ファントム | |
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外国語表記 | Phantom |
登場作品 | 機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト |
デザイン |
カトキハジメ 長谷川裕一 |
スペック | |
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愛称 | ファントムガンダム |
分類 | 惑星間高速移動用試作型モビルスーツ(可変モビルスーツ) |
型式番号 | EMS-TC02 |
主動力 | 熱核融合炉 |
開発組織 | 木星共和国(サーカス) |
所属 | サーカス ⇒ クロスボーン・バンガード(蛇の足) |
主なパイロット | ハロロ、他 |
概要
木星共和国のタカ派が中心となって開発した試作型モビルスーツ。「サウザンド・カスタム」の1機であり、開発認可が2番目に下りた機体である。
単独での木星圏から地球への惑星間航行を目的とした実験機だが、地球連邦に対する「テロ行為」を行う事になった際の切り札という側面も持ち合わせており、本機のみで連邦の重要拠点を攻撃する事も想定されていた。これを実現すべく、本機には次世代推進システム「ミノフスキードライブ」が搭載される事となり、かつてサナリィの月面施設を襲撃した際に奪取したレコードブレイカーの設計データにアマクサを掛け合わせる形で設計されている。しかし、主に木星側の技術力不足が原因でミノフスキードライブを完全に再現する事が出来ず(パーツ単位での噴射実験にはある程度成功していたとされる)、機体外に放出される余剰エネルギーであるビーム粒子「光の翼」の安定が予想以上に上手くいかなかった。これを解決すべく、各部には光の翼の小型放出口を設けて内圧を減らし(サブスラスターとしても機能する)、同時に全身にIフィールドの放射装置とそれを制御する別系統のシステムとして木星のOSを組み込んでいる。なお、本機のミノフスキードライブは「ファントムライト」と命名されている。
本機にはバランスのコントロール用にレコードブレイカーのバイオコンピューターを搭載しているが、解析が不完全な部分も存在している(プログラム上に8つの“ピン”が存在し、これを綾取りの「8カケの吊り橋」のように繋ぎ合わせる必要があったが、最初期の理論故に木星側はこれを知らなかった)。この為、何らかの不具合が発生する事も懸念されていたが、最悪の場合、木星OSのみでも機体そのものの制御は出来るだろうと考えられていたようである。しかし、木星OSとバイオコンピューターは折り合いが悪く、現場がタカ派の上層部から早急に完成させるよう命令された事でこの問題を棚上げして機体を組み上げた結果、ミノフスキードライブどころか機体そのものが全く動かせない状態となってしまっていた。
この他にもミノフスキードライブ展開時に多大な負荷がかかってオーバーヒートするという問題があり、他のサウザンド・カスタムと同様に頭部のフェイスカバーを展開して放熱を行うが、本機では頬にも展開式のダクトが設けられ、最大出力時にはそちらも展開して二段階強制放熱モードをとる事が可能。背部にも強制冷却カートリッジを備えるが、それでも稼働時間はかなり短い。
問題も多い本機だが、ミノフスキードライブとIフィールドによる機動性と対ビーム防御力は非常に高く、稼動すれば運用次第で戦局を大きく左右する程の力を発揮できる機体である。
当初は可変モビルスーツとして設計が行われており、左右半身と胴体の中央ブロック、後部ブロックの計4ブロックの位置を変更して巡航形態「蜃気楼鳥(ミラージュ・ワゾー)」へと変形できるはずであった。各ブロックを移動させる事でエネルギー循環効率の改善と推進力のベクトル整理、大気圏内における飛行性能の向上や機体冷却の問題の改善が見込め、惑星間での長期安定飛行を可能とする予定であった(同時に「ファントムライト」の稼働時間も若干だが延長される)。しかし、実際には変形してもなお木星から地球へ単機での移動を行うのは数値的に考えてもあまりに非現実的であり、そもそも「ファントムライト」や機体そのものがまともに起動する事が困難と判明した時点で断念され、物理的なロック機構を施して変形不可能としている
後にフォント・ボーが「ファントムは人型であり、そのままの状態では地球~木星間における単機での長期間の安定航行を行うのに適さない」という観点から機体の解析を行った結果この形態を発見、マリア・シティでの作戦後にロックを外してテストする予定だったが、同作戦時にザンスカール帝国が発射した核ミサイルを迎撃・無力化するべくロックを無理やり破壊して使用した。
頭部はガンダムタイプに似ており、木星のMSとしては珍しくツインアイを採用しているように見えるが、これは光の翼のビーム粒子からカメラを保護する為のカバーであり、この下にはこれまで通りのモノアイが隠れている。ちなみにこの頭部デザインが由来なのか、フォント・ボーからは「ファントムガンダム」と(心の中で)呼ばれている。
本来の開発目的から考えると本機は完全な失敗作であり、同時期にリガ・ミリティアが運用していたV2ガンダムのミノフスキードライブと比較しても完成度は50%程度とされる。
登場作品と操縦者
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト
- パイロットはフォント・ボーで、ハロロがサポートを行っている。また、トレス・マレスが同乗した事もある。
サーカス母艦の格納庫内に封印されていたが、人質となった子供達を救出する為にフォントが奪取してプログラムのデバッグを行い、木星OSの起動を成功させた。だが木星OSのみではバランス制御がほとんど行えず、常によろけているような状態であった。その為、一度はゴードンのガラハドに捕らえられてしまうが、その間にバイオコンピューターの“ピン”を繋ぐ事で完全稼働が可能となり、その機体特性を活かしてガラハドを大破させている。
その後は宇宙海賊クロスボーン・バンガードの戦力として運用される事となり、胸には小さな髑髏のレリーフが追加されている。
マリア・シティでの戦闘ではブラックロー運送の専務が一時的に乗り込んでエンジェル・コールの焼却に使用された他、「蜃気楼鳥」に変形してザンスカールの核攻撃を阻止している。だが、そのせいで本機もかなり損傷してしまい、大幅な改修を受けて名称もゴーストガンダムに改められた。最終決戦後は再びフォントによって「ファントム」の名が与えられている。
装備・機能
特殊機能
- ファントムライト
- 本機のミノフスキードライブに付けられた名称で、全身から「光の翼」を展開する。
収束が不安定な状態の余剰エネルギーをIフィールドで強引に抑え込もうとしている為、余計に不安定になっており、まるで炎のように揺らめいている。最大出力ならば重MSすら易々と振り回せる程のパワーを発揮できるが、連続使用は15分間が限度である。「蜃気楼鳥」形態時では3分ほど時間を延長可能。
終了後はオーバーヒートで一時的に動けなくなり、機体内温度も急激に上昇する。
ちなみに、本機の「光の翼」が攻撃や防御に使用できるかは不明。 - 強制冷却カートリッジ
- 背部に1発装填されており、使用後は排莢される。
ファントムライトの使用時間を延長する為の苦肉の策として採用されたが一度しか使えず、延長できる時間も15分である。当然、次に限界時間に到達すれば完全に動けなくなる。
「蜃気楼鳥」形態時でも使用可能。 - Iフィールド
- 「光の翼」を抑え込む為、全身に組み込まれている。
本来は戦闘での使用を目的として組み込まれた訳ではないのだが、「Iフィールドの鎧」ならぬ「Iフィールドの嵐」と表現される程強力である為に敵からのビーム攻撃のほとんどを無効化できるだけの防御力を本機に与えている。
「蜃気楼鳥」形態時にはこれを一種のバリアとする事で本機の大気圏内における飛行性能を向上させる役割を果たす。 - 変形
- 「蜃気楼鳥」に変形可能。
武装・必殺攻撃
- フレイムソード
- サイドスカートに1本ずつ、計2本マウントされているビームソード。ファントムライト使用時には「光の翼」と同様にビームが燃えるように揺らめいていて(これが名称の由来になったと思われる)、敵機のビームシールドを無効化しつつ攻撃可能。これは相手のシールドのビームがこちらのIフィールドによって引きずられ、流される為に起こる現象である。
ビームを展開していない時は小型の実体剣のような形状をしており、この状態で加熱する事によってヒートナイフとして使用可能。 - バタフライバスターB
- ブラックロー運送が一年前にカーティス・ロスコから発注を受けて開発した武器。銃身を折り畳む事でガンモードからサーベルモードになる。
名前からも分かる通り、設計のコンセプトはバタフライバスターを基にしているが、最新技術で一新された結果、出力が12%程度向上している。
ちなみに原型品と同じパーツが現存していないので、形状は全く違う。 - ビームライフル
- ガラハドの携行武装。速射性はかなり高く、どちらかというとビームマシンガンに近い。
また、銃身から小型のビーム刃を多数展開する事でチェーンソーとしても使用できる。
サーカス母艦から脱出する際に奪って使用したが、迎撃してきた歩兵を牽制する為に放り投げている。 - 多目的攻撃兵装「クジャク」
- ブラックロー運送がバタフライバスターBと同時期に発注を受けて開発していた武器。ムラマサ・ブラスターとピーコック・スマッシャーの機能を併せ持つ複合兵装であり、「バスターモード」と「スマッシャーモード」に変形する。
「バスターモード」では片側7本、計14本のビーム刃を展開でき、内蔵された小型ジェネレーターに加えてMS本体からの出力も合わせる事で並みのビーム兵器を凌駕するビーム圧を与えている。これによって相手をビーム・シールドごと切断できる。また先端部にはビーム砲が1門内蔵されている為、大型ビーム・ライフルとしても使用可能。
「スマッシャーモード」は「バスターモード」の刀身部をボウガン状に展開し、15門の砲口からビームを一斉に発射する。
性能が高い反面、MS1機分に匹敵する製造コストがかかる。
名称は「ピーコック」を「ムラマサ」の語源となる言語に翻訳したもの。
ジャブローでの戦闘でカーティスから渡されて使用している。
対決・名場面
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