ヤキン・ドゥーエ戦役(Jachin Due War)
コズミック・イラ70年に起きた「機動戦士ガンダムSEED」の舞台となった戦争。続編の「DESTINY」では『先の大戦』等と呼ばれている。
ナチュラル中心の地球連合軍とコーディネイター中心のプラント所属のザフト軍による戦争で、地球連合軍がC.E.70年2月14日に核ミサイルによってプラント所属の農業コロニーであるユニウスセブンを破壊して多数の死者を出した血のバレンタインを契機に本格的な交戦が始まる。
当初はニュートロンジャマーの投下とMSを主体としたザフト軍に地球侵攻され、地球連合軍が押されていた形であったが、オペレーション・スピットブレイク以降は、地球連合軍が盛り返し、最終的にはザフトの宇宙要塞ヤキン・ドゥーエを舞台に地球連合軍とザフト軍、そしてラクス・クラインによる三隻同盟によって激戦が繰り広げられ、地球連合軍側は連合軍の中心であるブルーコスモス派を指導していたムルタ・アズラエル、ザフト側はプラント議長であるパトリック・ザラを失い、停戦協定が結ばれることになった。
関連人物
地球連合
- ムルタ・アズラエル
- 反コーディネイター団体であるブルーコスモスの盟主。地球連合軍のブルーコスモス派に強い影響力を持ち、プラントへの核攻撃を推進してプラント攻撃に同行したが、アークエンジェルの砲撃で死亡した。
- ウィリアム・サザーランド
- 地球連合軍士官。連合軍内部のブルーコスモス派の筆頭で、プラントへの核攻撃を謀ったが、ザフトの攻撃で死亡した。
- デュエイン・ハルバートン
- 地球連合軍第8艦隊司令官。連合軍内部では早くからMS開発を主張してG兵器の開発計画の責任者となった智将であったが、アークエンジェルが地球に降下する際、ザフトの攻撃で死亡した。ブルーコスモス派ではない。
プラント
- シーゲル・クライン
- 当初のプラント最高評議会議長。穏健派であったが、失脚。娘のラクス・クラインのフリーダム強奪と時を同じくして、クルーゼに唆されたザラ派によって暗殺された。
- パトリック・ザラ
- 当初はプラント評議会の国防委員長。途中でプラント最高評議会議長に就任し、強硬派としてナチュラルとの戦争を推進し、自軍艦隊を巻き込んでもジェネシスの発射も厭わなかったが、部下に射殺された。
- アイリーン・カナーバ
- プラント評議会議員。クライン派であった故にシーゲル・クラインの死後、失脚したが、終戦時に臨時最高評議会議長として復帰、地球連合と停戦した。
- ラウ・ル・クルーゼ
- ザフトの軍人。裏で様々な暗躍をする。
三隻同盟
- ラクス・クライン
- シーゲル・クラインの娘。プラントの歌姫として人気があったが、地球連合とザフトの戦争を終結させるためにフリーダム強奪事件を起こし、クライン派を中心としたエターナルを旗艦にクサナギ、アークエンジェルを加えて三隻同盟を形成、停戦に大きく貢献することとなる。
- カガリ・ユラ・アスハ
- 元オーブ連合首長国代表であるウズミ・ナラ・アスハの娘。父ウズミの意志を継いで三隻同盟に参加。
- アスラン・ザラ
- パトリック・ザラの息子。ザフト軍のエースで、ラクス・クラインとは許婚であったが、後半ザフトを離反して三隻同盟に参加。
- キラ・ヤマト
- カガリ・ユラ・アスハの実弟。地球連合軍に参加していたが、友人であったアスランに撃墜された後、ラクスの支援を受けてフリーダムを強奪。属していたアークエンジェルと共に三隻同盟に参加。
関連用語
- 血のバレンタイン
- C.E.70年2月14日に起きた連合側によるプラントへの核攻撃。結果的にプラントの農業コロニーであるユニウスセブンが崩壊して多くの犠牲者を出し、連合とプラントの全面戦争の引き金となった。この際にアスランの母親、つまりパトリックの妻も死亡しており、一部私情が絡む戦争となる。
- エイプリル・フール・クライシス
- C.E.70年4月1日にザフトが発動した作戦。ニュートロンジャマーの地球への散布により、地上における核分裂装置の使用を不可能にさせてエネルギー不足に陥らせた。結果的にザフトの地上侵攻を優位にしたが、エネルギー不足の影響で大量の死者を出し、反コーディネイター感情が強まった。
- グリマルディ戦線
- 月の主導権を巡る地球連合軍とザフトのグリマルディ・クレーターを境界に月を二分した戦線。連合軍側のサイクロプスの暴走により最終的には地球連合軍が月の防衛に成功した。
- オペレーション・スピットブレイク
- ザフトが発動した大規模な作戦。宇宙から大規模な軍を地球に降下させ、各地の軍事拠点を急襲する作戦であるが、当初の目的はパナマ基地であると目されたものの、実は地球連合軍最高司令部があったアラスカ基地を目標としていた。しかしラウ・ル・クルーゼがその情報を地球連合軍側にリークしたことにより、連合軍はサイクロプスを発動させ、ザフト軍の大半が壊滅。結果的に地上におけるザフト軍の優位を失った。
- フリーダム強奪事件
- オペレーション・スピットブレイクの直後にザフトの最新MSであったフリーダムが強奪された事件。戦後はラクス達に責任が行くことはなく、全てクルーゼのせいにされた。
- オーブ解放作戦
- パナマ陥落に伴い、マスドライバーを必要とした連合軍が中立国であったオーブを攻撃した戦い。アズラエルが直接指揮を執る作戦で、この戦いにおいて新型GAT-Xシリーズ3機がロールアウトする。これによりオーブは壊滅的な打撃を受けるが、連合を離反したアークエンジェルとムウ・ラ・フラガ、ザフト軍パイロットのディアッカ・エルスマン、及びフリーダムとジャスティスの参加によって連合も少なからず打撃を受ける。最終的にアークエンジェルとオーブ艦クサナギの脱出。及びウズミのマスドライバーを道連れにした自爆によって、作戦は失敗に終わった。
この戦いでシン・アスカは妹と両親を失い、オーブに対する憎悪を強めていく事になる。