「ジオン・ズム・ダイクン」の版間の差分

 
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== 概要 ==
 
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コロニー独立運動の指導者。[[ジオン共和国]]初代首相。[[キャスバル・レム・ダイクン]]と[[アルテイシア・ソム・ダイクン]]の実父。ジオニズム思想の提唱者。
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コロニー独立運動の指導者。[[ジオン共和国]]初代首相。[[シャア・アズナブル|キャスバル・レム・ダイクン]]と[[セイラ・マス|アルテイシア・ソム・ダイクン]]の実父。
地球から最も遠いスペースコロニー「サイド3」を「ジオン共和国」として一方的に独立宣言を行い、地球とは緊張が高まっていたがこれを是とはせず、地球と宇宙との不均衡を正したいという意思で活動を続けていた。だが志半ばにして急死。対立していた[[デギン・ソド・ザビ]]による謀殺が囁かれている。その後のジオン公国におけるサビ家の専横は、臨終の際にデギン・ソド・ザビを指差したことが「後継者を指名した」と解釈されたためであるが、一部のダイクン派からは「暗殺者を告発した」と解釈されている。『[[機動戦士ガンダム]]』と『[[機動戦士ガンダム THE ORIGIN]]』でキャラクターの描写が大きく異なり後述を参照。
 
  
=== 機動戦士ガンダムにおいて ===
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地球に留まり続ける[[アースノイド]]と[[スペースノイド]]の対立が深まる中、自らの提唱したコントリズム(サイド国家主義思想)をサイド3で実践。宇宙世紀0058年にサイド3を「[[ジオン共和国]]」として独立させ、初代首相に就任した。その中でコントリズムとエレズム(地球聖地化思想)を融合した[[ジオニズム]]思想を提唱し、また宇宙という環境に適応した新人類[[ニュータイプ]]の存在を予見した事で、宇宙移民者らの間でそのカリスマ性を高めていった。
TVシリーズ、劇場版共に劇中ではほとんど描写がなく出番といってはテキサスコロニーでダイクン兄妹が邂逅した際の回想程度である。富野由悠季による小説版では、彼の情熱的で二枚目な扇動家としての面がギレンによって語られていた。
 
  
=== 機動戦士ガンダム THE ORIGINにおいて ===
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ジオン共和国の半ば一方的な独立によって地球連邦は経済制裁を実施。これによって両者の間に緊張状態が生まれるが、ダイクン当人はこれを是とはせず、地球と宇宙との不均衡を正したいという意思で活動を続けた。だが、宇宙世紀0068年に志半ばにして急死した。
「ORIGIN」では強烈な選民思想を抱いた扇動者として全く別のキャラのように描かれている。「ORIGIN」での彼は「地球連邦がそうとするジオン・ズム・ダイクン像」に近いと言ってもいい。自らをイエス・キリストになぞらえ、部下達を「弟子」と称するなど政治家というよりは宗教家に近いような言動が多く、非常に独善的で情緒不安定であった。一方では彼はサイド3の自治権を認めさせるなどの政治的な実績も残しているため(これはジオン・ズム・ダイクン以外の労力もあるのかもしれないが)いずれにせよ一面だけの人間ではないようだ。
 
  
地球への宣戦布告として完全な独立を宣言する議会の壇上で突然倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまったが、彼の死は「地球連邦による暗殺」というデマゴーグに利用されたり、閣僚同士の後継者争いに発展するなど、後の出来事を鑑みれば非常に大きな転機であったことは間違いない。
+
彼の死の真相については当時対立していた[[デギン・ソド・ザビ]]による暗殺と噂されているが、真相は明らかにはされておらず、臨終の際にデギンを指差した事が「後継者を指名した」という解釈と「暗殺者を告発した」という解釈に分かれている状況にある。
  
また、彼の死因に関してTVシリーズでは暗殺説は否定されており、単なる病死であったが「死に瀕して偶然手を上げる動作をしたらその先に偶然デギンがいて、周りの人が勝手にそれを『後継者指名だ』『いや暗殺者の告発だ』と騒ぎ出しただけ」という富野氏の発言が根拠となっている(余談だが、この「当事者を置き去りにしたまま周囲が勘違いして話が大事になる」というのは後に『装甲騎兵ボトムズ』でも取られた物語展開である)。しかし「ORIGIN」ではデギン・ソド・ザビから明確に「自分がヤッた」旨が語られている。
+
彼の遺した思想や言説は後の宇宙世紀において多大な影響を与え、行動理念に強く結び付けた人物は数多い。後の世では「優れた思想家ではあったが政治家ではなかった」と評価される事もあるが、それでもその存在は無視出来ないものである。
  
=== ジオニズム ===
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なお、[[一年戦争]]の開戦や[[コロニー落とし]]は[[ザビ家]]が主導権を握ってから起きたことであり、彼自身は開戦には慎重で否定的であったと言われている。
多くの作品では彼のジオニズム思想は「人類を生み出した地球を守るために、人類は宇宙に出なければならない」「宇宙に出た人間は誤解なく分かり合える新人類へと革新できる」というある種の博愛主義的な聖人であったとされている一方、割りと強硬な手段でジオン共和国を独立させようとするなど人柄に関しては様々な解釈がなされている。「機動戦士ガンダム」では[[ギレン・ザビ]]によって本来の解釈である「人の革新」や博愛主義的な側面を完全に否定した「選民主義の発露」と「扇動のためのアジテーション」に捻じ曲げられていたが、「ORIGIN」では彼自身の口から近い意味で語られている。『[[機動戦士ガンダムUC]]』では正反対に「太陽の光も届かない過酷な環境で生きていくために必要だった光」と評されている。いずれにせよ、結果的に彼のジオニズム思想が発端となって後々にも大きな禍根を残すことになってしまった。
 
 
 
なお、1年戦争の開戦や悪名高いコロニー落としはタカ派であったザビ家が主導権を握ってから起きたことであり、彼自身は開戦には慎重で否定的であった。
 
  
 
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
 
;[[機動戦士ガンダム]]
 
;[[機動戦士ガンダム]]
:既に故人。シャアの回想で死ぬ間際の様子が描かれている。
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:TVシリーズ、劇場版共に劇中ではほとんど描写がなく、出番といってはテキサスコロニーでダイクン兄妹が邂逅した際の回想程度である。
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;[[機動戦士ガンダム (小説版)]]
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:富野由悠季による小説版では、ジオン・連邦双方に影響力を与えた人物としてその人物像が度々、各登場人物によって語られており、彼の情熱的で二枚目な扇動家としての面をギレンが語られていた。そのジオンシンパであるジンバ・ラルもアルテイシア達にザビ家の陰謀を説く度に、彼自身ニュータイプ、「キリストか仏陀の再来」と称えられていたと語っている。
 
;[[機動戦士ガンダム THE ORIGIN]]
 
;[[機動戦士ガンダム THE ORIGIN]]
:演説中に倒れ、急死。対連邦強硬派として描かれていた。
+
:強烈な選民思想を抱いた扇動者として描かれている。自らをイエス・キリストになぞらえ、部下達を「弟子」と称するなど政治家というよりは宗教家に近いような言動が多く、非常に独善的で情緒不安定であったが、そのカリスマ性は本物である。
 +
:演説中に議会の壇上で突然倒れ、そのまま帰らぬ人となる。彼の死は「地球連邦による暗殺」というデマゴーグに利用され、それが閣僚同士の後継者争いに発展した。
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:本作ではダイクンは暗殺ではなく急死とされており<ref>死の前夜、不眠不休で演説原稿の執筆を行っており、それを妻アストライアが嗜める描写がある。しかし、彼女の言葉に対して「私に寝ろというのか」と激昂し、耳を貸さなかった。</ref>、[[シャア・アズナブル|シャア]]の行動の動機となるザビ家への復讐も、ダイクン暗殺の犯人はザビ家の人間だという[[ジンバ・ラル]]の主張を耳にしてきた事が影響している。
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:非戦派であったとされていた本編とは違い、こちらは強烈な主戦派であり、むしろザビの家長であったデギンが連邦との全面戦争による敵味方双方に膨大な犠牲者が出る事を危惧し続ける非戦派として描かれている。
  
 
== 人間関係 ==
 
== 人間関係 ==
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;[[アストライア・トア・ダイクン]]
 
;[[アストライア・トア・ダイクン]]
 
:キャスバルとアルテイシアの母。ダイクンの愛人。
 
:キャスバルとアルテイシアの母。ダイクンの愛人。
;[[ローゼルシア]]
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;[[ローゼルシア・ダイクン]]
:正妻。彼女自身はジオンを愛したが、子供に恵まれなかった。
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:正妻。彼女自身はジオンを若き日から愛しパトロンとして金銭面・精神面双方で支援してきたが、子供に恵まれなかった。
  
 
=== [[ジオン共和国]] ===
 
=== [[ジオン共和国]] ===
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<!-- 長すぎないよう、原作の一連の会話全てを引用するなどは控えてください。 -->
 
<!-- 長すぎないよう、原作の一連の会話全てを引用するなどは控えてください。 -->
  
== 搭乗機体・関連機体 ==
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<!-- == 搭乗機体・関連機体 == -->
 
<!-- :[[機体名]]:説明 -->
 
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<!-- キャラクターが大きく関わった(開発した、搭乗した)機体を記述してください。 -->
 
<!-- キャラクターが大きく関わった(開発した、搭乗した)機体を記述してください。 -->
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*[[登場人物]]
 
*[[登場人物]]
  
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2024年11月16日 (土) 15:02時点における最新版

ジオン・ズム・ダイクン
外国語表記 Zeon Zum Deikun
登場作品
声優
  • 長克巳(Gジェネ魂)
  • 津田英三(ORIGIN)
  • デザイナー 安彦良和
    テンプレートを表示
    プロフィール
    種族 人間(スペースノイド
    性別 男性
    生年月日 宇宙世紀0009年
    没年月日 宇宙世紀0068年
    髪色
    • 白髪(『1st』その他ゲーム作品など)
    • 黒髪(『THE ORIGIN』など)
    職業 独立運動の指導者、ジオン共和国初代首相
    所属 ジオン共和国
    テンプレートを表示

    概要 編集

    コロニー独立運動の指導者。ジオン共和国初代首相。キャスバル・レム・ダイクンアルテイシア・ソム・ダイクンの実父。

    地球に留まり続けるアースノイドスペースノイドの対立が深まる中、自らの提唱したコントリズム(サイド国家主義思想)をサイド3で実践。宇宙世紀0058年にサイド3を「ジオン共和国」として独立させ、初代首相に就任した。その中でコントリズムとエレズム(地球聖地化思想)を融合したジオニズム思想を提唱し、また宇宙という環境に適応した新人類ニュータイプの存在を予見した事で、宇宙移民者らの間でそのカリスマ性を高めていった。

    ジオン共和国の半ば一方的な独立によって地球連邦は経済制裁を実施。これによって両者の間に緊張状態が生まれるが、ダイクン当人はこれを是とはせず、地球と宇宙との不均衡を正したいという意思で活動を続けた。だが、宇宙世紀0068年に志半ばにして急死した。

    彼の死の真相については当時対立していたデギン・ソド・ザビによる暗殺と噂されているが、真相は明らかにはされておらず、臨終の際にデギンを指差した事が「後継者を指名した」という解釈と「暗殺者を告発した」という解釈に分かれている状況にある。

    彼の遺した思想や言説は後の宇宙世紀において多大な影響を与え、行動理念に強く結び付けた人物は数多い。後の世では「優れた思想家ではあったが政治家ではなかった」と評価される事もあるが、それでもその存在は無視出来ないものである。

    なお、一年戦争の開戦やコロニー落としザビ家が主導権を握ってから起きたことであり、彼自身は開戦には慎重で否定的であったと言われている。

    登場作品と役柄編集

    機動戦士ガンダム
    TVシリーズ、劇場版共に劇中ではほとんど描写がなく、出番といってはテキサスコロニーでダイクン兄妹が邂逅した際の回想程度である。
    機動戦士ガンダム (小説版)
    富野由悠季による小説版では、ジオン・連邦双方に影響力を与えた人物としてその人物像が度々、各登場人物によって語られており、彼の情熱的で二枚目な扇動家としての面をギレンが語られていた。そのジオンシンパであるジンバ・ラルもアルテイシア達にザビ家の陰謀を説く度に、彼自身ニュータイプ、「キリストか仏陀の再来」と称えられていたと語っている。
    機動戦士ガンダム THE ORIGIN
    強烈な選民思想を抱いた扇動者として描かれている。自らをイエス・キリストになぞらえ、部下達を「弟子」と称するなど政治家というよりは宗教家に近いような言動が多く、非常に独善的で情緒不安定であったが、そのカリスマ性は本物である。
    演説中に議会の壇上で突然倒れ、そのまま帰らぬ人となる。彼の死は「地球連邦による暗殺」というデマゴーグに利用され、それが閣僚同士の後継者争いに発展した。
    本作ではダイクンは暗殺ではなく急死とされており[1]シャアの行動の動機となるザビ家への復讐も、ダイクン暗殺の犯人はザビ家の人間だというジンバ・ラルの主張を耳にしてきた事が影響している。
    非戦派であったとされていた本編とは違い、こちらは強烈な主戦派であり、むしろザビの家長であったデギンが連邦との全面戦争による敵味方双方に膨大な犠牲者が出る事を危惧し続ける非戦派として描かれている。

    人間関係編集

    家族 編集

    シャア・アズナブル
    本名キャスバル・レム・ダイクン。長男。
    セイラ・マス
    本名アルテイシア・ソム・ダイクン。長女。
    アストライア・トア・ダイクン
    キャスバルとアルテイシアの母。ダイクンの愛人。
    ローゼルシア・ダイクン
    正妻。彼女自身はジオンを若き日から愛しパトロンとして金銭面・精神面双方で支援してきたが、子供に恵まれなかった。

    ジオン共和国編集

    デギン・ソド・ザビ
    独立運動の盟友。死の直前あたりでは路線の違いで対立していた。
    ジンバ・ラル
    独立運動の盟友。デギンとは当初から対立していた模様。
    カレル・カーシム
    協力者。当初はジオニズムに一定の理解を示してたが、ある時期を境に彼の元から離れムーン・ムーンに移住した。

    名台詞編集

    商品情報編集

    リンク編集

    脚注編集

    1. 死の前夜、不眠不休で演説原稿の執筆を行っており、それを妻アストライアが嗜める描写がある。しかし、彼女の言葉に対して「私に寝ろというのか」と激昂し、耳を貸さなかった。