「第603技術試験隊」の版間の差分

(ページの作成:「== 第603技術試験部隊 (Technical test Unit No.603) == 一年戦争の開戦にあたって、ジオン公国軍技術本部の直轄部隊と…」)
 
 
(他の1人の利用者による、間の1版が非表示)
1行目: 1行目:
 
== 第603技術試験部隊 (Technical test Unit No.603) ==
 
== 第603技術試験部隊 (Technical test Unit No.603) ==
[[一年戦争]]の開戦にあたって、[[ジオン軍|ジオン公国軍]]技術本部の直轄部隊として試作兵器の評価試験を担当する複数の技術試験部隊のうちの一つ。技術本部直轄という性質上、宇宙攻撃軍や突撃機動軍とは指揮系統が独立している。
+
[[一年戦争]]の開戦にあたって、[[ジオン軍|ジオン公国軍]]技術本部の直轄部隊として試作兵器の評価試験を担当する複数の技術試験部隊のうちの一つ。技術本部長[[アルベルト・シャハト]]少将からの委託を受け、試作兵器の評価試験を実施する。技術本部直轄という性質上、宇宙攻撃軍や突撃機動軍とは指揮系統が独立している。
  
 
これら技術試験部隊が実施した評価試験は何れも実戦を伴うものであり<ref>これには運用試験と評価の効率化によって、それらのデータを反映した新兵器の開発期間を短縮する狙いがあったとされる。ただし、運用兵器を見るにこの「開発期間の短縮」に貢献したかについては疑問が残る。</ref>、大きな危険を伴った。この事実から技術試験部隊をエリート部隊と考える向きもあるが、その実態は総帥府の送り込んだ管理官、技術情報科と技術試験科の派遣した技術士官やパイロット、更に民間船を改修した運用試験艦とその運用を任された軍属など混沌とした編成によって成り立っており、その様子をして「魔女の鍋」「シチューのようなもの」とも評されている。
 
これら技術試験部隊が実施した評価試験は何れも実戦を伴うものであり<ref>これには運用試験と評価の効率化によって、それらのデータを反映した新兵器の開発期間を短縮する狙いがあったとされる。ただし、運用兵器を見るにこの「開発期間の短縮」に貢献したかについては疑問が残る。</ref>、大きな危険を伴った。この事実から技術試験部隊をエリート部隊と考える向きもあるが、その実態は総帥府の送り込んだ管理官、技術情報科と技術試験科の派遣した技術士官やパイロット、更に民間船を改修した運用試験艦とその運用を任された軍属など混沌とした編成によって成り立っており、その様子をして「魔女の鍋」「シチューのようなもの」とも評されている。
10行目: 10行目:
 
== 登場作品 ==
 
== 登場作品 ==
 
;[[機動戦士ガンダム MS IGLOO]]
 
;[[機動戦士ガンダム MS IGLOO]]
:初登場作品。各エピソード毎に異なる試作兵器の評価試験を行い、それらを運用するテストパイロットの非業の死を目撃する事になる。第2シーズンとなる『黙示録0079』では同様の任務を担った第604技術試験部隊の存在が語られている。
+
:初登場作品。各エピソード毎に異なる試作兵器の評価試験を行い、それらを運用するテストパイロットの非業の死を目撃する事になる。第2シーズンとなる『黙示録0079』第1話では同様の任務を担った第604技術試験部隊の存在が語られている。
 
;[[機動戦士ガンダム0083 REBELLION]]
 
;[[機動戦士ガンダム0083 REBELLION]]
 
:マイ、モニク、ワシヤが戦後[[アクシズ]]へと渡り、先遣艦隊に同行する形で[[デラーズ・フリート]]への物資搬入任務を行っている。
 
:マイ、モニク、ワシヤが戦後[[アクシズ]]へと渡り、先遣艦隊に同行する形で[[デラーズ・フリート]]への物資搬入任務を行っている。
25行目: 25行目:
 
;[[ジーン・ザビエル]]
 
;[[ジーン・ザビエル]]
 
:オペレーター。
 
:オペレーター。
 +
;[[ユルゲン・ヘプナー]]
 +
:甲板長。
 +
;[[キム・ハラミ]]
 +
:甲板士。
 +
;[[ゼン・ワーテルロー]]
 +
:砲術士。
 +
 
=== 603技術試験部隊 ===
 
=== 603技術試験部隊 ===
 
;[[モニク・キャデラック]]
 
;[[モニク・キャデラック]]
51行目: 58行目:
 
:技術大学教授。観測ポッド[[バロール]]の試験の為にヨーツンヘイムに乗艦。暗礁宙域で小破したバロールを再起動させるが、デブリからバロールを庇い死亡。
 
:技術大学教授。観測ポッド[[バロール]]の試験の為にヨーツンヘイムに乗艦。暗礁宙域で小破したバロールを再起動させるが、デブリからバロールを庇い死亡。
 
;[[エルヴィン・キャデラック]]
 
;[[エルヴィン・キャデラック]]
:年少兵。月軌道上で[[オッゴ]]第2小隊を率いて出撃、敵[[ボール]]部隊をほぼ独力で壊滅させ1機を投降させるが、帰投時の[[サラミス級|サラミス]]からの砲撃を受け戦死。
+
:年少兵。月軌道上で[[オッゴ]]第2小隊を率いて出撃、敵[[ボール]]部隊をほぼ独力で壊滅させ1機を投降させるが、帰投時に[[サラミス級|サラミス]]からの砲撃を受け戦死。
  
 
== 運用兵器 ==
 
== 運用兵器 ==
68行目: 75行目:
 
;[[ゲム・カモフ]]
 
;[[ゲム・カモフ]]
 
:[[ジム]]に誤認させる事を目的とした欺瞞任務用MS。その性質上、敵は元より事情を知らない友軍からも攻撃を受けるという問題点を残した。
 
:[[ジム]]に誤認させる事を目的とした欺瞞任務用MS。その性質上、敵は元より事情を知らない友軍からも攻撃を受けるという問題点を残した。
 +
;ゲファンナー・ゲム([[ジム]])
 +
:ゲム・カモフの僚機として運用されたジムの鹵獲機。
 
;[[バロール]]
 
;[[バロール]]
 
:603技術試験部隊で使用されているOP-02cの上位機種。高速機動運用が可能だが、有効な運用法を確立出来ず、試作機のみの製造となった。
 
:603技術試験部隊で使用されているOP-02cの上位機種。高速機動運用が可能だが、有効な運用法を確立出来ず、試作機のみの製造となった。
76行目: 85行目:
  
 
== 関連組織 ==
 
== 関連組織 ==
 +
;第604技術試験隊
 +
:ヨーツンヘイムの同型艦ムスペルヘイムを母艦とする同様の技術試験隊。艦長はプロホノウ艦長の旧友であるルデル。ゼーゴッグの第1回目の評価試験開始直後に[[サラミス級]]に捕捉され、母艦が撃沈されている。
 
;[[ジオン軍]]
 
;[[ジオン軍]]
 
:
 
:
82行目: 93行目:
 
== リンク ==
 
== リンク ==
 
*[[部隊・チーム]]
 
*[[部隊・チーム]]
 +
 
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
 
<references/>
 
<references/>
 
<!-- 本文には<ref>内容</ref>のかたちで挿入してください。 -->
 
<!-- 本文には<ref>内容</ref>のかたちで挿入してください。 -->
 +
 
{{DEFAULTSORT:たい603きしゆつしけんふたい}}
 
{{DEFAULTSORT:たい603きしゆつしけんふたい}}
 +
[[Category:部隊・チーム]]
 
[[Category:機動戦士ガンダム MS IGLOO]]
 
[[Category:機動戦士ガンダム MS IGLOO]]
[[Category:部隊・チーム]]
 

2022年3月14日 (月) 20:14時点における最新版

第603技術試験部隊 (Technical test Unit No.603)編集

一年戦争の開戦にあたって、ジオン公国軍技術本部の直轄部隊として試作兵器の評価試験を担当する複数の技術試験部隊のうちの一つ。技術本部長アルベルト・シャハト少将からの委託を受け、試作兵器の評価試験を実施する。技術本部直轄という性質上、宇宙攻撃軍や突撃機動軍とは指揮系統が独立している。

これら技術試験部隊が実施した評価試験は何れも実戦を伴うものであり[1]、大きな危険を伴った。この事実から技術試験部隊をエリート部隊と考える向きもあるが、その実態は総帥府の送り込んだ管理官、技術情報科と技術試験科の派遣した技術士官やパイロット、更に民間船を改修した運用試験艦とその運用を任された軍属など混沌とした編成によって成り立っており、その様子をして「魔女の鍋」「シチューのようなもの」とも評されている。

オデッサ作戦以降はなし崩し的にヘルベルト・フォン・カスペン大佐麾下のカスペン戦闘大隊に組み込まれ、事実上の実戦部隊として扱われた。技術試験という本来の目的を果たす事が出来ないままア・バオア・クーのEフィールド防衛を担う事になったが、母艦となったヨーツンヘイム以下主要メンバーは戦場を離脱し、サイド3へと帰還。メンバーはその任を解かれ、部隊は解散した。

数々の試作兵器の評価試験を担ったが、その大半は戦力化を期待されていない物ばかりであり、国内の政治的配慮で名目上の試験を行ったり、戦力不足を補う目的で死蔵されていた試作機や急造兵器を実戦配備するなど、一年戦争で困窮したジオンの実情を暗に示した物も多い。

登場作品 編集

機動戦士ガンダム MS IGLOO
初登場作品。各エピソード毎に異なる試作兵器の評価試験を行い、それらを運用するテストパイロットの非業の死を目撃する事になる。第2シーズンとなる『黙示録0079』第1話では同様の任務を担った第604技術試験部隊の存在が語られている。
機動戦士ガンダム0083 REBELLION
マイ、モニク、ワシヤが戦後アクシズへと渡り、先遣艦隊に同行する形でデラーズ・フリートへの物資搬入任務を行っている。

構成員 編集

第603技術試験部隊はヨーツンヘイムを母艦とするが、両者は公国軍技術本部を直轄としつつも指揮系統は異なっている[2]

ヨーツンヘイムクルー 編集

マルティン・プロホノウ
ヨーツンヘイム艦長。艦の徴用と共に軍属となった中佐相当官。
エーリッヒ・クリューガー
ヨーツンヘイム副長。
ドメニコ・マルケス
操舵手。
ジーン・ザビエル
オペレーター。
ユルゲン・ヘプナー
甲板長。
キム・ハラミ
甲板士。
ゼン・ワーテルロー
砲術士。

603技術試験部隊 編集

モニク・キャデラック
管理官。ペーネミュンデ機関(総粹府)からの派遣。
オリヴァー・マイ
技術士官。技術試験科所属。
ヒデト・ワシヤ
テストパイロット。技術試験科所属。

試験担当官(テストパイロット) 編集

アレクサンドロ・ヘンメ
ヨーツンヘイム砲術長。ルウム戦役におけるヨルムンガンドの評価試験中に戦死。
デメジエール・ソンネン
元機動師団戦車兵。ヒルドルブの評価試験中に会敵したセモベンテ隊との戦闘で戦死。
ギュンダー・ローズマン
試作水中用ビーム兵器「エーギル」の射手を担当。水中用ザクに搭乗し、フィッシュアイと敵潜水艦を撃破するが、エーギルの暴発により戦死。
ジャン・リュック・デュバル
ツィマット社のテストパイロット。ヅダオデッサ作戦で撤退した友軍を救出する為、敵のジムを翻弄するべく意図的にヅダのエンジンを暴走させ戦死。
オッチナン・シェル
ヅダ3番機のテストパイロット。評価試験中に制止を無視して機体を加速させ、空中分解を起こした事で死亡。
ヴェルナー・ホルバイン
海兵隊員。モビルダイバーシステムゼーゴックの評価試験を行うが、試験を終えた直後に敵機の追撃を受け戦死。
エンマ・ライヒ(エンマ・ライチェ)
地球連邦から亡命した義勇兵。ゲム・カモフの評価試験中、投降したフリをして敵艦を撃沈するが、直後に乗機を敵機と誤認したムサイの砲撃を受け戦死。
リヒャルト・ヴィーゼ
技術大学教授。観測ポッドバロールの試験の為にヨーツンヘイムに乗艦。暗礁宙域で小破したバロールを再起動させるが、デブリからバロールを庇い死亡。
エルヴィン・キャデラック
年少兵。月軌道上でオッゴ第2小隊を率いて出撃、敵ボール部隊をほぼ独力で壊滅させ1機を投降させるが、帰投時にサラミスからの砲撃を受け戦死。

運用兵器 編集

ヨーツンヘイム
第603技術試験部隊の母艦兼試験支援艦。民間貨客船を徴発、改修して運用。後に迷彩塗装とブースターを追加装備する等の改装が行われた。
ヨルムンガンド
試作艦隊決戦砲。ルウム戦役で運用されるが、実情はモビルスーツ部隊を秘匿する為の隠れ蓑であった。
ヒルドルブ
試作モビルタンク。地上の戦況膠着を打破する目的で不採用だった機体を再評価の名目で投入。試験終了後は回収せず現地配備する事が言い渡されていた。
エーギル
水中ビーム砲。水中用ザクを射手として運用されたが、装備が大型であった事から実用性に難を残す。
ヅダ
ツィマット社試作モビルスーツ。EMS-04の後継機を謳ったプロパガンダの為のゴーストファイター。試験終了後、残余機はそのままヨーツンヘイムで運用された。
ゼーゴック
試作モビルダイバーシステム。ズゴックを中枢とした使い捨ての急造兵器。
ゲム・カモフ
ジムに誤認させる事を目的とした欺瞞任務用MS。その性質上、敵は元より事情を知らない友軍からも攻撃を受けるという問題点を残した。
ゲファンナー・ゲム(ジム
ゲム・カモフの僚機として運用されたジムの鹵獲機。
バロール
603技術試験部隊で使用されているOP-02cの上位機種。高速機動運用が可能だが、有効な運用法を確立出来ず、試作機のみの製造となった。
オッゴ
駆逐モビルポッド。機体の左右にドラムフレームを配した間に合わせの兵器。603に試験が言い渡された時点で既に正式採用されており、この時点で技術試験部隊の体裁を成していない状態であった。
ビグ・ラング
ビグロにAdユニットを接続した大型モビルアーマー。MSやモビルポッドの補給・応急修理を行う事が可能な機動前線橋頭保。第603技術試験部隊によって評価試験が行われた最後の機体。

関連組織編集

第604技術試験隊
ヨーツンヘイムの同型艦ムスペルヘイムを母艦とする同様の技術試験隊。艦長はプロホノウ艦長の旧友であるルデル。ゼーゴッグの第1回目の評価試験開始直後にサラミス級に捕捉され、母艦が撃沈されている。
ジオン軍
カスペン戦闘大隊

リンク編集

脚注編集

  1. これには運用試験と評価の効率化によって、それらのデータを反映した新兵器の開発期間を短縮する狙いがあったとされる。ただし、運用兵器を見るにこの「開発期間の短縮」に貢献したかについては疑問が残る。
  2. カスペン大隊編入後は更にカスペン大佐麾下の指揮系統も混在する事になる。