ロック
登場作品 MSV90
デザイナー 友杉達也
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スペック
分類 分離型水中用モビルアーマー (水中用モビルアーマー+水中用モビルスーツ)
型式番号
  • MAM-11 (ロック)
    • MAM-11/A (フォロック)
    • MAM-11/B (バロック)
全長 35.6m
全備重量 203.2t
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力
  • 2,560kw(フォロック側)
  • 2,735kw(バロック側)
最高水中速度 124km/h
機体構成 フォロック+バロック
開発組織 ジオン軍
所属 ジオン軍
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概要 編集

ジオン軍の極秘裏に開発した40m級の潜水艦型水中用モビルアーマー。時速67キロノット(124km/h)の快速を誇り、多数のミサイルで武装している。

加えて、ロックの前部は「フォロック」と呼ばれるズゴックモビルスーツに変形可能で、上陸作戦を行うことができた。この時、後部ユニットは「バロック」と呼ばれる小型MA(モビルポッド)に変形し、メガ粒子砲とフォノンメーザー砲、およびミサイルによる火力支援を遂行することでフォロックの戦闘をサポートすることが想定されていた。

合体した状態ではミサイルと魚雷を除くほとんどの兵装を使用できなくなるが、ドクトリン上はあくまで合体状態はフォロックを戦場に投入するための形態であり、問題はないとされている。しかし、全くMAとして使用できなかった訳ではなく、合体形態のまま対艦戦闘を行ったという証言も残されている。

試作1号機は宇宙世紀0079年12月7日(異説11月19日)にアレキサンドリア基地でロールアウトし、以後ジオン軍が敗色濃厚であったこともあり本機の実戦参加については信頼できる記録はない。ジオン公国のプロパガンダ映像では「本機の参戦によって七つの海はジオンのものだ」と公言されており、同機には強い期待が寄せられていたことがうかがえるが、それらはCGによる合成であることはほぼ明白であり、確実な写真と呼べるものは存在していなかった。しかし、宇宙世紀0149年に一年戦争のフォトグラファーであったグエン・イム・コーの遺族が発見した未発表写真の中に実機を収めた写真が存在しており、またサイド3の旧ティターンズ亡命者人権団体によって当時ティターンズが実機の評価試験を行っていたことが明らかにされている。

フォロック 編集

ロックの前部が分離した、ズゴックEの発展型に相当する統合整備計画規格の水陸両用MS。腕部のフレキシブル・ベロウズ・リムなどにハイゴッグやズゴックEとの共通性が見られ、パーツ共有を想定していたことがうかがえる。

ジェネレーターもズゴックE用の2,560kw水冷式ジェネレーターを装備し、複数のビーム兵器を運用可能。高い陸戦能力を有し、陸上でのホバー走行も可能だが、その高性能の代償に稼働時間は短い。しかし、搭載火器を撃ち尽くした場合バロックと合体して離脱することが想定されていたため、強襲型水陸両用MSに分類する見方もある。

なお、本機については複数のプランが存在し、実体弾兵器主体の完全な砲撃型、ザク・スピードグフ・フライトタイプを踏襲した飛行型などが想定されていたともされる。

バロック 編集

ロックの後部を構成する水中専用のモビルポッド。水中からフォロックの火力支援を行うことが主任務であるが、水中戦闘にも対応可能な火力と機動性を備える。ハイゴッグの出力2,735kwのジェネレーターを採用しており、モビルポッドとしては破格のパワーを有する。

登場作品と操縦者 編集

MSV90
出典元。漫画誌「コミックボンボン」の1990年4月号と6月号の2回に分けて解説が行われた。
機動戦士ガンダム大全集 PartII
NT専用プロトタイプガンダムドグザムと共に画稿が掲載されている。
月刊モビルマシーン
VOLUME34~35で解説。前者でRFロックと共に解説が行われ、『MSV90』に掲載された「七つの海は~」の件もジオンによるプロパガンダ映像として解説された後、実機を撮影した写真が発見されたという体裁で本格的に本機の解説が行われた。

装備・機能 編集

特殊機能 編集

分離
合体形態であるロックからフォロックとバロックへと分離が可能。ドクトリン上は合体形態はフォロックを戦場に投入するためのものであり、迅速にフォロックを出撃させた後は、バロックが水中から火力支援を行うことが想定されていた。

武装・必殺攻撃 編集

フォロック側 編集

垂直発射式ミサイルランチャー
搭載箇所不明。垂直発射式の10連装ミサイルランチャー。
魚雷発射管
肩部推進装置に搭載。ズゴックと同等の240mmロケットランチャー、もしくは魚雷を3門ずつ搭載可能。
ビーム・カノン
腕部に格納されたエネルギーCAP式ビーム砲。
バイス・クロー
フレキシブル・ベロウズ・リムで機体本体と接続されたクロー・アーム。
偏向メガ粒子砲
胸部に搭載されたメガ粒子砲。

バロック側 編集

メーザー・アーム
機体右側のフレキシブルアームに搭載された、超音波を増幅発信する水中発射も可能なビーム砲。ゾックのフォノン・メーザー砲を発展させたもので、メーザーの効果範囲を絞って近接武器として用いる「メーザークロー」としても用いられる。宇宙世紀0080年6月19日にモガディシュ沖で行われた戦闘では、メーザークローによってパイロットのみを焼き殺されたと思われるアクアジムが2機発見されている。
偏向メガ粒子砲
機体左側のフレキシブルアームに搭載されたメガ粒子砲。水中からアームを伸ばして地上を砲撃するという単純ながら効果的な目的のために用いられた。

関連機体 編集

RFロック
RFシリーズとしてリファインされた機体。RFバロックがRFズゴックと合体する形で構成される。
バロック
機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』に登場する本機の後部モビルアーマーユニットと同名の別機体。

余談 編集

  • デザイナーの友杉氏によると、本機のデザインは「イギリスの某UFO侵略特撮に出て来る潜水艦にインスパイアされました」との事。正体についても仄めかしており、それらの点から特撮番組「謎の円盤UFO」に登場する万能潜水艦スカイダイバーであると思われる。

商品情報 編集

書籍  編集

リンク 編集