ガンダムMk-II

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ガンダムMk-II
読み ガンダムマークツー
外国語表記 Gundam Mk-II
登場作品
デザイナー 藤田一巳
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スペック
分類 汎用試作型モビルスーツ
頭頂高 18.5m
全高 19.6m
本体重量 33.4t
全備重量 54.1t
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 1,930kW
スラスター総推力 81,200kg
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
センサー有効半径 11,300m
開発組織 ティターンズ
開発拠点 グリプス
開発者 フランクリン・ビダン
所属 ティターンズエゥーゴ
主なパイロット
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概要

グリプスにてティターンズが開発したガンダムの発展機。ガンダムの正当な後継機をティターンズが開発する事で部隊の威権を補強し、連邦軍内での地位を固めると同時にティターンズの仮想敵であるジオン残党を恫喝するという政治的な意図を以って開発された。反地球連邦組織との本格的な軍事衝突が無い頃に開発が進められていた機体であり、当初よりスペースコロニーの暴徒鎮圧を主目的に開発されている。

地球至上主義を掲げるティターンズのフラッグシップとして、ジオン系の技術を排除し連邦系技術のみで開発が進められた。最大の特徴は装甲と別体化した「ムーバブルフレーム」と呼ばれる機体構造で、これによって既存のモビルスーツと比較して柔軟な稼動領域を獲得し、運動性や拡張性の向上に成功した。また、コクピットには全天周モニターリニアシートが導入されており、ガンダムMk-IIは以後開発される第二世代モビルスーツの雛形と呼べる機体となった[1]

同時期にエゥーゴで開発されていたリック・ディアスと比較され基本的には「攻撃性能(運動性・加速性・火器火力)はMk-IIが優れる」と評される事も多いが、連邦系技術のみで構成されている性質上技術的に未成熟な部分もあり、ムーバブルフレームも構造材の強度に問題がある。特に瞬発的な外力に対し剛性が不足しており、開発中も六回にも渡る設計変更が行われていたが、連邦由来の技術に拘るティターンズではこの欠点を克服する事は出来なかった。

試作機として4機が製作されグリプスでテストが重ねられたが、4号機が高速機動試験中の墜落事故でパイロットと共に失われ、その後3号機がカミーユ・ビダンによってエゥーゴに強奪されたのを契機に、当時稼動可能だった機体全機がエゥーゴの手に渡った[2]

稼動率の低さや強奪事件などで機体そのものの量産化は見送られたが、機体に使用されたムーバブルフレームの技術はグリプス戦役以後のモビルスーツのほぼ全てに採用され、ガンダムMk-IIの強奪事件がその後のモビルスーツ開発競争に火を付けたといっても過言でもない。皮肉にもエゥーゴ及びその母体企業であるアナハイム・エレクトロニクス社に渡り改修を受けた[3]ことで本機はガンダムの後継機としての性能を発揮できるようになり、ティターンズの保守的な傾向と技術力の差を見せつける結果となった。

ロールアウト当時は欠陥こそあれ高性能なモビルスーツであったが、ムーバブルフレームとガンダリウム合金を併用した第二世代モビルスーツの登場に伴ってそれら後発機に遅れを取る事も多くなり、サポートメカやオプションによって性能差をカバーする事が多かった。しかしながら、様々なオプション兵器を導入する等の処置だけでグリプス戦役、第一次ネオ・ジオン抗争を戦い抜いているのは、その基本設計の良好さと汎用性の高さの証拠でもある。

登場作品と操縦者

機動戦士Ζガンダム
初登場作品。物語前半の主人公機であり、ティターンズの量産機には圧倒的性能差を見せ付けたが、徐々に可変モビルスーツの登場により性能不足に陥る。後半はエマ・シーンがパイロットを務め、Gディフェンサーとの連携、スーパーガンダムへの合体による運用などで最新鋭機との性能差を埋めていった。最終決戦ではハンブラビパラス・アテネと交戦。中破しながらも辛勝するが、パイロットの死亡により、機体のみがアーガマに回収された。
機動戦士ガンダムΖΖ
前作『Ζ』から引き続き登場。主にエル・ビアンノが搭乗した。グリプス戦役を乗り切り、第一次ネオ・ジオン抗争においてはアーガマ及びネェル・アーガマの数少ない艦載機として活躍。メガライダーなどのサブフライトシステムとの連携により性能差を埋めてきたが、クィン・マンサとの戦闘で両腕を破損され、機能不全となり放棄された。
機動戦士ゼータガンダム1/2
ジェリド達に引き渡される前の本機が登場。エドガー・エドモンド・スミスがテストパイロットとして搭乗し、ハーフガンダムとの模擬戦を行っている。
機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル
アナハイム・エレクトロニクス社に運び込まれた1号機が登場。テストパイロットとしてジャック・ベアードアスナ・エルマリートが搭乗し、解析および性能テストが行われた。
機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデン帰還
ジム・ナイトシーカーに代わるヴァースキの新たな搭乗機として、ゴップの手によって連邦軍の封印から解かれた機体が登場する。その際AE社によって新規に製造された増強ユニットを装備し、フルアーマーガンダムMk-IIとして運用された。機体カラーは青を中心としており、ハンブラビを意識したと思われる配色になっている。
獅子の帰還
ビスト財団が入手・改修しメガラニカ所有となった元エル機が登場。バナージ・リンクスが搭乗している。主兵装であるビーム・マグナムを使用するため、右腕がドーベン・ウルフの改造品に換装されている。

装備・機能

特殊機能

換装/合体
フルアーマーガンダムMk-II用の追加装甲等のオプション装備を換装可能。またサポートメカであるGディフェンサーとの合体も可能。

特殊装備

フライングアーマー
カミーユ・ビダンのアイデアの元に開発された[4]、大気圏突入用のサブ・フライト・システム。突入後も大気圏内で飛行可能なSFSユニットとして機能する。後にΖガンダムの設計プランに取り入れられている。

武装・必殺攻撃

VCU-505EX-Gry/Ver.009 バルカン・ポッド・システム
頭部のコ・プロセッサの大型化に伴い、オプションとして外装化された頭部バルカン砲。銃口は頭部左側に2門を備え、右側にはカウンターウェイトを兼ねたマガジンを備える。
XB-G-1048L ビーム・サーベル
バックパックのバーニアアーム部に2基装備。出力0.45MW。バックパックにエネルギーサプライデバイスが配されており、取り外したサーベルは単体で稼働する[5]。グリップ部は角柱型になっている。
BAUVA・XBR-M-8C2 ビーム・ライフル
Eパック方式の採用によりパック交換を行える事で継戦能力が向上したビーム・ライフル。ライフル本体はパック内に充填されたメガ粒子の出力(使用量)をライフル内側面に有る二つのセレクタースイッチで変更する事が可能で標準状態で7発、最大出力で3発発射可能。Mk-II自体は腕部にエネルギー供給用のサプライケーブルを持たない為、Eパックにライフル自体の稼動動力源である電源も内包する方式になっている。
照準用センサー部は起倒式で使用しない際は前方に倒れる事でセンサー面を保護しコンパクト化しフォアグリップ部も軸接続で折り畳み可能で非使用時はサイドスカートのラッチにマウントされる。
Baz-85-Gry/Ver.045 ハイパー・バズーカ
当時、連邦軍が採用していたカートリッジ弾倉型バズーカ。発射する弾体も通常弾体と近接信管式の散弾などを使い分けて使用する事が出来た。また砲身は頑丈な造りの為緊急時には殴打する鈍器として使用可能である。
非使用時にはリアスカートのラックに懸架される。予備カートリッジはサイドスカートにマウント可能。
ロング・ライフル
Gディフェンサーの長砲身ビーム砲。スーパーガンダムの時の主兵装だが、『Ζ』第33話ではMk-IIが単独で使用している。
RX・M-Sh-VT/S-00018 シールド
レールスライド伸縮式かつ腕部マウント装着のみのシールドで、微弱ながら耐ビームコーティングが施されている。シールド上部に銃眼スリットを有しシールド裏上部に交換用Eパックを2基装着する事が可能。
縮めた状態ならばサイドスカートマウントに接続して携行する事も可能だが実際に描写されたのは『ΖΖ』劇中のみである。
ハンブラビとの戦闘後には喪失した左腕の代わりに、シールドを左肩へ装着する応急処置が施された。
シールドランチャー
シールド裏に装着された3連装ミサイルランチャー。『劇場版Ζ』で新規設定された。

その他 

ビーム・マグナム
ユニコーンガンダムが使用する物と同一。『獅子の帰還』でバナージ機が使用。

対決・名場面

機動戦士Ζガンダム 

黒いガンダム
第1話~第2話より。ティターンズが開発した新型ガンダムの情報を得るべくグリーンノア1に単身潜入したクワトロは、そこでティターンズカラーと呼ばれる塗装を施された新型ガンダム「ガンダムMk-II」と遭遇。生身の人間にバルカンを発砲してくるMk-IIから逃げ切り、新型ガンダムの存在を報告する事に成功する。
リック・ディアス隊を率いて再度コロニーへと潜入するクワトロだったが、その一方でコロニー内ではMk-IIの墜落事故が発生していた。そしてエゥーゴの攻撃と墜落事故による混乱の最中、ある1人の少年がMk-IIへと駆け寄っていた。
一方的に殴られる痛さと怖さ
第2話より。ティターンズの仕官に殴りかかった事でティターンズのMPから拷問紛いの取調べを受けたカミーユは、Mk-IIを奪取した際に逃げ惑う人ごみの中にMPを発見。仕返しとばかりにわざと、MPの近くに機体を着地させて、生身のMP相手にバルカンを威嚇射撃し戦慄させた。
ハンブラビ
パラス・アテネ

関連機体

強化・装備バリエーション

スーパーガンダム
Mk-IIが支援機「Gディフェンサー」と合体した形態。
フルアーマーガンダムMk-II
本機にガンダリウム合金の追加装甲を施した状態。機動性が低下したため、スーパーガンダムの案が採用された。
ガンダムMk-IIxII
『Define』に登場した本機の改修機。機体の各所にスラスターが追加され、機動性が向上している。

系列機・派生機

ガンダムMk-II試作0号機
『ギレンの野望』シリーズに登場するゲームオリジナル機体。本機のプロトタイプに位置する。
バーザム
本機の量産型または本機を参考に開発された量産機とされる。
バーザム改
本機の量産型。バーザムと比較してMk-IIと共通パーツの割合が増えている。
ジムIII
本機の設計の一部が取り入られており、バックパックなど一部に共通点が見られる。Gディフェンサーとの合体でジムIII・ディフェンサーとなる。
ヌーベル・ジムIII
ジムIIIの新造機で、本機の実質的な量産型。

技術的関与のある機体

Gディフェンサー
本機との連携を目的に開発された宇宙戦闘機。
ネモ・ディフェンサー
Gディフェンサーと合体したネモ。合体用にバックパックが本機の物に換装されている。
ガンダム試作1号機
Eパック方式のビーム・ライフルや伸縮式のシールド、ムーバブルフレームの前身技術など、本機の開発に影響を与えている。
ジム・クゥエル
初期のティターンズの主力機。本機の直接の前身であり、腕部などにムーバブルフレームの前身技術が用いられている。
次世代試作機
『ADVANCE OF Ζ』の設定に登場する機体。ジム・クゥエルがベースとなっており、パーツや武装に本機との共通点が見られるが、詳細は不明。

その他

ビルドガンダムMk-II
ガンダムビルドファイターズ』に登場するMk-IIベースのガンプラ。幻の5号機という設定で、背部にビルドブースターMk-IIを装備している。

余談

  • 上述したように、本機の試作機には4号機が存在しており、書籍「ガンダムMSグラフィカ」(2006年12月27日発売)での記述およびCGイラストが初出となる。本機は構造材を純連邦製パーツに絞った事で旧式のパーツも使用せざるを得なかったため、機体の可動軸が増加し、消耗しやすくなっていた。長時間の機動試験により消耗が著しかった上、消耗した可動軸の修正はコンピュータではなくパイロットに依存していたため、パイロットは操縦中に修正作業を行わなければならず、結果、今回の墜落事故に至ってしまった。この4号機が引き起こした事故を始めとして、1号機、3号機にも軽度の事故が発生した事から機体の安定性の欠如が問われたため、上述の量産計画見送りの一因となっている。
    • 「ガンダムMSグラフィカ」以降の4号機の扱いについては『カイレポ』のReport:「番外編」(ガンダムエース 2009年1月号に収録)や劇場版Ζ『星を継ぐ者』[6]ガンプラ「MG 1/100 RX-178 ガンダムMk-II Ver.2.0 (ティターンズ仕様) HDカラー」の箱絵などでその存在が確認できる。

商品情報

  • 立体化の際にはティターンズ・エゥーゴのカラーバリエーションがリリースされている。MGなど、どちらの仕様でもGディフェンサーとの合体機構はついているのが基本。ただしGディフェンサー単品での取り扱いはされておらず、ティターンズ仕様のスーパーガンダムへの道はやや険しい。

ガンプラ

【エゥーゴカラー】

【ティターンズカラー】

その他

フィギュア 

【エゥーゴカラー】

【ティターンズカラー】

書籍 

リンク

脚注

  1. ただし、Mk-II自体はガンダリウム合金を用いていない為、1.5世代機と呼ばれる事もある。
  2. 当初は3号機がカミーユ・ビダンの手により2号機と共に強奪され、その後ティターンズの人質作戦により両機は一度奪還されたものの、カミーユがティターンズを離反したエマ・シーンフランクリン・ビダンの協力を得て全機を持ち出した。
  3. AEにも類似前身技術である「ブロックビルドアップ」構造が有りその技術を使いこなしていたからこそ早期の解析・改修、AE製後続開発機への反映が施せた部分が有る。
  4. 劇場版ではティターンズがMk-IIと共に開発していたという設定に変更されている
  5. 腕部にサプライケーブルを備えていない機体であっても使用出来るが、敵に奪われて使用されるというデメリットもあった。
  6. エゥーゴによる2機のガンダムMk-II強奪後、アレキサンドリアが出港準備を進めるシーンで登場。甲板のMk-IIと艦の横に立っているジム・クゥエルに目が行きがちだが、クゥエルの奥を見るとトレーラーの上に寝かせてある4機目のMk-IIを確認する事ができる。また、強奪された他の三機の設定等から考える限り、この「四号機」は稼動不可能な保守部品取り用の機体に近い扱いであったと推測できる。