BUNNyS(ヴァニス)編集

ティターンズの「OVER THE MIND計画[1]」によって開発された強化人間人格対応の特殊OS。三号7式OS、強化人間人格OSとも呼称される。ガンダムTR-6の掲げる「最強の兵器=ガンダム」を成立させ、外敵から地球を守護するティターンズの抑止力を根底から支える概念であり、アナハイム系ガンダムやエース級のワンオフ機との大きな違いでもある。

その特徴は「計算」ではなく人を遥かに凌駕する速度で「思考」し、状況に柔軟に対応する事にある。OS間では情報の共有が行われており、並列化されたOSは学習機能を有し、経験を積み、成長、そして進化する[2]。この強力なOSの能力に応じたハード的な受け皿が、機体に備わった装備の組み換えによる拡張機能である。OSによる万能化換装システムの制御、更には量産機として機体及び強化パーツを組織的に運用する体制も含まれている。

サイコミュの操作や攻撃も司っており、非ニュータイプパイロットでもニュータイプ専用機やファンネル等の運用が可能となる準サイコミュシステムの一種に数えられる。また、強化人間やニュータイプが搭乗した際にはより強大な力が引き出せると言われており、OSに備わったエースパイロットの疑似人格に強化人間の体を与え[3]、疑似ロールプレイをさせる事で歴戦のエースパイロットを量産する事が可能。

こうした特殊OSの開発は、一年戦争から繰り返し試みられており、ガンダムに採用された教育型コンピュータや、ALICEなどが、自己学習型のOSとして知らされている。更にEXAMに始まるNTとの戦闘・抹殺を意図したシステム、後年にサナリィで研究される疑似人格コンピューターなど、人格を模したOS開発の事例は多い。しかし、TR計画機に搭載されたBUNNySほど、大規模かつ難易度の高い換装機構の全てを統括・制御するOSは前後に例はない。

OS開発を目的とした「OVER THE MIND計画」では、人体実験による幾人もの犠牲者が生じたとされ、その並列思考能力の高さはシステムに彼らの「心」が憑依している故とも言われているが、真偽の程は定かではない。

登場作品 編集

OVER THE MIND
初出作品。OVER THE MIND計画の被検体となった強化人間の少年の人格がOSに吸収され、ガンダムとなるまでの顛末が描かれている。
ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに
エリアルド・ハンターが搭乗したガンダムTR-6[ハイゼンスレイII]サラミス改級一隻とネモ六機を一瞬で撃破する描写が存在し、それに対する理由付けとして設定画に記載がある。ただし、この時点ではまだサンライズ公式設定ではないとの一文が加えられている。
A.O.Ζ Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-
『ティターンズの旗のもとに』の記述から設定が拡大され、機種統合計画等との紐付けが行われたOSとして改めて設定が公開、公式化された。また、「OSに備わった疑似人格を強化人間に与える」、「OS自体に人の意志があるかのように自動で状況に対処する」、「異なる勢力の機体の装備を容易に装備可能にする」といった描写も成されている。

関連技術 編集

教育型コンピュータ
戦闘からMSの動作を学習し、自ら動作プログラムの最適化を行うコンピュータ。
ALICE
AI搭載型の教育型コンピュータ。MSの無人化プロジェクトの過程で開発された物であり、感情といった論理では説明出来ない脳の働きを学習し、戦闘の状況を自律的に判断する。
EXAMシステム
ニュータイプ殲滅用に開発されたMS用OS。通常稼働時はパイロットの操縦動作を最適化し、ニュータイプの戦闘動作を擬似的に再現する。ただしニュータイプの脳波を検知した場合、パイロットの制御を離れた完全稼働状態(所謂暴走状態)に入り、ニュータイプの殲滅のみを目的とした恐るべきシステムへと変貌する。
n i t r o
EXAMと同様、対ニュータイプを目的に開発されたサイコミュシステム。パイロットの脳内を書き換える事により強化人間化を行う。
ガンダム・エアリアル / ガンダム・エアリアル (改修型)
水星の魔女』の登場兵器。機体本体にとある人間の生体コードが登録され人機一体の状態になっている上、遠隔操作兵器が使用可能など、本技術と類似点が見られる。

資料リンク 編集

A.O.Z Re-boot Vol.49 換装機構/ARZ-124QN [クィンリィ]

リンク編集

脚注編集

  1. 3号計画とも呼ばれている。
  2. これは強大な敵に敗れても、そこから収集した対抗策を講じる事で、次にその驚異に打ち勝つ事を意味している。
  3. ニュータイプが他人の魂を体に宿すメカニズムを再現した物とされている。