沙慈・クロスロード
沙慈・クロスロード(Saji Crossroad)編集
- 登場作品:機動戦士ガンダム00、劇場版 機動戦士ガンダム00
- 声優:入野自由
- 種族・性別:人間・男
- 年齢:17歳(1stシーズン)→22歳(2ndシーズン)→24歳(劇場版)
- 身長:168cm→178cm
- 体重:50kg→60kg
- 血液型:A型
- 髪色:ブラウン
- 所属:民間人(1stシーズン)→ソレスタルビーイング(2ndシーズン)→民間人(劇場版)
- 役職・称号など:高校生→宇宙技師(1stシーズン)、パイロット(2ndシーズン)、軌道エレベーター作業員(劇場版)
- 主な搭乗機:オーライザー
- キャラクターデザイン:高河ゆん
- 本編の主人公の一人である。物語開始時点ではごくごく普通の一般人であったが、ソレスタルビーイングによる世界への介入を間近で見、また多くの別離を経て徐々に世界と向き合い、成長していった。
- 1stシーズンでは経済特区・日本の東京で宇宙工学を学ぶ高校生で、スペインからの留学生・ルイス・ハレヴィはガールフレンド。一時は刹那・F・セイエイと隣人であった。ルイスが帰国中にトリニティのテロ行為により家族・親族を亡くしたとき、彼女を見舞いに行くが、既に絶望している様子を沙慈は黙ってみているしかなかった。更にジャーナリストとしてソレスタルビーイングの真相を探っていた姉・絹江・クロスロードも殺されてしまい、自身も鬱状態に陥るが、その後、回復して夢であった宇宙開発の技師としての仕事に携わることとなった。
- 2ndシーズンでは当初、宇宙技師として働いていたが、職場の先輩がカタロンの構成員だったためアロウズに強制連行される。高重力区画での強制労働の最中にアロウズの襲撃を受けたが、刹那に命を救われ、再び出会うことになった。そして彼は、刹那の言う「世界の歪み」を知らされる。当初はソレスタルビーイングの行動を間違いと思っていたが、自らの軽率な行為が引き金となり多くの人々が死亡する事件が起きる。その罪滅ぼしのためCBと行動と共にすることになった。
やがてルイスがアロウズにいる事を知ってからは、彼女に戦いを止めさせアロウズから取り戻すために努力する。そして遂には未来のために刹那と共に戦う決意を固める。最終決戦では一度はルイスを失いかけたが、トランザムバーストの効果で一命を取りとめた彼女と和解を果たした。 - 劇場版ではより大人っぽい風貌になり、ルイスの看護をしながら働く様子が描かれている。宇宙技師として復帰することは出来たようだ。但し、CBに(成り行きで仕方なくとはいえ)関わった経緯があるので、一応連邦軍にマークされてもいる。ELS襲来の際には民間ボランティアに志願し、宇宙技術者としての作業に従事した。
- 父親は「報道屋で知らぬ者はいない」と言われた敏腕記者であったが、取材相手に濡れ衣を着せられ投獄され亡くなっている。そのことから姉・絹江はジャーナリストを志したのだが、彼女はそれが将来的には危険を伴うことを知っていたため沙慈には別の職についてほしいと願っていたようだ。
登場作品と役柄編集
- 機動戦士ガンダム00
- 1stでは民間人の立場である意味視聴者の視点だったが、2ndでは戦いに巻き込まれ、大きく成長する。
- 劇場版 機動戦士ガンダム00
- 既に戦いからは離れているが、過去にCBと関わっていたため連邦による緩やかな監視を受けている。民間人として自分にできることを見定め、人類の危機に決然と立ち向かう。
人間関係編集
- 絹江・クロスロード
- 姉。1期の後半でソレスタルビーイングの真相に近づきすぎた為、サーシェスに口封じとして殺害されてしまう。
- ルイス・ハレヴィ
- ガールフレンド。宇宙で働くことを共に夢見ている。1st前半では天真爛漫な彼女に振り回されている様子が描かれている。ちなみに二人の出会いはルイスのほうからアプローチした模様。しかしルイスと彼女の家族の事故以降は彼女と距離を置くことに。2ndでは敵同士になって戦場で再会してしまう。彼女は沙慈を当初からのCBのメンバーと誤解し、幾度となく戦場で交錯するものの復讐に駆られる彼女とはわかりあえなかった。終盤彼女が倒れた際に刹那とダブルオーの作りだすトランザムバーストによりルイスは一命を取り留め、思いを通じ合うことができた。エピローグ・劇場版では治療を続ける彼女を支える姿が描かれている
- 刹那・F・セイエイ
- 1期ではアパートのお隣さん。それなりに近所付合いもしていたらしく、本編では断られているがたまに作った料理をおすそ分けしていた、らしい。2期ではアロウズの強制収容施設襲撃に際し刹那に間一髪助けられる。その際お互いのことを思い出す。それ以降はルイスとの関係を壊したCBに刹那が所属しているなどの事情から罵声を浴びせ泣き言をいうことも有ったが、刹那の「ルイスを取り戻すために戦え」という言葉から彼自身の戦いをする決心をする。劇場版ではELSの襲撃を受けた沙慈とルイスを、危機を察知した刹那が救った。
- ティエリア・アーデ
- 2期では沙慈に厳しい言葉をぶつける。1st序盤だったら「万死に値する」とかいって射殺したかもしれない。しかし一方で、視野の狭い彼に自分自身を投影し、厳しいながらも手を差し伸べた。
- 王留美
- 1st第5話にて人革連の高軌道ステーションですれ違っている。つい見とれてしまい、ルイスに注意された。
- イアン・ヴァスティ
- 彼から戦う理由を聞く。ある意味職場・人生の先輩格に。危なっかしい沙慈を見守った。
- マリー・パーファシー
- CBクルーではなく非戦闘員として生活をしていた彼女は、民間人の沙慈にとっては親近感が沸いたのかもしれない。CBと行動を共にする悩みを打ち明けるなど、相談相手になってもらったりしていたようだ。優しいマリーは沙慈にとっても話しやすかったに違いない。実際は超兵一号、ソーマ・ピーリスでもあるのだが。
- セルゲイ・スミルノフ
- 彼に出会ったことが不幸中の幸い、のはずだったが。
- アリー・アル・サーシェス
- 姉を殺した張本人。尤も、沙慈自身は彼が姉の仇であるどころかその存在すらも最後まで気付く事はなかった。
名台詞編集
1stシーズン編集
- 「やられちゃえよ、ガンダム…!」
- 第22話「トランザム」より。真っ暗な部屋の中でTVに映るガンダムスローネを観ながら呟く。それまで両親を失っていながらも普通の年齢相応の少年として生きてきた彼にとって、CBによって姉と恋人を一気に失った彼の心情は察するに余りある。それでも自分の意思を貫き通し、4年後にはちゃんと目指していた宇宙技師として働いていたのは立派。
- 「あの色…そう、あの光は…ガンダム…!」
- エピローグより。宇宙で働いていた彼は仕事中に地球を眺める。しかし彼は光り輝く何かを目撃する。同僚も気づいたようでGN粒子であることはわかっていたようだが、沙慈はその正体を知っていた。その光は連邦軍に普及したGNドライヴの放つ赤い輝きではなく、オリジナル太陽炉が放つ青白い光―ガンダムの輝きであった。
2ndシーズン編集
- 「分かってるのか!?君たちがやったことで、多くの人が死んだんだ!君たちがそうしたんだ!」
「君たちのせいで僕の好きだった人は傷ついて…家族や親せきを殺されて…僕の、唯一の肉親だった姉さんもソレスタルビーイングにかかわったばかりに殺されてしまった。ルイスも…姉さんも…いなくなったんだ!なんとか言えよ!言えよ!」
「返せ…返してくれ…二人を!返してくれよぉぉぉッ!!」 - 第1話で再会した刹那がソレスタルビーイングのメンバーである事を知ってしまい、彼に銃を向けてしまうが、結局は撃てなかった。
- 「世界は平和だったのに…当たり前の日々が続くはずだったのに…!そんな僕の平和を壊したのは君達だ!」
- 「…そうじゃない…っでも、誰だって不幸になりたくないさ…!」
- 平和な人生を壊されたと詰る沙慈に刹那が「自分が幸せならそれでいいのか?」と返したことに対して。
- 世界を変えることは紛争のなかの誰かを救い、一方で平和のなかの誰かの人生を壊している。リジェネの「改革には痛みが伴う。君たちだってそうしてきたじゃないか」の指していることの1つだろう。
- (ソレスタルビーイングもカタロンも戦いを引き起こす奴らじゃないか!そんな所にいられるか!)
- 第5話より、カタロンの基地から1人で抜け出す際の独白。呼び止めてきたカタロンの隊員に、近くの街にいる仲間と連絡を取ると嘘をつき、車で砂漠を抜けようとするが、途中で連邦軍に見つかり手荒な尋問を受けてしまう。幸い、直後にセルゲイによって手厚い対応をしてもらえたため、彼に事情を説明する。しかし、尋問を担当していた兵士が独断でアロウズに報告した事が切欠で、状況は悪化の一途を辿ることとなる。
- 「僕が…僕が話したせいで……そんな…そんな……嘘だぁぁぁぁぁっ!!」
- 同上。戦争に関わりたくないばかりに軽率な行動を取った結果、アロウズによる大量虐殺を引き起こした事に対して。今まで一貫して“被害者”だった沙慈が、“加害者”になってしまった瞬間である。この後、第6話ではこの事に関し、ティエリアに第1話の台詞を踏まえたような熱い説教をもらう事になる。
- 「僕のせいで多くの人が命を落とした。その償いはしなきゃいけない」
「でも戦うことなんて…人を殺すことなんて…!僕にはとても…」 - マリー「できないのが当たり前です」
- 「でも!…なにかしないと。自分に出来ることを、なにか…」
- 自分の罪を見つめ藻掻く沙慈は同じ非戦闘員のマリーに思いの丈をこぼす。
- 刹那「逢いに行こう。ルイス・ハレヴィに」
- 「ああ…ああ!」
- 一度は刹那の『戦え』と言う台詞に激昂し、その手を払った沙慈だったが、彼の真意を聞き、「逢いに行こう」と手を差し出す刹那の手を取る。
- 「やめろぉぉっ!もうやめてくれ!何も変わらない…仇を討っても、誰も生き返ったりしない。悲しみが増えるだけだ。こんなことしてたら、皆どんどんおかしくなって、どこへも行けなくなる…前にすら進めずに…」
- 第19話にて、ソーマ・ピーリスがセルゲイの仇を討とうとした場面より。ルイスがのちに降りかかる悲劇を暗示するかのような台詞とも言える。
- 「何も言わなくていいさ…解ってる」
- 第24話にて、自分の犯した罪の重さを自覚し、震えるルイスの身体を抱きしめながら沙慈は彼女の過去も、罪すらも受け入れる。戦争で幾度となく引き離された二人は、ついに解り合い、抱きしめ合うことができたのだった。
- ルイス「ねぇ、この暖かな光は、なに…?心が、溶けていきそうな…」
- 「刹那だよ…」
- ルイス「刹、那…?」
- 「そうだよ。彼の心の光…未来を照らす光だ……」
- トランザムバーストによって周囲を照らすGN粒子の光を、沙慈は『刹那の心の光』と称する。皆が『不可思議な現象』と言う中、沙慈だけはその現象を起こしたのが刹那であると確信していた。
劇場版編集
- 「美化しすぎだよ」
- 映画「ソレスタルビーイング」を観終わった後の友人との会話で言った台詞。視聴者の代弁とも言える台詞である。
- 「僕、出てなかったな…」
- 映画に自分に当たる人物がいなかったことに対する感想。小説版では、自分の立場からして出ていない方がいいのだが、全く出ていないのもそれはそれで…という、彼の複雑な心境が描かれている。
- 「この世界を…そして、君を守りたいから」
- ELSの襲来に備え、軌道エレベーター防衛のための技術者を募集している旨のTVを見ながら、ルイスに。物語序盤のふんわりした雰囲気からうって変わって凛々しい戦う顔になっていた。これもまた「守るための闘い」なのだろう。
その他編集
- 「守るんだ…!皆を、仲間を!」
- ゲーム『ガンダムVS.ガンダム NEXT PLUS』より、GNマイクロミサイル発射時の台詞のバリエーションの1つ。原作では2発しか撃たなかったが、こちらでは砲門数分撃っている。
搭乗機体・関連機体編集
余談編集
1stシーズンでルイスの母親がスペインに帰国した際にルイスを慰めるために呼んだ相手が学友でもなく、ルイスとは1回しか会った事がない隣人の刹那だけだった事や、沙慈が携帯電話のメールリストを見ている場面でメールの送信者として名前があったのは絹江とルイスだけであった事から、友達がいない疑惑があった(単なる演出か原画の省略は不明)。
劇場版では冒頭で友人と映画「ソレスタルビーイング」を観に行っていた描写があるため、ちゃんと友達はいる様子。TVシリーズが終わった後に出来た可能性もあるが。