フルアーマー・ユニコーンガンダム
RX-0 フルアーマーユニコーンガンダム(Full Armor Unicorn Gundam)
- 登場作品:機動戦士ガンダムUC
- デザイナー:カトキハジメ
- 分類:フルサイコフレーム実装型試作モビルスーツ
- 装甲材質:ガンダリウム合金
- 主動力:熱核融合炉
- 出力:3,480kW(ユニコーンモード)
- 開発組織:アナハイム・エレクトロニクス社
- 主なパイロット:バナージ・リンクス
ネェル・アーガマに所属する試作型モビルスーツ。
来る袖付きのテニスン艦隊との決戦に備え、ユニコーンガンダムに武装を可能な限り追加した姿である。発案・設計者はタクヤ・イレイで、敵艦隊との戦力差を補うべく実装された。
背部や脚部、腕部にミサイルポッドやグレネードランチャー、ビームガトリングガン等、計17門もの武装を装着し、火力を大幅に高めている。一見すると考え無しに重武装化したようにも見えるが、実際には計算が入念に行われており、機体バランスは保たれている。この姿のままでのデストロイモードへの「変身」も全く問題ない。また、武装は全てリモートコントロールが可能。その上、インテンション・オートマチック・システムのおかげでパイロットが敵機からの「殺気」を感じ取るだけである程度はオートで照準を合わせてくれる。デッドウェイト化を避けるべく、弾切れになった武装は即座に分離可能。
両腕部と背部にはシールドを装着している。一方で機動性は低下している為、94式ベースジャバーの大型ブースターを追加してそれを補っている。なお、背部の追加武装と大型ブースターは急遽造り上げた追加フレームに装着されている。
シールド以外の増加装甲等は装着されていないので、正確には「フルウェポン」と言った方が正しいのだが、タクヤが提示した設計案を「フルアーマー」と呼んだ事からこのように呼称されるようになった。
また、この頃になるとバナージ・リンクスがニュータイプへと覚醒した事もあってかサイコフレームの色が赤から緑へと変化している。
登場作品と操縦者
- 機動戦士ガンダムUC
- パイロットはバナージ・リンクス。
袖付きのテニスン艦隊のMSを多数撃墜し、アンジェロ・ザウパーのローゼン・ズールも撃退する戦果を挙げている。
装備・機能
特殊機能
- NT-Dシステム
- 本機に搭載されているOSで、「エヌティーディー」と呼称する。名称は「ニュータイプ・ドライブ」の略称とされているが、実は「ニュータイプ・デストロイヤー」の略称で、ニュータイプを抹殺するために開発されたシステムである。発動させる条件は敵機、あるいは本機のパイロットがニュータイプか強化人間である事。発動するとデストロイモードに変形し、機体性能を飛躍的に向上させたり、サイコミュ・ジャック(後述)が可能となる。しかし、パイロットや機体にも負担が大きく、5分間が限度とされる。システム起動時の負担を軽減するためにシートが変形するようになっており、パイロットスーツも専用の物を用意して薬理的にGを軽減する機能を付加している。
- ラプラス・プログラム
- 本機のみが搭載しているシステムで、「ラプラスの箱」の在処を示す「鍵」である。また、パイロットの生体認証も兼ねており、バナージ以外の人間に本機を動かす事は出来ない。さらに本機のパイロットがニュータイプかどうかを判別する機能もあり、強化人間が乗り込んだ場合はNT-Dが発動しないようになっている。
- インテンション・オートマチック・システム
- デストロイモード時に発動する、サイコフレームにパイロットの脳波を直接反映するシステム。要は「考えるだけで機体を動かせる」というもの。自分以外にも敵の脳波を傍受できる。
その反面、乗っているパイロットをシステムに取り込んで「制御」してしまう危険性も孕んでいる。 - フル・サイコフレーム
- その名の通り、全身のムーバブルフレームをサイコフレームで構成したもの。本機に従来機とは比べ物にならない程の高い追従性を持たせている。
- Iフィールド
- 対ビームバリア。シールドから発生させる。ユニコーン、デストロイ両形態で使用可能。
- 変形
- ユニコーンモードからデストロイモードへ変形する。その様子から「変身」とよく言われる。
- サイコミュ・ジャック
- ファンネルのコントロールを奪う等、敵のサイコミュシステムを自分の制御下に置く事を可能とする機能。デストロイモード時にのみ行える。
ちなみに変身する際に角が割れるのは、送信能力を高める事でこの機能をより効果的に使う為。 - 分離
- 使い終えた武装から順次パージが可能。
武装・必殺攻撃
- 60mmバルカン砲
- 頭部に2門内蔵。主に牽制などに使用されるが、パイロットの技量次第では相手に致命傷を与える事も可能とされる。
- ビームマグナム
- 本機の主兵装。1発で通常のビームライフル4発分の威力があり、掠っただけで敵機を撃破できる。その分、1発撃つだけで通常のエネルギーパック1つ分のエネルギーを消費してしまうため、「マグナム・カートリッジ」と呼ばれる5つを連結した特別製のエネルギーパックからエネルギーを供給するようになっている(発射するごとにエネルギーパックは1つずつ排莢される)。また、威力がありすぎて使い所が限定されてしまうという欠点もある。
本来、不使用時は背部や腕部に装着可能だが、本機では他の武装が装着されている為に不可能である。予備カートリッジはリアスカートに2つまで装着できる。 - ビームサーベル
- 背部に2本、両腕部に1本ずつの計4本を装備。
- ビームトンファー
- 両腕部にマウントされたビームサーベルを外さずにそのまま使用した状態。ユニコーンモード時は使用不可。
- ハイパーバズーカ
- 背部に2挺装着された実弾兵器で、ユニコーン用の武装として仕様変更された物。弾頭は通常弾ではなく散弾を標準搭載している。砲身にはオプション装備を装着する事も可能な為、本機では背部の追加武装を装着するマウントフレームの役割も兼ねている。
ビームマグナム同様、予備カートリッジはリアスカートに2つまで装着できる。 - ビームガトリングガン
- 本来はクシャトリヤ用に開発された武装で、アナハイムと同じ規格品を使っている為、本機でも使用可能。ヤクト・ドーガのメガ・ガトリングガンをベースに改良が加えられており、U.C.0096時の標準的な携行式ビーム兵器と同等の威力のビーム弾を高速で連射するようになっている。手に持って使う以外に、両腕に最大4挺まで装着可能。
本機では更に背部に2挺を装着しており、総計で6挺を装備している。 - ハンド・グレネード
- ジェガンD型の左腰に3基1セットで装備されている接近戦用の武装。信管は使用する際に時限式とセンサー式を選択できる。
本機では脚部に4セット、ハイパーバズーカに4セットの計8セットを装着している。 - 3連装ミサイル・ポッド
- スタークジェガンの武装で、ハイパーバズーカに1基ずつ、計2基を装備。ユニットにはセンサーが内蔵されており、命中率が高い。
- アンダーバレル・グレネードランチャー
- ジェスタのビームライフルに装着される実弾兵器。本機ではハイパーバズーカに1基ずつ、計2基を装着している。
- シールド
- 両腕部と背部に計3枚を装備。実体式の防御兵装で、これにもサイコフレームが使われている。デストロイモード時には中央部がスライドしてサイコフレームをX字状に展開し、Iフィールドジェネレーターが現れる仕組みとなっており、通常時より防御力が向上する。
ローゼン・ズールとの戦闘の際、スラスターが一つも付いていないにも関わらず機体の周囲を移動して敵からの攻撃を防ぐという想定外の運用が確認されている。 - ハイパービームジャベリン
- 槍型の接近戦用ビーム兵器で、ビームの発生装置にはサイコフレームが使われている。また、シールドやビームマグナム等に装着可能。
先端部から槍と斧のようなビーム刃を展開可能で、長い柄は折り畳む事が出来る。また、槍型のビーム発生装置は外せる仕組みである。
1/100MGが発売された際に追加されたオリジナル武器で、「機動戦士ガンダム」放映中に発売された「ガンダムDX合体セット」に付属していた槍をモチーフとしている。