ニュートロンジャマーキャンセラー
ニュートロンジャマーキャンセラー(Neutron Jammer Canceller)編集
プラントのユーリ・アマルフィを中心に研究が進められた、その名の通りニュートロンジャマーを無効化する装置。「Nジャマーキャンセラー」、「NJC」とも略される。
コズミック・イラ71年初頭には既に実用化の目処が立っていたが、ナチュラルとの融和の道を模索する穏健派に同調していたユーリは再び血のバレンタインの悪夢を繰り返しかねないこの装置の使用を躊躇していた。しかし、パイロットとして参戦していた息子ニコル・アマルフィの戦死をきっかけに急進派へと転向。NJCの使用を決意した。
これを使用する事により、ニュートロンジャマー影響下でも核分裂反応を発生させる事が可能となり、核兵器の運用が可能となるが、同時にNジャマーによる電波撹乱効果も無効化される。モビルスーツに搭載した場合は、核動力の搭載が可能となり、バッテリー以上の稼働時間とエネルギーリソースを実現。結果としてフェイズシフト装甲やビーム兵器の運用上の制約が大幅に改善される事になった。
MSとしてはドレッドノートに初めて搭載されているが、この時点では機体を中心とした一定範囲内に効果が発揮されてしまう為、以降の機体は意図的に効果範囲を制限した物が搭載され、効果範囲はMSのごく限られた範囲に限定される事になった。
当初はザフトがこの技術を独占していたが、第1次連合・プラント大戦後半にラウ・ル・クルーゼによって大西洋連邦にデータが意図的に流出され[1]、それにより第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦でプラントは核攻撃の驚異に晒される事になり、対するザフトもこれを利用したジェネシスを運用。さながら最終戦争の様相を呈するようになった為、戦後締結したユニウス条約ではミラージュコロイドと共に軍事使用が禁止された。しかし、第2次連合・プラント大戦の開戦に伴い大西洋連邦は早々に条約を無視[2]し、再び核攻撃を実施しようとしたが、NJとは逆に核分裂反応を促進させるニュートロンスタンピーダーの登場によって、全面核戦争は回避された。
なお、NJCのベースマテリアルとなる鉱物資源は地球圏では非常に希少であり、コズミック・イラ73年時には大西洋連邦が独占しているが、火星圏でも同様のベースマテリアルの大鉱脈が発見されている。
登場作品編集
- 機動戦士ガンダムSEED
- 初出作品。これを搭載したフリーダムがキラによってザフトから持ち出された事で、パトリック・ザラはアスランにジャスティスを与え、これの追跡を命じた。その後、ラウによって連合側に技術が流出した事でプラントは核爆撃の危機に晒された事から、その技術の危険性がうかがい知る事が出来る。
- 機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY
- シーゲル・クラインによって、マルキオにドレッドノートが秘密裏に譲渡される所から物語が始まり、それに搭載されたNJCの扱いが物語の中核として描かれている。
- 機動戦士ガンダムSEED DESTINY
- ユニウス条約の締結によって軍事使用は禁止されたが、連合はこれを無視。核爆装したウィンダムでプラントを攻撃し戦争の早期決着を図るが、核攻撃部隊はニュートロンスタンピーダーによって全滅の憂き目に遭う事になった。
関連用語編集
リンク編集
余談 編集
- スピンオフ作品ではたいてい「一定時間ごとにエネルギーを回復する装置」という形で登場する。しかし本文のとおりニュートロンジャマーキャンセラーは「核エンジンの動作を阻害するニュトロンジャマーの影響を阻害する装置」なので、エネルギー発生機関としての機能を持っていない。とはいえ意味合い的には「ニュートロンジャマーキャンセラー搭載核エンジン」であろう事は想像に固くなく、文字数が多くなりすぎてしまうのでこのようになっていると解釈される(ちなみに、ニュートロンジャマーがプレイヤー側へのトラップ装置として登場している作品では、核エンジンと別に本来の設定どおりニュートロンジャマーの影響を受けなくする機能として扱われているケースもちゃんとある)。