ジオン公国(The Principality of Zeon)
ジオン・ズム・ダイクンが中心となってサイド3に建国したジオン共和国を、ダイクンの死後デギン・ソド・ザビが反対派を一掃した上で独裁政治体制を敷き、宇宙世紀0069年に「ジオン公国」として名称変更した国家。
国号の変更後、デギンは国民の統治を目的に君主制を採用し、自らを「公王」として権力の頂点に君臨するが、その後デギンの長男ギレンが権力を掌握。ダイクンの提唱したニュータイプ思想を曲解させた選民思想[1]を用いて強硬な反連邦姿勢を醸成させ、独裁政治体制を強化。軍事力による連邦体制からの独立を第一義とする国策を構築していった。
共和国時代から続く重工業の推進政策、太陽光発電と月面都市への売電により連邦政府による経済制裁下であっても国家経済を成立させ、それを背景にジオニック社やツィマット社によるモビルスーツの開発を促した。また、軍事基地として利用可能な資源衛星の確保やアステロイドベルトへの投資、月の一部地域の制圧など領土拡大の為の政策を開始。これによって軍備を整えたジオン公国は、宇宙世紀0079年に一年戦争と呼ばれる地球連邦政府との戦争を開始した。当初はミノフスキー粒子やモビルスーツを用いた新戦術によって地球連邦軍を圧倒したが、ア・バオア・クー攻防戦までに支配者ザビ家の大半が戦死した為、連邦に降伏。この際、デギンの密命によってグラナダに赴き連邦軍と終戦協定を行ったダルシア・バハロによって、再び共和制に移行した。
国家は議会政治によって運営されており、そのトップに首相が存在する。選挙で議員を決める形式は保たれているものの、議会はザビ家の影響が強く、その権限は小さかった[2]。国民に対するシビリアンコントロールが徹底されており、反対派・少数派の不満を調整し誘導する事でザビ家への支持を保っていた[3]。
スペースコロニー国家という性質から歴史的背景が薄い為、架空の正当性とも言うべき国家背景を欲した結果、ジオニズム文化運動によって独自の文化形態を構築。これらの意匠は、後のジオン後継組織にも受け継がれている。
登場作品
- 機動戦士ガンダム
- 初出作品。地球連邦の敵対組織として登場。『トミノメモ』では本土であるサイド3まで連邦軍が進行するシナリオが予定されていたが、ア・バオア・クーでの戦闘でザビ家が壊滅した為、結果的に戦場になる事は無かった。