ユウ・カジマ

ユウ・カジマ
外国語表記 You Kajima
登場作品
声優
  • 山寺宏一(ガンダム戦記 (PS2版)
  • 諏訪部順一(MS戦線0079以降の作品)
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    プロフィール
    種族 人間
    性別
    年齢 23歳(一年戦争時)⇒ 37歳(第二次ネオ・ジオン抗争)
    髪色
    職業 戦闘機乗り ⇒ MSパイロット
    所属組織 地球連邦軍
    所属部隊 第11独立機械化混成部隊(通称モルモット隊)
    階級 少尉~少佐(一年戦争時)⇒ 大佐(第二次ネオ・ジオン抗争)
    主な搭乗機 ジム・コマンド
    ブルーディスティニー1号機
    ブルーディスティニー3号機
    ジェガン
    その他
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    概要編集

    地球連邦軍MSパイロット。MSの戦闘データを集めるために設立された第11独立機械化混成部隊、通称「モルモット隊」のメンバーの一人。ゲーム開始時の階級は少尉。開戦当初よりMSパイロットとしての訓練を受けていた連邦軍内では稀有な存在。元々は戦闘機パイロットだったが、哨戒任務中に身をもってMSの脅威を感じ、自らも(当時は連邦軍内で冷遇されていた)MSパイロットへの転向を希望したとされている。

    その実力は同僚のフィリップ・ヒューズサマナ・フュリス曰く「ただのエースじゃなくトップクラス」。シミュレーションとはいえアムロ・レイの乗ったガンダムを(EXAMの発動込みではあるものの)撃墜したことがある[1]。極めて優秀なパイロット。実戦での撃墜数も後述するように連邦軍でも5本の指に入るほどのパイロットであったが、EXAM計画を巡る一連の騒動に巻き込まれたため、その件に関する記録が抹消されてしまい、エースとして名前が広まることはなかった。

    実際ガンダム外伝本編中のMS撃墜数は104機。超短期間でこの数字(作中のジムでの撃墜数は37機。シミュレーターを含めると105機)。更に少数、単独任務の遂行を何度もこなしての戦果を考えると彼の腕前の尋常ではない点が伺える(階級の昇級スピードも他の類をみない異常な速さである)。

    登場作品と役柄編集

    機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY
    初出作品。同作の主人公であるが、あくまでプレイヤーの分身としての立場であるため、ゲーム中は一切台詞が無く、設定画にもある容姿も映らない。連邦軍の一兵士として戦っていく内にEXAMを巡る戦いに巻き込まれていき、やがてブルーディスティニーのパイロットとしてEXAMに終止符を打つべく死闘に身を投じていく。
    ユウの結末についてはゲーム中のランクで変化する。顛末は以下の通り。
    Aエンド
    第二次ネオ・ジオン抗争の後に軍を退役。最終階級は大佐。
    Bエンド
    グリプス戦争において負傷し、そのまま軍を退役。最終階級は少佐。
    Cエンド
    その後どうなったのか公式の記録には何も残されていない。
    Dエンド
    その後どうなったのか公式の記録には何も残されていないが、フィリップ・ヒューズ少佐によると、戦争終結後彼らしき人間を地球で目撃したといわれている。
    Eエンド
    公式の記録によるとユウはコロニーでの事件で死亡。
    機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY (高山瑞穂版コミック)
    漫画化に伴い、リーダーらしい風格を持つ人物として描かれた。後の他の媒体と比べても特に台詞量が多いのが特徴である。
    覇王ゲームスペシャル「機動戦士ガンダム外伝 テクニカルガイドブック」
    千葉智宏氏がストーリー、高山瑞穂氏がイラストを手掛けたイラストストーリーが掲載。1巻の「蒼き死神の系譜」では戦闘機時代~「戦慄のブルー」ステージ2、3巻の「蒼き騎士と眠り姫」では「裁かれし者」ステージ4~5でのユウの動向が描かれており、ブルー1号機に襲撃された際に瞬時に的確な判断をするなど、リーダーらしい冷静さを持った人物として描かれている。
    機動戦士ガンダム外伝 資料設定集
    上記の攻略本の設定に加え、ガンダムにシミュレーター上で勝利した事などの追加設定が設けられている。
    機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY (小説版)
    本作では、冷静沈着かつ寡黙な人物像の設定、キャラクター設定の追加・掘り下げなどが行われており、以降のゲームや漫画などの各媒体における人物像のベースとなった。一年戦争以後の来歴は原作ゲームのAエンドに基づいており、小説冒頭にアクシズを押し返す姿が描かれた。また本作では、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』において、「弾き飛ばされたギラ・ドーガの手を掴もうとするジェガン」のパイロットが彼であったような設定となっている。
    SDガンダム GGENERATIONシリーズ / 機動戦士ガンダム ギレンの野望シリーズ
    『THE BLUE DESTINY』が参戦した当初の作品において一切無言なキャラクターとして描かれた事で、以降、長きに渡って無口キャラが定着した。
    GUNDAM LEGACY
    episode 02 (単行本record 02)にてアクシズ落下阻止のため、部下と共にアクシズに取り付く様子が描かれた。
    機動戦士ガンダム MS戦線0079
    エースパイロットモードで登場。上記の高山版コミックと同様、他の媒体と比べて饒舌と言えるくらいによく喋っている。
    機動戦士ガンダム サイドストーリーズ / 機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク (原作ゲーム)
    『THE BLUE DESTINY』のリメイク版に登場する他、『ミッシングリンク』第16話「蒼き死神は白だった」にも登場(『裁かれし者』ステージ1~2に相当)。トラヴィスの目の前でEXAMを起動した事が、ペイルライダーの正体解明への糸口となった。
    機動戦士ガンダム外伝 ザ・ブルー・ディスティニー
    ガンダムブレイカー バトローグ
    第4話ラストから陸戦型ガンダム (市街地戦仕様)を操縦するAIとして登場。仮面の男ことマハラ・ケンタロウの刺客として他のAIと共に登場し、リュウセイ達を苦戦させたものの、彼らのコンビネーションの前に一度は敗れ去った。その後、マハラの暴走でリュウセイ達がピンチに陥った際にはカドマツによってデータを書き換えられ、リュウセイ側へと加勢。ゼハートフォウのAIに続いてガンダムバルバタウロスに攻撃を仕掛けた。

    人間関係編集

    第11独立機械化混成部隊 (モルモット隊) / 地球連邦軍編集

    フィリップ・ヒューズ
    同僚。腕のいいユウを全面的に信頼していたようだ。小説版ではモーリンをめぐりちょっとした恋のライバルに。
    サマナ・フュリス
    同僚。連邦内では平均以上のパイロットだが、ユウやフィリップに比べると腕が劣る分か階級が低い分かユウの部下的な扱いのことも。
    モーリン・キタムラ
    隊のオペレータ。エースパイロットとしてのユウに好意を寄せている。
    パク
    原作未登場。漫画版では上司、小説版では補充要員として配属される。
    エミリー・バウアー・マイスター
    漫画『THE BLUE DESTINY』で登場。ユウの戦闘機パイロット時代の元同僚。
    ロゴージン
    小説版で登場する無能な上司。
    アルフ・カムラ
    ブルーディスティニー1号機及び3号機の専属メカニック。ブルーのことしか頭にないが、高い適性を見せたユウのパイロットセンスには感心している。
    クレア・キルマー
    『ザ・ブルー』で登場。ユウが最初に暴走状態の1号機と遭遇した際にテストパイロットを務めていた女性。命は取り留めたものの身体に後遺症が残り、以後はシミュレーション上のテストのみに徹していた。その後、2号機、3号機の性能テストのためにオーガスタにやって来たユウと邂逅。テスト後にユウのもとを訪ねて自分が感じたマリオンの事を託している。
    クルスト・モーゼス
    小説版でモルモット隊がEXAM研究所を訪れた際、ユウにEXAM搭載機を蒼く塗装した理由とその目的を明かしている。
    フランク
    戦闘機乗り時代の相棒。攻略本「機動戦士ガンダム外伝I 戦慄のブルー テクニカルガイドブック」掲載の「蒼き死神の系譜」シーン1にて登場。開戦前の宇宙世紀0078年12月27日にユウと共にミノフスキー粒子が大量散布された廃棄コロニーの調査に向かうも、そこに潜伏していた敵MSに遭遇。撃墜され戦死した。ユウも撃墜され宇宙空間に放り出されたものの辛うじて生存している。
    大尉
    上記の攻略本に同じく登場。開戦1週間前に軍病院で目を覚ましたユウに対し、モビルスーツパイロットへの転向を提案しており、ユウが実験部隊への配属が決定した際にも彼を送り出している。
    アイザック / ベン
    上記の攻略本に名前のみ登場。「戦慄のブルー」ステージ2冒頭でブルー1号機に撃墜されたジム2機のパイロットに該当する。

    スレイヴ・レイス 編集

    トラヴィス・カークランド
    『サイドストーリーズ』で2号機の追撃中に出会った、ユウ達と同様”モルモット隊”の連邦軍パイロット。『ザ・ブルー』ではEXAMの発動を促そうとユウの3号機と相対する。

    ジオン公国軍編集

    ニムバス・シュターゼン
    宿敵。EXAMシステムを巡る一連の事件で、ユウ達モルモット隊と何度も交戦することになる。
    マリオン・ウェルチ
    EXAMシステムに密接に関係しているニュータイプ。小説版ではユウとニュータイプ的な精神接触を行う。

    その他のガンダムシリーズ編集

    マスター・ピース・レイヤー
    機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』の主人公。『ギレンの野望 ジオンの系譜』で共演した際にユウのことを同郷人と言っている。これを額面通りに受け取るならユウはオーストラリア出身である事が分かる。
    ……が、共にセガハードのゲーム初出である事を差している可能性もある。

    名台詞編集

    機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY編集

    「ニムバス、その傲慢さを償え」
    小説版の最終決戦時にて。自身を「選ばれたジオンの騎士」「マリオンを超えた」と豪語するニムバスに発した一言。

    その他編集

    「………………クッ!」
    初代Gジェネにおける被撃墜台詞。なんと、同作においてユウが喋るのはこの時だけである。

    搭乗機体・関連機体編集

    ジム・コマンド
    原作ゲームでの初期機体。媒体によっては後から配備されることがある。
    ジム / 陸戦型ジム
    媒体によってはこれらの機体が初期機体として設定されていることがある。
    新型ジム
    『THE BLUE DESTINY (高山瑞穂版コミック)』でジムに続いて搭乗。対ドムを想定した機体で、外見はジム寒冷地仕様ジムD型)に酷似している。
    ジム・ドミナンス
    『ザ・ブルー』で陸戦型ジムから乗り換える形で搭乗。
    ブルーディスティニー1号機
    任務中に交戦した事が切欠となり「蒼き運命」は始まりを迎える。その後、上記の機体から乗り換える形で搭乗することとなる。
    ブルーディスティニー1号機【ステルス】
    『ザ・ブルー』で絵画「フューチャー・ワールド」の奪取任務時に搭乗。
    ブルーディスティニー1号機【フルアームド】
    『ザ・ブルー』でキャリフォルニアベース攻略時に搭乗。
    ブルーディスティニー3号機 / ブルーディスティニー3号機 (ザ・ブルー版)
    1号機損失後、2号機追撃時に搭乗した機体。2号機との対決の末、EXAMとの因縁に終止符を打った。
    セイバーフィッシュ (ギレンの野望シリーズなど) / トリアーエズ (小説『THE BLUE DESTINY』)
    戦闘機パイロット時代に搭乗したとされる機体。どの機種かが原作の時点で設定されていないため、媒体によって搭乗機が異なる。
    ジェガン
    第二次ネオ・ジオン抗争時の搭乗機。この機体でアクシズ・ショックに立ち会う事となった。
    ジェガン (ユウ・カジマ専用機)
    GUNDAM SIDE-F限定ガンプラとして設定・商品化されたカラーバリエーション機。胴体がかつて搭乗したブルーディスティニーに因んだ蒼色に塗られている。
    ジム・コマンド宇宙戦仕様
    ア・バオア・クー攻略戦に参戦した際に搭乗したとされる機体の1つ。ゲーム『ギレンの野望』シリーズ内のムービーには胸部の赤い部分が蒼く塗装された機体が映っている[2]
    陸戦型ガンダム (市街地戦仕様)
    『GBバトローグ』にてユウのAIが搭乗。

    余談編集

    • 今でこそ冷静沈着なキャラクターとして描かれているユウではあるが、原作ゲームの設定画では好青年と言えるくらいに明るいルックスをしている。媒体によってキャラクターデザインにバラつきが多いのも特徴である。
    • 名前の由来は「You=あなた(プレイヤー自身)」。原作中では全く言葉を発しないのもプレイヤーが感情移入しやすいようにするためだといわれている。その後他のゲーム作品などに登場する際はこの無口を拡大解釈し、「極端に無口」という特徴付けがされているものが多かったが、近年ではちゃんと声優により喋るようになった作品も存在する。ガンダムの主人公キャラとしては2番目に声優がつくまでの時間がかかったキャラクターではないだろうか(最も長いのは、おそらくSFC用ソフトゲーム『機動戦士ガンダム CROSS DIMENSION 0079 死にゆく者たちへの祈り』の主人公ボルグ・クライ。カードビルダーで声が当てられた)。ただ、極端に無口なユウというキャラクターが好きなファンがいるのも事実である。

    商品情報編集

    リンク編集

    脚注編集

    1. ホワイトベースがジャブローに到着した時点での戦闘データを基にしたシミュレーション。元のデータがあまりにも強すぎる事からシミュレーター用に若干性能が落とされているものの、ユウが撃墜するまで誰もこのプログラムに勝つ事はできなかった。そのため、大半が「何分持つか」というギャンブルの対象となり、中にはガンタンクで挑んで0.005秒で撃墜された者もいたとされる。
    2. 胴体以外がほとんど見切れているため、全身の細かな配色は不明