MS-05L ザクI・スナイパータイプ (Zaku I Sniper Type)
- 登場作品:ハーモニー・オブ・ガンダム、機動戦士ガンダム0083 REBELLION
- デザイナー:カトキハジメ
- 分類:長距離狙撃用量産型モビルスーツ
- 装甲材質:超硬スチール合金
- 頭頂高:17.5m
- 全高:17.5m
- 本体重量:67.9t
- 全備重量:不明
- 主動力:熱核融合炉
- ジェネレーター出力:899kw+700kw
- スラスター総推力:8,400kg
- センサー有効半径:不明
- 開発組織:ジオン軍
- 主なパイロット:ジオン兵
一年戦争末期にジオン公国軍がキャリフォルニア・ベースで開発した量産型モビルスーツ。ザクIを狙撃仕様に改装している。
MSによる狙撃任務の遂行と戦局を有利に進めている地球連邦軍の進撃を阻害する為の長距離からの破壊活動を目的として造られ、ゲルググで実用化されたビーム兵器の携帯技術を転用している。ベース機としてザクIが選ばれたのは、オデッサでの敗北により地球方面軍が本国からの支援をほとんど得られなくなってしまい、既に老朽化して第一線を退いていた機体を再利用せざるを得なかった為である。本国でもオールレンジ兵器を持つサイコミュシステム搭載機で狙撃任務を遂行させるプランが検討されていたものの、それを待っていられる余裕が無い程に状況は逼迫しており、限られた物資を用いて迅速に用意しなければならなかった。それ故にベース機は敵を狙う頭部とライフルを構える腕部、引き金を引ける指があれば何でもよかったのである。
主に頭部とランドセル、右膝部が変更され、頭部には近接防御用のバルカン砲とセンサー性能の強化を目的としてザク強行偵察型から流用した複合式モノアイを搭載している。それに伴い頭部装甲の一部が撤去され、モノアイが剥き出しの状態になっている。左側頭部にはロッドアンテナも増設された。ランドセルはゲルググキャノンの技術を使って造られ、ビーム兵器の運用を可能とする為にサブ・ジェネレーターを搭載している。その為かなり大型化しており、また急ピッチで開発された事もあって冷却時間に問題を抱えている。右膝部には低重心姿勢で狙撃を行う為のジャッキとして格納式ニーパッドを追加し、いわゆる片膝立ちの状態になる際にニーパッドを伸ばしてバランスを保ちながら狙撃を行う。
今までの狙撃任務ではマゼラ・トップ砲が主力武器として使用されていたが、火力と命中精度があまり高くなく決定打となりにくかった為、その代わりとしてビーム・スナイパー・ライフルを装備している。これによって本機は遠距離攻撃が可能な自走式メガ粒子砲台として運用が可能となった。しかし対MS戦闘には向かない機体と化しており、スラスター総推力の低下が著しい事もあって格闘戦や敵機からの攻撃の回避等はほぼ不可能である。
胸部の形状も変わっているが、これは『第08MS小隊』に登場したザクIのデザインに準じている為とされる。
登場作品と操縦者
- ハーモニー・オブ・ガンダム
- 人海戦術による連邦軍の大部隊の侵攻を食い止める為に投入されており、ゲリラ戦を仕掛けて侵攻速度をある程度落とさせる事に成功している。
- 機動戦士ガンダム0083 REBELLION
- アナベル・ガトーが強奪したガンダム試作2号機とコムサイの合流ポイントの守備に就いていたが、追撃してきたジム・ナイトシーカー部隊を迎撃しようとした直後に上空からジム・スナイパーカスタムの攻撃を受けて撃破された。
装備・機能
武装・必殺攻撃
- バルカン砲
- 頭部に2門内蔵されており、主に対空・対戦車・対人用の迎撃武器として使用する。対MS戦闘でも牽制や敵機のカメラやセンサーの破壊等に使われ、生還率の向上に一役買っているとされる。
- ザク・マシンガン
- 携行式の実弾銃で、口径は105mm。後にザクIIに装備される物の初期型であり、ドラムマガジンが側面に取り付けられている。一年戦争の初期に多数が使用された。
本機では基本的に自衛用として装備され、建造物の破壊任務や対MS戦闘等にも対応できるようにしていたようだが、期待された程の効果は得られなかったという。 - ビーム・スナイパー・ライフル
- 本機の主兵装となる長銃身の狙撃用ビーム・ライフル。一年戦争の末期に登場したジオン軍製の大型ビーム・ライフルと同系統のラインで造られており、高出力かつ長射程を誇る。モノアイの超望遠レンズと連動させる事で命中精度を向上させられ、モビルアーマーだけが可能だった大火力攻撃を実現できるようになった。
この武器を稼働させる為にランドセルにはサブ・ジェネレーターを搭載している。一定の発射回数でバレルが赤熱化する為、連続での狙撃は不可能。