ジャスティスガンダム

ジャスティスガンダム
外国語表記 Justice Gundam
登場作品 機動戦士ガンダムSEED
デザイン 大河原邦男
テンプレートを表示
スペック
正式名称 ジャスティス
分類 ハイエンド試作型モビルスーツ
型式番号 ZGMF-X09A
全高 18.56m
重量 75.4t
主動力 核エンジン
装甲材質 フェイズシフト装甲
開発組織
所属 ザフト軍特務隊三隻同盟
主なパイロット アスラン・ザラ
テンプレートを表示

概要編集

地球連合軍との決戦に臨むべく、パトリック・ザラ指揮のもと、ザフトが統合設計局の技術力を結集して開発した試作型モビルスーツフリーダムと同じく連合のGAT-Xシリーズのデータを取り入れて設計された同型機であり、ニュートロンジャマーキャンセラーを内蔵した核動力搭載型MSでもある。

核動力は稼働時間の延長に加え、フェイズシフト装甲の安定稼働、そして何より兵装の大出力化という恩恵をMSにもたらした。これは、物量に劣るために兵器の「質」で対抗せざるを得ないザフトにとって、極めて有用なものであった。ジャスティスは他のZGMF-Xシリーズに比べて武装構成はシンプルであり、フリーダムと比較して総合火力面で一歩譲るものであった事は否めないが、その真価は高度な機動力にあり、単機のMSとしての機動性は縦横無尽を越えて幻感的と評されるほどであったという。

その最大の特徴が背部にドッキングした複合兵装ユニット「ファトゥム-00」である。メインスラスターとしての機能を有しており、ユニットを水平にする事で圧倒的な加速力と機動力を機体に付与した[1]着脱が可能なファトゥム-00は、サブフライトユニットとしても運用でき、分離した状態で上部にMSが搭乗する事により、立体的な機動戦闘が展開出来る他、MSからの操作により機体に搭載された武装も使用できた。また、ユニット単体を目標にぶつけるといった誘導弾のような運用も可能であった。ファトゥム-00は火器運用試験型ゲイツ改でテストされていたリフターを原型とするが、ニュートロンジャマーキャンセラー実用化以前の機体であったため、稼働時間は短く、実戦投入は見送られた。こうした事例からも、NJCのもたらした恩恵の大きさが理解出来る。

胸部に搭載されたコクピットは他のZGMF-Xシリーズと共通の機構で、フリーダムと同じくマルチロックオンシステムを搭載する。また、頭頂部にはイージスと同形状のセンサーが備えられている。

パトリックによって「正義」と名付けられたこの機体は、強奪されたフリーダム奪還のため彼の息子アスラン・ザラに託されたが、父パトリックの戦争目的に疑念を抱いたアスランはキラ・ヤマトラクス・クラインの行動に理解を示しザフトを出奔。以降は地球連合にもザフトにも属さない第三勢力に属する機体となった。

登場作品と操縦者編集

機動戦士ガンダムSEED
初登場作品。第36話(リマスター版第34話)より登場。強奪されたフリーダムの奪還または破壊、及び関連人物、施設全ての排除のために、開発責任者パトリック・ザラによりその命令を受けた息子アスラン・ザラが受領。オーブにおいてフリーダムを発見するも、事前にラクスからフリーダムの搭乗者がキラ・ヤマトだという事実を知らされていたため戦闘状態にはならず、キラ、アスランの和解後はアークエンジェルと行動を共にし、エターナルとの合流後はフリーダムと共にエターナルに移動、三隻同盟の主戦力として活躍。地球連合の新型GATシリーズとも互角に戦い、ミーティアの一斉射撃でプラントへ放たれた核ミサイルを多数落とすなどの活躍を見せる。アスランの高い技量もあってか実は最終話の自爆までフリーダムより被弾率は低い。最後はミーティアを放棄しジェネシスの内部に突入、ジェネシスの三射目を阻止するべく自爆を行い、核爆発により機体は失われた。

装備・機能編集

特殊機能編集

フェイズシフト装甲
一定の電圧を持つ電流を流して相転移させる特殊装甲。その際、装甲には色がつく。実弾兵器をほぼ無効化でき、単独での大気圏突入も可能だが、高出力のビーム兵器の前には無力である。
本機では核エンジンの採用によってエネルギー消費量の問題を解決し、実弾兵器に対してはほぼ無敵ともいえる鉄壁の防御力を実現した。
ニュートロンジャマーキャンセラー
ニュートロンジャマーを無効化する装置。これを搭載した事で、核エンジンの搭載とそれに由来する膨大なエネルギーの使用が可能となった。
マルチロックオンシステム
複数の敵を同時にロックオンし、精密射撃を行う。本機は格闘戦を重視している為、単機ではなくミーティアとのドッキング時の使用を想定している。
自爆装置
動力である核エンジンを核爆発させる。尚、アスランの前の搭乗機であるイージスも同様に自爆によって失われている。

武装・必殺攻撃編集

MMI-GAU1 サジットゥス20mm近接防御機関砲
側頭部に4門内蔵されたマイウス・ミリタリー・インダストリー社製近接防御兵器。フリーダムのピクウスより口径は小さいが、速射性ではこちらが勝っている。
RQM51 バッセル・ビームブーメラン
ストライクとの交戦データから有効性を評価したザフトが開発したビームブーメラン。ビーム発信時にはユニットが展開し、ビーム刃と三叉構造になる。ビームに対する干渉反応を利用し、投擲軌道のコントロールが可能。設計当初の装備ではなく、建造の後半になって追加された。
MA-M20 ルプス・ビームライフル
ザフト製としては最も早く制式化されたマティウス・アーセナリー製ビームライフルで、フリーダムが装備するものと同型。核エンジンから直接エネルギーを供給する事が可能で、GAT-Xシリーズなどの装備する同等の兵装を遥かに凌駕する高出力を誇る。
MA-M01 ラケルタ・ビームサーベル
左右腰部に装備されたビームサーベル。ラゴゥで実用化された物を改良強化した長刀身の斬撃兵器。核エンジンからのエネルギー供給により、原型機であるGAT-Xシリーズのものより遥かに出力が高く強力。
2本のユニットを連結させて両端からビーム刃を生成し「アンビデクストラス・ハルバード」としても使用可能。
ファトゥム-00
ジャスティス最大の特徴であるサブフライトユニット。大気圏内外で稼働でき、通常は機体に沿う形で背面メインスラスターとして機能する。
ユニット全体を水平に持ち上げる事で圧倒的な加速性能と戦闘機並みの空戦能力を発揮するほか、ユニット自体が着脱可能で分離したユニット上面にMSが騎乗して立体的な高機動戦闘を展開出来る。機体からの遠隔操作で別の対象を攻撃出来る他、ユニット自体を誘導弾として運用する事も不可能ではない。
なお、「ファトゥム」とは「運命」を意味するラテン語である。
GAU5 フォルクリス機関砲
ファトゥム-00の前面部、エンジンブロックとビーム砲の間に計4門搭載されている大口径機関砲。必要に応じ、弾丸の種類を炸裂弾や徹甲弾に変更する事ができる。
「フォルクリス」とはラテン語で鳥を意味する。
M9M9 ケルフス旋回砲塔機関砲
ファトゥム-00のメインエンジンブロック上部に搭載されている回転式銃座。フレキシブルに可動するため、搭乗時や肩部装着時における背面や上方への攻防に対応する。
構造が複雑で占有スペースがかさばる割に威力が低く、後継機であるファトゥム-01では廃止された。
「ケルフス」とはラテン語で鹿を意味する。
MA-4B フォルティス・ビーム砲
ジャスティスのメインウェポンの一つでもある連射型ビームキャノン。ファトゥム-00に装備され、核エンジンによる豊富なエネルギー供給により高出力・連射性を実現しており、特に分離時には重要な武装となる。バルルス重粒子砲をはじめとする従来の大口径ビーム兵器に、超高インパルス砲などのGAT-Xシリーズの兵装のノウハウを転用して完成したものと思われる。
「フォルティス」とはラテン語で「強い力」を意味する。
対ビームシールド
ローラシア級などの外装技術を転用し、完成された軽量かつ超硬度の盾。戦闘艦の外装にも採用されているラミネート装甲製の対ビームシールドで、高出力ビーム砲の直撃に耐えるのみならず、更にそれを押し戻して相手の砲口を破壊するほどの耐久性を備えている。

対決・名場面編集

機動戦士ガンダムSEED 編集

オーブ解放作戦
第36~39話(リマスター版第34~37話)より。ジャスティスを受領後、フリーダムの破壊とそれに関わったものの破壊を命じられるが、平和の為に独自に動き出したラクスやフリーダムのパイロットがキラである事を知り、ザフトや父の命令で戦う事に迷いを感じたアスランは地球に降下して戦争の爪痕を目の当たりにした。そして、連合軍からオーブを守る為に戦うキラの窮地の際にザフトのアスラン・ザラではなくアスラン個人の意志でキラを助け、今まで敵として殺し合ったわだかまりも見せずに抜群のコンビネーションを見せた。

関連機体編集

系列機・派生機など 編集

インフィニットジャスティスガンダム
後継機。近接戦闘能力が大幅に強化された。
イモータルジャスティスガンダム
インフィニットジャスティスの設定をベースに開発された系列機。
ドレッドノートガンダム
本機とフリーダムの原型となった初のザフト製ガンダム。
フリーダムガンダム
ジャスティスとの連携を前提に開発された兄弟機。
リジェネレイトガンダム/テスタメントガンダム/ プロヴィデンスガンダム
兄弟機。

技術的関与のある機体 編集

イージスガンダム
頭部の設計を意識している。
シグー
下半身はシグーの設計を流用している。
火器運用試験型ゲイツ改
本機の武装のテストを行った機体。

商品情報編集

ガンプラ編集

フィギュア 編集

リンク編集

脚注編集

  1. この状態をハイマットモードと呼称する資料も存在する。