ガンダムX
| ガンダムX | |
|---|---|
| 外国語表記 | Gundam X |
| 登場作品 | |
| デザイナー |
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| スペック | |
|---|---|
| 分類 | サテライトシステム搭載型対コロニー殲滅用モビルスーツ |
| 型式番号 | GX-9900 |
| 頭頂高 | 17.1m |
| 重量 | 7.5t |
| 装甲材質 | ルナチタニウム合金 |
| 開発組織 | 旧地球連邦軍 |
| 所属 | 旧地球連邦軍 ⇒ バルチャー(1号機) |
| 母艦 | フリーデン |
| 主なパイロット |
ガロード・ラン ジャミル・ニート |
概要 編集
第7次宇宙戦争において旧地球連邦軍が開発した決戦兵器として開発したニュータイプ専用モビルスーツの一つ。
一撃でスペースコロニーすら破壊してしまうサテライトキャノンを装備する最強のMSであり、月の太陽光発電システムとスーパーマイクロウェーブによって、システムとの接続を維持している限り稼働を継続し、常時高出力の武装を運用し続けることができる。また、NTの戦闘能力を最大限に発揮するフラッシュシステムを搭載し、無人機である複数のGビットを遠隔操作でき、これと連携した戦術を展開することで、あらゆる戦局に対応することができた。加えて、機体そのものの汎用性も高く、陸・海・空・宇宙の全領域でトップクラスの戦闘能力を有する。
機体を稼働させるためには「Gコントローラー(Gコン)」と呼ばれるキーデバイスが必要不可欠で、強力過ぎる機体が安易に運用されないよう配慮されている。Gコンは2本ある操縦桿の右側スティックパーツそのものであり、機体の起動、制御キーおよびサテライトキャノンのトリガーとしても機能する。
コクピットの昇降は胸部上面に設置されているハッチから行う。上部の装甲がスライドしてクリアランスを確保した後、内部の気密ハッチが解放される。シートの後部にはフラッシュシステムのピックアップデバイスが装備されており、また胸部前面装甲内にはスーパーマイクロウェーブとのリンクを確立するための照準用ガイドレーザーユニットが内蔵されている。
本機は本来、宇宙革命軍が計画していたコロニー落としへの対抗策として開発されていたが、本機の完成が逆に革命軍にコロニー落とし作戦を決意させたとも言われている。また、サテライトシステム使用時にリフレクターを広げ集光する際、光が反射してそれ自体が発光しているように見えることから、「光る翼を持つモビルスーツ」として恐れられた。
各機番 編集
- 1号機(NT-001)
- アフターウォー15年にガロード・ランが搭乗する事になった機体。アルタネイティヴ社の追っ手から逃れるガロードがティファ・アディールの誘導で辿り着いた旧連邦軍の基地に未使用のまま保管されていたもので、紆余曲折を経てフリーデンの主戦力として各地を転戦、カリス・ノーティラスの乗るベルティゴに敗北し中破するが、キッド・サルサミルらフリーデンのメカニックたちの手でガンダムXディバイダーへと改修された。
- 3号機(NT-001)
- 『機動新世紀ガンダムX NEXT PROLOGUE「あなたと、一緒なら」』に登場。かつてガロードが搭乗した1号機 (ディバイダー)の再改修機で、後述の3号機とは別機体。外見と武装は改修前の1号機と同じだが、肩部装甲がライトブルーに塗装されている。大破した1号機を各地にある旧連邦軍研究所から回収したパーツで改修、不足分を新たに用意したパーツで補い完成した。ジェネレータ出力を改良したことにより運用効率が30%向上。その結果、全ての基本性能が3割程向上し、リフレクターによるホバリング飛行性能も向上した。武装はシールドバスターライフル、大型ビームソード、ブレストバルカンの他に、ガンダムXディバイダーのビームマシンガンやハイパーバズーカも使用可能。フラッシュシステム及びサテライトキャノンも理論上運用可能であるものの、第8次宇宙戦争でGビット及び月面のマイクロウェーブ送信施設が既に破壊されているため、使用不能となっている。
- 2号機(NT-002)
- ジャミル・ニートが第7次宇宙戦争時に搭乗した機体。革命軍のコロニー落とし作戦に対抗するためにサテライトキャノンを使用するが、それがコロニー落としを決定的なものとしてしまい、ジャミルの心に大きなトラウマを生むことになった。機体は直後のランスロー・ダーウェルのフェブラルとの戦闘で相討ちとなる形で大破(リフレクターと共に左腕と頭部を損失)、大気圏突入後に放棄されたものの、政府再建委員会によって回収され、ゾンダーエプタでガンダムダブルエックス開発の参考に利用される事になった。その後、ガロードによって強奪されたダブルエックスが放ったツインサテライトキャノンによりゾンダーエプタごと消滅している。
- 3号機(NT-003)
- 本編未登場。所在不明で破壊されたとも言われている。
- 機番不明(カイ機)
- 漫画作品『機動新世紀ガンダムX外伝 UNDER THE MOONLIGHT』に登場。ローレライの海でサルベージされた機体で、コクピットの内装にコールドスリープ装置が組み込まれている。同機には随伴のGビットも配備されていたが喪失したとされる。当初の機体色は黒色であり、コクピットでコールドスリープしていたカイが搭乗していたが、彼がガンダムベルフェゴールに乗り換えた際にリック・アレルの搭乗機となり、その際に機体色が他の機体と同様、白色に塗り替えられた。
上記の1~2号機が存在している以上、消去法でこの機体が3号機(NT-003)である可能性もあるが、詳細は不明である。
登場作品と操縦者 編集
- 機動新世紀ガンダムX
- 初登場作品。同作では前半の主役機を務める。本編中は主にガロード・ランの搭乗機である1号機が登場し、ジャミルがかつて搭乗した2号機については主にプロローグや回想シーンで登場した。ティファの導きによりガロードの手に渡ってからはフリーデンと共に各地を転戦。数々のピンチを潜り抜けてきたが、第10話のベルティゴとの戦闘でサテライトキャノンを破壊されてしまったため、キッド達の手によってガンダムXディバイダーとして蘇る事になる。
- 機動新世紀ガンダムX外伝 ニュータイプ戦士ジャミル・ニート
- 第7次宇宙戦争の際に運用されたジャミル機が登場。コロニー落とし以前に革命軍のライラック作戦を阻止するために出撃した際には、サテライトシステムを装備せず、ブースターをバックパックに増設した状態で運用された。
- 機動新世紀ガンダムX外伝 UNDER THE MOONLIGHT
- カイ機が登場。ただし、本機がどのようにしてローレライの海で眠っていたかなどの経緯は語られていない。
- 機動新世紀ガンダムX NEXT PROLOGUE「あなたと、一緒なら」
- 1号機を改装した3号機が登場。オルクのゲルト・クルーガーがコロニー風邪の特効薬「リカヴェリン」の強奪を企てていると知ったガロードによって新政府防衛省の基地から強奪され、ガロードの乗機となった。
装備・機能 編集
特殊機能 編集
- フラッシュシステム
- ニュータイプが持つ特殊能力を利用したインターフェイスシステム。通常の電子的な手段に依存せず、遠隔誘導や索敵、機体制御や適合者認証などを可能とする技術の総称。MSなどの開発に並行して実用化されたため、それらの関連技術以外での利用方はほとんど発達していない。GXの場合月面のスーパーマイクロウェーブ送信施設へのアクセスや、サテライトキャノン搭載機の初期設定登録を行う。また、増幅されたNTの思念によってビットと呼ばれる無人機の制御を行うことができ、ガンダムXはサテライトシステム搭載型のGXビットを最大12機まで同期あるいは個別に制御することが可能。
- サテライトシステム
- 月面の太陽光発電基地で発生させたスーパーマイクロウェーブを背部のリフレクターに収束させ、エネルギーをサテライトキャノンへと充填する。エネルギーの充填は機体各所に分散配置されたエネルギーコンダクターでも行われており、バックパックと併用してエネルギーを蓄積する機能がある他、バックパックを介して各武装にエネルギーを供給する機能を持っていた。そのため、ビームソードやライフルの稼働にも対応しており、サテライトキャノンを使用しない通常戦闘であれば一週間程度の無補給継戦能力を持つが、パイロットの方が先に限界を迎えるため、実戦においてそのような運用がなされた記録はない。
- エネルギーコンダクター
- 手足や肩アーマー等に設置されているパーツ。サテライトキャノン使用の際のMW受信時に発光している部分。リフレクターと共にMW送信で得られたエネルギーを変換蓄積し武装などにエネルギーを供給する機能を担う。
- ホバリングモード
- リフレクターのハニカム構造のレシーバーデバイスからエネルギーコンダクターに蓄積したエネルギーを放出し、物理的に反発力を発生させることで推進力へと転用する形態。機体を長距離ジャンプさせることができ、エネルギーの供給が途切れなければ実質的に「飛行」と呼んでも差し支えない距離を移動することができる。その際、システム全体を後方へ展開し、サテライトキャノンの砲身を下方にセッティングすることで、機体の機動をコントロールする。
武装・必殺攻撃 編集
- ブレストバルカン
- 胸部に装備された4門のバルカン砲。近接戦闘における直接的な打撃および中距離での威嚇や牽制に用いられる。
- 大型ビームソード
- サテライトキャノンの基部にマウントされている近接戦闘用の斬撃装備。スーパーマイクロウェーブによるエネルギーの使用が前提であるため、その出力も極めて高く設定され、一撃でMSを両断し、戦艦クラスの装甲も瞬時に切り裂くことが出来るほどの威力を持つ。
- シールドバスターライフル
- ライフルとして使用する他、シールドとしての機能を持った専用武装。武器と防具の機能を併せ持つため、兵器としては通常のMS用のものの三倍の強度を持つ装甲が施されている。サテライトシステムからのエネルギー供給を受けることができ、エネルギーの充填はサテライトシステムの下部に装備して行う。
- サテライトキャノン
- 本来はコロニー撃滅兵器として開発された超高出力砲で、それをMSが運用出来るサイズにまで小型化したもの。複数の同型機を連携させることで、面制圧、掃討、拠点防衛や要撃など多様な戦術に運用可能。月面の太陽光発電基地で発生させたスーパーマイクロウェーブを背部のリフレクターに収束させ、充填したエネルギーをダイレクトに発射し、一瞬にして広範囲を殲滅する。かつてはスーパーマイクロウェーブの中継設備が月軌道内に複数存在していたため、地球の裏側であっても稼働できたが、アフターウォー15年時点ではそのすべてが破壊されたか稼働不能であるため、稼働可能な領域は直接月を臨める範囲に限定される。また、フルチャージ後にスーパーマイクロウェーブとの接続が絶たれても2~3射が可能だとする説もある。
- Gビット
- ガンダムXの持つもう一つの戦略級兵器であり、フラッシュシステムにより本体と同性能のビットMS12機を操るニュータイプ専用武装。GXビットはガンダムX専用のビットで、本体と同性能の高い基本性能とサテライトキャノンを装備し絶大な攻撃力を持つ。第7次宇宙戦争時にはガンダムXと共に多数のコロニーを破壊したが、焦った革命軍の大量コロニー落としを引き起こし、地球の荒廃を招く鉄爪となった。
- ショルダーバルカン
- 陸戦に対応するため、他のMSのものを流用して増設した武装。GX正規の武装ではなく、キッド自作の追加武装。
対決・名場面 編集
- かつて戦争があった…
- あなたに、力を…
- ガンダム、売るよ!
- 巷に雨の降るごとく
関連機体 編集
系列機・派生機 編集
- ガンダムXディバイダー
- ベルティゴとの戦闘で中破したガロード機を改修・強化した機体。
- ガンダムダブルエックス
- ジャミル機のサテライトシステムを移植し政府再建委員会が新規に建造した最新機。
- ガンダムエアマスター / ガンダムレオパルド
- フラッシュシステム搭載機。戦時中は本機と共に、Gビットを率いて戦闘を行った。
支援機など 編集
その他 編集
- ガンダムX魔王 / ガンダムX十魔王
- 『ガンダムビルドファイターズ』シリーズに登場するガンプラ。ガンダムXをベースとして製作されている。
余談 編集
- 大河原氏はインタビューで、本機のイメージデザインについて「長刀を背負った佐々木小次郎」と答えている。
商品情報 編集
ガンプラ 編集
フィギュア 編集