ストライクノワール

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ストライクノワール
外国語表記 Strike Noir
登場作品
デザイン 大河原邦男
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スペック
分類 試作型モビルスーツ
生産形態 少数生産機 / 換装形態
型式番号 GAT-X105E+AQM/E-X09S
全高 17.72m
本体重量 90.51t
主動力 バッテリー
装甲材質 ヴァリアブルフェイズシフト装甲
素体 ストライクE
開発組織 アクタイオン・インダストリー社
所属組織 地球連合軍
所属部隊 ファントムペイン (ホアキン隊)
主なパイロット スウェン・カル・バヤン
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概要

ストライクEにノワールストライカーを装備した形態。ノワール(黒)の名は、ヴァリアブルフェイズシフト装甲とパワーエクステンダーの採用により、装甲表面が黒くカラーリングされた事に由来する。

ノワールの開発を要求したファントムペインは、表面上は地球連合軍の指揮系統内にあるものの、その本質は純然たるロゴスの私兵部隊であり、軍規や戦争法などのモラルには全く制約される事なく、戦史の表舞台で語られる事のない諜殺・破壊・非戦闘員攻撃などの汚れ仕事を遂行する影の軍隊であった。そのため、アクタイオン・インダストリー社にノワールストライカーの開発を指示する際にも、同社の大株主であるロゴス幹部を通じて裏ルートから発注が成されるという特別の配慮が払われている。

ノワールストライカーはストライクI.W.S.P.ので数度の実戦を行い、その結果専任パイロットであるスウェン・カル・バヤンの操縦によって得られたデータから開発が行われたストライカーパックである。その基本思想は、単独であらゆる戦況に対応する事を目的としたI.W.S.P.の発展型であるが、兵器としての万能性を備えたまま、その特性を近接戦闘に振り向け特化させた点において、ノワールストライカーは極めてユニークな性格を獲得する事になる。[1]

パワーパックの高容量化技術の進展により装甲のフェイズシフト化がノワールストライカーにまで拡張適用されているが、フェイズシフト装甲自体の生産性は依然低いままであったため、完全な形で完成したノワールストライカーの数量は二桁に満たないと推測されており、運用にもI.W.S.P.同様パイロットに高い練度が求められるため、通常の部隊に本装備が供給された記録はない。

なお、特殊化とのトレードオフで失われた汎用性は、ブルデュエルヴェルデバスターを組み合わせた小隊編成を取る事で補完するものとした。その結果は極めて良好で、部隊の要求を十分に満たすものであったが、いわゆる「汚れ仕事」を専門とする非正規部隊の性質上、ファントムペインの作戦内容はその殆どが公式には存在しないものとされている。

登場作品と操縦者

機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER
初登場作品。パイロットはスウェン・カル・バヤン第2次連合・プラント大戦勃発の折、ザフト軍のモビルスーツの多くを撃墜しているが、D.S.S.D.トロヤステーション襲撃時にスターゲイザーと交戦して地球と金星の間の宙域に飛ばされて大破。その後、スターゲイザーに残ったエネルギーを渡して機体は放棄された。
機動戦士ガンダムSEED C.E.73 Δ ASTRAY
スウェンが搭乗。マーシャンデルタアストレイと2度交戦。最初は引き分けに終わり、2度目はノワールストライカーを破壊される。しかし、スローターダガーのI.W.S.Pを奪って換装する事で勝利している。
ガンダムEXA
レオス・アロイ及びピーニャ・ハーシーが搭乗。

装備・機能

特殊機能

ヴァリアブルフェイズシフト装甲
フェイズシフト装甲の改良型。装甲への電力供給が容易に調整可能であり、装備するストライカーパックにより機体色が大きく変化するようになった。
ストライカーパックシステム
各種ストライカーパックに換装可能。

武装・必殺攻撃

ストライクE本体側 

M2M5 トーデスシュレッケン12.5mm自動近接防御火器
頭部に左右一対2門内蔵されている近接防御火器。ダガーLウィンダムに装備されている物と同型。
弾薬の変更による発射サイクルの向上に対応するため給弾経路がイーゲルシュテルンから変更され、給弾速度を上げている。
M8F-SB1 ビームライフルショーティー
近接戦闘に特化したストライクEの運用思想にあわせ、ビームライフルを短縮化したモデル。機動性と瞬発力を求められる近接戦闘では、フルサイズのビームライフルは必ずしも最良の火器ではなく、敵機との至近距離での格闘戦においても邪魔にならないよう、数度に渡るテストを経て開発された。
完成した銃は実質的にはMSスケールのハンドガンと言える程コンパクトになり、その取り回しは極めて良好であったが、ビームの収束・誘導制御に大きな役割を果たす銃身長を切り詰めたため、有効射程はフルサイズの物と比較して15%低下している。
EQS1358 アンカーランチャー
両掌、両爪先、踵裏に1基ずつ計6基内蔵されているアンカーランチャー。接近戦において高い威力を発揮する装備であり、対象物にアンカーを貫入、またはワイヤーを絡ませて破壊、牽引するなど多彩な運用が可能。
アンカーはリールに巻き取られたワイヤーに接続されており、高分子ポリマー溶液のタンクに包まれた状態で機体内部に格納されている。このワイヤーは極めて強靭な単分子繊維を芯線とし、その周囲をポリマーが被覆する二重構造であり、アンカーが射出されるとワイヤーはポリマー溶液の層を突き抜け外部に繰り出され、ランチャー射出と共にポリマー溶液が瞬時に硬化する。このポリマー溶液はワイヤーと重合する際に分子組成を調整されるため、被覆層の厚みや硬度、柔軟度などの設定を自由に変更する事が可能。1G環境下で総重量100t前後の敵MSを捉え、振り回しても切断されない程の高強度を誇る。
175mmグレネードランチャー装備57mm高エネルギービームライフル
デュエルの専用装備として開発されたビームライフル。地球連合軍の指向性エネルギー兵器としては最も古い世代のモデルだが、ザフト軍による強奪後、度重なる激戦をくぐり抜けた実績は連合・ザフト双方から高い評価を獲得している。
特にビームと実体弾のグレネードを共用出来る点は、戦闘経験の豊富なパイロットに強く支持されており、試作兵器でありながら量産モデルに匹敵する異例の生産数を記録しており、本機も任務によっては2挺装備することがある。

ノワールストライカー側 

EQS1358T アンカーランチャー
ストライカー中央部に1基内蔵されているアンカーランチャー。ストライクE本体に装備されている物と同型。
MAU-M3E4 2連装リニアガン
ノワールストライカーに搭載された二連装リニアガン。型式番号が示す通り、エグザス等に搭載された連合のベストセラーリニアガンユニット「MAU-M3」の発展型である。
M3シリーズは高い信頼性と抜群のコストパフォーマンスを誇る傑作火砲と評価が高いが、M3E4は高速連射性能と省電力化にポイントを置いたセッティングが施された近接戦闘特化モデルとなっており、長距離砲撃能力よりも近距離での破壊力と弾体の高初速化が施されている。
MR-Q10 フラガラッハ3ビームブレイド
ノワールストライカーに搭載された大型対艦刀。名称の「フラガラッハ」は「ケルト神話」に登場する剣の名を由来としている。
ビームエッジを搭載しており、PS装甲化された敵に対しても打撃を与える事が出来る。基本的な構造がファントムペインがザフトから強奪したガイアのMR-Q17X グリフォン2に類似しているため、その設計を参考にしたものと考えられている。

対決・名場面

ケルベロスバクゥハウンド
ブルデュエルを撃破したケルベロスバクゥハウンドの部隊に対し、ストライクノワールはフラガラッハ3とアンカーランチャーで応戦。接近してくる敵機の進路上にフラガラッハ3を突き立てて自滅させ、さらに敵機の頭部にアンカーを打ち込んで振り回し、敵機同士をぶつける事で撃破した。
スターゲイザー
トロヤステーションを強襲した時に激戦を繰り広げた敵。最終的に2機とも金星の方面まで吹き飛ばされるが、スウェンはパイロットのセレーネと共にスターゲイザーで生還した。

関連機体

ストライクE
素体。
ストライクガンダムI.W.S.P. (再製造機)
前身機。本機の開発にこの機体の運用データが活用された。
ガンダムアストレイノワール
「アクタイオン・プロジェクト」に急遽組み込まれた機体で、本機と同様にノワールストライカーを装備している。
ガンダムラヴファントム
ガンダムビルドダイバーズ』に登場するガンプラ。ノワールストライカーを元に改造した「ラヴストライカー」を装備する。

余談

  • 本機は当初「GAT-X105E ストライクノワール」という独立した機体で、ノワールストライカーも本機専用にカスタマイズされた専用パックという設定であった。さらに機体色も元々黒で、ストライカーパックに合わせたものではないとされていた。しかし後に機動戦士ガンダムSEED ASTRAYシリーズに本機のバリエーション機を登場させることになった際、ノワールストライカーを装備していない状態を「ストライクE」という名称に変更し、通常時のカラーリングもトリコロールカラーに変更され、本機は「ストライクEにノワールストライカーを装備させた機体」という設定に変更されている。

商品情報

ガンプラ

フィギュア 

リンク

脚注

  1. 飛行能力、長距離砲撃能力、近接格闘能力など、ノワールストライカーでは全ての性能においてザフトの主力モビルスーツを圧倒する事が求められており、開発当初、技術陣はジンのスペックを40%向上させた仮想モデルを仮想的に想定していたが、この想定が全く無意味である事が明らかになり、設計方針から撤回されたという経緯がある。