火星
火星 (Mars)
太陽から4番目に近い惑星。大気や四季といった地球に似た環境を持ち、現実世界でも将来テラフォーミングを行い、人類を移住させる計画も上がっている。
宇宙世紀
宇宙世紀改暦以前から開拓地として注目されていたが、島3号型コロニーの開発成功に加え、木星及びアステロイドベルトと比較しての経済的アドバンテージの低さ[1]から辺境として認識されている。大気の改善が行われていない為、都市は「ラッピング構造体」と呼ばれる規格を採用。衛星の一つであるフォボスには宇宙港が置かれている。
一年戦争後はジオン共和国による資本導入が行われており、ジオンマーズがそこを武力による実効支配を敢行。火星に建設されたプラントを利用しアクシズ製MSの改良型を複数開発した。グリプス戦役後はティターンズ残党の戦力を得たレジオンがジオンマーズを追い落とし火星を支配。ジオンマーズとレジオンの両者は武力衝突を繰り返し、最終的にジオンマーズが四十年の潜伏期間を経てオールズモビルとして連邦に反旗を翻している[2]。
0091年はアルカディア平原のサイドアルカディアが唯一の都市として扱われていたが、0095年にはマリナー・シティが最大規模の植民地として扱われている。生活基盤には戦後放出された熱核融合炉やエネルギーCAPが活用されているが、レジオン政権下ではガンダムTR-6[インレ]の大気圏離脱用ブースターのジェネレーターを都市基盤に組み込んでいた。
第一次オールズモビル戦役時にはオリンポス山にオリンポス・キャノンが敷設されているが、これはジオン系資本による惑星間商業用マスドライバー建設計画が下敷きとなっている。
アフターコロニー
テラフォーミングが行われた事で人類の居住地としての地位を確立。急激な老化現象を引き起こす風土病の存在など、過酷な環境である事には変わりないが、複数の国家が樹立し、それらを統括する火星連邦政府が成立した事でアフターコロニーとは別の歴号であるマーズセンチュリーを採用している。
また、火星圏ではモビルスーツとは異なるカテゴリーの人型兵器としてマーズスーツが運用されている。
コズミック・イラ
CE70年代初期にレアメタル採掘を目的に築かれた人類最大規模かつ最も地球から離れたコロニー群としてマーズコロニー群が存在。地球・火星間では年に一度の定期便が行き来しており、プラント及びDSSDと交易を行っている。火星移民者はマーシャンと呼ばれ、彼らは相対的に地球圏の人間をテラナーと呼ぶ。
開発事業者はナチュラルであるが、数少ない人員で過酷な環境下での開発事業を行う目的で必要な職種に合わせて遺伝子調整されたコーディネーターが現場を担っている。これはギルバート・デュランダルの提唱するデスティニー・プランに似た社会構造であり、デュランダル本人も興味を示していた。
後にロウ・ギュールが火星を訪れた事でモビルスーツの技術が伝播。初の火星製MSであるデルタアストレイ、ガードシェルが開発された。
アドバンスド・ジェネレーション
A.G.以前の過去(A.G.115年よりも150年前)に火星移住計画「マーズバースデイ」が持ち上がりテラフォーミングが実行され、試験的に16基のコロニーが建造された。
しかし、マーズレイと呼ばれる磁気嵐とそれに起因する風土病を克服する事ができず、計画は頓挫。当時の地球連邦高官らは調査不足の責任追及から逃れる為に移民者は全員死亡しと発表。その際に火星圏に取り残された者たちがヴェイガンとなった。
ポスト・ディザスター
テラフォーミングによって地球とほぼ同一の自然環境が構築された。厄祭戦後に開催されたマルタ会議によって地球経済圏による分割統治が行われている。
経済回復を目的に結ばれた「EM経済協定」によって実質的な地球圏の植民地として扱われている。P.D.205年にクリュセが制限付きでアーヴラウから自治権を獲得したが、地球重視の政策の反動から独立運動が活発化しており、クーデリア・藍那・バーンスタインは火星ハーフメタルの規制開放による経済的自立を促すべく奔走した。
圏外圏という事もあり、治安は低く本来非合法である阿頼耶識システムが横行し、ヒューマン・デブリの取り引きも行われている。一方で、地球圏では忌避されている義手・義足等のサイバネティック技術に対する嫌悪感は希薄になっている。