シャンブロ
AMA-X7 シャンブロ(Shamblo)
- 登場作品:機動戦士ガンダムUC
- デザイナー:カトキハジメ
- 分類:水陸両用試作型モビルアーマー
- 装甲材質:ガンダリウム合金
- 全長:77.8m(水中巡航形態)
- 頭頂高:31.8m(陸上戦闘形態)
- 本体重量:196.8t
- 全備重量:283.9t
- 主動力:熱核融合炉
- 出力:21,460kw
- スラスター総推力:226,480kg
- センサー有効半径:12,800m(陸上)、240km(ソナー/水中)
- 開発組織:ガーベイ・エンタープライズ社(原作)、ジオン残党、袖付き(OVA版)
- 主なパイロット:ロニ・ガーベイ、マハディ・ガーベイ(原作)、アッバス・ガーベイ(原作)、ワリード・ガーベイ(原作)
原作での設定
マハディ・ガーベイの経営するガーベイ・エンタープライズ社が開発した水陸両用モビルアーマー。
[[ジオン公国}}のシンパからの援助や技術供与を受け、マハディ自身も巨額の費用を投じて完成させた。
非常に巨大な機体で、水中巡航、水中格闘、陸上戦闘の各形態に変形可能。重装甲な上にメガ粒子砲やリフレクタービットを搭載している為、火力と防御力がかなり高い。
最大の特徴は本機に採用された潜航/浮上システムで、肩にMHD(電磁流体誘導推進)ユニットと呼ばれる旧型の無音推進システム、腕部にジオン、機体後部にホバーユニットを搭載している。これらを併用する事で、水中潜行時における高静粛・高機動性や地上における外見に反した俊敏さを併せ持つ驚異的な機体となった。
最新鋭のサイコミュ技術であるサイコフレームも搭載。少人数での運用が可能で、コクピットブロックは前面がスクリーンで、手前には操縦・索敵・防御担当用の座席が存在する。場合によっては操縦者による一元操作も出来るとされる。
連邦海軍では、ソナー等では探知できない本機をして「海の亡霊(シー・ゴースト)」と呼んでいた。
アニメ版での設定
第一次ネオ・ジオン抗争時にネオ・ジオン軍が設計を行っていた機体。その為、「ハマーンの遺産」と呼ばれていた。
戦後、この設計案を基に「袖付き」の援助と技術供与を受けてジオン残党軍が6年がかりで開発。その際、新たにサイコフレームをコクピットに搭載した事で複雑化した機体のコントロールをニュータイプパイロット一人で行えるようになった。しかし、そのせいでパイロットの精神にかなりの負荷をかけるようになってしまった為、生前のマハディの指示でコクピットブロック前方には彼がパイロットの状態を常時モニターする為のシートを設置している。
上記以外は原作とほぼ同様の設定である。
登場作品と操縦者
- 機動戦士ガンダムUC
- パイロットはマハディ・ガーベイ、ロニ・ガーベイ、アッバス・ガーベイ、ワリード・ガーベイ。
ユニコーンのラプラス・プログラムの封印を解く為にダカールを攻撃するが、私怨に取り憑かれているマハディは地球連邦政府を壊滅させようと無関係な民間人まで巻き込んだ殺戮を始める。その後、止めに入ったバナージのユニコーンやリディのデルタプラスと交戦状態になるが、マハディが自分に反発するロニに逆上して射殺した事がきっかけでリフレクタービットによる防御力を失い、直後にバナージとリディの連携による一点突破で撃破されて沈黙した。
ちなみに、こちらではバナージはこの機体にロニが乗っている事を知らなかった。 - 機動戦士ガンダムUC(OVA)
- マハディが既に故人の為、ロニが一人で搭乗。
陽動の為にカークスらと共にダカールを攻撃。その後、トリントン基地を襲撃するがサイコミュの暴走により民間人ごと攻撃し始める。バナージの介入と説得で一度は停止するものの、ロニが父親のように慕っていたカークスの死を感じ取って再び暴走。最後はリディのデルタプラスが引き金を引けないバナージのユニコーンからビームマグナムを奪い取ってコクピットを撃ち抜き、沈黙させた。
装備・機能
特殊機能
武装・必殺攻撃
- 大口径メガ粒子砲
- 頭部に1門内蔵。出力が非常に高い。
- 拡散メガ粒子砲
- 両肩に1門ずつ内蔵。広範囲への攻撃が可能。
- リフレクタービット
- 機体後部に12基格納されている無線誘導兵器。射出された後にプロペラを展開して浮力を得る。これ自体に攻撃力は無く、発射されたビームを反射させる役割を持つ。拡散メガ粒子砲と併用する事で多数の敵機を同時に攻撃でき、ビームバリアーとして機能させる事も可能である。また、敵機からのビームも同様に反射できる。
- 大型アイアン・ネイル
- 両腕に装備。サイズがサイズなので、潜水艦を一撃でひしゃげさせる事が出来る程の威力を持つ。モビルスーツを掴んで軽々と持ち上げる事も可能。
対決・名場面
関連機体
余談
- ガンダムエース2011年12月号の記事によると、小説をそのまま再現しようとすると2年かけても終らない事がわかり(そもそも、最初期のプロットではダカールで暴れる案はなく、カトキハジメ氏がもってきたラフ画がきっかけ)、6巻全部と7巻前半をミックスさせた物になっている。
ロニを殺したのがリディ一人になった理由については、打合せで「バナージにこれ以上人殺しをさせたくないという意見と、リディがダークサイドに堕ちるきっかけに丁度いい」という結論に至ったからである。
「実はロニはシャンブロに操られていた」という案も出たらしいが、「アニメ的な発想で、『UC』では絶対にやるべきではない」と却下された。 - 原作小説版6巻の冒頭で連邦軍の潜水艦を撃沈するが、これは第二次世界大戦末期が舞台の福井晴敏氏の小説「終戦のローレライ」のセルフパロティ。シーゴーストと恐れられる元ナチスドイツの潜水艦UF4が、新米水測員アディの搭乗するアメリカ軍潜水艦ボーンフィッシュを撃沈している。
- なおUF4の乗組員の一人は小説の主要人物として活躍するのだが、元ナチス武装親衛隊という設定に問題があったのか、映画版では既に死亡したことに設定変更されている。シャンブロのパイロットであるマハディもイスラムの過激派という設定からかOVA版では死亡したことにされており、二重の意味でパロティをやらかすことになってしまった。