オーブ連合首長国(United Emirates of Orb)
機動戦士ガンダムSEED及び機動戦士ガンダムSEED DESTINYに登場する架空の国家。
南太平洋ソロモン諸島に存在し、複数の島々からなる国家で、C.E.70年2月8日に代表首長 ウズミ・ナラ・アスハが行った中立宣言により、中立国家となった。 「他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない」を国是とし、きわめて高い技術水準と、法による統治でナチュラルでもコーディネイターでも国籍を取得できる数少ない国とされているが、完全にナチュラルとコーディネイターとの間のトラブルがない訳ではなく、自身がコーディネイターである事を隠している潜在コーディネイターも存在している。
機動戦士ガンダムSEEDでは、地球連合軍の協力要請(要請の内容は断らせて攻撃の理由を作る為の実質的な降伏勧告に近い物だった)を拒否した故に侵攻に遭い、ウズミ・ナラ・アスハ自身、主要施設と共に自爆した。その前にオーブに身を寄せていたアークエンジェルとクサナギを宇宙に上げ、その後はエターナルと合流して第二次ヤキンドゥーエ攻防戦においてはクサナギを母艦としたオーブ軍がアークエンジェル、エターナルと共に戦争終結へと導いた。
機動戦士ガンダムSEED DESTINYでは主権を回復。国外へと脱出していた技術者などが帰国し、2年でモルゲンレーテ社をはじめとする兵器工場などを再建。再び技術国家として国際的な立場を回復していた。
カガリ・ユラ・アスハが代表首長に就任したが実質的にはセイラン家が主導権を握っており、ブレイク・ザ・ワールド後は地球連合との同盟条約を締結。ザフト軍との交戦開始後、オペレーション・フューリーによるセイラン家崩壊まで地球連合軍へ協力する形となる。
カガリ・ユラ・アスハが国家元首として復帰後は、これまでどおり独立独歩の路線を改めて確認。ギルバート・デュランダルによるデスティニー・プラン宣言を拒否し、クライン派とともにギルバート・デュランダル打倒に成功する。 その後はラクス・クラインの仲介もあり、プラントとの停戦合意を得て停戦協議に入っている。
機動戦士ガンダムSEED、機動戦士ガンダムSEED DESTINYではプラントと地球連合軍の間で決断を迫られる立場にある。
戦争に中立という表向きの立場だが、実は地球連合軍の依頼で秘密裏にGAT-Xシリーズ(ガンダム)の開発と技術の供与を行っていた。よく言えばしたたかな、悪く言えば蝙蝠外交である。これは小さな群島国家であるオーブの自衛手段であり、技術国家であるオーブにとっては、自分たちに目が向かず、かつ兵器需要が望めるという経済的・政治的なメリットから、地球とプラントの両者がこう着状態になっていることがもっとも望ましいからである(実際にはGAT-Xシリーズの開発を敢行したのはウズミに否定的だったサハク家である。同時に彼等は連合の技術を盗用してASTRAYシリーズを独自開発していた)。
これはひとえにオーブ議会をまとめるウズミ・ナラ・アスハの政治的手腕と、半国営企業モルゲンレーテ社の高い技術によるものだが、カガリはこうした二枚舌をひどく嫌い、真偽を確かめるために単身ヘリオポリスへと赴いた。
地球とプラントの対立がこう着から全面戦争となったことで、地球連合からの外圧によってこうした目論見は崩れてしまう。結果、2度のオーブの危機では2度とも戦闘を行うことになり、大きな被害を被ってしまった。世界の情勢が政治、経済をも飲み込んで、国のあり方を左右するという大変興味深い描かれ方をしている国家である。
政治体制
国家元首及び国政の最高責任者は代表首長で、アスハ家を始めとするオーブ五大氏族の族長からのみ選ばれる。また、オーブ軍の統帥権は代表首長が持っている。
主な施設など
登場作品
- 機動戦士ガンダムSEED
- 機動戦士ガンダムSEED DESTINY
- アスハ家以外の五大氏族はサハク家しか残っていない為、セイラン家、トキノ家、マシマ家、キオウ家が新たな五大氏族となった(この時のサハク家族長のロンド・ミナ・サハクは五大氏族になる気はなかったようだ)。