ファントムV2
ファントムV2 | |
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外国語表記 | Phantom Version 2 |
登場作品 | 機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST |
デザイナー | 長谷川裕一 |
スペック | |
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分類 | 惑星間高速移動用試作型モビルスーツ (可変モビルスーツ) |
生産形態 | 改修機 |
型式番号 | EMS-TC02 ⇒ EMC-TC02 |
主動力 | 熱核融合炉 |
原型機 | ファントム |
所属 | 未所属 ⇒ キュクロープス |
主なパイロット |
フォント・ボー ハロロ (操縦サポート) |
概要編集
宇宙世紀160年代の技術によって修復されたファントム。正式名称は「ファントム」のままだが、装備の差異を区別するため、便宜上「V2(ヴァージョン2)」と呼称される。細かな差異は整備状況によって刻々とあるが、主に左腕にノーズローターと呼ばれる新装備が追加された状態を指す。
ノーズローターは主に出力の低下したミノフスキードライブへの負担軽減を目的とした補助装備であり、デスフィズの腕部を参考に制作された。モビルスーツ形態では主にビーム・シールドやビーム・カッターとして用いられ、蜃気楼鳥V2形態では機首に装着する事でビーム・ローターと同様の原理で推進力を発生させる。ミノフスキードライブへの負担は軽減されているものの、エンジン出力自体が落ちている為、使用限界時間は冷却材無しで15分程度と変化はなく、速度自体もファントム・ライトを展開した状態より落ちている。無論、ファントム・ライトを展開した「フルドライブ」状態での戦闘も可能だが、その際の活動限界は5分と短くなる。
ノーズローターが追加された以外の外観は、基本的に銀塗装の剥がれたゴーストガンダムと言えるが、頭部スリットは無く、左肩部アーマーもダクトの無い不完全な物である。元のファントムと比較した場合、出力・戦闘能力は75%程度であり、フレイム・ソード等の機能も回復していない。
後にキュクロープス所属となり、本機の解析が行われると共に、左肩部アーマーがオリジナルと同形状の物へと変更。また、首切り王との初戦闘となった「再灯火の日」以降、V2からV2改への改修が行われている。
登場作品と操縦者編集
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST
- ファントム、ゴーストガンダムに引き続きフォントが搭乗。0168年から0169年の間にフォントとベルを乗せて各地を奔走した後、キュクロープスと無敵運送の戦いに介入。アーノルド・ジルベスターを救出しそのままキュクロープス所属となった。キュクロープスに参入した際に解析と修復が行われ、サイド1での讃美歌の国との決戦時にファントムV2改に改修された。また、後継機としてブラン・ファントムやノエル・レイス等が開発されている。
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム LOVE&PIECE
- 「キュプロークスの花嫁」にて登場。外装を黒く塗装して、ネオ・コスモ・バビロニアのMS闘技会でフォント機として使用された。なお闘技会後に元の緑色に戻されたとのこと。
装備・機能編集
特殊機能編集
- バイオコンピューター
- 機体の情報をパイロットに伝えるサイコミュデバイス。当初のファントムから全身のバランスを制御するために搭載されている。
- ファントム・ライト
- ファントムに装備されているミノフスキードライブ。発生する光の翼が極めて不安定な為、全身のIフィールド発生器によってこれを抑え込んで無理やり安定化を図っている為、本機の光の翼は炎のように揺らめいて見える。
- 機体性能の劣化により長時間の展開は不可能となっており、フルドライブ状態では5分程度しか活動できない。
- Iフィールド発生器
- 「光の翼」を抑え込む為、全身に組み込まれている。本来は戦闘での使用を目的として組み込まれた訳ではないのだが、「Iフィールドの鎧」ならぬ「Iフィールドの嵐」と表現される程強力である為に敵からのビーム攻撃のほとんどを無効化できるだけの防御力を本機に与えている。「蜃気楼鳥V2」形態時にはこれを一種のバリアとする事で本機の大気圏内における飛行性能を向上させる役割を果たす。
- 変形
- 「蜃気楼鳥V2」に変形可能。
武装・必殺攻撃編集
- ノーズローター
- 左腕部に装着されている複合兵装。デスフィズのビーム・ファングを参考に開発された装備で、先端部のローターに3基のビーム発生器が内蔵されている。発生したビームは本体のIフィールドの影響で、炎のように揺らめいている。ローターを回転させながらビームを発生させることでビーム・カッターやビーム・シールドとして使用できる他、Iフィールドを偏向する事でビームをバルカン状に放射できる。遠近攻撃及び防御にも対応可能な万能装備であるが、フレイム・ソードの機能回復が行われていないこの状態では、このパーツに戦闘力を依存しすぎていると言う問題点も存在する。
「蜃気楼鳥V2」形態では機首部に装着され、ビーム・ローターによって推進力を生み出す。
なおこの新装備はフォントが空白の1年間の間に入手した物であると考えられるが、製造元は明らかになっていない。 - フレイム・サーベル (フレイム・ソード)
- サイドスカートに計2基装備されているビーム・ソード。当初は機能が回復していなかったが、首切り王との戦闘後に修復が開始され、V2改への以降に先駆けて再び使用可能となった。
- フレイム・ライフル
- サイドスカートに内蔵されているビーム・ライフル。こちらもフレイム・ソードと同様に機能していない。
- ワゾー・ベック
- ファントムが本来の設計通り完成していたら与えられる筈だった銃の形状を模して開発された実体弾銃。ファントムのメモリー内に設計データが残されていたが、外部形状とエネルギーパイプのジョイント位置程度のものであり、そこから類推する形でフォントにより提案された物を、民間業者のブラックロー工房が完成させた。
技術的な限界で実体弾を採用しているが、フォントはノーズ・ローターが完成するまでのある時期まではこちらを主兵装として使用しており、キュクロープス合流後はネオ・コスモ・バビロニアのMS闘技会のレギュレーションに合わせ、またノーズローターがザンスカール帝国由来の技術である点を考慮して保管していたこちらを装備している。