アクタイオン・プロジェクト

アクタイオン・プロジェクト(Actaeon Project)編集

第1次連合・プラント大戦後、ファントムペインこと地球連合軍第81独立機動群の要請により、アクタイオン・インダストリー社をリーダーカンパニーとする企業グループが実施したGAT-Xシリーズの強化改造計画。

前大戦末期、地球連合軍へのニュートロンジャマーキャンセラー流出を受けたファントムペインは、それを搭載した核動力MSの開発を企図したが、ユニウス条約の締結によりNJC関連技術の軍事利用が禁止されると、その方針を転換し、通常動力MSの採用に動いた。この際、主力MSとしてダガー系MSのマイナーチェンジを配備すると共に、エース用ワンオフカスタム機の開発を決定する。結果、着手されたのがアクタイオン・プロジェクトであり、第1期GAT-Xシリーズの再生産によるデータ収集やその改修が行われた。

初期の計画において開発ベースとなったのはストライクなどをはじめとする、ヘリオポリスで開発された5機のG兵器(第1期GAT-Xシリーズ)である。完全新規設計ではなく既存機の改造が選択された要因は、一からMSを開発可能な企業や組織の不足があると考えられ、原型機にGAT-Xシリーズが選ばれたのは、当時の連合軍における最強級のMSシリーズであり、実働データの膨大な蓄積があった事などが関係している[1]

一般に、第1期GAT-Xシリーズの改造をもってプロジェクトは終息に向かったものの、後に同様のコンセプトでの開発計画も進められ、ヴァレリオ・ヴァレリ(ダブルブイ)によりカラミティなど第2期GAT-Xシリーズを原型機とする改造機や、プロトアストレイのコピー及びカスタマイズが行われている[2]

ロールアウトした機体の多くは発注元であるファントムペインで運用されており、当初の想定通りエース専用機として用いられ、特に支援作戦や秘密任務への投入例が目立つ。一方、ダブルブイ開発機やアストレイ再生産機は運用に個人の思惑が大きく絡んでおり、事実上搭乗者や開発者によって私物化されている。

登場作品編集

機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER
初出作品。この計画で開発された、ストライクノワールブルデュエルヴェルデバスターが登場する。
機動戦士ガンダムSEED C.E.73 Δ ASTRAY
上記の3機に加えて、ネロブリッツロッソイージスが登場する。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY R
アクタイオン・インダストリー社の技術主任であるヴァレリオ・ヴァレリが登場する。また、ブラウカラミティロートフォビドゥンゲルプレイダーガンダムアストレイ ターンレッドが登場する。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY B
ガンダムアストレイノワールが登場する。

開発されたモビルスーツ編集

初期GAT-Xシリーズ編集

ブルデュエル
デュエルガンダムの再設計機。アサルトシュラウドを参考に開発されたフォルテストラを標準装備し、近接戦闘に特化している。
ヴェルデバスター
バスターガンダムの再設計機。より砲撃戦に特化した改修が施されているが、バヨネットにより近接戦闘にも対応可能となっている。
ストライクE
ストライクガンダムの再設計機。全体的な性能が高められている。一部のストライカーパックも改良されている。
ストライクノワール
ストライクEに「I.W.S.P.」を改良した「ノワールストライカー」を装備した形態。
ネロブリッツ
ブリッツガンダムの再設計機。この計画の目的とは異なるが、条約に反して核エンジンが搭載されている。
ロッソイージス
イージスガンダムの再設計機。可変機構が強化され、四脚歩行形態など多種多様な形態へ変形が可能になった。

第2期GAT-Xシリーズ編集

ブラウカラミティ
カラミティガンダムの再設計機。この機体の開発に予算が食い潰され、フォビドゥンガンダムレイダーガンダムの再設計機が製造できなくなってしまった。
ロートフォビドゥン
フォビドゥンヴォーテクスをベースに改修した機体。改修に際し、水中用から汎用機に戻されている。
ゲルプレイダー
レイダー制式仕様をベースに改修した機体。武装はレイダーを参考としている。

その他編集

ガンダムアストレイノワール
ガンダムアストレイの再生機。ストライクノワールの「ノワールストライカー」を装備している。
ガンダムアストレイ ターンレッド
再生機の予備パーツで建造された機体。「タクティカルアームズII」を2基装備している。

リンク編集

脚注編集

  1. ただし、G兵器の強奪によるザフト製MSの高性能化も著しく、相対的な性能低下は明らかであり、ストライクですらザクウォーリアやグフイグナイテッドには太刀打ち出来ていない。
  2. ただし、第2期GAT-Xシリーズの改造計画は低予算であったようで、最初の機体がロールアウトした時点で予算の半分以上を使用。3機がロールアウトするまでに想定の2.6倍の資金が必要となった。