ストライクルージュ

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ストライクルージュ
外国語表記 Strike Rouge
登場作品
デザイン 大河原邦男
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スペック
分類 汎用試作型モビルスーツ
生産形態 コピー機 / ワンオフ機
型式番号
  • MBF-02
  • MBF-02+AQM/E-X01 (エール装備時)
全高 17.72m
重量 64.8t
動力 バッテリー
装甲材質 フェイズシフト装甲
開発組織 モルゲンレーテ社
開発拠点 アメノミハシラクサナギ
所属組織 オーブ軍
所属部隊 三隻同盟 (SEED)
母艦 クサナギ (SEED) → アークエンジェル (DESTINY)
パイロット
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概要編集

オーブ連合首長国モルゲンレーテ社が開発したモビルスーツイージスとの戦闘で中破した地球連合軍ストライクを回収・修復した際に製造した予備パーツ[1]を使い作り上げたデッドコピーである。ストライクのコピー機ではあるが、型式番号はオーブ所属機であることを示す「MBF-02」が割り振られている。

オリジナルのストライクとの大きな違いは、長時間運用を可能にするための「パワーエクステンダー(バッテリーパック強化システム)」の搭載である。これを使用した事で、フェイズシフト装甲の起動色が赤系へシフトした。「ルージュ(フランス語で赤)」という名称は、この独特のPS装甲起動色に由来している。パワーエクステンダーはストライクルージュと同時に開発が進められていたストライカーパック「オオトリ」の実用に耐えられるパワーソースの確保が必須とされた事から開発されたものであり、PMP社が開発に頓挫していた新型パワーソースのデータをモルゲンレーテ社が入手し、独自技術を投入して開発を継続した上で実用化に成功した。また、制御系にはキラ・ヤマトの調整したOSをベースにオーブが独自開発した操縦支援AIシステムが追加され、ナチュラルでの操縦も容易なものとなった。

実機はオーブ本国では建造されず、地球連合軍によるオーブ解放作戦時にパーツ状態でクサナギに搭載され、宇宙へと打ち上げられた後、一ヶ月をかけて組み立てが行われた。本機が装備するストライカーパックは、パイロットがカガリ・ユラ・アスハとなった時点で彼女の意向も反映しつつ士気高揚を目的にI.W.S.P.の採用が決定されたが、複雑な兵装システムをカガリが使いこなせないという問題が発生し、装備をエールストライカーへ変更し、同時にカガリに合わせた調整が行われた。なお、ストライカーパックの変更や機体の調整に時間がかかり、実戦投入は第1次連合・プラント大戦の終盤、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦となった。

戦後は再びI.W.S.P.を装備し、式典などに参加するが、第2次連合・プラント大戦が勃発した際にはオーブを離脱したアークエンジェルと共に戦場にその姿を現している。

登場作品と操縦者編集

機動戦士ガンダムSEED
初出作品。PHASE-46(リマスター版第44話)からカガリ・ユラ・アスハの搭乗機として登場する。オーブ解放作戦時にはパーツ自体は完成しており、クサナギが宇宙へ脱出する際に運び出され、組み立てに約1ヶ月を要した。
第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦で本機に搭乗して出撃し、ルーキーであるにもかかわらず高い戦果を挙げる。
最終局面ではジャスティスを自爆させるべくジェネシス動力部へ突入したアスラン・ザラを救出し、戦闘後宇宙を漂流していたキラ・ヤマトを回収した。
機動戦士ガンダムSEED ASTRAY B
本機は当初、「強そうだから」と言うカガリの希望でI.W.S.P.が装備される予定だったが、エースパイロットですら扱うのが難しい本装備をルーキーの彼女が扱えるはずもなく、数回に亘る実装テストの後、結局はエールストライカーでの運用が決まった。その為、エールストライカーのパーツ入手の必要が生じ、実戦投入が予定よりも遅れてしまった事が語られた。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
引き続きカガリ専用機として登場。左肩には彼女のパーソナルマークが施されている。
C.E.73においては、PS装甲以外の優位性はほとんど無く、その性能はザクウォーリアにも劣るとされている。OPではI.W.S.P.を装備した姿で登場しているが、劇中では滞空時間が向上した改良型エールストライカーを装備していた。基本的に戦うことはなく、オーブ軍の説得やデストロイの攻撃から一般市民を護るべく出撃した。
第39話ではエターナル救援のためにキラ・ヤマトが本機に搭乗。その際に機体の設定値を全てストライクと同じに調整した為、トリコロールカラーに変化している。この調整によって運動性能は向上したが、装甲の強度は低下している。
その後、大気圏離脱の際に専用ブースターユニット『ストライクブースター』を装備して宇宙へ打ち上げられた[2]。大気圏を離脱した後、すぐさま戦闘に介入。ザクウォーリアやグフイグナイテッドを数機退けるなど善戦したが、数、性能共に上回る敵軍に劣勢を強いられ、最後は四肢を破壊されつつもストライクフリーダムを受け取る為にエターナルに強制着艦し、収容された。
HDリマスター版ではI.W.S.P.を発展させたオオトリと呼ばれる新型の複合兵装ストライカーパックを装備しており、登場シーンの殆どが新規作画になっている。
機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
キャバリアーアイフリッドを装備した状態で登場。キャバリアーを介した共時性パリティ通信を使い地球のオーブ近海から月の裏側で戦闘を行うインフィニットジャスティスガンダム弐式をタイムラグ無しで遠隔操作し、アスランの勝利に貢献した。

装備・機能編集

特殊機能編集

フェイズシフト装甲
一定の電圧を持つ電流を流す事で相転移する特殊金属で構成された装甲。相転移した装甲は一定のエネルギー消費と引き換えに物理的な衝撃を無効化でき、単独での大気圏突入も可能。
この金属は相転移に伴って装甲面の分子配列が変化する性質があるため、パーツごとに色彩も変化する。非展開時のカラーリングは概ねメタリックグレーで、その状態は「ディアクティブモード」と呼ばれる。
本機の物はパワーエクステンダーの影響で起動色が赤系にシフトしており、それが「ルージュ」の機体名の由来となり、後のヴァリアブルフェイズシフト装甲の雛形となった。
ストライカーパックシステム
背部コネクターを介してストライク用に開発された各種ストライカーパックを換装可能。ストライカー自体をメインのパワーパックとした事で、他の機体と比べて戦闘中のバッテリー補給が容易になるというメリットも存在した。
当初はカガリの意向もありI.W.S.P.の装備が決定されていたが、実戦にはエールストライカーを装備して投入された。
パワーエクステンダー
ストライクの最大の欠点である運用時間の制約を解決し、機体の長時間運用を可能にする目的で搭載された高出力パワーパック。
PMP社が開発に頓挫していた新型パワーソースのデータを入手したモルゲンレーテ社が独自の技術を投入して開発に成功したものである。
なお、フィギュア「METAL BUILD [ストライクルージュ グランドスラム装備型]」の商品紹介ページなどの解説文には「ストライクルージュにおけるパワーエクステンダー採用により、PS装甲アクティブ時の有効域がストライカーパックまで拡張」と、ストライカーパック側のバッテリー稼働時間も延長されているとする記述が見られる[3]
戦闘支援AI
キラ・ヤマトの調整したOSをベースとした人工知能によるパイロット支援システム。この技術にはジャンク屋組合が所有していた疑似人格コンピュータのデータが使用されている。これによってM1アストレイと同様にナチュラルによる操縦が可能になった。

武装・必殺攻撃編集

ストライクルージュ本体側編集

75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」
ストライクにも搭載されていた対空機銃。車両や航空機といったソフトスキンへの対応や牽制、ミサイルなどの迎撃などが主な使用法であった。なお、弾倉は頭部ではなく胸部に収められている。
コンバットナイフ「アーマーシュナイダー」
使用時には刀身を振動させる事で、極めて高い切断能力を発揮する。リーチが極めて短いが、投擲や肉薄攻撃などにも対応するため、即応性の高い兵装と言える。
57mm高エネルギービームライフル
ストライクと同型の主兵装。本機唯一の射撃兵器として多用された他、M1アストレイの71式ビームライフルの開発にも影響を与えたと考えられている。
対ビームシールド
M1アストレイと同タイプのシールド。表面に対ビームコーティングが施されている他、特殊な複合材を使用しているため、実体弾/ビーム兵器双方に高い防御力を発揮する。
バズーカ
携行式の実弾兵器で、デュエル用とは異なるタイプ。後部にカートリッジを4つ装填できる。劇中では使用されていないが、ゲームでは装備している場合がある。

エールストライカー側編集

ビームサーベル
エールストライカー装備された近接兵器。ストライクルージュではあまり使用される機会はなかったが、これはカガリが後方で活動する事が多かったためである。また、原型機に搭乗したキラとの操縦技術の差も、使用頻度が少なかった事の理由として挙げられる。

対決・名場面編集

天空のキラ
『SEED DESTINY』第39話より。かつての愛機であるストライクと同じ仕様にセッティングして孤立無援状態のエターナルの元に駆けつけるキラ。数機のザクウォーリア、グフイグナイテッドを戦闘不能に追い込むが、次第に性能差と数の差に押されて損傷し、最終的にはコックピットと頭部を残して大破してしまったが、ストライクフリーダムへの繋ぎの役目を果たした。

関連機体編集

ストライクルージュI.W.S.P.
統合兵装ストライカーパックを装備した形態。カガリの技量不足ゆえ実戦投入はされなかったが、式典参加時などには力強さを演出するために装備していたとされ、DESTINY本編でもアイキャッチやオープニングで登場している。
ストライクルージュ オオトリ装備
『DESTINY』HDリマスター版で新たに登場した形態。I.W.S.P.をベースとしているが、信頼性や整備性などが改善されており、カガリも問題なく扱えている。
ストライクガンダム
本機のコピー元となった機体。
ガンダムアストレイ ゴールドフレーム天 (完全体)
型式番号順で本機の前に来るはずだった機体。設計変更に伴い、ベースとなるゴールドフレームの方の型番が用いられた。
ガンダムアストレイ ターンレッド
レッドフレームに対抗して開発された機体。レッドフレームの型番から「P」を差し引いた結果「MBF-02VV」となり、偶然にも本機と型番が重複する形となった。
ガンダムパーフェクトストライクフリーダムルージュ
ストライクフリーダムガンダムをベースにパーフェクトストライクガンダムの要素を加えてカスタマイズしたガンプラ。本機を意識したカラーリングが施されている。

余談編集

  • 番組に登場させるにあたり、当初はフレイ・アルスターがパイロット候補として挙げられていたが没となり、本編ではカガリが搭乗することとなった。機体色が赤なのはフレイ機となる予定だった名残である。
  • 本機は単にオリジナルのストライクの色違いという訳ではなく、カメラアイの色や額の刻印に差異がある。ただ、作中ではバンクはそのままに色変えで済ませている場面や差異が反映されていない場面が見られる。
    • 本機のカメラアイは緑色になっている点が挙げられるが、フェイズシフトダウン中はオリジナルと同様、黄色になっている場面がある。
    • 額の刻印されている文字は本機の場合「STRIKE ROUGE」、オリジナルのストライクの場合「X-105 CINQUE」となっているが、彫られている文字がシーンによって大きく異なっている。
      第4クールOP「Realize」の映像および第46話(リマスター版第44話)で初登場した際には本来の「STRIKE ROUGE」、第48話(リマスター版第46話)の出撃シーンではオリジナルと同じ「X-105 CINQUE」となっている[4]。さらにDESTINYリマスター版でオオトリ装備を装着した新規作画カットでは「MBF-02 ROUGE」となっている。
  • エールストライカーを装備した状態でも呼称が「ストライクルージュ」のままであるためか、各媒体においても型式番号が「MBF-02」のままである事が殆どである。一応、「MS大全集」などで「エールストライクルージュ」と記載されたり、ガンプラ「HGCE ストライクルージュ」では型式番号が「MBF-02+AQM/E-X01」と記載されるなど、年々、ストライカー装備に見合った表記が用いられるケースも増えている。

商品情報編集

ガンプラ編集

フィギュア 編集

リンク編集

脚注編集

  1. PS装甲は無重力、もしくはそれに準じた微小重力下でしか精製出来ないため、回収されたストライクはアメノミハシラで修復を受けた後、ヘリオポリス崩壊時に持ち出されていた予備パーツと共に地上へ降ろされた。
  2. 小説版ではシャトル用のブースターを急遽、ストライク用に調整したとされている
  3. METAL BUILD ストライクルージュ グランドスラム装備型
  4. オリジナルのストライクの出撃シーンを色の変更のみで流用しているためである。