦停戦 南アメリカ独立戦争 |
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C.E.72年 | ユニウス条約締結により第1次連合・プラント大戦が正式に終戦 空白の2年間 |
機動戦士ガンダムSEED DESTINY 機動戦士ガンダムSEED ECLIPSE |
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C.E.73年 | アーモリーワン事変 ブレイク・ザ・ワールド事件 第2次連合・プラント大戦勃発 天空の宣言 |
機動戦士ガンダムSEED DESTINY 機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER 機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY 機動戦士ガンダムSEED C.E.73 Δ ASTRAY |
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C.E.74年 | メサイア攻防戦 第2次連合・プラント大戦終結 |
機動戦士ガンダムSEED DESTINY | |
C.E.75年 | プラント、大西洋連邦、オーブ連合首長国によって世界平和監視機構コンパスが創設される | 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM | |
時期不明 | 叢雲劾、太陽に設置された砲台の破壊任務を遂行 | 機動戦士ガンダムSEED ASTRAY B |