「シン・アスカ」の版間の差分

 
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== シン・アスカ(Shinn Asuka) ==
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{{登場人物概要
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| 読み = <!-- 読み方が難しい場合に使用 -->
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| 外国語表記 = Shinn Asuka
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| 登場作品 =  
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*[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]
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*[[機動戦士ガンダムSEED FREEDOM]]
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<!-- *続編、或いは個別作品に出演した作品のみ記載。 -->
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| 声優 = 鈴村健一
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| デザイン = 平井久司
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}}<!-- 必要に応じて追加をお願いします。 -->
  
*登場作品:[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]
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{{登場人物概要
<!-- **続編、或いは個別作品に出演した作品のみ。 -->
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| タイトル  = プロフィール
<!-- ** -->
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| 種族 = 人間([[コーディネイター]])
*声優:鈴村健一
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| 性別 = 男性
*種族・性別:[[コーディネイター]]・男
+
| 生年月日 = [[C.E.]]57年9月1日
*生年月日:
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| 年齢 = 16歳→17歳
*年齢:16歳
+
| 没年月日 =
*身長:168cm
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| 出身 = [[オーブ連合首長国]]
*体重:55kg
+
| 身長 = 168cm→169cm
*血液型:
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| 体重 = 55kg
*所属:民間人→[[ザフト軍]]
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| 血液型 = O型
*階級:
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| 職業 = [[MS]]パイロット
*役職・称号など:[[MS]]パイロット、[[FAITH]]
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| 所属 =
*主な搭乗機:[[インパルスガンダム]][[デスティニーガンダム]]
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| 所属組織 =
*キャラクターデザイン:
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*[[ザフト軍]]
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*[[コンパス]]
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| 所属部隊 = [[ミネルバ隊]] [[FAITH]] → [[ヤマト隊]]
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| 称号 =
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*ザフトレッド
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*フリーダムキラー
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| 階級 = 大尉 (コンパス所属時)
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| 主な搭乗機 =
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*[[インパルスガンダム]]
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*[[デスティニーガンダム]]
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*[[イモータルジャスティスガンダム]]
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*[[デスティニーガンダムSpecII]]
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}}<!-- 必要に応じて追加をお願いします。 -->
  
[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]」の主人公。[[キラ・ヤマト]][[アスラン・ザラ]]に続く「[[機動戦士ガンダムSEED]]」の「第3の主人公」に位置する。
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== 概要 ==
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[[オーブ解放作戦]]で家族を亡くし、[[プラント]]に移住した[[コーディネイター]]の少年。家族を失った絶望と悲しみから戦争の諸悪への激しい怒りを抱く「怒りの人」でもり、守りたい者を守れなかったという想いから力を欲する一面が強い。そのため、時として感情が先に立った言動が目立つ。
  
人種は[[コーディネイター]]であり、人種を問わず、法さえ守れれば国民となれる[[オーブ連合首長国]]で平和に暮らしていた。しかし[[C.E.]]71年の[[地球連合軍]]による[[オーブ解放作戦|オーブ侵攻]]で、家族と共に避難艇に向かっている最中、妹[[マユ・アスカ|マユ]]の落とした携帯を拾おうと家族から離れた瞬間に[[フリーダムガンダム|フリーダム]]と[[カラミティガンダム|カラミティ]]両機の戦闘に巻き込まれて家族を失う。(但し、フリーダムとカラミティの戦闘シーンの後に起きた爆風で家族は死んでいるだけで、両機の戦闘による爆発かは不明)。その時の絶望と哀しみ、戦争の諸悪への激しい怒りが、彼の行動の機軸となる。<br />家族を失った後は、[[トダカ]]の勧めで[[プラント]]へ移住した。家族を失い、戦争を憎む執念が原動力となり、優秀な成績でアカデミーを卒業。晴れて[[ザフト軍]]に入隊、エリート集団「赤服」の一員となる。そして、新型[[モビルスーツ]][[インパルスガンダム|インパルス]]を駆り、活躍する事になる。
+
戦争を憎む執念を原動力に[[ザフト軍]]に入隊し、パイロットとしての才能を開花させ、エリート集団である「赤服」の一人としてアカデミーを卒業。その資質を見出した最高評議会議長[[ギルバート・デュランダル]]の後押しもあり、新型[[モビルスーツ]][[インパルスガンダム|インパルス]]」のパイロットとなった。
  
パイロットとしての技量は、エリートとはいえまだ新米ということもあり、アスランやキラ、イザークなど前作からのキャラの比べると劣り、劇中序盤はさしたる戦果を挙げられなかった。しかし中盤に[[S.E.E.D.]]能力が覚醒して以降は目覚ましい成長を遂げる。特に目覚しい戦果としては、無敵を誇っていたフリーダムをインパルスのドッキングシステムを利用して撃破した事や、デストロイとの戦闘で素早く反応して格闘戦に持ち込み、瞬く間に4機を撃破した事などが挙げられる。<br />射撃よりは格闘を好み、高速一撃離脱戦重視の[[デスティニーガンダム|デスティニー]]はシンが格闘戦が得意というデータに基づき調整された。<br />拳銃射撃は日頃からレイと共に訓練しているが、最終的に銃口を向ける相手が居なかったので生かされなかった。
+
[[第2次連合・プラント大戦]]の最中[[S.E.E.D.]]に覚醒し、インパルスのシステムを利用した戦法で多大な戦果を挙げるなどエースとしての頭角を表す一方で、祖国である[[オーブ連合首長国]]との敵対、そして[[ステラ・ルーシェ]]との邂逅と死別が彼から「守る者」「守りたい者」を奪うことになり、その渦中に居た[[フリーダムガンダム|フリーダム]]と[[キラ・ヤマト]]を憎悪し、これを撃破する。
  
ガンダムシリーズではOVAを除けば最初から軍人である唯一の主人公である。しかし終盤においては、軍人であり続けた事が彼の悲劇だったと言え、また歴代のガンダム主人公達が戦いの中で多くの人間に出会って成長していった事に比べると、彼自身は良き大人との出会いに恵まれず、人間的な成長の描写が乏しかったことが挙げられる
+
フリーダムを撃墜したシンはデュランダルから高く評価され、[[デスティニーガンダム|デスティニー]]を与えられる。一方、上官であった[[アスラン・ザラ]]との溝は深まり、ザフトを脱走した彼を討った事実がシンを追い詰め、デュランダルが掲げる戦争根絶の大義を心の拠り所に求めていった。[[ヘブンズベース]]攻撃作戦の後、[[FAITH]]に任命されたが、続くオーブ侵攻でアスランと対峙し、己の正義に迷いを抱くことになる。それでもシンはデュランダルが[[ミーア・キャンベル]]を[[ラクス・クライン]]の影武者に仕立てていた事実からも目を背け、[[デスティニー・プラン]]の発動を宣言した彼に従って反抗勢力と戦った。だが、[[メサイア攻防戦]]で再びアスランと対峙したシンは、アスランの言葉に心を乱し、彼に撃墜され、その戦いの行く末を見守ることになった。
  
彼の「主人公」としての扱いは各メディアによって大きく違い、TV版、漫画版、小説版のいずれの作品も最後は敗北という結末を迎えるものの、そこに至るまでの描写や表現が異なっている。
+
戦後はキラ、アスランと和解し、[[ルナマリア・ホーク]][[アグネス・ギーベンラート]]と共に[[コンパス]]へ出向。戦いのない世界を目指すべくキラと共に戦った。
 
 
ボンボン版(執筆した作家の高山瑞穂から高山版とも言われる)の評価は特に高く、シン・アスカを最後の最後まで主人公として描いた本作は高山氏が、「作家生命を賭けてでも描き切る」とまで発言したという逸話があるほど。
 
かつての自分を投影し、戦いをやめさせようとするアスランに対し、それを理解しながらも自分自身の信念を持って対峙する。激闘の末敗れたシンは、それでも生きている限りは前に進み続けるという、敗北の苦味と未来へ歩み行く希望を含ませて終わる。
 
 
 
小説版でも全体的に原作では補完し切れなかった部分を改善されており、ステラを助ける為に連合へ送った事で起きたデストロイの被害(ステラを返さなかったとしても、スティングが搭乗したであろうが)、アスランを撃墜した後の精神の不安定さ、そして最後のレイとの会話等、様々な部分を書かれている。
 
 
 
TV版では、中盤以降は物騒な発言や、自己中心的・身勝手な行動がだんだんと増えていき、視聴者に悪い印象を与えていくようになっていく。一部では「ストーリーの都合で、視聴者に嫌われるような脚本になったのではないか?」と推察されている。
 
家族を失った事による怒りや憎しみによる「負の要素」からの人間関係のもつれ・視野狭窄故に周囲が見えてない事などから、視聴者には主人公として悪いイメージが付きまとった。これは彼の人間的未熟さに起因するものではあるが、残念ながらそれを導いてやれる人物に恵まれなかった。
 
 
 
前作の主人公のキラやアスランは「機動戦士ガンダムSEED」中盤からお互い健全な人間関係を築き上げたとのは対照的に、終止、戦いから開放されず、苦しい立場に置かれた事により、彼らに比べると健全なイメージを作り上げた主人公としての立場を無くした。またロボットアニメという世界は結局、主役ロボットに主人公が活躍してこそ視聴者も安心して見られるが、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」ではシンの主人公としてのイメージ、ラストのシンとデスティニーガンダムの敗退の描写が一層、主人公としての立場をなくしてしまった事が一番の要因である。TV放送時から番組構成に問題が取り上げられたのだが、その割を食ったのがシンである事は異論はないだろう。
 
 
 
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の監督、福田己津央氏によれば「キラ、アスラン、シン」の主人公3者でストーリーを動かしたかったのだが、先に述べた通りシンの主人公としての扱い、[[デスティニーガンダム|デスティニー]][[ストライクフリーダムガンダム|ストライクフリーダム]]を両者、主役扱いしたいスポンサー・バンダイの販売に対する思惑等から、主人公が上手く機能しなかった事が上げられる。スペシャルエディションではシンとキラにソフトに接せるアスランが主人公として機能したのも、シンとキラとの主人公の格差の是非を取り上げたかったのでないかと考えられる。
 
 
 
放送当時、シンの担当声優の鈴村氏はキラやアスランら、シンが反目するキャラクターを好きな視聴者から「キラ(アスラン)の言う事を聞かないから嫌い」等の批判の手紙が送られてきたということもあってか、「シンの事が嫌いなら嫌いでいいです。でも、キラやアスランの敵だから嫌いって思ってほしくないです(意訳)」と言っており、シンは嫌われてもしょうがないキャラクターである事は理解しながらも、キラやアスランの敵だからという理由で嫌われる事に疑念を感じていた様子が見られる。
 
  
 
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
<!-- :作品名:解説 -->
 
 
;[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]
 
;[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]
:
+
:初登場作品。キラ、アスランに続く第3の主人公として登場し、ガンダムのTVシリーズとしては初の正規軍人からスタートする主人公となった。オーブでは「戦争の行方よりもゲームの発売日が気になる」と考える極普通の少年であったが、[[カラミティガンダム]]と[[フリーダムガンダム]]の砲撃戦の中で家族を喪ったことで戦争を憎むようになった。TV放送版では主人公が三人という作劇から他の二人に出番を取られることも多く、最終的にアスランに敗北することもあって扱いが悪いと見られることもあった。その後、スペシャルエディションでキラと和解するラストが追加され、「最終回でマイナスから立ち直る主人公」という役どころに落ち着いている。
 +
;[[機動戦士ガンダムSEED FREEDOM]]
 +
:ルナマリアと共に[[コンパス]]へ参加する。キラとの和解を経たことで性格的にも丸くなり、人間的にも大きく成長している。常に単独行動を執るキラに信頼されていないのではないか、という疑念を持ちつつも信念に従って戦い続けた。パイロットとしては愛機[[デスティニーガンダムSpecII|デスティニー]]を駆り、作中でも群を抜いた戦闘力で4体のブラックナイツを圧倒。最も成長したとの評価も。しかし実際はマユやステラ、レイとの死別が深刻なPTSDとして残っており、ブラックナイツとの戦闘では精神干渉を仕掛けたアコード側がシンの内面の『地獄』を垣間見て逆に恐慌状態に陥るほどの深い深い闇が未だに渦巻いている。
 +
;[[HGに恋するふたり]]
 +
:主人公の一人であるOLの神崎さやか(1988年生まれ)が、放映当時同い年だったシンを「全てを受け止められるほど大人でもなく、全てを委ねられるほど子供でもない」と評し、「目を背けたくなるほど自分とそっくりだった」と述懐している。作者の工藤マコト先生曰く「(シンが子供っぽいという声もあったけど)あれが等身大の16歳だった」とのこと。<br/>作中では「主人公取られたやつ」「(乗機のデスティニーは)悪役の機体」と酷評されており、神埼はそのことに心を痛めていた。
  
 
== 人間関係 ==
 
== 人間関係 ==
 +
=== 家族 ===
 +
;[[マユ・アスカ]]
 +
:実妹。シンにとって可愛い妹であったが、戦闘に巻き込まれて死亡。シンは彼女の遺品である携帯電話を大切に保管しており、留守録に吹き込まれたマユの肉声を聞いて過去にふけることが多い。
 +
;両親
 +
:共にオーブ解放戦線の際に死亡。シンをコーディネイターとした理由についても「病気などに悩まされるよりは生まれる前から耐性があればいい」という程度の意識であった。
 +
 +
=== ザフト ===
 
;[[ルナマリア・ホーク]]
 
;[[ルナマリア・ホーク]]
:士官学校からの友人。シンにとっては数少ない、うち解け合う関係に。
+
:アカデミー時代からの友人。シンが彼女の妹である[[メイリン・ホーク|メイリン]]をアスラン討伐に巻き込む形で撃墜してしまい、彼女に涙ながらに責められるが、シンもまた妹を失っており、自分が受けた悲しみを生むことを、自分自身が行ったことを後悔し、傷ついていることを感じ取ったルナマリアは彼を許し、戦争が原因で肉親を失ったトラウマを共有することで恋仲に近い関係になった。その後も関係は続いており、コンパス所属後もパートナーとして行動を共にすることが多い。
 
;[[レイ・ザ・バレル]]
 
;[[レイ・ザ・バレル]]
:士官学校からの友人。のちにシンに自分の過去を打ち明ける。
+
:アカデミーからの友人。落ちこぼれであったシンに向き合い、彼の習熟速度を考慮した上で彼の成長を促している。シンを利用する面が目立ったが、その友情は本物であり、後にシンに自分がクローンであることを打ち解けている。小説版ではシンを親友と思いつつも利用しなければならないレイの心の葛藤が描かれ、メサイア陥落後に自分を助けるためにインパルスで駆けつけたシンとルナマリアに遺言を託した。
 
;[[アスラン・ザラ]]
 
;[[アスラン・ザラ]]
:作戦指揮官で、上官。尊敬しつつもそりが合わず、常に衝突。後に引導を渡される形となってしまった。
+
:直属の上官で作戦指揮官。シンは本気で彼のことを尊敬しており、だからこそ毅然たる「ヒーロー」として振舞ってくれない彼に苛立ちをぶつけてしまうことが多かった。後に彼と対峙する時の極端な怒りの感情の中にも逡巡が見え隠れする。これは、彼の故郷である[[オーブ連合首長国]]が「非戦争」を貫くとしながらも結局は戦いに巻き込まれ、結果、シンは家族を目の前で失うという「裏切り」にあったためである。シンがアスランを尊敬もし、信頼していたからこそ「裏切られた」と感じたことが(実際裏切りではあるが)反動となったことが理由といえる。メサイア攻防戦の最中に彼に撃墜されるが、以降は苦手意識が先に立つようになった。
 +
;[[アグネス・ギーベンラート]]
 +
:アカデミー時代の同期。アカデミーでの成績が芳しくなかったシンを「山猿」と呼んで見下していた。自身がミネルバに配属されなかった際に不満を露わにし、シンの戦果に驚愕すると同時に疑問を抱いている。
 +
;[[ハイネ・ヴェステンフルス]]
 +
:上官。ハイネの性格によりアスランと少しは打ち解けるきっかけとなるが、ダーダネルス海峡での戦闘で戦死している。
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;[[ギルバート・デュランダル]]
 +
:シンをインパルス、デスティニーのパイロットに任じた最高評議会議長。後に[[FAITH]]の権限を与え、メサイア攻防戦に至るまで彼を重用している。
 +
 
 +
=== ファントムペイン ===
 
;[[ステラ・ルーシェ]]
 
;[[ステラ・ルーシェ]]
:[[ファントムペイン]]所属のパイロットで[[エクステンデッド]]の少女。第1話でシンが偶然胸を触ってしまう。その後海で溺れた際、助けられたことが切っ掛けで惹かれ合う。このシチュエーションはアスランとカガリが初めて出会った時と似ている。最後はキラによって殺される。後に全てを失ったシンに魂となって語りかけた。
+
:[[ファントムペイン]]所属のパイロットで[[エクステンデッド]]の少女。第1話でシンが偶然胸を触ってしまう。その後ディオキアの海で溺れた際に助けられたことが切っ掛けで惹かれ合う。最初は溺れる原因となったステラの行動に怒ったシンであったが、無意識にステラのブロックワードである「死」を口走ってしまい、錯乱した彼女を『戦争でトラウマを負った少女』と誤解して必死に宥め、その後も優しく接していた。このシチュエーションはアスランとカガリが初めて出会った時と似ている。何気なく再会を約束した両者であったが、皮肉にも戦場で敵として遭遇してしまう。シンはステラを戦場から引き離すために奔走したが、結局ステラは戦場から逃れられず、乗機であったデストロイを脅威と感じたキラに機体を大破させられた時の怪我により絶命。その死はシンの今後に暗い影を落とした。最終回では月面に墜落し一時気を失っていたシンの精神世界に魂となった彼女が現れ、明日への希望をシンに語った。なお、最終回の描写は前作『SEED』では魂となってキラに語りかけた[[フレイ・アルスター]]との対比となっている。敗れたシンにはステラの声が届いていたが、勝利するキラにはフレイの声が届いていなかったという興味深い違いがある。鈴村氏はシンとステラの関係について「ステラは恋人というより戦争を感じさせる人間」と述べている。恋人として死にゆく彼女に寄り添うよりも'''一人の人間として生きていてほしい'''という願いを最優先したから、ステラを[[ネオ・ロアノーク|ネオ]]の下へと帰した。恋愛とは人間関係の一つの形だが決して最上級のものではなく、シンとステラの間にはもっと大きな繋がりがあると考えて演技した、とも述べている)。
 +
 
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=== オーブ ===
 
;[[キラ・ヤマト]]
 
;[[キラ・ヤマト]]
:[[フリーダムガンダム]]のパイロットで、シンにとってはステラの仇。ただ、キラ本人が仇と知るのは「機動戦士ガンダムSEED DESTINY FINAL PLUS ~選ばれた未来~」の中。<br />キラが「一緒に戦おう」と語りかけると、シンは涙ながらに「はい」と答え、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」は本当のエンディングを迎えるのであった(ただし、この描写が更なるアンチを作る原因となってしまった)。<br />ちなみにこのエピローグ、シン役の鈴村健一氏が'''シンにやってほしくない事'''として挙げていた事だったりする。
+
:[[フリーダムガンダム|フリーダム]]のパイロットで、シンにとってはステラの仇。ただ、キラ本人が仇と知るのは『機動戦士ガンダムSEED DESTINY FINAL PLUS ~選ばれた未来~』の中で、アスランがキラをフリーダムのパイロットとして紹介した時である。キラが「一緒に戦おう」と語りかけると、シンは涙ながらに「はい」と答え、その後はキラの部下として共に戦うことを選択。アスラン以上に彼を慕うようになる。
;[[マユ・アスカ]]
+
;[[カガリ・ユラ・アスハ]]
:実妹で、携帯電話を取りにいくシンの行動が結果的に助かってしまうという悲劇を生んでしまう。
+
:現オーブの代表。シンからは家族を失った元凶の如く忌み嫌われていたが、終戦後に和解し、彼女の考えに理解を示す。
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;[[トダカ]]
 +
:オーブ軍一佐。オーブ解放戦の時に家族を失ったばかりのシンを保護し、プラントへの移住を進めた。しかし、後のクレタ島沖海戦の時に皮肉にもシンの手によって命を失っている。
  
 
== 名台詞 ==
 
== 名台詞 ==
<!-- :台詞:説明 -->
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=== DESTINY ===
;「何でこんな事…また戦争がしたいのか、アンタ達は!?」
+
;「何でこんな事…また戦争がしたいのか!アンタ達は!!」
 
:記念すべき1話で登場。1話における彼の出番自体が少なく、番組終了間際に飛び出た台詞から各所で話題を呼んだ。
 
:記念すべき1話で登場。1話における彼の出番自体が少なく、番組終了間際に飛び出た台詞から各所で話題を呼んだ。
 
;「さすが奇麗事はアスハのお家芸だな!」」
 
;「さすが奇麗事はアスハのお家芸だな!」」
:奇麗事を言い続けるカガリに対し発言。しかし、普通に考えれば元オーブ国民とはいえ、今はザフト軍人であるシンが他国のトップであるカガリに対して罵声を浴びせるというのは国際的に考えて大問題なのだが、なぜか罰せられることはなく、その後もシンはカガリに対して罵声やわざと肩をぶつけるなどの問題行為をするが、まったく問題になっていない。
+
:第3話にて奇麗事を言い続けるカガリに対し発言。しかし、普通に考えれば元オーブ国民とはいえ、今はザフト軍人であるシンが他国のトップであるカガリに対して罵声を浴びせるというのは国際な問題となりかねない、なぜか罰せられることはなく、その後もシンはカガリに対して罵声やわざと肩をぶつけるなどの問題行為をする。カガリは非常にそのことを気にしており、この頃の気遣いのできる彼女であれば、カガリのほうから不問に付すように要請があったのかもしれない。
;「俺を助けろ!この野郎!とか・・・」
+
;「別に本気で言ってたわけじゃないさ、ヨウランも」<br>「そんくらいのことも判んないのかよ。あんたは」<br>「あ、そうでしたね。この人偉いんでした。オーブの代表でしたもんね」
:墜落寸前のアスランを助けた際に。他人を頼ろうとせず、自分で抱え込みすぎるアスランに「こんな時くらい人を頼ってくれ」という彼なりの思いやり。
+
:第5話より。ヨウランの軽率な発言に激怒したカガリに言い放ち、レイに言葉遣いを注意されて敬語に直すも再び馬鹿にする発言をする。
;「あの人が可哀想だよ!」
+
;「下らない?…下らないなんて言わせるか!関係ないってのも大間違いだね!俺の家族はアスハに殺されたんだ!」<br>「国を信じて、あんた達の理想とかってのを信じて、そして最後の最後に、オノゴロで殺された!」<br>「だから俺はあんた達を信じない!オーブなんて国も信じない!そんなあんた達の言う綺麗事を信じない!この国の正義を貫くって…あんた達だってあの時、自分達のその言葉で、誰が死ぬ事になるのか、ちゃんと考えたのかよ!?」<br>「何も解ってないような奴に、解ってるようなこと言わないで欲しいね!」
:またしてもカガリに。ユニウスセブンの破壊を成功させ、帰艦したアスランをねぎらったつもりのカガリだったが、ユニウスセブンを落としたのはパトリック・ザラの言葉を信じていたコーディネイターで、多くの破片は地上に降り注ぎ、少なくない被害をもたらした。それによって悲しむ人々、コーディネーターへの憎悪を募らすことを危惧するアスランに、そこまで気が回らなかったカガリの賞賛はむしろ重荷になってしまっていた。それを咎めての言葉。
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:同上。アスランの「下らない」発言を受けて激怒したシンは再びカガリを標的にして恨み言を放ち、わざと肩でぶつかって立ち去っていく。
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;「俺を助けろ!この野郎!とか…」
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:墜落寸前のアスランを助けた際に。他人を頼ろうとせず、自分で抱え込みすぎるアスランに「こんな時くらい人を頼ってくれ」という彼なりの思いやり。素直になってくれないアスランに、ついひねくれた物言いをしてしまうシンの未熟さ、青さがまた良い。
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;「やめろよこの馬鹿!」<br>「あんただってブリッジに居たんだろ!ならこれがどういうことだったか解ってるはずだろ!?」<br>「ユニウスセブンの落下は自然現象じゃなかった。犯人が居るんだ!落としたのはコーディネイターさ!」<br>「あそこで家族を殺されてそのことをまだ恨んでる連中が、ナチュラルなんか滅びろって落としたんだぞ!?」<br>「自爆した奴等のリーダーが最期に言ったんだ」<br>「俺達コーディネイターにとって、パトリック・ザラの執った道こそが唯一正しいものだってさ!」<br>「あんたってほんと、何も解ってないよな…!」<br>「あの人が可哀想だよ!」
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:またしてもカガリに。ユニウスセブンの破壊を成功させ、帰艦したアスランをねぎらったつもりのカガリだったが、ユニウスセブンを落としたのはパトリック・ザラの言葉を信じていたサトーで、多くの破片は地上に降り注ぎ、少なくない被害をもたらした。それによって悲しむ人々、コーディネイターへの憎悪を募らすことを危惧するアスランに、シンが言うまで知らなかったカガリの賞賛はむしろ重荷になってしまっていた。それを咎めての言葉。ちなみにこれも立派な問題行為であり、情報漏洩を堂々としている。
 
;「いくら綺麗に花が咲いても、人はまた吹き飛ばす…」
 
;「いくら綺麗に花が咲いても、人はまた吹き飛ばす…」
 
:オーブに降りた際のキラとの邂逅での台詞。
 
:オーブに降りた際のキラとの邂逅での台詞。
;「アンタは俺が討つんだ…今日、ここで!」
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;「何しに来た…!」<br>「あの時オーブを攻めた地球軍と今度は同盟か!何処までいい加減で身勝手なんだ!あんた達は!」<br>「敵に回るって言うんなら今度は俺が滅ぼしてやる!こんな国…!」
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:第11話より。オーブが地球連合と同盟を結んだ事で謝罪に来たカガリに向けて怒りをぶつけ、オーブを滅ぼすことを宣言してわざと肩でぶつかって立ち去っていく。
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;「殴りたいのなら別に構いやしませんけどね!けど!俺は間違ったことはしてませんよ!あそこの人たちだってあれで助かったんだ!」
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:第16話より。地球連合軍のインド洋前線基地建設に徴用された民間人の虐殺を目の当たりにし、民間人の救出を名目に戦闘力を失った連合軍の兵士を次々と攻撃したことをアスランに咎められて。
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;「しっかしどうすりゃいいんだ?この子は泳げないし。……後で何言われるかわかんないけど……ま、いっか!」
 +
:21話「さまよう眸」から。崖から落ちて溺れたステラを救出するも、入り組んだ地形に入り込んでしまった二人。本来民間人との接触は避けなければならない立場ではあったが、周りは断崖、怪我をしたステラを置いてはいけないと判断したシンは緊急時用のドッグタグを割って救助を要請するのだった。短絡的ながらも「誰かのために」という無私の行動原理は、本質的に善良なシンらしい。
 +
;「今は大丈夫だよ。僕が……うーんと、俺がちゃんとここにいて、守るから」
 +
:上記の続き。救助を待つ間、ステラを心配してかあれこれと語りかける。そのさなか、一度だけ自分を「僕」と呼んでしまう。そこには普段の「俺」という自分とのギャップが伺える。ちなみにシンの一人称がオーブ時代は「僕」であったことからも、普段のシンが虚勢を張って無理をしているとも、かつての自分を見せられる相手としてステラに妹を見出していたとも解釈されている。
 +
;「何であんたは…そんな綺麗事を…いつまでもぉ!!」
 +
:第28話より。クレタ沖海戦にてオーブ軍とミネルバの前で戦闘中止を呼び掛けるカガリに激怒して彼女に引き金を引く。
 +
;「ミネルバ!ソードシルエットを!全艦叩き切ってやる!」
 +
:同上。オーブ軍の艦隊をエクスカリバーで全滅させ、最後はタケミカズチに残ったトダカを手に掛ける。
 +
;「あ?いや。派手にやられてたからね。フリーダムに。部屋でどーんと落ち込んでんじゃないの?あんま強くないよね、あの人。なーんであれでFAITHなんだか。昔は強かったってやつ?」
 +
:第30話より。キラのフリーダムにセイバーをバラバラにされ、敗北したアスランに失望している。
 +
;「…部屋じゃなくてこんなとこで落ち込んでたんですか。呑気なもんですね。ルナが心配してましたよ。どうしてるかって。自分もやられて怪我してるくせに」<br>「そうやって偉そうな顔したって何も出来なきゃ同じです!」<br>「悪いのは全部地球軍なんだ!あんただってそれと戦うためにザフト軍に戻ってきたんでしょ!?」<br>「だったらもっとしっかりしてくださいよ」
 +
:同上。ミネルバの甲板上で過去の事を考えているアスランに対して生意気な口を利きながらも激励する。
 +
;「死にそうでした」<br>「艦長もそれは御存じだったと思いますが?」<br>「いくら連合のエクステンデッドだからって、ステラだって人間です!それをあんな風に…。解剖したときにデータが取りにくくなるとか!あんなのとか!あの子が死ぬってこと誰も気にもしない。地球軍だって酷いけど艦長達だって同じですそれじゃあ!」
 +
:ザフト軍法第3条G項他に違反して逮捕され、連行されたシンは容疑を認めて動機について供述し、レイと同様に営倉に入る。
 +
;「司令部にも俺のこと分かってくれる人はいるみたいです」<br>「貴方の言う正しさが全てじゃないってことですよ」
 +
:第31話より。ステラを無断で地球連合軍に返して逮捕され、釈放された後にアスランに放った言葉。勘違いして増長してしまっている。
 +
;「大丈夫だよステラ…何も怖いことなんかない…苦しいこともない…」<br>「だから…もう何も…君を怖がらせるものはないから…誰も…君をいじめに来たりしないから…」<br>「だから…安心して…静かにここで……おやすみ…」<br>「守るって言ったのに…俺、守るって言ったのに…!ステラ…ごめん…!」
 +
:第33話より。死亡したステラを葬った別れの際に。失ってしまったものを守れるように軍人になった彼が、再び守れなかった無力感から涙を流しながら詫びる。鈴村氏迫真の演技が胸を打つ。その後、形相が変わってしまうほどの憎悪にゆがんだシンの顔つきに驚いた視聴者は少なくないという(一方でステラの出自を考えれば、連合側に返したところで彼女を解放する訳がないため、ある意味本人が招いた結果とも言える)。
 +
;「くそっ!何でこんな!」<br>「フリーダムのパワーはインパルスより上なんだ。それをここまで操るなんて…」
 +
:同上。アスランに見向きもせず、レイと共にフリーダムとの戦闘シミュレーションで勝つ方法を探している。
 +
;「何をって…ご覧の通りフリーダムとの戦闘シミュレーションですよ。一体なんです?」<br>「強いからです」<br>「俺の知る限り、今モビルスーツで一番強いのはこいつです。あのデストロイさえ倒したんだ。なら、それを相手に訓練するのはいいことだと思いますが」<br>「何かあった時、あれを討てる奴がザフトにいなきゃ困るでしょ?まるっきりわけの分かんない奴なんだから」
 +
:同上。フリーダムの撃墜をやめさせようとするアスランに反論してシミュレーションを続けようとする。
 +
;「いいよレイ。負けの経験なんか参考にならない」
 +
:セイバーをバラバラにされたアスランのアドバイスは参考にならないと判断して挑発し、激怒させる。
 +
;「逃げるな!」<br>「いっつもそうやって、やれると思うなぁ!!」<br>「あんたがステラを殺した!止めようとしたのにぃぃぃっ!!」<br>「アンタは俺が討つんだ…今日、ここで!」
 
:エンジェルダウン作戦時にキラに対して。フリーダムの戦闘データから徹底的にフリーダムの戦い方を研究した上でインパルスの性能を活かしきり、フリーダムを撃墜する。
 
:エンジェルダウン作戦時にキラに対して。フリーダムの戦闘データから徹底的にフリーダムの戦い方を研究した上でインパルスの性能を活かしきり、フリーダムを撃墜する。
 +
;「ク…ハハハ…やった…ステラ…やっと…これで…ハハハハハハ…」
 +
:フリーダムを撃墜し、執念の勝利に。それでも何も得られない虚しい笑い声が哀しい。フリーダムの爆発を至近距離で受けたインパルスは全壊一歩手前という被害を被った。あるいはシンは刺し違える覚悟で挑んでいたのだろう。アスランはシンのこのような「命を捨てる復讐」をやめさせようとしたが…。この後、シンは無敵のフリーダムを撃墜したスーパーエースとして自信を膨張させ「増長」してゆく。
 +
;「仇は取りましたよ。あなたのもね」<br>「何わけ分かんないこと言ってんです?やめてくださいよ」<br>「嬉しかったら悪いんですか?」<br>「強敵をやっと倒せて喜んじゃいけないんですか!?」<br>「じゃあどうしろっていうんです?泣いて悲しめってんですか?祈れってんですか?」<br>「それとも俺が討たれりゃ良かったとでも言いたいんですか!?アンタは!!」
 +
:キラを討たれ(実際は生きていたが)、歓声でもって迎えられたシンの前に、浮かない顔のアスランへ。完全な挑発だったが、これをもって「もうフリーダム(キラ)はいないのだから、スッパリとアークエンジェルへの未練を断ち、煮え切らない態度はやめろ」という意図もあったと思われる。だがアスランからは本気パンチでの返答。確かに上官への態度ではなかったが、いくらなんでも反射的に殴りつけるのはアスランらしくない。
 
;「アンタって人はぁぁぁぁ!」
 
;「アンタって人はぁぁぁぁ!」
 
:裏切ったアスランに対する一言。彼を象徴する台詞。
 
:裏切ったアスランに対する一言。彼を象徴する台詞。
 
;「アンタが悪いんだ、アンタが……アンタが裏切るから!」
 
;「アンタが悪いんだ、アンタが……アンタが裏切るから!」
:アスランとレイの双方からの説得に耐えきれず、S.E.E.D.を覚醒させた直後の台詞。
+
:アスランとレイの双方からの説得に耐えきれず、S.E.E.D.を覚醒させた直後の台詞。激昂と共に突き出した凶刃は、容赦なくアスランに襲いかかり…
 
;「こんな事をする…こんな事をする奴ら…ロゴス!許すもんかぁぁぁ!」
 
;「こんな事をする…こんな事をする奴ら…ロゴス!許すもんかぁぁぁ!」
 
:[[ヘブンズベース]]でのデストロイとの戦闘時の台詞。対艦刀でデストロイを一刀両断する等、シンの気迫を感じられる。
 
:[[ヘブンズベース]]でのデストロイとの戦闘時の台詞。対艦刀でデストロイを一刀両断する等、シンの気迫を感じられる。
 
;「お前達のようなのがいるから…世界はぁ!」
 
;「お前達のようなのがいるから…世界はぁ!」
:上記と同じく、パルマフィオキーナで2機目のデストロイを撃墜する際の台詞。
+
:上記と同じく、パルマフィオキーナでデストロイの頭を吹き飛ばす際の台詞。もっともそのデストロイに搭乗しているのが自身が同情していたはずのステラと同じ境遇のエクステンデッドである可能性もあるのだが…。
;「あんたらの理想ってやつで、戦争が止められるのか!?」
+
;「あんたが大将機かよ!?大した腕もないくせに!」
:ボンボン版の台詞。理想を追求するアスランに放った一言。
+
:第42話より。カガリのアカツキと遭遇した時の台詞。
 +
;「これがビームだったら、もう終わってるって、そう言いたいのかよ!?あんたは!」
 +
:第42話より。ストライクフリーダムのレールガンの直撃を受けた時の台詞。
 +
;「くっそー…!何であんたが…!?あんたなんかに!!」<br>「な、何を!」<br>「解ってる!解ってるさ!」<br>「だから世界はもう、変わらなきゃいけないんだ!だからオーブは、討たなきゃならないんだ!!」
 +
:リマスター版第49話より。最終決戦にてアスランの説得に錯乱し始める。
 +
;「うわぁぁぁぁっ!ステラ!マユ!やめろぉぉっ!!」
 +
:FINAL PLUS「選ばれた未来」より。精神が極限状態の中、アスランのインフィニットジャスティスと交戦中、ルナマリアのフォースインパルスが割って入ったため、フリーダムに見えてしまったほか、ステラとマユの幻も見えてしまったため、錯乱状態に陥ったシンは誤ってルナマリアを攻撃してしまうが、アスランによって阻止された。この台詞はリマスター版第49話でも追加された。
 +
 
 +
=== FREEDOM ===
 +
;「やめろ、アスラン!隊長は…!」<br>「くそー!」<br>「くっ…!」
 +
:泣き言をいうキラを殴り、喧嘩に持ち込んだアスランに激怒して仲裁に入るも巻き込まれてしまい、ヒルダに制止される。
 +
;「この間は[[イモータルジャスティスガンダム|ジャスティス]]だったから負けたんだ![[デスティニーガンダムSpecII|デスティニー]]ならお前らなんかにぃっ!」
 +
:[[ブラックナイトスコード ルドラ]]4機を相手にしながらSEEDを発動する。
 +
:セリフだけ聞けば負け惜しみのようにも聞こえるが、デスティニーはイモータルジャスティスよりも火力が心許なく、ブラックナイツに対抗するには性能的に厳しいと言われていたのだが……。
 +
;「そんな寝ぼけた分身が通用するかぁっ!」
 +
:ルドラの分身を伴う攻撃を瞬間移動かと見紛う超高速戦闘で回避した後、アロンダイトを構え直して。さらにその後……。
 +
;「分身は、こうやるんだぁぁっ!」
 +
:再び攻撃を回避した後、この台詞と共に無数のデスティニーの分身が生成される。そしてブラックナイツ4人のうちヒルダに敵討ちを譲ったリデル以外の3人を瞬く間に撃墜した。
 +
 
 +
=== その他の媒体 ===
 +
;「あんたらの理想ってやつで、戦争が止められるのか!?」<br/> 「戦争のない世界以上に 幸せな世界なんて……あるはずがないっ!!」
 +
:ボンボン版の台詞。理想を追求するアスランに放った一言。その他、ゲーム『ガンダム無双3』等にもこの台詞が登場する。
 
;「これがデスティニーの力だ!」
 
;「これがデスティニーの力だ!」
 
:ボンボン版のアスランとの最終戦にて。単機でジャスティスのミーティアや右腕を破壊しアスランを追い詰める等、嘘偽りのない戦果を挙げている。
 
:ボンボン版のアスランとの最終戦にて。単機でジャスティスのミーティアや右腕を破壊しアスランを追い詰める等、嘘偽りのない戦果を挙げている。
;「あんたが正しいって言うのなら!俺に勝ってみせろ!」
+
;「もう俺は選んだんだ!!この道を!!なら行くしかないじゃないかっ!!」<br/>「あんたが正しいって言うのなら!俺に勝ってみせろ!」
 
:上記と同じボンボン版のアスランとの最終戦時の台詞。パルマフィオキーナでジャスティスの右腕を破壊する。
 
:上記と同じボンボン版のアスランとの最終戦時の台詞。パルマフィオキーナでジャスティスの右腕を破壊する。
 
;「アスラン…あんた、やっぱ強いや…」
 
;「アスラン…あんた、やっぱ強いや…」
92行目: 179行目:
 
;「でもっ……生きろ!レイ!」<br />「言ったじゃないか、前に!どんな命でも、生きられるのなら生きたいだろうってっ!」
 
;「でもっ……生きろ!レイ!」<br />「言ったじゃないか、前に!どんな命でも、生きられるのなら生きたいだろうってっ!」
 
:小説版より。自分と同じ短い寿命を持つステラに対してレイが言った言葉であり、その言葉をシンが彼に言う印象深い場面の一つ。
 
:小説版より。自分と同じ短い寿命を持つステラに対してレイが言った言葉であり、その言葉をシンが彼に言う印象深い場面の一つ。
;「なんで議長までチェックしてるんだぁぁぁ!」
+
;「俺だって!!守りたかったさ…俺の力で、すべてを!」<br/>「だけど…俺が撃ってるのは敵じゃないって、撃つのは奪うことだって…"力"で解決できることなんて何もないって!!アンタが俺に言い続けてきたんじゃないか!!」
:フレッツCMより。デュランダルにCMで「CMの方が喋ってる」と揶揄される。あながち間違っていない?
+
:『THE EDGE』より。民間人として戦争による絶望を味わったシンが軍人としても希望を見失い、その絶望をアスランにぶつける場面。<br/>アスランが事あるごとに口を酸っぱく説教してきた訓告をシンはきちんと覚えていた。しかしその言葉だけでは「戦争で大切なものを失う」という同じ痛みを持つはずの二人は互いに歩み寄ることが出来なかった。アスランは伝えたいことをきちんと伝えられず、シンはデスティニープランに縋り付くしかなかった。<br/>直後にインフィニットジャスティスの右腕がデスティニーの攻撃で吹き飛ぶ。
;「あんたは・・・大切なものを守るために戦う、それでいいんだ。<br/>でも、だからって、俺も戦わないわけには行かないんだ!」
+
;「でも…議長とレイは戦争のない世界を作るために…俺の力が役に立つって言ってくれたんだ…!」<br/>「この"力"ですべてを終わらせて…その先に平和があるのなら、俺は!!」
:ガンダム無双2より。アスランに戦う理由を問われ、その意志を毅然と答える。
+
:『THE EDGE』より。シンを(正しいかどうかはさておき)導けた議長やレイと、導けなかったアスランとの対比、そしてシンの力に対する傾倒っぷりが顕れた言葉。<br/>アスランは「諦めるな!こんな風に"力"を使ってしまったら…お前は永遠に"力"の呪縛から逃れられなくなるんだぞ!」と、本気でシンを心配して言葉を返す。<br/>直後にシンの信じる"力"の象徴であるアロンダイトを奪われ、議長の提示する"力"の象徴であるレクイエムを破壊される。
 +
;「…ひとりで立てます」
 +
:『THE EDGE』より。月面でアスランに手を差し出された際、それを振り払っての台詞。アスランは「そうか…」とだけ返すしかなかった。<br/>シンは吹っ切れてこそいないものの、その目に強い意志を秘めていた。
 +
;「でも…同じことじゃないか?」<br/>「俺のデスティニーとあの兵器に、結局どんな違いがあるっていうんだ?」
 +
:『THE EDGE Desire』より。議長の手に渡った[[レクイエム]]が地球軍アルザッヘル基地に向けて発射されたことに疑念の声が上がったのを受けて。<br/>ヴィーノに「デスティニーがもし撃たれたら、シンが死ぬだろ!」と返される。いい仲間を持ったな…。<br/>この時のシンは死んだ魚のような目をしており、精神的に極限状態だったことが覗える。
 +
;「レイの運命は…変わらないのか?」<br/>「議長は、定められた運命を受け入れることが幸せだっていってたけど、レイは…」
 +
:『THE EDGE Desire』より。頭ではデスティニープランに納得していてもあえて尋ねたのは、プランを適用しても全く救われない無二の親友のことを考えると心に引っかかるものがあったから。<br/>レイは一瞬だけ虚を突かれた表情を見せるも、「そろそろ出撃だぞ」と言って答えをはぐらかした。そしてレイがメサイアで亡くなったことで、シンがその答えを聞くことは永遠に叶わなくなった。
 
;「そんなの、ただの言葉じゃないか。誰がそんなことを決めたんだ!<br/>失っている過去を守るのは間違いで、今ある現実を守ることだけが正義なのかよ!<br/>それを決めていいのはあんたじゃない!オレなんじゃないのか!<br/>オレは決めたんだ!過去を放ってはおかない!決着をつけるんだ!
 
;「そんなの、ただの言葉じゃないか。誰がそんなことを決めたんだ!<br/>失っている過去を守るのは間違いで、今ある現実を守ることだけが正義なのかよ!<br/>それを決めていいのはあんたじゃない!オレなんじゃないのか!<br/>オレは決めたんだ!過去を放ってはおかない!決着をつけるんだ!
:同じくガンダム無双2より。アスランとの掛け合いで「過去に囚われたまま戦うのはやめろ、そんなことをしても取り戻せない」と諭された際に答えて。失った大切な過去があるからこそ、未来のために戦うのだという決意。間違いなくガンダムシリーズ主人公のセリフ。これがアニメ本編で発揮されていれば・・・。
+
:ガンダム無双2より。アスランとの掛け合いで「過去に囚われたまま戦うのはやめろ、そんなことをしても何も戻りはしない」と諭された際に答えて。失った大切な過去があるからこそ、未来のために戦うのだという決意。
;「やめてくれよ、ルナ。もうエースの力はいいんだ。必要ない。<br/>スーパーエースなんて、もう捨てていい過去だって、決めたんだ。オレ自身で。」
+
;「大切なものを守るために戦う、それでいいんだ。でも、だからって、俺も戦わないわけには行かないんだ!」
:シンが過去に囚われているのではなく、悲しみを乗り越えて未来に向かって行くという人間的な成長が見て取れるセリフ。
+
:ガンダム無双2より。キラの戦う理由を理解しながらも、真正面から自分の信念をぶつけて。
 +
;「やめてくれよ、ルナ。もうエースの力はいいんだ。必要ない。スーパーエースなんて、もう捨てていい過去だって、決めたんだ。オレ自身で。」
 +
:ガンダム無双2より。シンが過去に囚われているのではなく、悲しみを乗り越えて未来に向かって行くという人間的な成長が見て取れるセリフ。
  
 +
== 迷台詞 ==
 +
=== FREEDOM ===
 +
;「動くな…」<br>「手を挙げて、銃を捨てろ…」
 +
:[[ミレニアム]]への偽装ハイジャックでルナマリアを驚かせるためにふざけて接近するも、肘鉄砲と膝蹴りで返り討ちに遭い、銃を向けられる。
 +
;「ルナ!俺、俺!」<br>「いってぇ…。あれ?」<br>「いってぇ、死ぬ…。ほんと死ぬ…。」
 +
:銃を向けられた直後に慌てて潜水服のマスクを外し、素顔を明かす。
 +
 +
===その他の媒体===
 +
;「どうして誰も、教えてくれなかったんだぁ!!」<br>「なんで議長までチェックしてるんだぁぁぁ!」
 +
:放送当時のフレッツCMより。後者はデュランダルにCMで「CMの方が喋ってる」と揶揄される。あながち間違っていない?
 +
;「…オレが知るわけないであります」
 +
:ガンプラ日常コメディ漫画『HGに恋するふたり』より。
 +
 +
== 搭乗機体・関連機体 ==
 +
;[[インパルスガンダム]]
 +
:前半の搭乗機。
 +
;[[デスティニーガンダム]]
 +
:後半の搭乗機。
 +
;[[イモータルジャスティスガンダム]]
 +
:『SEED FREEDOM』前半での搭乗機。
 +
;[[デスティニーガンダムSpecII]]
 +
:『SEED FREEDOM』後半での搭乗機。
 
== 余談 ==
 
== 余談 ==
 
*シンを演じた鈴村健一氏は2011年8月にルナマリア役の坂本真綾氏と結婚している。
 
*シンを演じた鈴村健一氏は2011年8月にルナマリア役の坂本真綾氏と結婚している。
 +
*ゲーム『真・ガンダム無双』ではなんと、'''ミネルバ隊と同行した[[キラ・ヤマト|キラ]]と共に[[デストロイガンダム]]軍団に挑み、[[ステラ・ルーシェ|ステラ]]をはじめとする[[強化人間]]ほぼ全員を救出可能なオリジナルシナリオ'''が用意された。
  
== 商品情報 ==
+
<!-- == 商品情報 == -->
 
<!-- *<amazon>B000BUNV78</amazon> -->
 
<!-- *<amazon>B000BUNV78</amazon> -->
 
== 話題まとめ ==
 
<!-- *[[namazu:シン・アスカ]] (全文検索結果) -->
 
 
== 資料リンク ==
 
<!-- *[[一覧:シン・アスカ]] -->
 
  
 
== リンク ==
 
== リンク ==
 
*[[登場人物]]
 
*[[登場人物]]
 +
 +
<!-- == 脚注 == -->
 +
<!-- <references /> -->
 +
<!-- 本文には<ref>内容</ref>のかたちで挿入してください。 -->
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{{DEFAULTSORT:しん あすか}}
 +
[[Category:登場人物さ行]]
 +
[[Category:機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]
 +
<!-- DEFAULTSORTとCategoryを元に、各カテゴリページに表示・自動整列されます。 -->

2025年5月30日 (金) 22:20時点における最新版

シン・アスカ
外国語表記 Shinn Asuka
登場作品
声優 鈴村健一
デザイン 平井久司
テンプレートを表示
プロフィール
種族 人間(コーディネイター)
性別 男性
生年月日 C.E.57年9月1日
年齢 16歳→17歳
出身 オーブ連合首長国
身長 168cm→169cm
体重 55kg
血液型 O型
職業 MSパイロット
所属組織
所属部隊 ミネルバ隊FAITHヤマト隊
称号
  • ザフトレッド
  • フリーダムキラー
階級 大尉 (コンパス所属時)
主な搭乗機
テンプレートを表示

概要 編集

オーブ解放作戦で家族を亡くし、プラントに移住したコーディネイターの少年。家族を失った絶望と悲しみから戦争の諸悪への激しい怒りを抱く「怒りの人」でもり、守りたい者を守れなかったという想いから力を欲する一面が強い。そのため、時として感情が先に立った言動が目立つ。

戦争を憎む執念を原動力にザフト軍に入隊し、パイロットとしての才能を開花させ、エリート集団である「赤服」の一人としてアカデミーを卒業。その資質を見出した最高評議会議長ギルバート・デュランダルの後押しもあり、新型モビルスーツインパルス」のパイロットとなった。

第2次連合・プラント大戦の最中S.E.E.D.に覚醒し、インパルスのシステムを利用した戦法で多大な戦果を挙げるなどエースとしての頭角を表す一方で、祖国であるオーブ連合首長国との敵対、そしてステラ・ルーシェとの邂逅と死別が彼から「守る者」「守りたい者」を奪うことになり、その渦中に居たフリーダムキラ・ヤマトを憎悪し、これを撃破する。

フリーダムを撃墜したシンはデュランダルから高く評価され、デスティニーを与えられる。一方、上官であったアスラン・ザラとの溝は深まり、ザフトを脱走した彼を討った事実がシンを追い詰め、デュランダルが掲げる戦争根絶の大義を心の拠り所に求めていった。ヘブンズベース攻撃作戦の後、FAITHに任命されたが、続くオーブ侵攻でアスランと対峙し、己の正義に迷いを抱くことになる。それでもシンはデュランダルがミーア・キャンベルラクス・クラインの影武者に仕立てていた事実からも目を背け、デスティニー・プランの発動を宣言した彼に従って反抗勢力と戦った。だが、メサイア攻防戦で再びアスランと対峙したシンは、アスランの言葉に心を乱し、彼に撃墜され、その戦いの行く末を見守ることになった。

戦後はキラ、アスランと和解し、ルナマリア・ホークアグネス・ギーベンラートと共にコンパスへ出向。戦いのない世界を目指すべくキラと共に戦った。

登場作品と役柄編集

機動戦士ガンダムSEED DESTINY
初登場作品。キラ、アスランに続く第3の主人公として登場し、ガンダムのTVシリーズとしては初の正規軍人からスタートする主人公となった。オーブでは「戦争の行方よりもゲームの発売日が気になる」と考える極普通の少年であったが、カラミティガンダムフリーダムガンダムの砲撃戦の中で家族を喪ったことで戦争を憎むようになった。TV放送版では主人公が三人という作劇から他の二人に出番を取られることも多く、最終的にアスランに敗北することもあって扱いが悪いと見られることもあった。その後、スペシャルエディションでキラと和解するラストが追加され、「最終回でマイナスから立ち直る主人公」という役どころに落ち着いている。
機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
ルナマリアと共にコンパスへ参加する。キラとの和解を経たことで性格的にも丸くなり、人間的にも大きく成長している。常に単独行動を執るキラに信頼されていないのではないか、という疑念を持ちつつも信念に従って戦い続けた。パイロットとしては愛機デスティニーを駆り、作中でも群を抜いた戦闘力で4体のブラックナイツを圧倒。最も成長したとの評価も。しかし実際はマユやステラ、レイとの死別が深刻なPTSDとして残っており、ブラックナイツとの戦闘では精神干渉を仕掛けたアコード側がシンの内面の『地獄』を垣間見て逆に恐慌状態に陥るほどの深い深い闇が未だに渦巻いている。
HGに恋するふたり
主人公の一人であるOLの神崎さやか(1988年生まれ)が、放映当時同い年だったシンを「全てを受け止められるほど大人でもなく、全てを委ねられるほど子供でもない」と評し、「目を背けたくなるほど自分とそっくりだった」と述懐している。作者の工藤マコト先生曰く「(シンが子供っぽいという声もあったけど)あれが等身大の16歳だった」とのこと。
作中では「主人公取られたやつ」「(乗機のデスティニーは)悪役の機体」と酷評されており、神埼はそのことに心を痛めていた。

人間関係編集

家族 編集

マユ・アスカ
実妹。シンにとって可愛い妹であったが、戦闘に巻き込まれて死亡。シンは彼女の遺品である携帯電話を大切に保管しており、留守録に吹き込まれたマユの肉声を聞いて過去にふけることが多い。
両親
共にオーブ解放戦線の際に死亡。シンをコーディネイターとした理由についても「病気などに悩まされるよりは生まれる前から耐性があればいい」という程度の意識であった。

ザフト編集

ルナマリア・ホーク
アカデミー時代からの友人。シンが彼女の妹であるメイリンをアスラン討伐に巻き込む形で撃墜してしまい、彼女に涙ながらに責められるが、シンもまた妹を失っており、自分が受けた悲しみを生むことを、自分自身が行ったことを後悔し、傷ついていることを感じ取ったルナマリアは彼を許し、戦争が原因で肉親を失ったトラウマを共有することで恋仲に近い関係になった。その後も関係は続いており、コンパス所属後もパートナーとして行動を共にすることが多い。
レイ・ザ・バレル
アカデミーからの友人。落ちこぼれであったシンに向き合い、彼の習熟速度を考慮した上で彼の成長を促している。シンを利用する面が目立ったが、その友情は本物であり、後にシンに自分がクローンであることを打ち解けている。小説版ではシンを親友と思いつつも利用しなければならないレイの心の葛藤が描かれ、メサイア陥落後に自分を助けるためにインパルスで駆けつけたシンとルナマリアに遺言を託した。
アスラン・ザラ
直属の上官で作戦指揮官。シンは本気で彼のことを尊敬しており、だからこそ毅然たる「ヒーロー」として振舞ってくれない彼に苛立ちをぶつけてしまうことが多かった。後に彼と対峙する時の極端な怒りの感情の中にも逡巡が見え隠れする。これは、彼の故郷であるオーブ連合首長国が「非戦争」を貫くとしながらも結局は戦いに巻き込まれ、結果、シンは家族を目の前で失うという「裏切り」にあったためである。シンがアスランを尊敬もし、信頼していたからこそ「裏切られた」と感じたことが(実際裏切りではあるが)反動となったことが理由といえる。メサイア攻防戦の最中に彼に撃墜されるが、以降は苦手意識が先に立つようになった。
アグネス・ギーベンラート
アカデミー時代の同期。アカデミーでの成績が芳しくなかったシンを「山猿」と呼んで見下していた。自身がミネルバに配属されなかった際に不満を露わにし、シンの戦果に驚愕すると同時に疑問を抱いている。
ハイネ・ヴェステンフルス
上官。ハイネの性格によりアスランと少しは打ち解けるきっかけとなるが、ダーダネルス海峡での戦闘で戦死している。
ギルバート・デュランダル
シンをインパルス、デスティニーのパイロットに任じた最高評議会議長。後にFAITHの権限を与え、メサイア攻防戦に至るまで彼を重用している。

ファントムペイン編集

ステラ・ルーシェ
ファントムペイン所属のパイロットでエクステンデッドの少女。第1話でシンが偶然胸を触ってしまう。その後ディオキアの海で溺れた際に助けられたことが切っ掛けで惹かれ合う。最初は溺れる原因となったステラの行動に怒ったシンであったが、無意識にステラのブロックワードである「死」を口走ってしまい、錯乱した彼女を『戦争でトラウマを負った少女』と誤解して必死に宥め、その後も優しく接していた。このシチュエーションはアスランとカガリが初めて出会った時と似ている。何気なく再会を約束した両者であったが、皮肉にも戦場で敵として遭遇してしまう。シンはステラを戦場から引き離すために奔走したが、結局ステラは戦場から逃れられず、乗機であったデストロイを脅威と感じたキラに機体を大破させられた時の怪我により絶命。その死はシンの今後に暗い影を落とした。最終回では月面に墜落し一時気を失っていたシンの精神世界に魂となった彼女が現れ、明日への希望をシンに語った。なお、最終回の描写は前作『SEED』では魂となってキラに語りかけたフレイ・アルスターとの対比となっている。敗れたシンにはステラの声が届いていたが、勝利するキラにはフレイの声が届いていなかったという興味深い違いがある。鈴村氏はシンとステラの関係について「ステラは恋人というより戦争を感じさせる人間」と述べている。恋人として死にゆく彼女に寄り添うよりも一人の人間として生きていてほしいという願いを最優先したから、ステラをネオの下へと帰した。恋愛とは人間関係の一つの形だが決して最上級のものではなく、シンとステラの間にはもっと大きな繋がりがあると考えて演技した、とも述べている)。

オーブ編集

キラ・ヤマト
フリーダムのパイロットで、シンにとってはステラの仇。ただ、キラ本人が仇と知るのは『機動戦士ガンダムSEED DESTINY FINAL PLUS ~選ばれた未来~』の中で、アスランがキラをフリーダムのパイロットとして紹介した時である。キラが「一緒に戦おう」と語りかけると、シンは涙ながらに「はい」と答え、その後はキラの部下として共に戦うことを選択。アスラン以上に彼を慕うようになる。
カガリ・ユラ・アスハ
現オーブの代表。シンからは家族を失った元凶の如く忌み嫌われていたが、終戦後に和解し、彼女の考えに理解を示す。
トダカ
オーブ軍一佐。オーブ解放戦の時に家族を失ったばかりのシンを保護し、プラントへの移住を進めた。しかし、後のクレタ島沖海戦の時に皮肉にもシンの手によって命を失っている。

名台詞編集

DESTINY編集

「何でこんな事…また戦争がしたいのか!アンタ達は!!」
記念すべき1話で登場。1話における彼の出番自体が少なく、番組終了間際に飛び出た台詞から各所で話題を呼んだ。
「さすが奇麗事はアスハのお家芸だな!」」
第3話にて奇麗事を言い続けるカガリに対し発言。しかし、普通に考えれば元オーブ国民とはいえ、今はザフト軍人であるシンが他国のトップであるカガリに対して罵声を浴びせるというのは国際な問題となりかねない、なぜか罰せられることはなく、その後もシンはカガリに対して罵声やわざと肩をぶつけるなどの問題行為をする。カガリは非常にそのことを気にしており、この頃の気遣いのできる彼女であれば、カガリのほうから不問に付すように要請があったのかもしれない。
「別に本気で言ってたわけじゃないさ、ヨウランも」
「そんくらいのことも判んないのかよ。あんたは」
「あ、そうでしたね。この人偉いんでした。オーブの代表でしたもんね」
第5話より。ヨウランの軽率な発言に激怒したカガリに言い放ち、レイに言葉遣いを注意されて敬語に直すも再び馬鹿にする発言をする。
「下らない?…下らないなんて言わせるか!関係ないってのも大間違いだね!俺の家族はアスハに殺されたんだ!」
「国を信じて、あんた達の理想とかってのを信じて、そして最後の最後に、オノゴロで殺された!」
「だから俺はあんた達を信じない!オーブなんて国も信じない!そんなあんた達の言う綺麗事を信じない!この国の正義を貫くって…あんた達だってあの時、自分達のその言葉で、誰が死ぬ事になるのか、ちゃんと考えたのかよ!?」
「何も解ってないような奴に、解ってるようなこと言わないで欲しいね!」
同上。アスランの「下らない」発言を受けて激怒したシンは再びカガリを標的にして恨み言を放ち、わざと肩でぶつかって立ち去っていく。
「俺を助けろ!この野郎!とか…」
墜落寸前のアスランを助けた際に。他人を頼ろうとせず、自分で抱え込みすぎるアスランに「こんな時くらい人を頼ってくれ」という彼なりの思いやり。素直になってくれないアスランに、ついひねくれた物言いをしてしまうシンの未熟さ、青さがまた良い。
「やめろよこの馬鹿!」
「あんただってブリッジに居たんだろ!ならこれがどういうことだったか解ってるはずだろ!?」
「ユニウスセブンの落下は自然現象じゃなかった。犯人が居るんだ!落としたのはコーディネイターさ!」
「あそこで家族を殺されてそのことをまだ恨んでる連中が、ナチュラルなんか滅びろって落としたんだぞ!?」
「自爆した奴等のリーダーが最期に言ったんだ」
「俺達コーディネイターにとって、パトリック・ザラの執った道こそが唯一正しいものだってさ!」
「あんたってほんと、何も解ってないよな…!」
「あの人が可哀想だよ!」
またしてもカガリに。ユニウスセブンの破壊を成功させ、帰艦したアスランをねぎらったつもりのカガリだったが、ユニウスセブンを落としたのはパトリック・ザラの言葉を信じていたサトーで、多くの破片は地上に降り注ぎ、少なくない被害をもたらした。それによって悲しむ人々、コーディネイターへの憎悪を募らすことを危惧するアスランに、シンが言うまで知らなかったカガリの賞賛はむしろ重荷になってしまっていた。それを咎めての言葉。ちなみにこれも立派な問題行為であり、情報漏洩を堂々としている。
「いくら綺麗に花が咲いても、人はまた吹き飛ばす…」
オーブに降りた際のキラとの邂逅での台詞。
「何しに来た…!」
「あの時オーブを攻めた地球軍と今度は同盟か!何処までいい加減で身勝手なんだ!あんた達は!」
「敵に回るって言うんなら今度は俺が滅ぼしてやる!こんな国…!」
第11話より。オーブが地球連合と同盟を結んだ事で謝罪に来たカガリに向けて怒りをぶつけ、オーブを滅ぼすことを宣言してわざと肩でぶつかって立ち去っていく。
「殴りたいのなら別に構いやしませんけどね!けど!俺は間違ったことはしてませんよ!あそこの人たちだってあれで助かったんだ!」
第16話より。地球連合軍のインド洋前線基地建設に徴用された民間人の虐殺を目の当たりにし、民間人の救出を名目に戦闘力を失った連合軍の兵士を次々と攻撃したことをアスランに咎められて。
「しっかしどうすりゃいいんだ?この子は泳げないし。……後で何言われるかわかんないけど……ま、いっか!」
21話「さまよう眸」から。崖から落ちて溺れたステラを救出するも、入り組んだ地形に入り込んでしまった二人。本来民間人との接触は避けなければならない立場ではあったが、周りは断崖、怪我をしたステラを置いてはいけないと判断したシンは緊急時用のドッグタグを割って救助を要請するのだった。短絡的ながらも「誰かのために」という無私の行動原理は、本質的に善良なシンらしい。
「今は大丈夫だよ。僕が……うーんと、俺がちゃんとここにいて、守るから」
上記の続き。救助を待つ間、ステラを心配してかあれこれと語りかける。そのさなか、一度だけ自分を「僕」と呼んでしまう。そこには普段の「俺」という自分とのギャップが伺える。ちなみにシンの一人称がオーブ時代は「僕」であったことからも、普段のシンが虚勢を張って無理をしているとも、かつての自分を見せられる相手としてステラに妹を見出していたとも解釈されている。
「何であんたは…そんな綺麗事を…いつまでもぉ!!」
第28話より。クレタ沖海戦にてオーブ軍とミネルバの前で戦闘中止を呼び掛けるカガリに激怒して彼女に引き金を引く。
「ミネルバ!ソードシルエットを!全艦叩き切ってやる!」
同上。オーブ軍の艦隊をエクスカリバーで全滅させ、最後はタケミカズチに残ったトダカを手に掛ける。
「あ?いや。派手にやられてたからね。フリーダムに。部屋でどーんと落ち込んでんじゃないの?あんま強くないよね、あの人。なーんであれでFAITHなんだか。昔は強かったってやつ?」
第30話より。キラのフリーダムにセイバーをバラバラにされ、敗北したアスランに失望している。
「…部屋じゃなくてこんなとこで落ち込んでたんですか。呑気なもんですね。ルナが心配してましたよ。どうしてるかって。自分もやられて怪我してるくせに」
「そうやって偉そうな顔したって何も出来なきゃ同じです!」
「悪いのは全部地球軍なんだ!あんただってそれと戦うためにザフト軍に戻ってきたんでしょ!?」
「だったらもっとしっかりしてくださいよ」
同上。ミネルバの甲板上で過去の事を考えているアスランに対して生意気な口を利きながらも激励する。
「死にそうでした」
「艦長もそれは御存じだったと思いますが?」
「いくら連合のエクステンデッドだからって、ステラだって人間です!それをあんな風に…。解剖したときにデータが取りにくくなるとか!あんなのとか!あの子が死ぬってこと誰も気にもしない。地球軍だって酷いけど艦長達だって同じですそれじゃあ!」
ザフト軍法第3条G項他に違反して逮捕され、連行されたシンは容疑を認めて動機について供述し、レイと同様に営倉に入る。
「司令部にも俺のこと分かってくれる人はいるみたいです」
「貴方の言う正しさが全てじゃないってことですよ」
第31話より。ステラを無断で地球連合軍に返して逮捕され、釈放された後にアスランに放った言葉。勘違いして増長してしまっている。
「大丈夫だよステラ…何も怖いことなんかない…苦しいこともない…」
「だから…もう何も…君を怖がらせるものはないから…誰も…君をいじめに来たりしないから…」
「だから…安心して…静かにここで……おやすみ…」
「守るって言ったのに…俺、守るって言ったのに…!ステラ…ごめん…!」
第33話より。死亡したステラを葬った別れの際に。失ってしまったものを守れるように軍人になった彼が、再び守れなかった無力感から涙を流しながら詫びる。鈴村氏迫真の演技が胸を打つ。その後、形相が変わってしまうほどの憎悪にゆがんだシンの顔つきに驚いた視聴者は少なくないという(一方でステラの出自を考えれば、連合側に返したところで彼女を解放する訳がないため、ある意味本人が招いた結果とも言える)。
「くそっ!何でこんな!」
「フリーダムのパワーはインパルスより上なんだ。それをここまで操るなんて…」
同上。アスランに見向きもせず、レイと共にフリーダムとの戦闘シミュレーションで勝つ方法を探している。
「何をって…ご覧の通りフリーダムとの戦闘シミュレーションですよ。一体なんです?」
「強いからです」
「俺の知る限り、今モビルスーツで一番強いのはこいつです。あのデストロイさえ倒したんだ。なら、それを相手に訓練するのはいいことだと思いますが」
「何かあった時、あれを討てる奴がザフトにいなきゃ困るでしょ?まるっきりわけの分かんない奴なんだから」
同上。フリーダムの撃墜をやめさせようとするアスランに反論してシミュレーションを続けようとする。
「いいよレイ。負けの経験なんか参考にならない」
セイバーをバラバラにされたアスランのアドバイスは参考にならないと判断して挑発し、激怒させる。
「逃げるな!」
「いっつもそうやって、やれると思うなぁ!!」
「あんたがステラを殺した!止めようとしたのにぃぃぃっ!!」
「アンタは俺が討つんだ…今日、ここで!」
エンジェルダウン作戦時にキラに対して。フリーダムの戦闘データから徹底的にフリーダムの戦い方を研究した上でインパルスの性能を活かしきり、フリーダムを撃墜する。
「ク…ハハハ…やった…ステラ…やっと…これで…ハハハハハハ…」
フリーダムを撃墜し、執念の勝利に。それでも何も得られない虚しい笑い声が哀しい。フリーダムの爆発を至近距離で受けたインパルスは全壊一歩手前という被害を被った。あるいはシンは刺し違える覚悟で挑んでいたのだろう。アスランはシンのこのような「命を捨てる復讐」をやめさせようとしたが…。この後、シンは無敵のフリーダムを撃墜したスーパーエースとして自信を膨張させ「増長」してゆく。
「仇は取りましたよ。あなたのもね」
「何わけ分かんないこと言ってんです?やめてくださいよ」
「嬉しかったら悪いんですか?」
「強敵をやっと倒せて喜んじゃいけないんですか!?」
「じゃあどうしろっていうんです?泣いて悲しめってんですか?祈れってんですか?」
「それとも俺が討たれりゃ良かったとでも言いたいんですか!?アンタは!!」
キラを討たれ(実際は生きていたが)、歓声でもって迎えられたシンの前に、浮かない顔のアスランへ。完全な挑発だったが、これをもって「もうフリーダム(キラ)はいないのだから、スッパリとアークエンジェルへの未練を断ち、煮え切らない態度はやめろ」という意図もあったと思われる。だがアスランからは本気パンチでの返答。確かに上官への態度ではなかったが、いくらなんでも反射的に殴りつけるのはアスランらしくない。
「アンタって人はぁぁぁぁ!」
裏切ったアスランに対する一言。彼を象徴する台詞。
「アンタが悪いんだ、アンタが……アンタが裏切るから!」
アスランとレイの双方からの説得に耐えきれず、S.E.E.D.を覚醒させた直後の台詞。激昂と共に突き出した凶刃は、容赦なくアスランに襲いかかり…
「こんな事をする…こんな事をする奴ら…ロゴス!許すもんかぁぁぁ!」
ヘブンズベースでのデストロイとの戦闘時の台詞。対艦刀でデストロイを一刀両断する等、シンの気迫を感じられる。
「お前達のようなのがいるから…世界はぁ!」
上記と同じく、パルマフィオキーナでデストロイの頭を吹き飛ばす際の台詞。もっともそのデストロイに搭乗しているのが自身が同情していたはずのステラと同じ境遇のエクステンデッドである可能性もあるのだが…。
「あんたが大将機かよ!?大した腕もないくせに!」
第42話より。カガリのアカツキと遭遇した時の台詞。
「これがビームだったら、もう終わってるって、そう言いたいのかよ!?あんたは!」
第42話より。ストライクフリーダムのレールガンの直撃を受けた時の台詞。
「くっそー…!何であんたが…!?あんたなんかに!!」
「な、何を!」
「解ってる!解ってるさ!」
「だから世界はもう、変わらなきゃいけないんだ!だからオーブは、討たなきゃならないんだ!!」
リマスター版第49話より。最終決戦にてアスランの説得に錯乱し始める。
「うわぁぁぁぁっ!ステラ!マユ!やめろぉぉっ!!」
FINAL PLUS「選ばれた未来」より。精神が極限状態の中、アスランのインフィニットジャスティスと交戦中、ルナマリアのフォースインパルスが割って入ったため、フリーダムに見えてしまったほか、ステラとマユの幻も見えてしまったため、錯乱状態に陥ったシンは誤ってルナマリアを攻撃してしまうが、アスランによって阻止された。この台詞はリマスター版第49話でも追加された。

FREEDOM編集

「やめろ、アスラン!隊長は…!」
「くそー!」
「くっ…!」
泣き言をいうキラを殴り、喧嘩に持ち込んだアスランに激怒して仲裁に入るも巻き込まれてしまい、ヒルダに制止される。
「この間はジャスティスだったから負けたんだ!デスティニーならお前らなんかにぃっ!」
ブラックナイトスコード ルドラ4機を相手にしながらSEEDを発動する。
セリフだけ聞けば負け惜しみのようにも聞こえるが、デスティニーはイモータルジャスティスよりも火力が心許なく、ブラックナイツに対抗するには性能的に厳しいと言われていたのだが……。
「そんな寝ぼけた分身が通用するかぁっ!」
ルドラの分身を伴う攻撃を瞬間移動かと見紛う超高速戦闘で回避した後、アロンダイトを構え直して。さらにその後……。
「分身は、こうやるんだぁぁっ!」
再び攻撃を回避した後、この台詞と共に無数のデスティニーの分身が生成される。そしてブラックナイツ4人のうちヒルダに敵討ちを譲ったリデル以外の3人を瞬く間に撃墜した。

その他の媒体編集

「あんたらの理想ってやつで、戦争が止められるのか!?」
 「戦争のない世界以上に 幸せな世界なんて……あるはずがないっ!!」
ボンボン版の台詞。理想を追求するアスランに放った一言。その他、ゲーム『ガンダム無双3』等にもこの台詞が登場する。
「これがデスティニーの力だ!」
ボンボン版のアスランとの最終戦にて。単機でジャスティスのミーティアや右腕を破壊しアスランを追い詰める等、嘘偽りのない戦果を挙げている。
「もう俺は選んだんだ!!この道を!!なら行くしかないじゃないかっ!!」
「あんたが正しいって言うのなら!俺に勝ってみせろ!」
上記と同じボンボン版のアスランとの最終戦時の台詞。パルマフィオキーナでジャスティスの右腕を破壊する。
「アスラン…あんた、やっぱ強いや…」
ボンボン版での最終決戦でアスランに敗れた際の台詞。
「でもっ……生きろ!レイ!」
「言ったじゃないか、前に!どんな命でも、生きられるのなら生きたいだろうってっ!」
小説版より。自分と同じ短い寿命を持つステラに対してレイが言った言葉であり、その言葉をシンが彼に言う印象深い場面の一つ。
「俺だって!!守りたかったさ…俺の力で、すべてを!」
「だけど…俺が撃ってるのは敵じゃないって、撃つのは奪うことだって…"力"で解決できることなんて何もないって!!アンタが俺に言い続けてきたんじゃないか!!」
『THE EDGE』より。民間人として戦争による絶望を味わったシンが軍人としても希望を見失い、その絶望をアスランにぶつける場面。
アスランが事あるごとに口を酸っぱく説教してきた訓告をシンはきちんと覚えていた。しかしその言葉だけでは「戦争で大切なものを失う」という同じ痛みを持つはずの二人は互いに歩み寄ることが出来なかった。アスランは伝えたいことをきちんと伝えられず、シンはデスティニープランに縋り付くしかなかった。
直後にインフィニットジャスティスの右腕がデスティニーの攻撃で吹き飛ぶ。
「でも…議長とレイは戦争のない世界を作るために…俺の力が役に立つって言ってくれたんだ…!」
「この"力"ですべてを終わらせて…その先に平和があるのなら、俺は!!」
『THE EDGE』より。シンを(正しいかどうかはさておき)導けた議長やレイと、導けなかったアスランとの対比、そしてシンの力に対する傾倒っぷりが顕れた言葉。
アスランは「諦めるな!こんな風に"力"を使ってしまったら…お前は永遠に"力"の呪縛から逃れられなくなるんだぞ!」と、本気でシンを心配して言葉を返す。
直後にシンの信じる"力"の象徴であるアロンダイトを奪われ、議長の提示する"力"の象徴であるレクイエムを破壊される。
「…ひとりで立てます」
『THE EDGE』より。月面でアスランに手を差し出された際、それを振り払っての台詞。アスランは「そうか…」とだけ返すしかなかった。
シンは吹っ切れてこそいないものの、その目に強い意志を秘めていた。
「でも…同じことじゃないか?」
「俺のデスティニーとあの兵器に、結局どんな違いがあるっていうんだ?」
『THE EDGE Desire』より。議長の手に渡ったレクイエムが地球軍アルザッヘル基地に向けて発射されたことに疑念の声が上がったのを受けて。
ヴィーノに「デスティニーがもし撃たれたら、シンが死ぬだろ!」と返される。いい仲間を持ったな…。
この時のシンは死んだ魚のような目をしており、精神的に極限状態だったことが覗える。
「レイの運命は…変わらないのか?」
「議長は、定められた運命を受け入れることが幸せだっていってたけど、レイは…」
『THE EDGE Desire』より。頭ではデスティニープランに納得していてもあえて尋ねたのは、プランを適用しても全く救われない無二の親友のことを考えると心に引っかかるものがあったから。
レイは一瞬だけ虚を突かれた表情を見せるも、「そろそろ出撃だぞ」と言って答えをはぐらかした。そしてレイがメサイアで亡くなったことで、シンがその答えを聞くことは永遠に叶わなくなった。
「そんなの、ただの言葉じゃないか。誰がそんなことを決めたんだ!
失っている過去を守るのは間違いで、今ある現実を守ることだけが正義なのかよ!
それを決めていいのはあんたじゃない!オレなんじゃないのか!
オレは決めたんだ!過去を放ってはおかない!決着をつけるんだ!
ガンダム無双2より。アスランとの掛け合いで「過去に囚われたまま戦うのはやめろ、そんなことをしても何も戻りはしない」と諭された際に答えて。失った大切な過去があるからこそ、未来のために戦うのだという決意。
「大切なものを守るために戦う、それでいいんだ。でも、だからって、俺も戦わないわけには行かないんだ!」
ガンダム無双2より。キラの戦う理由を理解しながらも、真正面から自分の信念をぶつけて。
「やめてくれよ、ルナ。もうエースの力はいいんだ。必要ない。スーパーエースなんて、もう捨てていい過去だって、決めたんだ。オレ自身で。」
ガンダム無双2より。シンが過去に囚われているのではなく、悲しみを乗り越えて未来に向かって行くという人間的な成長が見て取れるセリフ。

迷台詞編集

FREEDOM編集

「動くな…」
「手を挙げて、銃を捨てろ…」
ミレニアムへの偽装ハイジャックでルナマリアを驚かせるためにふざけて接近するも、肘鉄砲と膝蹴りで返り討ちに遭い、銃を向けられる。
「ルナ!俺、俺!」
「いってぇ…。あれ?」
「いってぇ、死ぬ…。ほんと死ぬ…。」
銃を向けられた直後に慌てて潜水服のマスクを外し、素顔を明かす。

その他の媒体編集

「どうして誰も、教えてくれなかったんだぁ!!」
「なんで議長までチェックしてるんだぁぁぁ!」
放送当時のフレッツCMより。後者はデュランダルにCMで「CMの方が喋ってる」と揶揄される。あながち間違っていない?
「…オレが知るわけないであります」
ガンプラ日常コメディ漫画『HGに恋するふたり』より。

搭乗機体・関連機体編集

インパルスガンダム
前半の搭乗機。
デスティニーガンダム
後半の搭乗機。
イモータルジャスティスガンダム
『SEED FREEDOM』前半での搭乗機。
デスティニーガンダムSpecII
『SEED FREEDOM』後半での搭乗機。

余談編集

  • シンを演じた鈴村健一氏は2011年8月にルナマリア役の坂本真綾氏と結婚している。
  • ゲーム『真・ガンダム無双』ではなんと、ミネルバ隊と同行したキラと共にデストロイガンダム軍団に挑み、ステラをはじめとする強化人間ほぼ全員を救出可能なオリジナルシナリオが用意された。


リンク編集