フリーダムガンダム

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ZGMF-X10A フリーダムガンダム(Freedom Gundam)

ザフト軍が開発した試作型モビルスーツパトリック・ザラの命令で統合設計局が設計したザフト・ガンダムの1機で、この機体もゲイツを基本的な設計ベースとしつつ地球連合軍から奪取した4Gを解析して得た技術が使われており、フェイズシフト装甲や小型ビーム兵器を標準装備している。またニュートロンジャマーキャンセラーを搭載した事により、動力源も核エンジンが採用された。その為、ほぼ無制限でフェイズシフト装甲の展開や高出力の武装が使用可能。なお、OSは「G.U.N.D.A.M.Complex(Generation Unsubdued Nuclear Drive/Assault Module Complex)」を搭載している。意味は「核駆動を使った世代の強襲モジュール複合体」。
背部中央に設置されたメインスラスターは推力が高く、大気圏内でも単独飛行が可能。速度や航続距離にも優れており、プラント本国から無補給でJOSH-Aへと到達できる程である。両側のウイングユニットは放熱板や小型スラスターの役割も与えられている他、展開する事で高機動空戦モードへと移行でき、この状態を「ハイマット(High.M.A.T.=High Maneuver Aerial Tactical)モード」と呼ぶ。ハイマットモード時にはウイングユニットはコンピューターによるコントロールで「能動空力弾性翼(Active Aeroelastic Wing)」として機能し、大気圏内において空気抵抗を制御しつつ航空機をも凌駕する旋回性能を本機に与えている。また宇宙でも重心制御ユニットとして機能し、質量移動によって高レベルの機動性と運動性を発揮できるようになっている。このウイングユニットのおかげで本機の信頼性はかなり高いとされる。
頭部デザインは連合のGのそれを踏襲したかのようなデザインとなっていて、高性能なデュアルセンサーが採用されている。胸部のエアインテークの上側にもマルチセンサーが2基搭載され、デュアルセンサーと合わせる事でセンサー性能もかなりの高さを誇ったとされる。
武装も連合のGが装備していた物より強力なそれを多数装備しており、非常に高い火力を持つ。これらの統合管制を行うべくコクピットには「マルチロックオンシステム」が搭載され、多数の敵機をほぼ同時に、しかも高い精密度で狙い撃つ事を可能としている。なお、全武装を展開した状態は「フルバーストモード」と呼ばれる。
これ程の機能や武装を併せ持った本機はC.E.71時において最強クラスの戦闘力が発揮でき、C.E.73時に開発されたセカンドステージシリーズと比較しても全く見劣りする事がない(しかもパワーは本機の方が上であると言われている)。しかし、それに比例して操縦難度も非常に高く、パイロットがその高性能を最大限に活かす為には優れた反応速度と空間認識能力を持つ事が必要不可欠である。

名称は「ナチュラル正義の鉄槌を下し、コーディネイターの真の自由を勝ち取る」という言葉が由来となっている。

エターナルの自走砲台「ミーティア」とドッキングする事で火力や推力を強化可能。
また、後継機としてストライクフリーダムガンダムが存在する。

デザイナーの大河原邦男氏の代表作の一つであり、本人も非常に自画自賛しているという。

登場作品と操縦者

機動戦士ガンダムSEED
パイロットはキラ・ヤマト
ラクス・クラインの手引きでキラが強奪している。余談だが、強奪前は特務隊の隊員の誰かかイザーク・ジュールをパイロットとする事が検討されていたと言われている。
ザフト軍の「オペレーション・スピットブレイク」にて危機に陥っていたアークエンジェルの援護に現れ、全軍に対してJOSH-Aの地下に設置されたサイクロプスによる自爆攻撃を知らせている。
その後、オーブ連合首長国メンデルで地球連合軍の部隊と交戦し、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦にも参戦。最後はラウ・ル・クルーゼプロヴィデンスガンダムと激闘を繰り広げ、撃破するが本機も大破している。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
引き続きキラが搭乗。
回収・修復されてアスハ家別邸にある地下シェルター内に封印されていたが、ヨップ・フォン・アラファス率いる特殊部隊によるラクス暗殺を目的とした攻撃がきっかけで再び起動し、攻撃してきたアッシュを全機戦闘不能にしている。
結婚式からカガリ・ユラ・アスハをさらってからしばらくはスカンジナビア王国でアークエンジェルと共に身を隠していたが、ダーダネルス海峡ミネルバとオーブ・地球軍の連合部隊が戦闘状態に突入する事を知るとそれに武力介入し、両軍のMSを次々と戦闘不能に陥らせている。
クレタ島の戦闘でも同様に武力介入を行い、ベルリンではステラ・ルーシェデストロイガンダムを撃破するが、これがきっかけでシン・アスカの恨みを買う事となり、またザフト軍からも敵性勢力と断定され、「エンジェルダウン作戦」にてシンのフォースインパルスガンダムの猛攻に押されて撃墜された。
戦闘終了後、コクピットブロックはカガリのストライクルージュによって回収され、キラも軽傷で生還している。
機動戦士ガンダムSEED C.E.73 ΔASTRAY
カガリを結婚式場からさらった際にアグニス・ブラーエデルタアストレイと交戦しているが、ビームを1発発射して頭部を損傷させただけでまともに戦う事はなかった。

装備・機能

特殊機能

フェイズシフト装甲
一定の電圧を持つ電流を流して相転移させる特殊装甲。その際、装甲には色がつく。物理的な衝撃を無効化でき、単独での大気圏突入も可能だが、高出力のビーム兵器の前には無力である。
非展開時は「ディアクティブモード」と呼ばれ、色がグレーのみとなっている。
ニュートロンジャマーキャンセラー
ニュートロンジャマーを無効化する装置。
換装
ミーティアとドッキングする。

武装・必殺攻撃

MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御用機関砲
ゲイツ等でも採用された機関砲で、頭部に2門内蔵されている。威力はあまり高くない為、主に牽制や迎撃等に使用されている。
MA-M20 ルプス・ビームライフル
本機の主兵装。ジャスティスの物と同型だが、カラーリングが一部異なる。
動力源である核エンジンからエネルギーを直接供給しており、連合のGが装備している物と比べて非常に出力が高い。不使用時はリアスカートのマウントラッチに装着可能。
ちなみに、このモデルはザフト軍のビームライフルの中でも制式化された時期が最も早く、火器運用試験型ゲイツ改の時点で既に装備されている。しかしエネルギー消費量の問題から、核エンジンの搭載が決定するまではデチューンした上で採用するかオミットするという方向でも検討されていた。
M100 バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲
ウイングユニットに1門ずつ、計2門格納されている高出力ビーム砲。本機の全武装の中で破壊力が最も高く、ランチャーストライカーの装備しているアグニと同等以上の威力と射程距離を誇っている。
そのサイズ故に既存の機体に固定武装として装備させても機体バランスが崩れてしまい、また核エンジン搭載機でないと補いきれない程にエネルギーを消費するという事もあって、核エンジンとウイングユニットを持つ本機でようやく採用されたという経緯を持つ(その為、採用されるまでは「失敗作」の烙印を押されていた)。
後部にダクトが存在しているようで、HDリマスター版では時々排熱を行っている。またウイングユニット自体が放熱フィンを兼ねている。
MMI-M15 クスィフィアス・レール砲
両腰に2門装備されている電磁加速砲。115mmレールガン「シヴァ」の発展型で口径は小さいが弾速が非常に速く、また高い速射性を持つ。弾のサイズも小さいので装弾数もかなり多い。マルチロックオンシステムとの併用で同時に複数の敵機を攻撃可能。また、ビーム兵器ではない為、水中の敵に対しても使用する事が出来る。
不使用時はAMBACユニットとして機能しており、スラスターも内蔵されている。
こちらも後部にダクトが存在しているようで、HDリマスター版で時々排熱している様子が見られる。
この武器が開発されていた時点では既にビーム兵器が主力の座に君臨していたのだが、開発を行ったMMIの技術陣はその速射性や技術成熟による信頼性の高さ、ラミネート装甲等の対ビーム用装備へのカウンターとしてのレール砲の有用性を強く訴え、搭載を押し切らせたという。
MA-M01 ラケルタ・ビームサーベル
クスィフィアスのマウント部に1本ずつ、計2本を装備。ルプスと同様、核エンジンからのエネルギー供給を受けている事で連合のG以上の高出力化を実現している。柄尻で連結しての使用も可能で、格闘戦能力を高めるのにも一役買っている。なお、この状態は「アンビデクストラス・ハルバード」と呼ばれる。
劇中では2機の敵機の間を通り抜ける瞬間に抜き放って相手の頭部や腕を斬り落とす、という戦い方が多かった他、相手が発射したビームをこれで切り払うという芸当も見せている。またクレタでアスラン・ザラセイバーガンダムと交戦した際に二刀流で相手を切り刻む姿が非常に印象的である。一方、アンビデクストラス・ハルバードはプロヴィデンスガンダムを撃墜した時にしか使用されていない。
対ビームシールド
実体式のシールド。ジャスティスの物と同型だが、カラーリングが一部異なる。
ラミネート装甲で出来ていて、戦艦の主砲クラスの威力を持つビーム砲をも無効化できる。また、かなりの耐久性がある。側面にはガンポートを備え、ビームライフルを守りながら攻撃する事が可能。
ハイマット・フルバースト
ハイマットモード時に全武装を展開し、一斉砲撃を行う。マルチロックオンシステムにより多数の敵機に対して精密な狙撃を行う事を可能としている。
キラが使用した場合は10機以上の敵機を同時攻撃できるとされている。なお、C.E.73時の戦闘では逆さまの状態で攻撃する事もあった。
名称はゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズが初出とされる。
当初の設定ではハイマットモードのままでのフルバーストは不可能だったが、演出を優先させた事で設定も変更された。この為、放映当時に発売されたガンプラ等の関連商品ではハイマット・フルバーストは再現できず、MG化された際に初め始めてが可能となった。
フルバーストモード
通常の状態で全武装を展開し、一斉攻撃を行う。
TV版ではオーブでの戦闘やドミニオンから発射されたミサイルを撃ち落とす際に使われただけだったが、HDリマスター版ではJOSH-Aでも使われ、その際はピクウスも同時に発射していた。

対決・名場面

SEED

舞い降りる剣
サイクロプスから逃れる為にJOSH-Aから離脱しようとするアークエンジェル。しかし、ザフト軍は逃すまいと執拗に攻撃を仕掛けてくる。やがて1機のジンの銃口がブリッジに向けられ、クルー達が死を覚悟した瞬間、上空から一発のビームがジンの重突撃機銃を破壊。直後に現れたその機体――フリーダムはジンの頭部を斬り飛ばすと、翼を広げながらアークエンジェルを守るかのようにザフト軍機の前に立ちはだかったのだった。
カラミティガンダムレイダーガンダムフォビドゥンガンダム
オーブで初めて交戦しており、この時は単機で戦っていて、なおかつチームワークは最低であるものの新型の高性能機が3機がかりで攻めてきている(しかもパイロットは全員ブーステッドマン)という事もあって、撃墜寸前まで追い詰められた。
それ以降はアスランのジャスティスと共に戦っており、互角に渡り合っている。しかし、メンデルでの二度目の戦闘ではキラが自身の出生の秘密をクルーゼから聞かされた事で動揺しており、しかもフレイ・アルスターがポッドに乗せられて救助を求めていた事から更に動揺。その結果、左のウイングユニットと頭部を破損して戦闘どころではなくなってしまった。
なお、この3機の中でもフォビドゥンは相性が最悪で、ゲシュマイディッヒ・パンツァーとトランスフェイズ装甲のせいでビームサーベル以外は全て無効化されてしまう。
プロヴィデンスガンダム
第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦の終盤、エターナルに攻撃を仕掛けているプロヴィデンスと交戦。「人類は滅ぶべくして滅ぶ」と叫びながらドラグーンを展開し、43門ものビームを放ってくるクルーゼに対し、「人はそんなものじゃない」と否定するキラは傷つきながらもドラグーンを撃ち落していく。
最後はフリーダムのアンビデクストラス・ハルバードがプロヴィデンスのコクピットを貫き、クルーゼは発射されるジェネシスの光に呑まれて消滅した。尚、終盤の決戦で損傷することの多い主役機だが大抵の場合は左腕を損失し残る右腕の武器でケリをつけることが多かったのに対し、当機はそれとは逆にライフルを持った右腕を損失し、残された左腕のビームサーベルでケリをつけると言う珍しいパターンとなった。

SEED DESTINY

アッシュ
ラクス暗殺部隊が使用した機体と交戦。キラがMSで戦うのは実に2年振りだったが、ブランクを見せずに圧倒的な力で全機を戦闘不能に持ち込んだ。しかし、機密保持の為に、全機が自爆した。当時のアッシュはザフトの特殊部隊にしか配備されていない為、この襲撃でキラ達はザフトの関与を疑う事になった。
フォースインパルスガンダム(エンジェルダウン作戦時)
エンジェルダウン作戦でフリーダムへの攻撃を命じられ、ステラを死なせた恨みから猛攻撃をかけるシン。キラも応戦するが、「武装やメインカメラのみを破壊して戦闘不能にする」という戦い方が仇となってインパルスの特性を存分に活かしたシンに押されてしまい、機体も損傷していく。
最終的にはエクスカリバーがフリーダムの腹部を貫き、大破した。この時、キラは直前に核エンジンの閉鎖ボタンを押しており、核爆発は免れているようである。

関連機体

フリーダムガンダム (ミーティア)
支援機「ミーティア」との合体形態。
ストライクフリーダムガンダム
後継機。元々はフリーダムの量産機となる予定だった。
ドレッドノートガンダム
プロト・ザフト・ガンダム。開発時にこの機体のデータを反映している。
ジャスティスガンダム
フリーダムとの連携を前提にして開発された兄弟機。
リジェネレイトガンダムテスタメントガンダムプロヴィデンスガンダム
兄弟機。
ゲイツ
設計の基本ベースとなった機体。
火器運用試験型ゲイツ改
フリーダム・ジャスティスで搭載される予定の武装の試験機。
エターナル
専用母艦。

商品情報

ガンプラ

フィギュア

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