機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122(Mobile Suit Gundam F91 Formula Report 0122)
- 1991年7月6日スーパーファミコンで発売。
概要
『機動戦士ガンダムF90』と『機動戦士ガンダムF91』の間のストーリーで、宇宙世紀0122年が舞台。
『F91』公開から4か月後に発売され、ゲーム版『F91』と呼称される場合も多いが、本作は『F91』の1年前にあたる前日譚となっている。
この時点でシーブック・アノーなどと言ったキャラクターはまだ登場しないが、同作に『F91』の黒幕であるカロッゾ・ロナが登場している。
なお、同作のCMナレーションにはシャア・アズナブル役の池田秀一氏が務めた。
ガンダムの正史としての位置付けは非映像作品=非公式の部類に当たるが、映像作品の『F91』へと直接繋がる物語であり、「SDガンダム GGENERATION」シリーズにもRFシリーズやグランザムといったMSは登場するため準公式的な扱いとも言える。ただしベルフ・スクレット等のパイロットは登場しないという中途半端な扱いにもなっており、厳密な立ち位置は不明瞭である。
ゲームシステム
本作ではフィールド上の機体を交互に操作してユニットを移動させるシミュレーションゲーム部分と、それらのユニットが接触した際に発生するアクションゲーム部分で構成されている。
シミュレーションゲーム部分で戦場を移動し、アクションゲーム部分で敵を撃墜することを繰り返してフィールド上から敵ユニットを全滅させることで進行する。
プレイヤーの機体には耐久値と燃料が設定されており、どちらかが0になることで「撃墜」または「燃料切れ」となってゲームオーバーになってしまう。また、フィールドには母艦や味方機も配置されており、これらの撃破・全滅でもゲームオーバーになるため、プレイヤーは味方の動向にも注意しなければならない。
アクションゲーム部分では敵をレーダーを頼りに発見し、視界(ゲーム内ではVゾーンと呼称されている)に捉えて攻撃を行う。
敵を複数巻き込んで攻撃することも可能で、その場合は1回のエネルギーで行えるため無駄が少なくなるが、敵をVゾーンに捉えている間は敵も攻撃を行ってくるためダメージを受けるリスクを負うことにもなる。
また、敵との距離によって有効な武装がそれぞれ設定されており、非適正の武器では命中率が下がってしまう。そのためプレイヤーは距離や武装によって攻撃の有無や武装の変更など瞬時の判断が求められる。
プレイヤーが忙しく操作しているあいだは画面はあまり動かず、プレイヤーが操作できないあいだは書き込まれたドット絵のリアルな機体が目まぐるしく動き回る「静と動」の対比が非常に秀逸で、シンプルながらも非常に奥深い作りになっている。特に、ゲームに習熟していくことで一度に数体の敵を撃破するなどの高難易度のスーパープレイも可能になっていくことから根強いファンのいる「知る人ぞ知る」名作。
当時としてはデフォルメされた、いわゆる「SDガンダム」が主流であったが、リアル頭身の機体がスピード感ある描写で戦うというのは珍しい部類に入る。
ストーリー
登場人物
地球連邦軍
- ベルフ・スクレット
- 主人公。F90とF91のパイロットを務める。
- アンナフェル・マーモセット
- ヒロイン。ベルフとは恋仲だが、大気圏突入前の戦闘で行方不明になる。ゲーム中では「アンナフィル」と表記されている。
- アルベルト・エア
- ベルフの兄貴分。ジェガンのパイロットを務める。
- エリナ・ビアック
- 男らしい体格と性格の女パイロット。ジェガンのパイロットを務める。
- ワイブル・ガードナー
- エイブラムの艦長。
- アリーナ・ベズロー
- エイブラムのオペレーター。
- ブラウン・ウッダー
- エイブラムのチーフメカニック。
- ワイルダー・カッツ
- オールズモビル討伐部隊本隊に所属するパイロット。地球降下後、ベルフ達と共に行動する。F90の正規パイロットになるはずだったが、ベルフにその座を奪われたため、当初は彼に対し敵意を向けていたが、戦いの中で次第にその腕前を認めていくようになる。
- レイラ・ビアス
- ガーウィッシュの女艦長。
- テルスト
- オールズモビル討伐部隊本隊の仕官。ベルフをF90の正規パイロットに任命する。
オールズモビル
- シャルル・ロウチェスター
- オールズモビルの中核であるシャルル艦隊の指揮官。
- ケザン
- ACT.1でエイブラムに攻撃を仕掛けたモビルスーツ部隊指揮官。
クロスボーン・バンガード
- 鉄仮面
- 『機動戦士ガンダムF91』に登場する鉄仮面その人。ACT.10のイベントにのみ登場。
- シャトレイ
- オールズモビルのスポンサーである仕官。ACT.12で登場。月の軍事要塞で指揮を取る。
- デハーヨ
- 大佐。ACT.11で登場。マスドライバーを占拠し、連邦軍艦隊への攻撃を目論む。
登場メカ
地球連邦軍
モビルスーツ
- ガンダムF90[1]
- ガンダムF90A
- ガンダムF90D
- ガンダムF90P(イベントのみ)
- ガンダムF90V
- ガンダムF90H(容量不足の為未実装。ガンダムマガジン版では1コマのみ登場)
- ガンダムF90M(容量不足の為未実装)
- ガンダムF91
- ジェガン
- ヘビーガン
- Gキャノン
艦船
オールズモビル
モビルスーツ・モビルアーマー
クロスボーン・バンガード
モビルスーツ
シナリオ一覧
話数 | サブタイトル | 備考 |
---|---|---|
ACT.1 | 始動 F90 | |
ACT.2 | ラグランジュ・ポイント | |
ACT.3 | ケルンコロニー | |
ACT.4 | 重力の底へ | |
ACT.5 | 砂漠の嵐 | |
ACT.6 | 太平洋防衛戦 | F90V追加 |
ACT.7 | 雪山の中 | |
ACT.8 | 宇宙へ… | |
ACT.9 | シャルル艦隊 壊滅 | F91追加 |
ACT.10 | クロスボーン・バンガード | |
ACT.11 | 嵐の始まり | |
ACT.12 | 永遠の闇の中で |
用語
- 第二次オールズモビル戦役
- 『F90』から2年後の宇宙世紀122年に起こった、地球圏における地球連邦軍とオールズモビルの戦い。背後ではクロスボーン・バンガードが暗躍していた。
- 第13反地球連邦組織討伐部隊
- 地球連邦軍のオールズモビル討伐部隊の内、エイブラムを旗艦とする部隊。ゲーム序盤では討伐部隊本隊へのF90の輸送を任務としていたが、合流後はそれまでの戦績を買われ、F90と共にオールズモビル討伐の主力部隊となる。
- リファインシリーズ
- 第二次オールズモビル戦役におけるオールズモビルの主力機。オールズモビルのスポンサーであるクロスボーン・バンガード事ブッホ・コンツェルンが開発・製造に関わっている。旧公国軍のモビルスーツを模した外見を持つが、内部構造や武装などはブッホ・コンツェルンのデナン系などの技術を応用した完全新規設計であり、最弱ランクのRFザクの時点でギラ・ドーガを上回る性能を持つ。既述した様に第二次オールズモビル戦役で運用された機体だが、『GGENERATION』等ゲーム作品を主とした他メディアでは『F90』で描かれた第一次オールズモビル戦役で火星独立ジオン軍が運用していた機体もRFシリーズとされることが多い[2]。
- イルルヤンカシュ宇宙要塞
- 月軌道上に建設されたクロスボーン・バンガードの軍事要塞。ガンダムマガジン版の最終話に登場。F91に敗れたシャルルが逃げ込もうとするが、ヴェスバーの一撃で専用ゲルググもろとも破壊された。後に漫画『機動戦士ガンダム クライマックスU.C. 紡がれし血統』に登場し、上記の名称が設定された。
脚注
商品情報