MSZ-006 Ζガンダム(Zeta Gundam)
- 登場作品:機動戦士Ζガンダム(劇場版)、機動戦士ガンダムΖΖ
- デザイナー:藤田一巳
- 分類:試作型可変モビルスーツ
- 装甲材質:ガンダリウム合金
- 全高:19.85m
- 本体重量:28.7t
- 全備重量:62.3t
- 出力:2,020kW
- 推力:112,600kg
- センサー有効半径:14,000m
- 開発組織:アナハイム・エレクトロニクス社
- 所属:エゥーゴ
- 主なパイロット:カミーユ・ビダン、ジュドー・アーシタ、ルー・ルカ、他
概要
Ζプロジェクトによって作られたエゥーゴの可変モビルスーツ。奪取したガンダムMk-IIのムーバブルフレーム、新合金ガンダリウムγを装甲材質として用いており、オプション装備無しで大気圏突入が可能。この機体は当初、カミーユ・ビダンが「ガンダムMk-IIとリック・ディアスの長所を掛け合わせたものを設計してみた」という設定だったが、後々ではこの設定が変化しており「元々アナハイムが設計していたが、フライングアーマーを変形時にどうやって機体下面に配置させるかで頭を悩ませていた(本来、フライングアーマーは一体形成で、それを大きく移動させる為に質量移動の大きさやフライングアーマーを支えるアームの強度などが問題となっていた)所を、カミーユのアイデアでフライングアーマーを2分割し、機体の左右から回り込ませる事で解決した」という説へと変化している。
ただし、エゥーゴは当初からジャブローへの進行を目的としており、その為に「オプション装備無しで大気圏突入可能なMS」を旗印として欲していており、その機体が当機の祖先とも言えるデルタガンダムであり、デルタガンダムはムーバブルフレームの強度不足により変形を諦めたとされているが、近年発表されたデルタガンダムの正式なデザインと変形機構が本機と酷似している(フライングアーマーに相当するバインダーが、左右に分割されているなど)為、矛盾と見受けられる個所が存在している為、形骸化している。
なお、可変構造を持つが、本機の変形後は「MA形態」とは呼ばれず、ウェイブライダー(WR)形態と呼称される。これは大気圏突入の際、衝撃波(Shock Wave)に乗る(Ride)事で機体を再突入の摩擦熱から守る事に由来する。
この呼称は本機の系譜となる全可変MSの変形後の形態に(大気圏突入能力が無いものであっても)採用されている(本機の祖先と言えるデルタガンダムとその量産機であるデルタプラスにしても同様の呼称が使用されている)。
また、当機には大気圏内での飛行に最適化されたフライングアーマーが別途設計されており、こちらの変形後は区別する為にウェイブシューター(WS)と呼称される。
カミーユの搭乗した1号機の他、3号機とされるものが複数機生産されている。
後にこの機体をベースに、量産型としてΖプラスシリーズと可変機構を簡略化したΖIIが、さらに後に可変機構をオミット、機動性確保のためのモジュールを外付けするリ・ガズィがそれぞれ開発される。
登場作品と操縦者
装備・機能
特殊機能
- バイオセンサー
- 簡易サイコミュの一種。ニュータイプが搭乗することで、機体のコントロールを補助する。高いニュータイプ能力を持つパイロットが搭乗した場合、下記のサイコフィールドなどの現象を引き起こす事がある。
- サイコフィールド
- バイオセンサーが起因している原因不明のエネルギーフィールド。パイロットやパイロットに関わった人物、機体の周囲にいる周囲の人物の意志に反応し、様々な挙動を見せる。本機の場合、ビームを弾く、定格を大幅に超えた出力でビーム・サーベルを発振させる、敵のバイオセンサー搭載機を金縛りにする、などの現象を引き起こしている。
- 変形
- ウェイブライダー形態に変形する。この状態で大気圏突入が可能。
武装・必殺攻撃
- 60mmバルカン砲
- 頭部に2門内蔵。
- ビーム・ライフル
- 長銃身の本機専用ビーム・ライフル。WR形態では機体上部に銃身を縮小した状態で装着される。ロング・ビーム・サーベルとしても使用可能。銃剣ビーム・ライフルとも称される。
- ロング・ビーム・サーベル
- ビーム・ライフルの銃口から長めのビーム刃を展開した状態。敵を切りつける他、ビーム刃を展開した状態で投擲する事も可能。
- ビーム・サーベル
- 出力0.65MWあるいは1.3MW。腰側面のアーマーに内蔵されている。WR形態ではアーマーの先端が前に向き、ビーム・ガンとして機能する。
- ビーム・ガン
- WR形態で使用可能。
- グレネード・ランチャー
- 掌の付け根、手の甲側が開いて射出される。追加弾装のカートリッジもあるが、カートリッジをつけたままでは変形できない。ワイヤー内蔵型に換装することができる。
- ハイパー・メガ・ランチャー
- 別名メガ・ビーム・ランチャー。出力8.3MW。ジェネレーター内臓のΖガンダム最大の兵装。長大なビーム砲を機体正面で両手で構える。各種玩具ではWR形態で機体下部のシールドに取り付け可能になっている。また、この兵装もロング・ビーム・サーベルとして使用できる。
- ハイパー・バズーカ
- 『ΖΖ』第19話のメガライダー搭乗時、同乗していたガンダムMk-IIから借用した。
- シールド
- ガンダリウムγ製。盾であると同時に、WR形態では機体下面で両腕及び胴体内部を保護する。また、大気圏突入時に大気に「乗る」ために必要なパーツでもある。シールド裏にはミサイルが搭載されている。
- 小型ロケット弾
- 搭載箇所は不明。TV版第25話および劇場版2作目でヤザンのギャプランに対して使用している。
- ビーム・コンフューズ
- 劇場版3作目の最終決戦で用意された対ファンネル用装備。十字型のビーム発振器を投擲し、発振されたビーム刃に向けてビーム・ライフルを発射。ビーム刃に当たって拡散したビームでファンネルを迎撃する。
対決・名場面
機動戦士Ζガンダム
- ゼータの鼓動
- 第21話より、Ζガンダム(ウェイブライダー)初登場シーン。新型機ガブスレイの性能の前に危機に陥るカミーユだったが、遠方からのビームがガブスレイを捉えた。その拍子に宇宙空間に放り出されたカミーユは、自分を救った新型の戦闘機を見る。程なくして救助に現れたファからその戦闘機が新型機Ζガンダムである事を聞かされたカミーユは、ガブスレイを圧倒するその戦闘力を目の当たりにする。
- 対ジ・O
- 第50話(最終回)より。グリプス戦役における最終戦のジ・Oとの戦闘において、死者の思念を取り込みジ・Oを制御不能にし、ウェイブライダー形態でその死者の思念と共に特攻するというトンデモ科学っぷりを見せた。
機動戦士ガンダムΖΖ
関連機体
- プロトΖガンダム
- 本機の試作機。この段階では可変機構は考えられていない。
- フルアーマーΖガンダム
- フライングアーマーを取り外し、増加装甲を装着した状態。流出したアナハイム社のパンフレットに機体紹介が載っているが、マニアによるフェイクである可能性が示唆されている。
- Ζガンダム3号機
- 型式番号MSZ-006-3。グリーンダイバーズに登場する。3号機となっているが実際に製造されたのは2番目。カラバで運用された。なお、パイロットの声は古谷徹が演じている。
- ホワイト・ゼータ
- 正式名称はΖガンダム3号機A型。型式番号MSZ-006-3A。グリーンダイバーズに搭乗したものの改良機。パイロットのコードネームは「ホワイト・ユニコーン」。
- グレイ・ゼータ
- 正式名称はΖガンダム3号機B型。型式番号MSZ-006-3B。対ビームコーティングのため黄色に塗装されており、「イエローゼータ」とも呼ばれる。パイロットのコードネームは「グレイ・ウルフ」。
- レッド・ゼータ
- 正式名称はΖガンダム3号機P2型。型式番号MSZ-006-P2/3C。C型の改良機でありサイコミュを搭載している。パイロットはユウリ・アジッサ。当初は「ジョニー」という人物が予定されていたという。
- Ζプラス
- ZガンダムのWR形態に注目したカラバが、空戦用MSとして再設計した機体。カラバと連邦軍の双方で少数が量産されている。
- ΖII(ゼッツー)
- Ζガンダムとメタスの設計を統合し、コストダウンを図った機体。
- ハーフゼータ
- 本機に似た機体。
- 量産型Ζガンダム
- 可変機構をオミットして量産化を目指した機体。以前としてコストが高かったため試作機数機の生産に留まっている。
- リ・ガズィ
- 可変機構を外部ユニットに委ねることよってコストダウンを計ったが、あまり改善されなかったため試作機数機で開発が終了した。
- リゼル
- ΖIIの設計を基に、ジェガンの設計を組み込むことで更なるコストダウンを図り、量産化が可能なレベルに仕上げた。
- ΖΖガンダム
- 本機直系の発展機。
- Ζガンダム炎
- 『ガンダムビルドファイターズ炎』に登場するガンプラ。
- A-Zガンダム
- 『ガンダムビルドファイターズ バトローグ』に登場するガンプラ。
- ライトニングΖガンダム
- 『ガンダムビルドファイターズトライ』に登場するガンプラ。
- スクランブルガンダム
- 『ガンダムビルドファイターズトライ アイランド・ウォーズ』に登場するガンプラ。本機を元に製作されている。
余談
商品情報
完全変形し、かつMS形態とWR形態が共に良好なプロポーションを保つ事は、サイズと素材の剛性から難しかった。プラモデルMGのΖガンダムは初めてこの三つを兼ね備えたアイテム(但し、盾だけは腕から胴部へ付け替え)。
超合金玩具の可動戦士Ζガンダムは、1/144で上記MGと同等。これは変形時に負荷のかかるパーツの金属化やビス止めの効果。
HGUCではMS形態、WR形態に個別のベースを用意し、完全付け替えにより変形を犠牲にして優良なプロポーションを得ている。
SDでは関節の制約等もあって大変な中、頭部を外す事によりデフォルメされた完全変形、程度の変形をする。
RGでは1/144において初めての差し替え無しの変形となった。
話題まとめ
- http://www.cre.ne.jp/writing/IRC/write/2005/10/20051011.html#210000
- 21:30頃。耐熱部品は消耗品の盾、というΖの設計思想は正しい。