アースノイド
アースノイド(Earthnoid)編集
スペースノイドの対義語として主に地球に居住する人類を指す言葉。人の種の総称としての人類や、太陽系外まで視野に入れた地球人という語に対し、スペースノイドとの政治的・軍事的対立を表す際に使われる。宇宙世紀シリーズの他、『機動新世紀ガンダムX』などで用いられる用語でもある。
宇宙移民によって人類の大半が宇宙で暮らすようになった上で地球上に残留しており、その大半が地球連邦政府にコネを持つ政府や軍の関係者、あるいは富豪といった人々である。地球環境で安寧を貪る彼らをスペースノイドは「特権階級」と認識しており、「地球の重力に魂を引かれた人々」と揶揄される事も多い。スペースノイドの主張を借りるならば、「スペースノイドに無関心であり、地球という揺り籠で安穏と暮らす人々」であるとされる。また、連邦政府の政策から宇宙移民者が地球へ生活の場を移す事はほぼ不可能と言っても良い。
しかし、地球の経済事情は非常に不安定な上に、極端なまでの格差社会となっているのが実情であり、地球への滞在には連邦政府の発行する居住許可証が必要不可欠となる。アースノイドの中でも特権階級や既得権益を持つ者はほんのごく僅かであり、残りの大多数は彼らの生活を支える目的で地球への滞在を許可されている。
場合によってはスペースコロニーよりも過酷な環境での生活を強いられる[1]事もあり、またスペースノイド達が「コロニーの維持」の為の高度な機械知識の取得を義務付けられているのに対し、アースノイドの貧困層はそれらに触れる機会が少ないとされている。そういった事情がある中で全ての人々が宇宙に上がると言う理想を掲げたジオン・ズム・ダイクン、キャスバル・レム・ダイクンの親子に対し、メラニー・ヒュー・カーバインは「地球の経済事情をロクに理解せず、地球で暮らす事しかできない無学なアースノイド達を『重力に魂を引かれた人々』として切り捨てたのだ」と痛烈に批判している[2]。
宇宙世紀0090〜0100年代になると一般人はマン・ハンターによる「人狩り」の対象となっており、これによってスペースコロニーへの強制的な移住が行われた。しかし、政府高官や富裕層らはそれら摘発の対象外であり、更に彼らによる地球の独占を加速させる為の法整備も進んでいった。
更に時代が進んだ0150年代、地球連邦の首都がフォン・ブラウンへ遷都した事によって地球は政治の中心ではなくなり、人口は大幅に減少。地球居住者はウーイッグ等の特別区で生活する者と不法居住者が殆どとなった[3]。
登場作品編集
- 機動戦士ガンダム
- アースノイドとスペースノイドの対立という構図によって一年戦争は成り立っているが、放送時にはその単語はまだ生まれていなかった。
- 機動戦士Ζガンダム
- 単語の初出作品。アースノイドの特権階級層の横暴を示す存在としてティターンズが登場。スペースノイドに対する弾圧、時には虐殺とも呼べる作戦行動を行った。
- 機動戦士ガンダムΖΖ
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
- 機動戦士ガンダムUC
- 機動戦士Vガンダム
- 機動新世紀ガンダムX