プラント

2023年1月6日 (金) 17:31時点におけるTomo (トーク | 投稿記録)による版

プラント(P.L.A.N.T.)

機動戦士ガンダムSEED』シリーズに登場するスペースコロニー郡。及びそれによって成り立つ国家。プラントとは「Productive Location Ally on Nexus Technology(=総合的テクノロジーによる生産的配列集合体)」の略称。第1次連合・プラント大戦後は「Peoples Liberation Acting Nation of Technology(=科学技術に立脚した民族解放国家)」へと改称された。

居住人口は一部を除きプラント1基につき50万人。プラント1基を1区と数え、10基で1市を形成する。行政運営と国防は唯一政党であるザフトが担っており、地方行政は各区で独自に行われている。各市間の折衝を行う「プラント60人議会」が存在し、行政支援AIによる中央官庁も併存。最高意思決定機関として議長を頂点とした12人の議員から成るプラント最高評議会を有し、60人議会の5人のうち1人を主任議員として市の代表とし、最高評議会に参加する形を採る。

コロニーとしてのプラント 

スペースコロニーとしてのプラントは、コーディネイターが中心となって作り上げた砂時計型の新世代コロニーの総称であり、支点となるセンターハブを軸に回転する事で擬似重力を生み出し、砂時計の底面に直径10キロ相当の居住区を有する。

居住区はその7割を水源となる湖で占めており、気候は亜熱帯に設定されている。充分な居住地帯を確保するにはサイズそのものを巨大化させる必要があり、その景観は地球上からも肉眼で視認可能。外壁には太陽粒子・宇宙放射線遮断フィールド発生システムを有し、側面は多層超弾性偏光&自己修復ガラスで覆われている。

エネルギー生産は太陽光発電で賄っており、コロニー中央のくびれ部分から伸びるシャフト先端の1次ミラーで太陽光を受け、支点側の2次ミラーへ反射させて電力を蓄えている。また、センターハブには宇宙港を有し、シャフトに備わったエレベーターを介して居住区と往来する。

プラントの歴史 

その前身となったのはエヴィデンス01の研究を行う為にL5宙域に設立した研究コロニー「Zodiac」。コズミック・イラ31年頃から施設が発展していき、大型化・複雑化したコロニーに代わりジョージ・グレンによってコズミック・イラ38年に現在の形のコロニーが考案・発表された。Zodiacは大西洋連邦ユーラシア連邦東アジア共和国に資金提供を依頼し、三国が理事国を務める「プラント運営会議」の下で同コロニーは「プラント」と命名され、大規模生産基地として発展する。しかし、理事国がプラントに対する優位性を維持する思惑もあって食料の生産は厳重に禁じられ、同時に多大なエネルギー供給ノルマが課せらた。また、地球でのブルーコスモスによる迫害から多くのコーディネイターがプラントへと移住。地球への不満が高まっていった事でコズミック・イラ50年にパトリック・ザラシーゲル・クラインらが中心となった政治結社「黄道同盟」が組織され、プラントの自治権獲得と貿易自由権を求める運動が行われていくようになる。

その後もブルーコスモスによるテロ活動やプラントが主権国家となる事を認めないプラント理事国を含む地球各国による軍事的な威嚇などを受けて盛んになった独立運動は、やがてモビルスーツの軍事転用に発展。同時に、黄道同盟もその活動を活発化させ、「ザフト」へと名称を変更。プラント評議会もザフトの議員が多数を占めるようになり、自治獲得・貿易自主権の獲得を表明し、極秘裏の取引によって南アメリカ合衆国・大洋州連合に食料生産と工業品輸出の取り決めを得た。

一方、プラント理事国はプラントの自治権の完全放棄を要求し、反対の姿勢を見せた事で食糧輸送船を撃沈。この事件を契機に、プラントは独自の食料生産を決意しユニウス市の7~10区を穀物生産プラントに改装。それを由としない理事国は軍事的な威嚇行動を行い、コズミック・イラ69年にプラントとの軍事衝突が発生。プラント側は戦闘用MSジンを実戦投入し、プラント理事国の部隊を圧倒した。

その後、地球・プラント間で度重なる話し合いが行われるが、両者の溝は深まり、最後のチャンスとして月面都市コペルニクスで会談が行われるが、同会談は爆破テロによっ事務総長を含む国連首脳陣が死亡し、国連が崩壊(コペルニクスの悲劇)。会談に参加予定だったシーゲルがシャトルの故障により到着が遅れ、難を逃れていた状況から大西洋連邦は同事件をプラントによるテロと断定。地球連合を設立し、70年2月11日にプラントに対して宣戦布告した。

コズミック・イラ70年2月14日、連合によるユニウスセブンに対する核攻撃が行われた事で、プラント議会は2月18日に独立宣言と徹底抗戦を表明。これを切っ掛けとして第1次連合・プラント大戦は激化の一途を辿った。その後、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦の終結と共に開かれたナイロビ講和会議によってスカンジナビア王国がプラントを了承した事で制式に国家として承認された。

各プラント 

アプリリウス
プラントの首都として最高評議会が置かれている。天文学、宇宙物理学、宇宙論、宇宙惑星学、宇宙生命学を管轄し、エヴィデンス01も同市に保管・展示されている。
ユニウス
基礎農林水産学、応用農水工学、社会工学を管轄。同市のプラントの内、農業用プラントとして改修されたユニウスセブン血のバレンタインによって大破。この事件を切っ掛けとしてプラントと連合による全面戦争が本格化する事になった。
マイウス
応用機械工学、基礎治金学、応用治金学、応用素材工学、ロボット工学などを管轄する。国策軍事企業であるマイウス・ミリタリー・インダストリーを有し、MSの各種武装なども同社で開発されている。
ヤヌアリウス
基礎微細工学、応用微細工学を管轄する市。コズミック・イラ74年にダイダロス基地からのレクイエムの砲撃によってヤヌアリウスワンとヤヌアリウスフォーを破壊された。
ディセンベル
教育施設が充実し、航宙指導設備や管制設備を有する。それらが軍事転用可能であった事からザフトの本部が置かれた。コズミック・イラ74年のレクイエムの砲撃で崩壊したヤヌアリウスフォーの残骸が衝突した事でディセンベルセブンとエイトが崩壊している。
クィンティリス
基礎化学、応用化学を管轄。
セクスティリス
基礎物理学、理論物理学、素粒子物理学、高次元物理学、数学を管轄。
セプテンベル
電子工学、情報工学、人工知能工学、統合情報学を管轄。
オクトーベル
人文科学全般を管轄。
ノウェンベル
多目的実用生産工学を管轄。
フェブラリウス
基礎医学、臨床医学、生化学、分子生物学、応用生体工学を管轄。
マティウス
航空宇宙工学、造船工学を管轄。マティアス・アーセナリー社の所在地で、ザフトの艦船に使用される装甲版やMS用重斬刀が開発された。
アーモリーワン
第一次大戦の後に新設されたプラント。他のプラントと異なりL4に所在する。

登場作品

機動戦士ガンダムSEED
機動戦士ガンダムSEED DESTINY

人物

パトリック・ザラ
シーゲル・クライン
アイリーン・カナーバ
ギルバート・デュランダル

関連用語

スペースコロニー
ザフト軍
プラント最高評議会
クライン派

リンク