「Ex-Sガンダム」の版間の差分

 
(3人の利用者による、間の8版が非表示)
32行目: 32行目:
 
| 主なパイロット = [[リョウ・ルーツ]]
 
| 主なパイロット = [[リョウ・ルーツ]]
 
}}<!-- 必要に応じて追加をお願いします。 -->
 
}}<!-- 必要に応じて追加をお願いします。 -->
 +
 +
{{登場メカ概要
 +
| タイトル = Gクルーザー
 +
| 全長 = 43.63m
 +
| 全幅 = 22.89m
 +
| 本体重量 = 78.28t
 +
| 全備重量 = 242.36t
 +
| ジェネレーター出力 = 12,250kw<ref>可変に伴い出力が向上しているが、これについての解説は行われていない。</ref>
 +
| スラスター総推力 = 118,2000kg
 +
| センサー有効半径 = 18,800m
 +
}}
  
 
== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[アナハイム・エレクトロニクス社]]が開発した[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]の試作型[[モビルスーツ]]。[[Sガンダム]]の重装仕様である。名称の「Ex-S」は「イクスェス」と呼称する。
+
[[アナハイム・エレクトロニクス社]]が開発した[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]の試作型[[モビルスーツ]]。[[Sガンダム]]の重装仕様である。型式番号の「Ext」は「Extraordinary」の略<ref>「異常な」や「驚くべき」等を意味する形容詞。</ref>であり、機体名称の「Ex-S」は「イクスェス」と呼称する。
 +
 
 +
MSの欠点の一つとして、その航続距離・行動時間の短い点が挙げられ、こと[[ガンダムタイプ|ガンダム系MS]]に関しては、その欠点を克服する目的で[[一年戦争]]当時[[Gアーマー]]構想が存在していた。戦後、MSの[[ムーバブルフレーム]]化が進んだ事でMSの飛行形態は再び見直され、アナハイム系ガンダムでは[[Ζガンダム]]がウェイブライダー形態への変形機構を導入。[[Ζ計画]]ではこれに[[コアブロックシステム]]をも導入したプランを進め、[[ΖΖガンダム]]と[[Sガンダム]]が開発された。Sガンダムでは、ΖΖで問題のあった脱出システムや変形の際のコア・ブロックにかかる負担等をクリアする為に、追加パーツ方式を採用。これにより、MSの飛行・巡航形態としては理想的な「Gクルーザー・モード」化を実現し、またそのGクルーザーからMSモードへの変形により、Ex-Sガンダムと呼ばれる攻撃/防御強化型重装MSモードをも同時に手中に収めた。
  
全身に8つの強化パーツを追加・交換しており、「Gクルーザー」と呼ばれる巡航形態への変形を可能としつつMS形態時の戦闘力を強化している。胸部と腹部に追加された複合防御ユニットにはそれぞれ[[Iフィールド|Iフィールド・ジェネレーター]]と[[ムーバブルフレーム]]が存在し、コクピットブロックの対ビーム防御力を向上させると共に大腿部ビーム・カノンを装備したままでのビーム・スマートガンの追加が可能となった。複合防御ユニット自体もA・Bパーツのコクピット防護用の追加装甲として機能する。それに加えて、このユニットは胸部の変形時に集中する大きな応力をフォローさせる事も想定して設計されており、胸部変形システムを補強する役割も与えられている。
+
Ex-Sガンダムには、Sガンダムに対し8つの強化パーツが追加・換装され、変形のための可動・脱着機構が根本的に変更、改変される。つまり、Sガンダムはそのままの状態でクルーザーモードに変形する事はできず、逆にEx-Sガンダムが3つのブロックに分離変形する事は(不可能ではないが)想定されていない。
  
Sガンダムと比較して質量が8割増加した事を受けて推力強化と推進剤の積載量増加も図られている。バックパックはブースター・ユニットに換装され、内蔵された熱核ロケットとプロペラントにより推力が通常バックパックの11倍にまで強化された。このユニットは中央で27°まで折れ曲がるようになっていて、複雑に入り乱れている各部ユニットとの干渉を極力回避させられる。ブースター・ユニット自体が作動肢と同等の可動範囲を持つ程に自由度が高いという事もあり、機動性だけでなく運動性も高める効果がある。またムーバブルフレームのラッチが2つずつ存在し、武装を追加可能な上に搭載されたコ・ジェネレーターからエネルギー供給も受けられる。本機では大口径ビーム・カノンを4門装備させている。両脚部にもプロペラントタンクを兼ねた推力強化パックが追加された他、両肩部に大型のプロペラント・パックを装着できる。巡航形態時の作戦行動半径を大幅に広げられ、大気圏内においてもフェアリングユニットとして使えるようになっている。このプロペラント・パックにもムーバブルフレームが存在する為、装着したままでの変形も問題ないが、基本的には推進剤を全て使い切るかMS形態へ変形する際にパージされる事が多い。
+
Ex-Sガンダムの頭部はSガンダムそのものだが、ボディユニットは、Gクルーザーへの変形時に大きな応力がかかるコア・ブロック周辺の可変機構の構造的な補強と[[Iフィールド|Iフィールド発生器]]を兼ねており、コクピット・ブロック周辺だけにビーム・バリアーを生じさせパイロット保護に務めている。また、[[ビーム・スマートガン]]稼働のためのマウント装備が追加される。
  
両膝部のビーム・サーベル・ボックスユニットはリフレクター・インコム・ユニットに換装され、ビーム・スマートガンや2種類のビーム・カノンと組み合わせて使う事で威力を発揮する。2種類のインコムを始めとする多数の武装や「[[ALICE]]」も搭載されている事から[[ニュータイプ]]専用機並の戦闘力があると言われ、それらを駆使すれば実戦経験がほとんど無いパイロットでも経験豊富な熟練パイロットを相手に対等以上に戦える程のポテンシャルを有しているとされる。
+
膝部にはニークラッシャー兼[[ビーム・サーベル]]ホルダー及び[[インコム|リフレクター・インコム]]ホルダーが増設され、脛後部にはプロペラントタンクとブースターが一体化された推力強化装置が装備され、Gクルーザー、MS両形態での機動性向上に貢献している。
  
なお、型式番号の「Ext」は「Extraordinary」の略で、「異常な」や「驚くべき」等を意味する形容詞。
+
バックパックはブースター・ユニットに換装され、内蔵された熱核ロケットとプロペラントにより推力が通常バックパックの11倍にまで強化された。このユニットは中央で27°まで折れ曲がり、複雑に入り乱れている各部ユニットとの干渉を極力回避させる。ブースター・ユニット自体が作動肢と同等の可動範囲を持つ事もあり、機動性だけでなく運動性も高める効果があった。また側面にはラッチが2基ずつ存在し、武装はもとより、コ・ジェネレーターからのエネルギー供給も可能。また、両肩部には増加プロペラント・タンクを装備でき、これを装備した状態でGクルーザーへの変形が可能となる。大気圏を離脱する程の総推力を発揮可能であるが、MS形態では変形時点で排除される事が殆どとなる。
  
=== Gクルーザー (G-Cruiser) ===
+
Ex-Sガンダムでは乾重量時でもノーマルのSガンダムに比べて8割増しになってしまったが、脚部、バックパック共に推力が強化され、プロペラント容量も増した事で、トータルでの機動性は向上している。これらの特性は、言うまでもなく先見性のあるシステム設計と、4基の熱核ジェネレーターを搭載したSガンダムの出力の余裕によるものである。2種類のインコムを始めとする多数の武装や「[[ALICE]]」も搭載されている事から[[ニュータイプ]]専用機並の戦闘力があると言われ、それらを駆使すれば実戦経験がほとんど無いパイロットでも経験豊富な熟練パイロットを相手に対等以上に戦える程のポテンシャルを有しているとされる。
*全長:43.63m
 
*全幅:22.89m
 
*本体重量:78.28t
 
*全備重量:242.36t
 
*ジェネレーター出力:12,250kw
 
*スラスター総推力:118,2000kg
 
*センサー有効半径:18,800m
 
  
Ex-Sガンダムの巡航形態。[[ΖΖガンダム]]で問題となっていた[[コアブロックシステム]]への大きな負担やコア・トップ機首部に搭乗したパイロットの脱出手段などを全て解決させたとされている。更に本形態ではMS形態時よりも航続距離が延伸され、その推力の高さから月面への降下と再離脱、プロペラント・パック装着時であれば単独での大気圏脱出すらも可能。理論上は超長距離侵攻も担える程の航宙戦闘艇としても運用できるが、居住性が高くない為にあまり現実的ではない。
+
=== Gクルーザー===
 +
Ex-Sガンダムの飛行/巡航形態。Ex-SガンダムはガンダムタイプMSにおける[[FSWS計画|フルアーマーファミリー]]に属する形態であるが、増加パーツの設計はSガンダム本体も含めて同時進行で行われ、MS形態はGクルーザーを変形させたものとして扱われている。
  
Ex-S用の強化パーツは変形時にコア・ブロックにかかる負荷を軽減する為に設計された物で、MS形態時の戦闘力向上は二の次である。つまり、このGクルーザー形態こそが基本形態であり、Ex-Sガンダムとは「Gクルーザーに変形できるMS」ではなく「'''GクルーザーのMS形態'''」という事になる。
+
MS形態からGクルーザーへの変形は、肩部や増加プロペラント・タンク、Aパーツ主翼ユニットが可動する事で行われる。また、胴体部を中心に背部ブロックが前方に移動し、分離しない点が特徴となる。胸部増加パーツはパイロット保護の他に剛性面の強化にも一役買っており、[[ΖΖガンダム|Gフォートレス]]のようにコア・ブロックが機体下面にむき出しになる事はなく、コア・ブロックへの負担も軽減されている。
  
なお、Ex-Sガンダムでは変形時におけるパーツの可動や脱着機構がSガンダムのそれと根本的に異なっている。そのため通常のSガンダムはGクルーザーへの変形が不可能で、Ex-SガンダムもGアタッカーやGボマー、Gコアへの分離は想定されていない(一応可能ではあるらしい)。
+
なお、SガンダムのA・B・Cパーツへの分離は想定されていないが、A、BパーツはEx-Sパーツを排除する事で分離する事は可能である。
  
理由は不明だが、何故かGクルーザー形態時にはジェネレーター出力が向上している(MS形態時はSガンダムと出力が変わっていない)。
+
== 変形シーケンス (MS形態 ⇒ Gクルーザー) ==
 +
本機は全体のユニット数が極端に多いため、変形機構が可変機体の中でも屈指の複雑さとなっている。
 +
# 両肩部のサイド・ジャケットのラッチに懸架されているプロペラント・ユニットを機体前方へ折り曲げる。脛部のフェアリングが足部に被さるように可動する。テール・スタビライザーがGクルーザー時の定位置への展開を開始する。
 +
# サイド・ジャケットが肩部の取付部を支点に機体前方へと回転。プロペラント・ユニット側の基部は常時機体前方を向くように半回転する。頭部の一部は胴体へと収納され、背部ブロックに接続されていた尾部ムーバブル・フレームが外れる。
 +
# Aパーツ主翼ユニットが上部へと展開。肩ブロックが基部ムーバブル・フレームを支点に後部へと折れ曲がる。背部ブロックは前方へ折れつつ回り込んで頭部を胴体へ収容、背部ブロックでバックパックを支持しているムーバブル・フレームが下部へと展開する。リフレクター・インコム・ユニットが下がりつつ、脚部が後方へ外旋する。
 +
# 肩ブロックのジェネレーター・ユニットが機体前方へと回転し展開。Aパーツ主翼ユニットがねじれながら更に前方へと展開する。大腿部ビーム・カノンが前方へと展開する。背部ユニットに続いて胸部ブロックも起き上がる。胸部増加パーツ・ユニットも途中から2つに割れ、胸部ユニットと共に展開する。
 +
# サイド・ジャケット及びプロペラント・ユニットがショルダー・ジャケットの隙間を通って上方へ移動。脚部が後方の外旋を完了させる。背部と胸部のブロックが面一で合わさって固定される。
 +
# プロペラント・ユニットが基部ムーバブル・フレームに被さり始めると共にサイド・ジャケットは切り離されショルダー・ジャケット上部の蓋をする。Aパーツ主翼ユニットも定位置へと移動を完了する。
 +
# プロペラント・ユニットが基部ムーバブル・フレームへ完全に被さり、テール・スタビライザーも定位置への移動を完了し、先端のセンサーユニットを展開。尾部ムーバブル・フレームはバックパック中央のラッチと接続されGクルーザーのメイン・フレームを構成。Bパーツが主翼を展開し、計6門のビーム・カノンが機体前方、バックパックと脚部のノズルが機体後方を向く。以上で変形は完了となる。
  
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
<!-- :作品名:説明 -->
 
 
;[[ガンダム・センチネル]]
 
;[[ガンダム・センチネル]]
 
:初登場作品。パイロットは[[リョウ・ルーツ]]。第七章にGクルーザーの状態で初登場し、同章ラストでMS形態へと変形した。<br />[[エアーズ]]攻防戦で実戦投入され、月面降下に失敗した[[ネロ]]部隊の救援やホワイト・フォースとの戦闘を行っている。[[ブレイブ・コッド]]の[[ガンダムMk-V]]との戦闘ではパイロットの技量差とリョウが迫りくるMk-Vへの恐怖でパニック状態になった事から窮地に陥るものの、それを受けて覚醒した[[ALICE]]が機体を操作して勝利した。その後、[[Ζプラス]]と共に単独で月から離脱して帰投、以降の戦闘では再びSガンダムに換装して運用されている。
 
:初登場作品。パイロットは[[リョウ・ルーツ]]。第七章にGクルーザーの状態で初登場し、同章ラストでMS形態へと変形した。<br />[[エアーズ]]攻防戦で実戦投入され、月面降下に失敗した[[ネロ]]部隊の救援やホワイト・フォースとの戦闘を行っている。[[ブレイブ・コッド]]の[[ガンダムMk-V]]との戦闘ではパイロットの技量差とリョウが迫りくるMk-Vへの恐怖でパニック状態になった事から窮地に陥るものの、それを受けて覚醒した[[ALICE]]が機体を操作して勝利した。その後、[[Ζプラス]]と共に単独で月から離脱して帰投、以降の戦闘では再びSガンダムに換装して運用されている。
 
;[[アナハイム・ジャーナル]]
 
;[[アナハイム・ジャーナル]]
:地球のネパール地区にある高地に立つ本機の姿が撮影されている。
+
:製造された4機の内、地球のネパール地区にある高地に立つ1機の姿が撮影されている。
  
 
== 装備・機能 ==
 
== 装備・機能 ==
  
 
=== 特殊機能 ===
 
=== 特殊機能 ===
<!-- :機能名:説明 -->
 
 
;[[ALICE]](アリス)
 
;[[ALICE]](アリス)
:MSの完全自動化を目指して造られたコンピューターシステム。正式名称は「'''A'''dvanced '''L'''ogistic & '''I'''nconsequence '''C'''ognizing '''E'''quipment(発展型論理・非論理認識装置)」。<br />Gコアに搭載された学習型コンピューターとA、Bパーツに搭載された補助機器で構成され、戦闘や機動を全て自身で判断して行う事を可能としている。ただし機体が分離した状態ではただの学習型コンピューターでしかなく、あくまでもMS形態時での運用が前提である。<br />α任務部隊に配備される際に封印されたと思われていたが実はそのままとなっており、時折リョウの制御下を離れては勝手に戦闘を行う事があった。
+
:MSの完全自動化を目指して造られたコンピューターシステム。正式名称は「'''A'''dvanced '''L'''ogistic & '''I'''nconsequence '''C'''ognizing '''E'''quipment(発展型論理・非論理認識装置)」。<br />Gコアに搭載された学習型コンピューターとA、Bパーツに搭載された補助機器で構成され、戦闘や機動を全て自身で判断して行う事を可能としている。ただし、それらとのリンクが絶たれた状態ではただの学習型コンピューターでしかなく、あくまでもMS形態時での運用が前提である。<br />α任務部隊に配備される際に封印されたと思われていたが実はそのままとなっており、時折リョウの制御下を離れては勝手に戦闘を行う事があった。
;[[Iフィールド]]
+
;[[Iフィールド|Iフィールド発生器]]
:対ビーム・バリア。ジェネレーターから供給されるエネルギーの一部をチャージし続ける事で、コクピット周辺への着弾が予想されるタイミングで瞬間的に展開される。<br />4基のジェネレーターを搭載しているとは言え、機体全体を覆うだけの範囲のフィールドを常時展開する事は流石に不可能(ゲームでは普通に展開しているが)で、コクピットブロックにのみ数秒間だけ展開するようになっている。ダメージを軽減する程度の効果しかないが、それでもIフィールドがMSに搭載された例としては画期的であるとされる。
+
:胸部増加パーツに搭載された対ビーム・バリア。ジェネレーターから供給されるエネルギーの一部をチャージし続ける事で、コクピット周辺への着弾が予想されるタイミングで瞬間的に展開される。<br />4基のジェネレーターを搭載しているとは言え、機体全体を覆うだけの範囲のフィールドを常時展開する事は不可能<ref>ゲーム作品等ではシステムの兼ね合いの関係で普通に展開している。</ref>で、コクピットブロックにのみ数秒間だけ展開するようになっている。
 +
;プロペラントタンク
 +
:Gクルーザーモード時にサイドジャケットを介してショルダーユニットに連結される大型増槽。Gクルーザーモードでの作戦行動半径を飛躍的に拡大する他、大気圏内ではフェアリングユニットとしても機能する。無重量空間であればMS形態からGクルーザー形態に変形する事も可能であるが、このユニットはほぼ純粋なプロペラント・タンクであるため、重力下やMS形態時にはデッドウェイトとなる事が多く、プロペラントを消費しきった段階やMSに変形した時点で廃棄される事が多い。
 +
;ブースターパック
 +
:背部に装備するブースターパック。Sガンダムを構成する包括的なシステムとして高度に規格化されたコンフォマーブルユニットであり、Sガンダム、あるいはGコアとの組み合わせにより多様なモードで使用することが可能。プロペラントタンク、コ・ジェネレーター、エネルギーターミナル、大出力ブースターなどが一体化されており、操縦設備がないだけの航宙航空ユニットと呼べる。<br/>Ex-Sガンダムが装備する場合には背部スタビレーターにマウントされ、2基の大型ビーム・キャノンのターミナルとしても機能する。
 
;変形
 
;変形
:GクルーザーまたはMS形態に変形可能。
+
:GクルーザーまたはMS形態に変形可能。胸部増加パーツは変形時の構造補強を兼ねている事から、Gクルーザーへの変形を実現した。
 
;分離
 
;分離
 
:プロペラント・パックやコクピットブロックを分離可能。<br />強化パーツをパージした上でGアタッカー、Gボマー、Gコアへ分離する事も可能とされる。
 
:プロペラント・パックやコクピットブロックを分離可能。<br />強化パーツをパージした上でGアタッカー、Gボマー、Gコアへ分離する事も可能とされる。
 
;換装
 
;換装
:[[Sガンダム]]、[[Sガンダム (ブースター・ユニット装着型)|ブースター・ユニット装着型]]、[[Sガンダム ディープ・ストライカー|ディープ・ストライカー]]に換装可能。<br />テール・スタビレーターを換装可能。
+
:機体各部のパーツを交換・増設する事で各種バリエーションに換装出来る。主な換装バリエーションとして[[Sガンダム (ブースター・ユニット装着型)|ブースター・ユニット装着型]]、[[ディープストライカー]]がある。
  
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
<!-- :武装名:説明 -->
 
 
;60mmバルカン
 
;60mmバルカン
:頭部に4門内蔵されている近接防御用武器。炸裂弾を発射する。
+
:頭部に左右二対4門内蔵されている近接防御用武器。炸裂弾を発射する。
;テールスタビレーター・60㎜バルカン
+
;テール・スタビレーター60㎜バルカン
:テールスタビレーターに4門内蔵。主にGクルーザー時の武装として使用されるが、MS形態時にも後方の敵機に対して使用可能。<br />固定武装ではなくオプションであり、装備する場合はテールスタビレーターそのものをバルカン砲内蔵型に換装する必要がある。
+
:テール・スタビレーターに4門内蔵。主にGクルーザー時の武装として使用されるが、MS形態時にも後方の敵機に対して使用可能。<br />固定武装ではなくオプションであり、装備する場合はテール・スタビレーターそのものをバルカン砲内蔵型に換装する必要がある。
;頭部インコム
+
;[[インコム]]・システム
:頭部に1基装備されている有線式の[[準サイコミュシステム|準サイコミュ]]兵器。[[オーガスタ研究所]]からの流出技術を使用している。その為、[[ガンダムMk-V]]が装備している物と基本設計を共有している。<br />左右にビームの発射口を3門ずつ、計6門備える。1回の使用につき3発まで発射でき、回収してエネルギーを再充填すれば再使用も可能。<br />2次元的な軌道しか描けない為に簡易的ではあるものの、オールドタイプの一般兵でもオールレンジ攻撃を行う事が可能。ビームの出力はあまり高くないが、不意打ちに使えるなど有効性が高い。
+
:頭部に1基装備されている有線式の[[準サイコミュシステム|準サイコミュ]]兵器。出力3.8MW。[[オーガスタ研究所]]からの流出技術を使用している。その為、[[ガンダムMk-V]]が装備している物と基本設計を共有している。<br />左右にビームの発射口を3門ずつ、計6門備える。1回の使用につき3発まで発射でき、回収してエネルギーを再充填すれば再使用も可能。<br />2次元的な軌道しか描けない為に簡易的ではあるものの、オールドタイプの一般兵でもオールレンジ攻撃を行う事が可能。ビームの出力はあまり高くないが、不意打ちに使えるなど有効性が高い。
;大腿部ビームカノン
+
;大腿部ビーム・カノン
:大腿部に2門装備されているビーム砲。ムーバブルフレームに直接接続され、広範囲への攻撃を可能とする。Ζプラスが装備していた物の改良型で、通常のビーム・ライフル以上の射程距離や命中精度を有するなど高性能化されている。携行武装ではないので、攻撃しながら別の武器を手にして使用する事が可能。<br />Sガンダムではビーム・スマートガンとの選択式だったが、本機では同時に装備する事が可能。
+
:大腿部に2門装備されているビーム砲。出力14MW。ムーバブルフレームに直接接続され、広範囲への攻撃を可能とする。Ζプラスが装備していた物の改良型で、通常のビーム・ライフル以上の射程距離や命中精度を有するなど高性能化されている。携行武装ではないので、攻撃しながら別の武器を手にして使用する事が可能。<br />このユニットはSガンダムでも運用は可能だが、ビーム・スマートガンの方が実効性が高く、3機に分離した場合Gボマー単体でのドライブはほとんど想定されていなかったため、実装が見送られることがほとんどだったが、Gクルーザーモードではこの装備で攻撃力を強化している。
;バックパック部ビーム・カノン
+
;バック・パック部ビーム・カノン
:ブースター・ユニットに4門装備。こちらもムーバブルフレームに直に接続される。<br />コストパフォーマンスが比較的に良好であり、[[FAZZ]]にも転用されている。
+
:ブースター・ユニットに4門装備。こちらもムーバブルフレームに直に接続される。出力12MW。<br />コストパフォーマンスが比較的に良好であり、[[FAZZ]]にも転用されている。
 
;リフレクター・インコム
 
;リフレクター・インコム
:両膝部に追加された有線式の準サイコミュ兵器。円筒形の端末を射出し、そこからIフィールドを展開させて自機が発射したビーム・カノンやビーム・スマートガンのビームを反射・屈折させる事で攻撃を行う。その為、端末自体には攻撃能力は付与されていない。使用する際にはどんな相手に対しても致命的な攻撃力を発揮できるよう、機体に搭載されたコンピューターがこの武装と各ビーム砲の組み合わせの最適値を弾き出すようになっている。<br />Iフィールドの展開に必要なエネルギー量が非常に多く、射出中のビーム反射・屈折は一度が限界で、収納してチャージしなければ再使用は不可能。それでも本機と別方向からの奇襲や障害物越しの攻撃に使えるという点では有効性が非常に高い。
+
:両膝部に追加された有線式の準サイコミュ兵器。円筒形の端末を射出し、そこからIフィールドを展開させて自機が発射したビーム・カノンやビーム・スマートガンのビームを反射・屈折させる事で攻撃を行う。その為、端末自体には攻撃能力は付与されていない。使用する際にはどんな相手に対しても致命的な攻撃力を発揮できるよう、機体に搭載されたコンピューターがこの武装と各ビーム砲の組み合わせの最適値を弾き出す。<br />Iフィールドの展開に必要なエネルギー量が非常に多く、射出中のビーム反射・屈折は一度が限界で、収納してチャージしなければ再使用は不可能。それでも本機と別方向からの奇襲や障害物越しの攻撃に使えるという点では有効性が非常に高い。
;ビームサーベル
+
;[[ビーム・サーベル]]
:リフレクター・インコム・ユニットに計2本格納されている。<br />ちなみにこのリフレクター・インコム・ユニットもムーバブルフレームに接続され、[[AMBAC]]ユニットとして機能する。質量は小さいので、射撃時などの微調整が主な役割となる。またユニット自体もニークラッシャーとして攻撃に使用可能。
+
:リフレクター・インコム・ユニットに計2本格納されている。出力0.9MW。<br />このリフレクター・インコム・ユニットもムーバブルフレームに接続され、[[AMBAC]]ユニットとして機能する。質量は小さいので、射撃時などの微調整が主な役割となる。またユニット自体もニークラッシャーとして攻撃に使用可能。
 
;ビーム・スマートガン
 
;ビーム・スマートガン
:本機のオプションとして採用された長砲身のビーム・ライフル。[[百式|メガ・バズーカ・ランチャー]]と比較して出力は劣る(それでも通常のビーム・ライフルを凌駕するレベル)が、使い勝手はこちらの方が良い。装備時には腹部のムーバブルフレームに接続され、エネルギーもそこから供給する仕組みである。<br />この武装自体にもオプションが用意されており、Ζプラスのビーム・スマートガンと同じディスク・レドームが装着できる。この場合、通常時よりも広範囲のスキャンが行えるようになるというメリットがある。他にも大容量冷却装置を持つ砲身に換装する事で連射性が向上するが、こちらはコストの高騰化と重量増加が問題視されている。
+
:本機のオプションとして採用された長砲身の[[ビーム・ライフル]]。[[百式|メガ・バズーカ・ランチャー]]と比較して出力は劣る(それでも通常のビーム・ライフルを凌駕するレベル)が、使い勝手はこちらの方が良い。装備時には腹部のムーバブルフレームに接続され、大腿部ビーム・カノンとの同時使用が可能となった。<br />この武装自体にもオプションが用意されており、Ζプラスのビーム・スマートガンと同じディスク・レドームが装着できる。この場合、通常時よりも広範囲のスキャンが行えるようになるというメリットがある。他にも大容量冷却装置を持つ砲身に換装する事で連射性が向上するが、こちらはコストの高騰化と重量増加が問題視されている。
  
 
== 対決・名場面 ==
 
== 対決・名場面 ==
<!-- :内容:説明 -->
+
;VS:[[ガンダムMk-V]]
  
 
== 関連機体 ==
 
== 関連機体 ==
<!-- :機体名:説明 -->
 
 
;[[Sガンダム]]
 
;[[Sガンダム]]
:素体。
+
:素体。Ex-Sガンダムはこの機体に8つの強化パーツを装着する事で構成されている。
 
;[[Sガンダム (ブースター・ユニット装着型)]]
 
;[[Sガンダム (ブースター・ユニット装着型)]]
:バックパックと下半身をブースター・ユニットに交換した高機動仕様。
+
:Sガンダムのバックパックと下半身をブースター・ユニットに交換した高機動仕様。
;[[Sガンダム ディープ・ストライカー]]
+
;[[ディープストライカー]]
:ブースター・ユニットやレドーム、艦艇の主砲、[[Iフィールド]]と多数の装備を追加した状態。
+
:Sガンダムにブースター・ユニットやレドーム、艦艇の主砲、[[Iフィールド]]と多数の装備を追加した状態。
  
 
<!-- == 余談 == -->
 
<!-- == 余談 == -->
123行目: 138行目:
 
<amazon>B0002U3DWA</amazon><amazon>B0002YM3XQ</amazon><amazon>B00IWISI8I</amazon>
 
<amazon>B0002U3DWA</amazon><amazon>B0002YM3XQ</amazon><amazon>B00IWISI8I</amazon>
  
== 資料リンク ==
+
<!-- == 資料リンク == -->
 
<!-- *[[一覧:Ex-Sガンダム]] -->
 
<!-- *[[一覧:Ex-Sガンダム]] -->
  
129行目: 144行目:
 
*[[登場メカ]]
 
*[[登場メカ]]
  
<!-- == 脚注 == -->
+
== 脚注 ==
<!-- <references /> -->
+
<references />
 
<!-- 本文には<ref>内容</ref>のかたちで挿入してください。 -->
 
<!-- 本文には<ref>内容</ref>のかたちで挿入してください。 -->
 
{{DEFAULTSORT:Ex-Sかんたむ}}<!-- 濁点・半濁点は除く。「っ」のような小書き文字は「つ」のように大きくする。「・」のような区切り文字は半角空白「 」に変える。 -->
 
{{DEFAULTSORT:Ex-Sかんたむ}}<!-- 濁点・半濁点は除く。「っ」のような小書き文字は「つ」のように大きくする。「・」のような区切り文字は半角空白「 」に変える。 -->

2024年8月25日 (日) 07:11時点における最新版

Ex-Sガンダム
読み イクスェスガンダム
外国語表記 Ex-S Gundam
登場作品
デザイナー カトキハジメ
テンプレートを表示
スペック
分類 試作型可変モビルスーツ
型式番号 MSA-0011〔Ext〕
頭頂高 21.73m
全高 25.90m
本体重量 69.24t
全備重量 162.50t
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 7,180kw
スラスター推力 267,500kg(MAX)×4
56,000kg×2
スラスター総推力 1,182,000kg
姿勢制御バーニア数 15
装甲材質 ガンダリウムγコンポジット
センサー有効半径 18,800m
搭載システム ALICE
開発組織 アナハイム・エレクトロニクス社
所属組織 地球連邦軍
所属部隊 α任務部隊
母艦 ペガサスIII
主なパイロット リョウ・ルーツ
テンプレートを表示
Gクルーザー
全長 43.63m
全幅 22.89m
本体重量 78.28t
全備重量 242.36t
ジェネレーター出力 12,250kw[1]
スラスター総推力 118,2000kg
センサー有効半径 18,800m
テンプレートを表示

概要 編集

アナハイム・エレクトロニクス社が開発した地球連邦軍の試作型モビルスーツSガンダムの重装仕様である。型式番号の「Ext」は「Extraordinary」の略[2]であり、機体名称の「Ex-S」は「イクスェス」と呼称する。

MSの欠点の一つとして、その航続距離・行動時間の短い点が挙げられ、ことガンダム系MSに関しては、その欠点を克服する目的で一年戦争当時Gアーマー構想が存在していた。戦後、MSのムーバブルフレーム化が進んだ事でMSの飛行形態は再び見直され、アナハイム系ガンダムではΖガンダムがウェイブライダー形態への変形機構を導入。Ζ計画ではこれにコアブロックシステムをも導入したプランを進め、ΖΖガンダムSガンダムが開発された。Sガンダムでは、ΖΖで問題のあった脱出システムや変形の際のコア・ブロックにかかる負担等をクリアする為に、追加パーツ方式を採用。これにより、MSの飛行・巡航形態としては理想的な「Gクルーザー・モード」化を実現し、またそのGクルーザーからMSモードへの変形により、Ex-Sガンダムと呼ばれる攻撃/防御強化型重装MSモードをも同時に手中に収めた。

Ex-Sガンダムには、Sガンダムに対し8つの強化パーツが追加・換装され、変形のための可動・脱着機構が根本的に変更、改変される。つまり、Sガンダムはそのままの状態でクルーザーモードに変形する事はできず、逆にEx-Sガンダムが3つのブロックに分離変形する事は(不可能ではないが)想定されていない。

Ex-Sガンダムの頭部はSガンダムそのものだが、ボディユニットは、Gクルーザーへの変形時に大きな応力がかかるコア・ブロック周辺の可変機構の構造的な補強とIフィールド発生器を兼ねており、コクピット・ブロック周辺だけにビーム・バリアーを生じさせパイロット保護に務めている。また、ビーム・スマートガン稼働のためのマウント装備が追加される。

膝部にはニークラッシャー兼ビーム・サーベルホルダー及びリフレクター・インコムホルダーが増設され、脛後部にはプロペラントタンクとブースターが一体化された推力強化装置が装備され、Gクルーザー、MS両形態での機動性向上に貢献している。

バックパックはブースター・ユニットに換装され、内蔵された熱核ロケットとプロペラントにより推力が通常バックパックの11倍にまで強化された。このユニットは中央で27°まで折れ曲がり、複雑に入り乱れている各部ユニットとの干渉を極力回避させる。ブースター・ユニット自体が作動肢と同等の可動範囲を持つ事もあり、機動性だけでなく運動性も高める効果があった。また側面にはラッチが2基ずつ存在し、武装はもとより、コ・ジェネレーターからのエネルギー供給も可能。また、両肩部には増加プロペラント・タンクを装備でき、これを装備した状態でGクルーザーへの変形が可能となる。大気圏を離脱する程の総推力を発揮可能であるが、MS形態では変形時点で排除される事が殆どとなる。

Ex-Sガンダムでは乾重量時でもノーマルのSガンダムに比べて8割増しになってしまったが、脚部、バックパック共に推力が強化され、プロペラント容量も増した事で、トータルでの機動性は向上している。これらの特性は、言うまでもなく先見性のあるシステム設計と、4基の熱核ジェネレーターを搭載したSガンダムの出力の余裕によるものである。2種類のインコムを始めとする多数の武装や「ALICE」も搭載されている事からニュータイプ専用機並の戦闘力があると言われ、それらを駆使すれば実戦経験がほとんど無いパイロットでも経験豊富な熟練パイロットを相手に対等以上に戦える程のポテンシャルを有しているとされる。

Gクルーザー編集

Ex-Sガンダムの飛行/巡航形態。Ex-SガンダムはガンダムタイプMSにおけるフルアーマーファミリーに属する形態であるが、増加パーツの設計はSガンダム本体も含めて同時進行で行われ、MS形態はGクルーザーを変形させたものとして扱われている。

MS形態からGクルーザーへの変形は、肩部や増加プロペラント・タンク、Aパーツ主翼ユニットが可動する事で行われる。また、胴体部を中心に背部ブロックが前方に移動し、分離しない点が特徴となる。胸部増加パーツはパイロット保護の他に剛性面の強化にも一役買っており、Gフォートレスのようにコア・ブロックが機体下面にむき出しになる事はなく、コア・ブロックへの負担も軽減されている。

なお、SガンダムのA・B・Cパーツへの分離は想定されていないが、A、BパーツはEx-Sパーツを排除する事で分離する事は可能である。

変形シーケンス (MS形態 ⇒ Gクルーザー) 編集

本機は全体のユニット数が極端に多いため、変形機構が可変機体の中でも屈指の複雑さとなっている。

  1. 両肩部のサイド・ジャケットのラッチに懸架されているプロペラント・ユニットを機体前方へ折り曲げる。脛部のフェアリングが足部に被さるように可動する。テール・スタビライザーがGクルーザー時の定位置への展開を開始する。
  2. サイド・ジャケットが肩部の取付部を支点に機体前方へと回転。プロペラント・ユニット側の基部は常時機体前方を向くように半回転する。頭部の一部は胴体へと収納され、背部ブロックに接続されていた尾部ムーバブル・フレームが外れる。
  3. Aパーツ主翼ユニットが上部へと展開。肩ブロックが基部ムーバブル・フレームを支点に後部へと折れ曲がる。背部ブロックは前方へ折れつつ回り込んで頭部を胴体へ収容、背部ブロックでバックパックを支持しているムーバブル・フレームが下部へと展開する。リフレクター・インコム・ユニットが下がりつつ、脚部が後方へ外旋する。
  4. 肩ブロックのジェネレーター・ユニットが機体前方へと回転し展開。Aパーツ主翼ユニットがねじれながら更に前方へと展開する。大腿部ビーム・カノンが前方へと展開する。背部ユニットに続いて胸部ブロックも起き上がる。胸部増加パーツ・ユニットも途中から2つに割れ、胸部ユニットと共に展開する。
  5. サイド・ジャケット及びプロペラント・ユニットがショルダー・ジャケットの隙間を通って上方へ移動。脚部が後方の外旋を完了させる。背部と胸部のブロックが面一で合わさって固定される。
  6. プロペラント・ユニットが基部ムーバブル・フレームに被さり始めると共にサイド・ジャケットは切り離されショルダー・ジャケット上部の蓋をする。Aパーツ主翼ユニットも定位置へと移動を完了する。
  7. プロペラント・ユニットが基部ムーバブル・フレームへ完全に被さり、テール・スタビライザーも定位置への移動を完了し、先端のセンサーユニットを展開。尾部ムーバブル・フレームはバックパック中央のラッチと接続されGクルーザーのメイン・フレームを構成。Bパーツが主翼を展開し、計6門のビーム・カノンが機体前方、バックパックと脚部のノズルが機体後方を向く。以上で変形は完了となる。

登場作品と操縦者編集

ガンダム・センチネル
初登場作品。パイロットはリョウ・ルーツ。第七章にGクルーザーの状態で初登場し、同章ラストでMS形態へと変形した。
エアーズ攻防戦で実戦投入され、月面降下に失敗したネロ部隊の救援やホワイト・フォースとの戦闘を行っている。ブレイブ・コッドガンダムMk-Vとの戦闘ではパイロットの技量差とリョウが迫りくるMk-Vへの恐怖でパニック状態になった事から窮地に陥るものの、それを受けて覚醒したALICEが機体を操作して勝利した。その後、Ζプラスと共に単独で月から離脱して帰投、以降の戦闘では再びSガンダムに換装して運用されている。
アナハイム・ジャーナル
製造された4機の内、地球のネパール地区にある高地に立つ1機の姿が撮影されている。

装備・機能編集

特殊機能編集

ALICE(アリス)
MSの完全自動化を目指して造られたコンピューターシステム。正式名称は「Advanced Logistic & Inconsequence Cognizing Equipment(発展型論理・非論理認識装置)」。
Gコアに搭載された学習型コンピューターとA、Bパーツに搭載された補助機器で構成され、戦闘や機動を全て自身で判断して行う事を可能としている。ただし、それらとのリンクが絶たれた状態ではただの学習型コンピューターでしかなく、あくまでもMS形態時での運用が前提である。
α任務部隊に配備される際に封印されたと思われていたが実はそのままとなっており、時折リョウの制御下を離れては勝手に戦闘を行う事があった。
Iフィールド発生器
胸部増加パーツに搭載された対ビーム・バリア。ジェネレーターから供給されるエネルギーの一部をチャージし続ける事で、コクピット周辺への着弾が予想されるタイミングで瞬間的に展開される。
4基のジェネレーターを搭載しているとは言え、機体全体を覆うだけの範囲のフィールドを常時展開する事は不可能[3]で、コクピットブロックにのみ数秒間だけ展開するようになっている。
プロペラントタンク
Gクルーザーモード時にサイドジャケットを介してショルダーユニットに連結される大型増槽。Gクルーザーモードでの作戦行動半径を飛躍的に拡大する他、大気圏内ではフェアリングユニットとしても機能する。無重量空間であればMS形態からGクルーザー形態に変形する事も可能であるが、このユニットはほぼ純粋なプロペラント・タンクであるため、重力下やMS形態時にはデッドウェイトとなる事が多く、プロペラントを消費しきった段階やMSに変形した時点で廃棄される事が多い。
ブースターパック
背部に装備するブースターパック。Sガンダムを構成する包括的なシステムとして高度に規格化されたコンフォマーブルユニットであり、Sガンダム、あるいはGコアとの組み合わせにより多様なモードで使用することが可能。プロペラントタンク、コ・ジェネレーター、エネルギーターミナル、大出力ブースターなどが一体化されており、操縦設備がないだけの航宙航空ユニットと呼べる。
Ex-Sガンダムが装備する場合には背部スタビレーターにマウントされ、2基の大型ビーム・キャノンのターミナルとしても機能する。
変形
GクルーザーまたはMS形態に変形可能。胸部増加パーツは変形時の構造補強を兼ねている事から、Gクルーザーへの変形を実現した。
分離
プロペラント・パックやコクピットブロックを分離可能。
強化パーツをパージした上でGアタッカー、Gボマー、Gコアへ分離する事も可能とされる。
換装
機体各部のパーツを交換・増設する事で各種バリエーションに換装出来る。主な換装バリエーションとしてブースター・ユニット装着型ディープストライカーがある。

武装・必殺攻撃編集

60mmバルカン
頭部に左右二対4門内蔵されている近接防御用武器。炸裂弾を発射する。
テール・スタビレーター60㎜バルカン
テール・スタビレーターに4門内蔵。主にGクルーザー時の武装として使用されるが、MS形態時にも後方の敵機に対して使用可能。
固定武装ではなくオプションであり、装備する場合はテール・スタビレーターそのものをバルカン砲内蔵型に換装する必要がある。
インコム・システム
頭部に1基装備されている有線式の準サイコミュ兵器。出力3.8MW。オーガスタ研究所からの流出技術を使用している。その為、ガンダムMk-Vが装備している物と基本設計を共有している。
左右にビームの発射口を3門ずつ、計6門備える。1回の使用につき3発まで発射でき、回収してエネルギーを再充填すれば再使用も可能。
2次元的な軌道しか描けない為に簡易的ではあるものの、オールドタイプの一般兵でもオールレンジ攻撃を行う事が可能。ビームの出力はあまり高くないが、不意打ちに使えるなど有効性が高い。
大腿部ビーム・カノン
大腿部に2門装備されているビーム砲。出力14MW。ムーバブルフレームに直接接続され、広範囲への攻撃を可能とする。Ζプラスが装備していた物の改良型で、通常のビーム・ライフル以上の射程距離や命中精度を有するなど高性能化されている。携行武装ではないので、攻撃しながら別の武器を手にして使用する事が可能。
このユニットはSガンダムでも運用は可能だが、ビーム・スマートガンの方が実効性が高く、3機に分離した場合Gボマー単体でのドライブはほとんど想定されていなかったため、実装が見送られることがほとんどだったが、Gクルーザーモードではこの装備で攻撃力を強化している。
バック・パック部ビーム・カノン
ブースター・ユニットに4門装備。こちらもムーバブルフレームに直に接続される。出力12MW。
コストパフォーマンスが比較的に良好であり、FAZZにも転用されている。
リフレクター・インコム
両膝部に追加された有線式の準サイコミュ兵器。円筒形の端末を射出し、そこからIフィールドを展開させて自機が発射したビーム・カノンやビーム・スマートガンのビームを反射・屈折させる事で攻撃を行う。その為、端末自体には攻撃能力は付与されていない。使用する際にはどんな相手に対しても致命的な攻撃力を発揮できるよう、機体に搭載されたコンピューターがこの武装と各ビーム砲の組み合わせの最適値を弾き出す。
Iフィールドの展開に必要なエネルギー量が非常に多く、射出中のビーム反射・屈折は一度が限界で、収納してチャージしなければ再使用は不可能。それでも本機と別方向からの奇襲や障害物越しの攻撃に使えるという点では有効性が非常に高い。
ビーム・サーベル
リフレクター・インコム・ユニットに計2本格納されている。出力0.9MW。
このリフレクター・インコム・ユニットもムーバブルフレームに接続され、AMBACユニットとして機能する。質量は小さいので、射撃時などの微調整が主な役割となる。またユニット自体もニークラッシャーとして攻撃に使用可能。
ビーム・スマートガン
本機のオプションとして採用された長砲身のビーム・ライフルメガ・バズーカ・ランチャーと比較して出力は劣る(それでも通常のビーム・ライフルを凌駕するレベル)が、使い勝手はこちらの方が良い。装備時には腹部のムーバブルフレームに接続され、大腿部ビーム・カノンとの同時使用が可能となった。
この武装自体にもオプションが用意されており、Ζプラスのビーム・スマートガンと同じディスク・レドームが装着できる。この場合、通常時よりも広範囲のスキャンが行えるようになるというメリットがある。他にも大容量冷却装置を持つ砲身に換装する事で連射性が向上するが、こちらはコストの高騰化と重量増加が問題視されている。

対決・名場面編集

VS:ガンダムMk-V

関連機体編集

Sガンダム
素体。Ex-Sガンダムはこの機体に8つの強化パーツを装着する事で構成されている。
Sガンダム (ブースター・ユニット装着型)
Sガンダムのバックパックと下半身をブースター・ユニットに交換した高機動仕様。
ディープストライカー
Sガンダムにブースター・ユニットやレドーム、艦艇の主砲、Iフィールドと多数の装備を追加した状態。

商品情報編集

ガンプラ編集

フィギュア編集


リンク編集

脚注編集

  1. 可変に伴い出力が向上しているが、これについての解説は行われていない。
  2. 「異常な」や「驚くべき」等を意味する形容詞。
  3. ゲーム作品等ではシステムの兼ね合いの関係で普通に展開している。