ディープストライカー
| ディープストライカー | |
|---|---|
| 外国語表記 | "S" GUNDAM DEEP STRIKER |
| 別表記 | Sガンダム・ブースター装備型303E案 |
| 登場作品 | ガンダム・センチネル |
| デザイナー | かときはじめ (現カトキハジメ) |
| スペック | |
|---|---|
| 分類 | 試作型可変モビルスーツ |
| 生産形態 | 換装形態 (ペーパープラン) |
| 型式番号 | MSA-0011 Bst "PLAN 303E" |
| 主動力 | 熱核融合炉 |
| 装甲材質 | ガンダリウムγコンポジット |
| 素体 | Sガンダム |
| 設計 | アナハイム・エレクトロニクス社 |
| 乗員人数 | 2名 (パイロット1名＋RIO 1名) |
概要 編集
アナハイム・エレクトロニクス社が地球連邦軍に提出したSガンダムの強化プランの一つ。Sガンダムは機体各部の徹底的なユニット化と、それらのムーバブルフレームの結合化を行うシステムと構造を特徴とし、これらを活かすことで数多くのバリエーションが計画されており、それらは3桁の数字で分類され、プランナンバー100番台がノーマルタイプ、200番台がExt、そして300番台がBstをそれぞれベースとし、400番台がいずれにも属さないタイプとなっていた。ディープストライカーはBstをベースとしたプラン303Eに属し、「侵攻、基地艦隊攻撃」、つまり爆発的な加速力で敵陣に進攻し、主砲による一点突破を図ることを開発コンセプトとしている。
303E案の設計要求は「アーガマ級、アイリッシュ級の主砲と同等のメガ粒子砲を1門」、「ビーム・スマートガン1門及び可能ならビーム・カノンを1～2門」、「通常Bst型の速度増分の20％減以内」、「平均加速度は30％減以内」、「搭乗員はパイロット1名、RIO（レーダー士官）1名」、「2.1MWのジェネレーターの搭載」、「ビーム・バリア・ジェネレーター（Iフィールド）の搭載」、「超長距離ディスク・レーダーの搭載」というものである。
この仕様要求を満たすための装備が、戦艦の主砲として搭載されているのと同タイプのメガ粒子砲であり、それらの運用を補助するためのサブ・ジェネレーター、計10基ものメイン・ノズル、そしてEWAC機に匹敵する索敵能力を付与するマルチ・センサーユニットなどであった。これらの装備は機体の重量を大幅に増大させ、それに対応するために増加プロペラント・タンクやコンフォーマル・ブースター・ユニットが設計された。一方、ミサイル、グレネードの類も装備することは可能だが、こういった機体には必要のないものであるとされる。
こうして設計されたディープストライカーであったが、様々な機器を搭載した機体はモビルスーツという形状を逸脱し、モビルアーマーと言っても過言ではない形状となった。更に、仕様要求を満たすための装備は「天文学的」とも呼ばれる開発コストの高騰を招き、実機が建造されることなくペーパー・プランにとどまるだけとなった。
登場作品と操縦者編集
- ガンダム・センチネル
- 出典元。作中には登場せず、模型誌「モデルグラフィックス」1988年12月号誌上で設定画および機体設定が掲載された。イラストのあまりの大きさから解説ページは折込を用いたものとなっており、「何者なんだおまえは！？」の煽り文も有名。
装備・機能編集
特殊機能編集
- ALICE（アリス）
- MSの完全自動化を目指して造られたコンピューターシステム。正式名称は「Advanced Logistic ＆ Inconsequence Cognizing Equipment（発展型論理・非論理認識装置）」。
Gコアに搭載された学習型コンピューターとA、Bパーツに搭載された補助機器で構成され、戦闘や機動を全て自身で判断して行う事を可能としている。ただし機体が分離した状態ではただの学習型コンピューターでしかなく、あくまでもMS形態時での運用が前提である。 - 胸部増加パーツ
- 大型のIフィールド・ジェネレーターと冷却装備、各種センサー群を収容している複合機器。下部はAパーツとCパーツのコクピットの装甲を兼ねており、昇降の際に可動する。
- Iフィールド発生器
- Ex-Sガンダムが装備していたタイプと同系列のビーム・バリアー発生装置。機体正面にIフィールドを展開し、機体を防御する。胸部増加パーツのほか、股間部増加パーツの先端にも搭載されている。機体の進行方向正面からのメガ粒子ビームを偏向させ、乗員と機体を守る。
- 股間増加パーツ
- 巨大な主砲を有するため、機体のジェネレーター出力だけでは不足気味であり、補助の熱核反応エンジンを搭載している。また、先端にIフィールド・ジェネレーターとランディング・ギアを搭載している。
- 背部プラットホーム
- 主砲を機体にマウントするために設けられた大型プラットホーム。背部ブースターパックに供えられた左右計4基のムーバブルフレーム・マウントで支えられている。
- 大型ディスク・レドーム
- 戦艦に搭載されているものと同等の探知能力を誇る大型レーダー、主砲と共に背部プラットホームに取り付けられている。戦艦の主砲を操るためには戦艦並みの探知能力のあるレーダーが必要であり、超長距離の索敵のため、ディスクの直径もかなり大きいものとなっている。
- マルチ・センサー
- ミノフスキー濃度、レーザー・レーダーMAD、FLIR、LLTV、IFFなどの各種センサーの他、アンテナ、カメラなどを搭載し、EWAC基に匹敵する索敵能力を機体に付与する。左腕部を取り外して肩のムーバブルフレームに直接接続される。
- コンフォーマル・パック
- 機体重量の増加に伴い、水力を補強するため、ブースター・ユニットに取り付ける増加パーツ。1基ずつのジェネレーターと偏向プレートで構成される。
- メイン・ノズル偏向プレート
- ノズルから横方向に噴出されるプロペラントを垂直に偏向させ、エネルギー・ロスを防ぐ装備。機動時にも使用される。
- ドロップ式・増加プロペラント・タンク
- 機体重量が倍増したため、要求性能を満たすためにプロペラント積載量を増加させるためにプロペラント・タンクを増設している。戦闘領域ではデッドウェイト化および被弾を防ぐためにパージされる。
- コンフォーマル・パック
- 機体重量の増加に伴い、推力増強のためブースター・ユニットに接続する増加パーツ。これによりユニットのジェネレーター（ノズル）と偏向プレートが1基ずつ増加している。
- メイン・ノズル・偏向プレート
- メインノズル脇に敷設されている偏向プレート。ノズルから噴出されるプロペラントを若干偏向させる事が可能で、横方向に噴き出すプロペラントを真直に偏向させる事でエネルギーロスを防ぐ。機動時にも併用される他、先端部にはランディング・ギアを収納している。
- ランディング・ギア
- 股部増加パーツ及び下半身ブースターの推力偏向プレート先端部に設置されているランディング・ギア。宇宙での運用を前提としているため、機体の重量を支える脚ではなく、母艦内などに機体を固定する用途で用いられる。
- 換装
- 機体各部のパーツを交換・増設する事で各種バリエーションに換装出来る。主な換装バリエーションとしてブースター・ユニット装着型、Ex-Sなどがある。
武装・必殺攻撃編集
- 60mmバルカン砲
- 頭部に4門内蔵されている近接防御用武器。炸裂弾を発射する。
- 改良型ビーム・カノン
- 長射程用に改良されたビーム・カノン。砲身の断面形が楕円型をしたタイプ。下半身ブースターのムーバブルフレームに必要に応じてマウントされる。ただし、機体の性質上、大抵のミッションでは不要である。
- ビーム・スマートガン
- Sガンダムの主兵装の一つであるビーム・スマートガン。右下半身ブースターのムーバブルフレームにクランクを介して接続される。
- 主砲
- アーガマ級、アイリッシュ級に主砲として搭載されているのと同タイプのメガ粒子砲を天地逆にして背部プラットホームに接続している。戦艦などでは主レーダー以外に各砲に同軸のセンサーが設けられており、ディープストライカーではセンサーごと砲身ユニットをSガンダムに移植しているため、ディスク・レドームと連動させてターゲッティングを行う。
砲尾部には反動を吸収するためのショック・アブソープション・シリンダーが接続され、またエネルギーCAPと縮退用のIフィールド・ジェネレーターを収納。エネルギーリバースを防ぐため強力なシールドも施されている。
艦載時に仰角を取るためのオペレーション・ギアは、天地逆さに搭載している関係から本来は必要ないが、強度が高いためサブ・ユニットのシールドとして残されている。
対決・名場面編集
関連機体編集
- Sガンダム
- 素体。
- Sガンダム (ブースター・ユニット装着型)
- バックパックと下半身をブースター・ユニットに交換した高機動仕様。本機をベースとしたプラン303Eがディープストライカーとなる。
- アーガマ級 / アイリッシュ級
- エゥーゴの開発した艦艇群。同艦の主砲をそのまま武装として流用している。
- ΖプラスC1Bst型
- Ζプラスのバリエーション機。Bst型の随伴機として計画されていた。
- ガンダム試作3号機
- 本機の以前にガンダム開発計画で開発された機体。デザイン作業はディープストライカーが先行していたため、3号機のデザインを行う際にディープストライカーがモチーフの一つになっている。
- フライルー・ラー：強行偵察仕様
- ギャプランTR-5［フライルー］の形態の1つ。本機の物と同型の大型ディスク・レドームを装備している。
余談編集
- 2018年3月にはガンプラ MGシリーズ200体達成記念として立体化が実現。ただでさえ巨大な機体のMG化という事もあり、価格22,000円（税込）、機体の全高は約280mm、主砲の全長は約540mmにわたる大型アイテムとなった。
商品情報編集
ガンプラ編集
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