オーブ連合首長国

オーブ連合首長国(United Emirates of Orb) 編集

機動戦士ガンダムSEED』シリーズに登場する国家。

南太平洋ソロモン諸島を本国とする中立国。ヤラファス島を本島としており、同島の南東に位置するオロファトを首都とする。一般には「オーブ」と呼ばれ、公用語として日本語を採用している。過去にハウメア信仰を持った住民がこの土地を開拓して氏族として勃興。後に再構築戦争が発生した際に落ち延びた日本人移民が流入したことで現在の形となった。

国土の大半が居住や農耕に適さない火山性の地質や狭い面積の島々からなるが、重工業に強く、マスドライバー宇宙港や軌道エレベーターの建設といった宇宙開発でも存在感を示し、地球の強国の一つとして知られ、それを背景として繁栄した。

政治は立憲君主制に近く、有力な五大氏族から選出される代表首長、五大氏族の有力者、国民選挙で選ばれた上院および下院が国政を担う。特に五大氏族の権限は大きく、国政選挙によらずオーブの政治中枢を占めるが、地位は永続的でなく下級氏族と交代することもあった。

政治、経済共に安定した国であったが、同時に中立政策をとったことでも知られ、第1次連合・プラント大戦直前にウズミ・ナラ・アスハが中立を宣言したことで戦火を免れてきた。オーブの理念に従う限りであればナチュラルでもコーディネイターでも国籍を取得出来る数少ない国であり開戦後は戦火を逃れた多くの人々が移住している。

中立政策の一環として兵器は独自開発の物を配備し、当初はモビルスーツの開発技術を有していなかったが、国営企業として兵器メーカーであるモルゲンレーテ社を有しており、同社が地球連合軍から開発・製造を委託された兵器の技術を転用し、独自にMSを開発・配備した。

宇宙開発に積極的なオーブは宇宙にも領土を持ち、資源衛星コロニーのヘリオポリス、軌道エレベーターアメノミハシラなどがその代表例となる。これらは共に重工業施設としての側面を持ち、D.S.S.Dへの出資も行っていた。

登場作品  編集

機動戦士ガンダムSEED
初出作品。キラ・ヤマトらの故国として登場。物語中盤、地球連合軍の協力要請(要請の内容は断らせて攻撃の理由を作る為の実質的な降伏勧告に近い物だった)を拒否した故に侵攻(オーブ解放作戦)に遭い、オーブに身を寄せていたアークエンジェルクサナギとともに宇宙に上げた後、ウズミ・ナラ・アスハや五大氏族の族長が主要施設と共に自爆した。宇宙へ脱出した2隻はエターナルと合流。第二次ヤキンドゥーエ攻防戦において独自の勢力として活躍し、戦争を終結へと導いた。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
第1次連合・プラント大戦後、主権を回復。国外へと脱出していた技術者などが帰国し、2年でモルゲンレーテ社をはじめとする兵器工場などを再建。再び技術国家として国際的な立場を回復した。カガリ・ユラ・アスハが代表首長に就任したが実質的にはセイラン家が主導権を握っており、ブレイク・ザ・ワールド後は地球連合との同盟条約を締結。ザフト軍との交戦開始後、オペレーション・フューリーによるセイラン家崩壊まで地球連合軍へ協力する形となった。
機動戦士ガンダムSEED FREEDOM

関連人物 編集

五大氏族  編集

ウズミ・ナラ・アスハ
C.E71年時の代表(オーブ解放作戦時は引退)にして、オーブの獅子の異名を持つアスハ家首長。『他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入せず』というオーブの理念に沿った思想を持つ為政者。
カガリ・ユラ・アスハ
アスハ家息女。ウズミの死後、若くしてオーブの代表となる。
ロンド・ギナ・サハク
五大士族、サハク家の一員。双子の姉ミナと共に『一握りの支配者が万人を支配する』態勢を確立しようとしたが、志半ばで落命する。
ロンド・ミナ・サハク
五大士族、サハク家の一員。双子の弟ギナと共に政変を企図していたが、ギナの死後は考えを改めて拠点アメノミハシラから全世界に向けて天空の宣言を放つ。
ウナト・エマ・セイラン
C.E73年時のオーブ宰相にして五大士族、セイラン家当主。
ユウナ・ロマ・セイラン
ウミト・ミツ・キオウ
オーブ解放作戦後に五大士族の後釜として見出されたキオウ家の当主。
ミヤビ・オト・キオウ
五大士族、キオウ家の息女。

オーブ軍関係者  編集

レドニル・キサカ
オーブ軍一佐。宇宙艦クサナギの艦長。
エリカ・シモンズ
アサギ・コードウェル
マユラ・ラバッツ
ジュリ・ウー・ニェン
トダカ
アマギ
ソガ
キラ・ヤマト
オーブ解放作戦時にアークエンジェルと共に加わった元地球連合軍人。コーディネイター。フリーダムのパイロット。第2次連合・プラント大戦ではラクスマリュー達と共にカガリを拉致してアークエンジェルに匿う。
アスラン・ザラ
オーブ解放作戦時にザフトから離れて加わった軍人。ジャスティスのパイロット。戦後はカガリの随員となるが、後の第2次連合・プラント大戦時は一時的にザフトに復帰している。
ムウ・ラ・フラガ
マリュー・ラミアス
キラと共にオーブ軍に参入したアークエンジェル艦長。オーブ解放作戦から第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦まで共に戦っており、第2次連合・プラント大戦時もアークエンジェルと共に介入している。
ミリアリア・ハウ
アンドリュー・バルトフェルド


ODR 編集

タツミ・ホーリ
ODRが極秘開発したモビルスーツ、エクリプス1号機の専任パイロット。
ケン・ノーランド・スセ

その他  編集

マルキオ
ホムラ
カリダ・ヤマト
トーヤ・マシマ
シン・アスカ

関連地名  編集

ヤラファス島
オーブ本島。面積の多くが火山で構成され、自然エネルギーを活用した地熱発電が行われている。
オノゴロ島
ヤラファス島の南に位置する火山島。国防本部、軍港といった軍関連施設が集中している。
モルゲンレーテ社
オノゴロ島に社屋を置く軍事企業。
アカツキ島
アスハ家私有地。独自の地下施設を有し、アカツキなどが秘匿されていた。
サデヨリ島
オーブ領にある群島の一つ。タツミ・ホーリの故郷。
カグヤ
カグヤ島を基点に建設されたマスドライバー。オーブ解放戦線で自爆した後、MSに用いられるナチュラル用OSのロイヤリティ(使用量)で再建された。
アメノミハシラ
C.E.58年に建設が開始された軌道エレベーター。衛星軌道部分のみが完成し、後にサハク家の管理下に置かれ、独自勢力の兵器工場兼拠点として使用された。
ヘリオポリス
L3に位置するオニール型コロニー。併設されたモルゲンレーテ社の施設でGAT-Xシリーズやアークエンジェルが開発されたが、この情報を察知したザフト軍との戦闘で崩壊。

関連用語 編集

オーブ軍
オーブ解放作戦
オペレーション・フューリー
地球連合軍
ザフト軍
アークエンジェル
ODR

リンク 編集