MSN-06S シナンジュ・スタイン(Sinanju Stein)
- 登場作品:UC-MSV、機動戦士ガンダムUC MSV 楔、機動戦士ガンダムNT
- デザイナー:カトキハジメ
- 分類:サイコフレーム実装型試作モビルスーツ
- 装甲材質:ガンダリウム合金
- 全高:22.6m
- 本体重量:23.1t
- 全備重量:54.2t
- 主動力:熱核融合炉
- ジェネレーター出力:3,240kW
- スラスター総推力:128,600kg
- センサー有効半径:23,600m
- 開発組織:アナハイム・エレクトロニクス社
- 所属:地球連邦軍→ネオ・ジオン軍
- 主なパイロット:フル・フロンタル、ワークラッハ・バナム、ゾルタン・アッカネン
概要
アナハイム・エレクトロニクス社が開発した試作型モビルスーツ。「UC計画」の旗機であるユニコーンガンダム開発の一環で造られた機体の一機である。開発コードは「スタイン01」。
本機はサイコフレームの強度や追従性の検証を目的としており、ムーバブルフレームの一部にそれが組み込まれている。また、パイロットの操縦をサポートするインテンション・オートマチック・システムも搭載された。
背部と脚部にはスラスターユニットが設けられ、脚部の物はフレキシブルに可動させる事ができる。また、背部には2本のプロペラントタンクも装着可能。
各部の形状は地球連邦軍の機体のように直線的であり、特に白いカラーリングと顔のデザイン等から「ガンダム」を想起させる外見となっている。なお、本機用の頭部ブレードアンテナも開発中だったのだが、最終的に本機に装備されることはなかった。
本機は機械上でのテストに主眼が置かれ、一般のパイロットでは計測できない限界数値の取得を目的としていた。それ故に本機は「極めて端的」と言える機体と化しており、ファンネルを始めとしたサイコミュシステムによる誘導兵器は用意されず、最低限の武装しか装備していない。その為、人の搭乗を前提とする兵器としてはバランスがかなり悪いとされる。だが実は人を超えた能力を有するある人物の為の機体として生み出されたという側面も持っていた。
本来の名称は「シナンジュ」だが、フル・フロンタル専用機として改装された赤いシナンジュと区別する為にこの名称で呼ばれるようになった。
なお「スタイン」は「原石」を意味し、本機が開発者達から「明灰色の装甲はあくまでも後に彩られる機体の無垢であり、つまりこの機体はシナンジュの原石(スタイン)でしかない」と揶揄されていた事が由来となっている。
ちなみに袖付きのとある技術者の証言によると、Episode 2でアルベルト・ビストが持っていたシナンジュのデータは袖付きによって強奪・改装された後の機体を連邦軍の情報部が予想・再現したものであり、本機は勿論だが赤いシナンジュとも異なるものとなっている。
登場作品と操縦者
- 機動戦士ガンダムUC(ゲーム版)
- パイロットはフル・フロンタル。
U.C.0094時に本機の輸送任務に就いたクラップ級「ウンカイ」に搭載されるが、途中で袖付きの襲撃を受けて強奪されている。
だが、実はこの襲撃は連邦軍と袖付き、そしてアナハイムによる「出来レース」であり、初めから強奪された振りをして引き渡される予定であった。そこにカルロス・クレイグがプロト・スタークジェガンで現れて真相を告発した事により状況は混乱。その収拾の為、ウンカイとその僚艦である同級「ラー・デルス」を撃沈し、艦載機も撃破した。 - 機動戦士ガンダムUC MSV 楔
- パイロットはワークラッハ・バナムで、通常の状態では機体をデッキから出す事も出来ない為、操作系の反応レベルを大幅に落とした状態で運用された。
改装前の最終稼働確認と新たに用意された専用武装の適合試験を行ったが、その際にインテンション・オートマチック・システムが誤作動を起こしてしまい、同行していたミノッコのギラ・ズールを撃破するという事故を起こしている。
このテストの後、赤い外装のシナンジュへと改装された。 - 機動戦士ガンダムNT
- パイロットはゾルタン・アッカネン。2機目の機体に搭乗する。
装備・機能
特殊機能
- サイコフレーム
- ムーバブルフレームの一部に採用されている構造材。サイコミュと同程度の性能を持つサイコチップが金属粒子レベルのサイズで封入されていて、サイコミュシステムの小型化や機体の追従性の向上等といった恩恵を得る事ができる。
本機ではサザビーと比較して採用されている部位が増加しており、その影響でスマートなシルエットになっているとされる。 - インテンション・オートマチック・システム
- サイコフレームにパイロットの脳波を直接反映するシステム。要は「考えるだけで機体を動かせる」というものであり、敵の脳波も傍受できる。
その反面、乗っているパイロットをシステムに取り込んで「制御」してしまう危険性も孕んでいて、過剰な戦闘・破壊行為をパイロットに強制させる事もあるとされる。
武装・必殺攻撃
- 60mmバルカン砲
- 頭部に2門内蔵されている。
- ハイ・ビーム・ライフル
- 本機の主兵装。νガンダムHWS装備型のハイパー・メガ・ライフルと同じ形状をしている。
- ビーム・サーベル
- 前腕部に1本ずつ、計2本格納されている。マニピュレーターに保持して使用する以外に、ユニコーンガンダムのビーム・トンファーのように前腕部にマウントしたまま使用する事も可能。
奪取された際のビーム刃の色はピンク色だったが、『NT』に登場する改良された2号機の物は黄色となっている。 - シールド
- 防御用の実体盾。νガンダムのそれと似た形状をしており、特に裏面が酷似している。
- ビーム・キャノン
- シールドの裏面に1門装備。
- ミサイル
- シールドの裏面に4発装備。
- ビーム・ライフル
- 袖付きが本機の新たな主兵装とすべく専用開発した武装。特殊な機能等は特に存在しないが一般的な物よりも出力が高く、強襲揚陸艦のカタパルトデッキを一撃で撃ち抜ける程の威力が発揮できる。
銃身が長く、その下側には別の武装を装着可能。上部にはサイトセンサーが追加でき、遠距離からの正確な射撃も行えるようになる。
新武装の適合テスト時に装備された。 - シールド(シナンジュ用)
- 防御用の実体盾で、袖付きがスタイン用シールドを解体・再構成して独自に造り上げた。形状はネオ・ジオン軍の紋章をモチーフとしている。裏面には武装を装着可能であり、防御だけでなく攻撃での使用も考慮されている。また先端部が鋭利な形状となっている為、これ自体を打突武装として使用する事もできるようになっている。
新武装の適合テスト時に装備された。 - バズーカ
- 長砲身の実弾兵器。装弾数は5発で、ロケット弾を発射する事から「ロケット・バズーカ」とも呼ばれる。
砲身には伸縮機構が存在していて、縮めた状態でビーム・ライフルやシールドにマウントでき、攻撃も可能となっている。ただし、その場合は初速が落ちてしまう。
新武装の適合テスト時に装備された。
『NT』に登場する本機も装備している。 - ビーム・アックス
- 斧状の格闘戦用ビーム兵器で、2本装備している。サザビーのビーム・アックスと同じく出力を上げればビーム刃を大型化させられ、ビーム・ソードアックスとして使用できる。不使用時はシールドの裏側にあるマウントアームに上向きで装着されるが、その状態でも下に向けてビーム刃を形成すれば攻撃可能。また、連結すればビーム・ナギナタとなり、高速回転させる事でビーム・シールドのような役割を果たすことも出来る。
新武装の適合テスト時に装備された。 - ハイ・ビーム・ライフル(NT版)
- シナンジュ用のライフルを改良したライフル。ジャケットパーツが取り付けられているため大型化している。銃身下部にはバズーカやグレネード・ランチャーを装着することができる。
- シールド(NT版)
- 本来のシナンジュ・スタインが装備していたシールドを改良した物。シナンジュ用のシールドに形状が近くなっており、先端部が鋭利な形状になっている。裏面にはグレネード・ランチャーが装備可能。
対決・名場面
関連機体
- シナンジュ
- シナンジュ・スタインがフル・フロンタル用に改装された姿。
- ユニコーンガンダム、バンシィ
- シナンジュ・スタインから得られたデータを使って造られている。
- νガンダム
- シナンジュ・スタインはこの機体とユニコーンガンダムの間を繋ぐMSであるとされる。
- νガンダムHWS装備型
- 武装に類似点が見られる。
商品情報