RX-0 ユニコーンガンダム3号機 フェネクス(Unicorn Gundam 03 [Phenex])

概要

地球連邦軍の試作型モビルスーツ。ユニコーンガンダムの3号機であり、連邦軍のとある参謀が「UC計画」の主導権をビスト財団から奪い返すべく造らせた機体である。

テスト用としてアナハイム・エレクトロニクス社から軍に先行納入されていたフル・サイコフレーム製の素体をベースとして組み上げており、その際、1号機と2号機の建造データもフィードバックされている。

頭部の角は鳥の翼を模したような形状で、背部にはアームド・アーマーDEを装着したシールドを2枚取り付けている。全身のカラーリングは金色に染め上げられる等、外見はかなり派手。NT-Dシステムも搭載しているので、デストロイモードへの「変身」も当然可能。サイコフレームは青く輝く。武装は基本的に1号機と同様だが、アームド・アーマーDEを2基装備している事から、問題となっていた継戦能力の低さがある程度解消されている。

「フェネクス」は「不死鳥」や「鳳凰」の事で、「貴婦人と一角獣」に描かれている鳥がモチーフとなっている。
デストロイモード時に頭部の角やアームド・アーマーDEが翼のように展開するのも、その名を体現しているかのようである。

登場作品と操縦者

UC-MSV
出典元。この段階ではユニコーンガンダムの3号機としての設定のみに留まっている。
機動戦士ガンダムUC One of Seventy Two
本機が暴走する切欠となったエシャロット事件が描かれている。暗礁宙域にて行われたバンシィ (U.C.0095Ver.)との比較評価試験においてリバウ等を始めとしたネオ・ジオン残党軍と交戦するが、バンシィがデストロイモードになった事に焦った参謀が本機のNT-Dも発動させた事で機体が暴走してしまい、バンシィまで敵と見なして攻撃してしまっている。さらに母艦のエシャロットにも攻撃しブリッジを破壊、パイロット共々そのまま行方不明となっている。この事件は『不死鳥狩り』と『NT』の双方で概ね同じ内容で起きている。
機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン
宇宙世紀0096年、一年戦争終結記念日として宇宙で催されたジュニアハイスクール生の式典に突如として出現。当時は連邦軍は少数のジオン残党「メイルメル隊」と偶発的な戦闘を展開していたが、両陣営のMSには目もくれず、式典に招待されたジュニアスクール生に向けてメガ・キャノンを掃射。多くの子供達をスペースランチ諸共焼き殺してしまう。
その後も生き残った子供達を執拗に狙い続けたが、その場に展開していた連邦軍のガンダムGファーストキャノンガン、メイルメル隊のズオムの連携によって激戦の末に無力化された。
しかし、直後にロック・ホーカーの命を受けて回収に現れた特殊介入部隊『フレスベルグ隊』によって鹵獲されて姿を消した。その後、アームド・アーマーXCを装備した状態でジョリオンが搭乗し、ナイトロ隊の1機として出撃した。ガンダムGファーストDXと交戦し、リバウによってアームド・アーマーXCが破壊されると機能を停止している。ジョリオンがコックピットから救出されると機体は再び起動し、無人のまま飛び去っている。なおこの際、フェネクスに前任パイロットの精神が宿っている事が仄めかされている。
機動戦士ガンダムUC 不死鳥狩り
この作品で比較評価試験時のパイロットがリナだと設定された。リナは肉体を失っており意識だけがフェネクスに宿っている状態となっている。多くの命を奪ってしまった贖罪としてヨナを導いて、この機体でフル・フロンタルの手にネオ・ジオングが渡る前に破壊しようと考えていた(この時ネオ・ジオングが破壊されたため、小説版ガンダムUCには同機が登場しない)。戦いの後はヨナを降ろし、星雲の中心へと飛び去っていった。
機動戦士ガンダムNT
宇宙世紀0097年時点でも捕獲に至っておらず、その行方を追っている。(小説版UC基準ではU.C.0096年に「不死鳥狩り」が行われているが、OVA版UC基準のこの作品ではU.C.0097年に「不死鳥狩り」が行われる。)
ミネバ・ラオ・ザビのラプラス宣言の直後、引き寄せられるかのように姿を現した。
パイロットはリタ・ベルナル。オーストラリアで被災した過去を持ち、コロニー落としを予言した「奇跡の子供たち」の一人。ヨナ・バシュタとミシェル・ルオの幼馴染。
劇中では基本的に回避行動を取っており、攻撃する際もアームド・アーマーDEを直接ぶつけたりサイコシャードを使用したりと火器を使用していない。
ガンダムEXA VS
アル・アダが搭乗。レオスサイコフレームについて学習させるために出現し、戦闘を行う。

装備・機能

特殊機能

NT-Dシステム
本機に搭載されているOSで、「エヌティーディー」と呼称する。名称は「ニュータイプ・ドライブ」の略称とされているが、実は「ニュータイプ・デストロイヤー」の略称で、ニュータイプを抹殺するために開発されたシステムである。発動させる条件は敵機、あるいは本機のパイロットがニュータイプか強化人間である事。発動するとデストロイモードに変形し、機体性能を飛躍的に向上させたり、サイコミュ・ジャック(後述)が可能となる。しかし、パイロットや機体にも負担が大きく、5分間が限度とされる。システム起動時の負担を軽減する為にシートが変形してパイロットの体を固定するようになっており、パイロットスーツも専用の物を用意して薬理的にGを軽減する機能を付加している。
機体に宿ってしまったリタにはこのシステムを制御することができず、『ラスト・サン』では暴走している。『NT』においてはヨナが搭乗するまでニュータイプや強化人間と対峙してもこのシステムを発動していない。
インテンション・オートマチック・システム
デストロイモード時に発動する、サイコフレームにパイロットの脳波を直接反映するシステム。ユニコーンモード時でも機能を制限された状態で稼働している。要は「考えるだけで機体を動かせる」というもので、離れた位置に置かれた機体を思考による遠隔操作で呼び寄せるといった芸当も可能。また、自分以外にも敵の脳波を傍受できる。
その反面、乗っているパイロットをシステムに取り込んで「制御」してしまう危険性も孕んでいて、過剰な戦闘・破壊行為をパイロットに強制させる事もある。
フル・サイコフレーム
その名の通り、全身のムーバブルフレームサイコフレームで構成したもの。本機に従来機とは比べ物にならない程の高い追従性を持たせている。サイコフレームの特性であるサイコミュの制御機能も有する。
Iフィールド
対ビームバリア。シールドから発生させる。ユニコーン、デストロイ両形態で使用可能。
耐ビームコーティング
金色の装甲は耐ビームコーティングであり、全身に施されている。しかし、効果はほとんど無く、気休め程度の性能しかないとされている。副次効果として金色の塗装が宇宙を鏡のように写すため、単独行動をする本機のステルス効果は意外と高いとされる。本機の他には百式等に採用されていた。
変形
ユニコーンモードからデストロイモードへ変形する。見た目と機体性能が同一機体と思えないほど変化するため、「変身」という表現がされている。
デストロイ・アンチェインド
デストロイモードからさらに変形する第三の形態。機体と搭乗するニュータイプが、インテンション・オートマチック・システムを通して過剰に交感し、NT-Dシステムの稼働レベルが制御できる数値を超えてしまった場合に、搭乗者の意思とは関係なしに自動的にこの状態に移行する。全身の外部装甲が更に展開し、内部のサイコフレームがより露出する。この状態ではサイコミュ接続の流動制限がカットされ、操縦権がパイロットからNT-Dシステムに移行する。この際パイロットは生体部品扱いとなり、その生存率は一切考慮されず、敵機を撃墜することのみを目的とする完全な戦闘マシンに変貌してしまう。
『ラスト・サン』において本機が移行しており、サイコフレームの色が本来の色を失うほど光を増していた。
サイコミュ・ジャック
ファンネルのコントロールを奪う等、敵のサイコミュシステムを自分の制御下に置く事を可能とする機能。デストロイモード時にのみ行える。
ちなみに変身する際に角が割れるのは、送信能力を高める事でこの機能をより効果的に使う為。
サイコフィールド
デストロイモードで発動するエネルギーフィールド。パイロットやパイロットに関わった人物、機体の周囲にいる周囲の人物の意志に反応し、様々な挙動を見せる。
本機はおそらくこの現象により、推進剤が無くとも宇宙空間を移動できていると思われる。スラスターを使用しない移動のためか通常ではありえない軌道や光速に近い機動性を見せている。
n_i_t_r_o(ナイトロ)
『ラスト・サン』で追加されたアームド・アーマーXCに搭載されているサイコミュシステムの派生型。ガンダムデルタカイに搭載されていた特殊機構で、本システムの提唱者であるロック・ホーカー大佐の意向から『RX-0シリーズの要であるNT-Dの起動に必要な強化人間を安定供給する』という名目で搭載されている。本機のは一番最新型である。
サイコ・シャード
『NT』で使用するユニコーンガンダム1号機が起こした現象と同様のもの。腕部から発せられる光に触れてしまうとその部位が分解されてしまう。規模としては1号機のものより狭い。
虹色の翼
『不死鳥狩り』と『NT』の終盤で発生した現象で、背中に100メートルを超える巨大な翼を発生させる。前者ではネオ・ジオングから散らばったサイコ・シャードを背中に集めて形成、相手を包んでフル・フロンタルの幻影を消滅させ、そのまま機体を分解した。後者は周囲のサイコフレームをアームド・アーマーDEに集めて形成し、臨界寸前のヘリウム3タンクとIIネオ・ジオングを包み込み消滅させている。

武装・必殺攻撃

60mmバルカン砲
頭部に2門内蔵。主に牽制等に使用されるが、パイロットの技量次第では相手に致命傷を与える事も可能とされる。『不死鳥狩り』ではネオ・ジオングのサイコ・シャードを食らう直前に全弾撃ち尽くそうとしたものの間に合わず、7割程撃ち尽くした時点で誘爆している。
ビーム・マグナム
本機の主兵装で、エネルギーのスパーク光を帯びた強力なビーム弾を発射する。このスパーク光はビーム・サーベルのような効果があり、触れる物全てを両断できる。この為、MS程度なら掠っただけでも撃破可能。1発で通常のビーム・ライフル4発分の威力があり、大型MA相手でも一撃で撃破出来る。その分、1発撃つだけで通常のエネルギーパック1つ分のエネルギーを消費してしまう為、「マグナム・カートリッジ」と呼ばれる5つを連結した特別製のエネルギーパックからエネルギーを供給するようになっている(発射するごとにエネルギーパックは1つずつ排莢される)。また、威力がありすぎて使い所が限定されてしまうという欠点がある。
予備カートリッジはリアスカートに2つまで装着できる。
ビーム・サーベル
背部に2本、両腕部に1本ずつの計4本を装備。ユニコーンモード時は基本的に腕部の物を外して使用する。『不死鳥狩り』ではネオ・ジオングのサイコ・シャードにより破壊されている。
ビーム・トンファー
両腕部にマウントされたビーム・サーベルを外さずにそのまま使用した状態。ユニコーンモードでは使用出来ない。
シールド
背部に2枚装着されている実体式の防御兵装で、両腕部に装着して使用する事も可能。これにもサイコフレームが使われている。
デストロイモード時には中央部がスライドしてサイコフレームをX字状に展開し、Iフィールドジェネレーターが現れる仕組みとなっており、通常時より防御力が向上する。
アームド・アーマーDE
増加サイコフレーム兵装の一つで、複数ある「アームド・アーマー」の中で最も初期に造られた。。「DE」は「Defense-Extension」の略称。
シールドの上から被せる形で装着され、その機能を拡張する事に主眼が置かれている。また展開式スラスターとメガ・キャノンを内蔵しており、前者は機体の機動力を強化する。後者は広範囲への攻撃を可能とする他、ビーム・マグナムの扱い辛さをカバーする事が可能である。『不死鳥狩り』ではネオ・ジオングのサイコ・シャードにより破壊された。『NT』では下部にテール状の姿勢制御用スタビライザーが追加されている。
シールド・ファンネル
アームド・アーマーDEをファンネルのごとく操る運用法。主に直接ぶつけて攻撃している。ちなみに内蔵されているスラスターは使用していない。
アームド・アーマーXC
『ラスト・サン』で追加されたバックパックに搭載された増加サイコフレーム兵装の1つ。「XC」は「Xeno-Connect」の略称。他のアームド・アーマーと異なり、サイコミュシステムの1つであるナイトロを内蔵した特殊兵装。更にジェネレーター出力のアップ、頭部アンテナの機能の拡張に効力を発揮する。『ラスト・サン』の最後で破壊されている。
バンシィ・ノルンに搭載されている物はデストロイモードのサポート機能に限定された物である。
ソフトチェストタッチ
ネオ・ジオングとの戦闘で使用。本機は右手のみで触れ、ネオ・ジオングのサイコ・シャードを崩壊させている。
『NT』では暴走しているヨナに対して使用し、正気に戻している(機体は崩壊させていない)。

対決・名場面

リバウ
ガンダムGファーストキャノンガンGFタンクズオム
ネオ・ジオング
IIネオ・ジオング

関連機体

G-フェネクス
ガンダム Gのレコンギスタ』の派生作品『ガンダム Gのレコンギスタ FROM THE PAST TO THE FUTURE』に登場するフェネクスの復元機。キャピタル・アーミィによって「ヘルメスの薔薇の設計図」を基に復元された。原型機と比べて「機体色が銀色、サイコフレームが赤色」の相違点がある。パイロットはマスク。
ユニコーンガンダムフルアーマー・ユニコーンガンダム
1号機とその武装強化形態。
ユニコーンガンダム2号機 バンシィバンシィ・ノルン
2号機とその改修型。
ガンダムデルタカイ
フェネクスと同じくナイトロシステムを搭載した機体。しかしロック・ホーカーによるとフェネクスのそれは格段に進化しているらしく、デルタカイのそれは「旧いナイトロ」と称されている。

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