フォン・ブラウン
フォン・ブラウン(VON BRAUN) 編集
宇宙世紀初の月面の恒久都市。都市の直径は6km。人口は約5千万人。経済的に豊かである為、犯罪発生率も低く治安が良い。
人類が初めて月に到達した静かの海の北側(西暦1969年にアポロ11号が着陸した場所)に建設され、「アームストロング船長の足跡」とも形容されている。都市の名前はサターンV型ロケットなど数々のロケット開発に貢献したウェルナー・フォン・ブラウン博士にちなむ。
元来はスペースコロニー建造に必要な資材を採掘する鉱山基地であり、基地に付随するマスドライバーを用いてサイド3以外の殆どのコロニーに建造用の資材を供給した[1]。その後、基地近傍に月面最初の恒久都市が建造されると、宇宙世紀0027年に同市が「フォン・ブラウン」と命名され、月面都市の中では最初の市制が布かれた。
コロニーの建設ラッシュと宇宙生活者の増大に伴って繁栄していき、都市の規模も拡大。クレーター底面に建造された最初の都市を基点に機能が拡張されていき、レベル1~4までの多層構造都市を構成していった。都市の空気は最下層のバイオマスによって生産され、それが吹き抜けを通じて都市各部へと給気される。
地球から宇宙へと渡る人々の最初の経由地として機能し、スペース・カルチャーの発信地でもあり続け、宇宙世紀0020年代のニュー・ライティングス、0050年代のデ=グラヴィティ、0070年代のスペース・パブ等を生み出してきた。
一年戦争では「月を戦場にしない」をスローガンとして他の月面都市と共に中立の立場を表明したが、グリプス戦役ではティターンズの攻撃目標となり港湾施設をはじめとする各施設に大きなダメージを負った。同時期、宇宙建築家のバズ・ケナンが都市構造体の老朽化を理由に大規模なリノベーション計画を提唱しており、宇宙世紀0089年より都市の復旧作業と合同される形で再開発が行われた。
市内にはアナハイム・エレクトロニクス社のフォン・ブラウン工場が存在し、多数のモビルスーツがここで開発・製造された。また、ザンスカール戦争時には政府機能が地球から転移しており、連邦の首都としても機能している。
登場作品 編集
- 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
- 第6話でアルビオンが寄港。郊外のリバモア工場でガンダム試作1号機がガンダム試作1号機フルバーニアンへと改修された。時を同じくしてジャンク屋として雌伏の時を過ごしていたケリィ・レズナーがコウ・ウラキと邂逅するが、その後ケリィはヴァル・ヴァロでアルビオンを襲撃。コウとの決闘の末に敗れ去った。
物語終盤、デラーズ・フリートのコロニー落としの標的とされるが、市は緊急避難という体裁でコロニーの推進剤にレーザーを照射。コロニーは地球へ向けて進路を変更し、星の屑作戦は最終段階へと移行した。 - 機動戦士Ζガンダム
- 初登場作品。第23話でティターンズが発動したアポロ作戦の標的となり、パプテマス・シロッコのドゴス・ギアの先行によって占領下に置かれた。しかし、シロッコ不在の隙を突く形でエゥーゴが奪還作戦を実行。市を占拠するティターンズの部隊は撤退した。その後、シロッコの命を受けたサラ・ザビアロフによる破壊工作が行われ、アームストロング広場とそこに隣接する港湾施設が破壊された。
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
- アムロ・レイがνガンダム受領の為に訪れた。機体の最終調整を切り上げ、隣接するマスドライバーを使用してロンド・ベルへと合流した。
- 機動戦士Vガンダム
- 連邦の首都として機能しており、ロベルト・ゴメスから「月の中央政府」と呼ばれている。
- 機動戦士ガンダム サンダーボルト
- アナハイムの最大の拠点として、南洋同盟によるテロの最終目標とされる。
『サンダーボルト』におけるフォン・ブラウンは環境汚染の進む地球の生態系を保護するテラリウムとしての役割を担っており、ドーム内の環境には海などの自然環境も再現され、クジラなども生息している。
施設 編集
- アームストロング広場
- アポロ11号のニール・アームストロング船長の名前を頂く、フォン・ブラウン最大の都市公園。公園にはアポロ11号が保存されている。
- アッパー・フォン・ブラウン
- 鉱山時代の区画を残すグリッド状の街区。クレーターはこの区画を残す形で掘り進められている。
- アナハイム・エレクトロニクス社
- アナハイムの本社ユニット。ミュージアムやファクトリーが一般公開されている。
- アナハイム・エレクトロニクス フォン・ブラウン工場
- フォン・ブラウンに設置されたMS工場。主に地球連邦軍向けの機体を開発・製造している。
- アナハイム・エレクトロニクス リバモア工場
- フォン・ブラウン郊外に位置する工場。
- グラン・ヴィード
- 都市を貫く巨大な吹き抜け。フォン・ブラウンの環境気候形成の命運を握っている。
- アミューズメントゾーン
- グラン・ヴィードのレベル3層部に存在。3万人を収容可能なアリーナを有し、都市部とはカーボン・ブリッジで往来可能。
- ローワー・フォン・ブラウン
- 最下層部となるレベル4に位置する街区。放射状街区が出来るまでの鉱山時代の反映の象徴。
- バイオマス
- 都市の最下層部に位置する酸素製造設備。「フォレスト」と「ファクトリー」の2種類が存在する。一般的に立ち入り禁止だが、0096年には上層から見学が可能なバイオマス・オブザーバトリーが新設された。
- 港湾設備
- 都市上層に位置する港湾設備。
- マスドライバー
- 都市に付随する物資搬出用マスドライバー。元々はスペースコロニー建造用資材を打ち上げる為の施設。
- レーザー発信設備
- レーザーロケットのエネルギー供給用のレーザー発信設備。